ローコード開発コラム
ローコード開発の導入を検討している方の多くは、メリットとデメリットを比較し、メリットの方が大きければ導入しようと考えるのではないでしょうか。
ローコード開発のメリットは、主に次の6点です。
このページでは、ローコード開発のメリットやデメリットをご紹介いたします。
ローコード開発とは、視覚的な操作でアプリケーションを迅速に開発する方法です。
あらかじめ用意された機能単位(コンポーネント)を組み合わせることで開発を行い、最小限の必要なソースコードのみを記述します。
ローコード開発について詳しくは、下記のページをご覧ください。
ローコード開発とは
近年の日本企業においてローコード開発が急速に注目を集めている背景には、大きく分けて「IT人材不足の深刻化」と「市場の変化やビジネスモデルの多様化」という2つの要因が存在します。
第一に、経済産業省の発表資料にもあるように、IT人材の需要拡大に対して供給が追いついておらず、各企業の情シス部門は深刻なリソース不足に直面しています。
従来のスクラッチ開発のみを頼り続ければ、納期遅延やコスト高騰のリスクにつながります。
第二に、市場の変化やビジネスモデルの多様化に対応するため、企業には圧倒的な「スピード感」が求められていることです。
ビジネス現場からのシステム化要求に対して、情シス部門が迅速に応えられる体制を整える必要があり、開発期間を大幅に短縮できるローコード開発が強力な解決策として選ばれているのです。
ローコード開発には、大きく次の6つのメリットがあります。
ローコード開発では、あらかじめ用意された機能単位を組み合わせてアプリケーションの大部分を開発できるため、開発期間を大幅に短縮することができます。プログラミングで1から開発を行う場合は、最低でも数ヵ月以上の期間がかかりますが、ローコード開発では、簡単なアプリケーションなら数分から数時間程度でリリースできることもあります。
また、ローコード開発を行う場合、ユーザー自身が開発に携わることも可能なため、通常の開発で必要な「要件定義」のプロセスにおいて、プログラミングに関する内容の要件定義や設計期間を短縮出来ることもあります。
さらに、ほとんどプログラミングを必要としないこともあるため、バグが起きにくく、その修正にかかる時間も短縮することができます。
短縮できた時間は、リリース後のユーザーの反応に合わせた改修に時間を使うことができます。その結果、顧客満足度や従業員満足度の向上も期待できます。
システム開発の費用は、基本的に工数に比例します。ローコード開発を活用すれば、上記のように開発期間を短縮できるため、開発費用を削減できます。利用開始後の改修も社内で行えるため、改修にかかるコストも抑えられます。
また、通常のプログラミングによる開発では、スキルを持った技術者が必要ですが、その人件費も節約できます。
システムローコード開発では、あらかじめ用意された機能単位を組み合わせることで、開発のほとんどを済ませることができるため、プログラミング初心者でも開発が行えます。このため、技術的スキルが低い現場のユーザー自身がシステム開発に参加することで、現場のニーズに即した機能を実現できます。
利用開始後も、ユーザーの反応に合わせてより良く改修したり、業務フローの変更に合わせて改修するといったことを現場のユーザーの手でスピーディーに行えます。
このように、システム開発を内製化することで、ビジネス環境の変化に合わせた柔軟な開発が行え、ブラックボックス化も防ぐことができます。
通常の開発のように、1からプログラミングで開発するのとは異なり、ローコード開発では、あらかじめ用意された機能単位を組み合わせて開発を行います。機能単位は、ローコード開発プラットフォームの開発者があらかじめテストを行って問題がないことが確認されているため、この部分にバグなどのミスがある可能性は低いといえます。つまり、ローコード開発を活用することで、コードの記述ミスによるトラブルを減らすことができます。
ローコード開発には、開発期間を短縮できるというメリットもあるため、生産性向上にもつながります。
現在、ローコード開発プラットフォームの多くはクラウドで提供されています。プラットフォームの提供者は、日々サービスをより良いものにしようと新たな技術をプラットフォームに取り入れています。
ユーザー企業がただサービスを利用しているだけで新機能などの新たな技術が追加され、アプリケーション開発の利便性が向上したり、作成できるアプリケーションの幅が広がったりします。
開発の際は、情報セキュリティについても留意する必要があります。特にWebアプリケーションを開発する場合は、常にインターネットに接続して利用されることから、脆弱性を解消することや、アクセス権限を付与することなど、さまざまなセキュリティ対策が求められます。
ただ、ローコード開発を利用する場合は、すでにプラットフォーム側でセキュリティ対策が講じられています。このため、自社でプログラミングを行った部分にのみ、セキュリティ対策を講じれば良いので負担が軽くて済みます。
ローコード開発には、デメリットも存在します。
ローコード開発では、構築の大部分を、あらかじめ用意された機能単位(コンポーネント)を組み合わせることで行えるため、プログラミングの工程を大幅に短縮できます。
コンポーネント外の拡張を行わなければ、プログラミングの専門知識をもたない現場の担当者の手でシステム開発を担うことも不可能ではありません。
ただ、運用開始後のデータの利活用を考えた時、アプリケーションの構築時に正しくデータベース設計を行っておく必要があります。そして、データベース設計にはデータモデリングなどの専門知識が求められます。
また、プログラミングで構築する部分については当然ながら、プログラミングの専門知識が必要です。
ノーコード開発に比べて柔軟性が上がる分、専門知識を持って対応しなければならない部分も大きく、専門知識なしに構築してしまうと、ローコード開発のメリットを活かせなかったり失敗したりする可能性があります。
構築の大部分を、あらかじめ用意された機能単位(コンポーネント)を組み合わせて行うということは、カスタマイズの自由度は低いということです。このため、独自性の高い複雑な機能を実装するのに、ローコード開発は向いていません。
また、採用するプラットフォームによっては、ビジネスの成長とともにアプリケーションを拡張したい場合に、対応が難しいことがあります。
ローコード開発では、アプリケーションの大部分を、あらかじめ用意された機能単位を組み合わせて構築できるため、プログラミングを書く量を大幅に減らすことができます。
機能拡張を行わなければ、ほとんどプログラミングを行わずに作成できます。
ローコード開発やノーコード開発でなく、スクラッチ開発で構築する場合、ライブラリを使用するケースはあるでしょうが、ほとんどすべての機能の中身を把握・制御することが可能です。
一方、ローコードプラットフォームでは、背後で自動的に多くの処理を行います。このため、開発者がコードベースを完全に理解したり、細かい部分を制御したりすることは難しいことが多いです。
その結果、バグの特定やパフォーマンスの最適化が困難なケースも出てきます。
ローコード開発で構築したアプリケーションの情報セキュリティ対策は、プラットフォームが提供する情報セキュリティに準じます。このため、開発者側でセキュリティ面での細かい制御は難しいケースがほとんどです。
もし、プラットフォーム側にセキュリティの脆弱性が見つかった場合、対応は提供企業に委ねられます。たとえば、対応スピードが想定よりも遅かったりなど、問題が生じる可能性もあります。
これを避けるには、ローコード開発プラットフォームの選定時に情報セキュリティ対策面をチェックすることが大切です。
スクラッチ開発と違い、特定のローコード開発プラットフォーム上で構築することで、運用時にプラットフォーム側のアップデートや価格変更、サービス終了といった変化に大きく影響されます。
こうしたリスクをはらむほか、移行が困難でベンダーロックインに陥る恐れもあります。
このほか、ローコード開発を活用する上で注意したい点については、下記ページもご覧ください。
ローコード開発の社内導入における注意すべき点
ローコード開発には、開発の難易度の低さから開発期間の短縮や開発に必要な人材に高いスキルを求めずに済むといったメリットがあります。ここから、開発コストの削減というメリットにもつながります。
また、ローコード開発プラットフォームのアップデートなどにより、開発品質の向上や、新たな技術の利用、セキュリティ対策の負担軽減といったメリットも享受できます。
現場の非技術者の手で、ユーザーのニーズにマッチしたアプリケーションを開発したいという企業にとって、ローコード開発は力強い味方になってくれるでしょう。
ローコード開発プラットフォームを全社展開し、十分な成果を上げるためには、
導入時に以下の3つのポイントを押さえておくことが重要です。
まずは「どのような業務課題を解決するためにローコード開発を導入するのか」という開発目的を明確にしましょう。
自社に必要な機能や対象範囲を見極めずに「手軽に作れるから」と安易に導入してしまうと、ツールの強みを活かしきれず途中で頓挫するリスクが生じます。
自動化したい業務プロセスや効率化の目標(KPI)を事前に整理しておくことが、成功への第一歩となります。
自社が求めるシステム規模、機能の拡張性、既存システムとの連携能力(API連携など)、セキュリティ要件、そしてライセンス体系や運用費用に合致したプラットフォームを選定しましょう。
どこまでのカスタマイズが可能なのかを事前に検証し、長期的な利用を見据えて自社の開発スキルや体制にフィットするツールを選ぶことが重要です。
ローコード開発プラットフォームは、誰でも容易にアプリケーションを作成できる反面、各現場で無秩序にアプリが作成されてしまう恐れもあります。
アプリが乱立した結果、情報システム部が把握できなくなり、アプリやシステムの変更ができなくなったり、アプリ同士で連携が取りにくくなってしまったりします。
その結果、ブラックボックス化やデータのサイロ化が起こりやすくなります。
これを防ぐためには、開発権限の付与基準やガバナンス方針、安全に運用するためのセキュリティルールをあらかじめ策定し、情シス主導でログ監視や管理体制を整えておく必要があります。