導入事例
東日本電信電話株式会社 埼玉事業部様
日本最大手の電気通信事業者である東日本電信電話株式会社では、安心・安全な通信の提供に加え、ICTによりさまざまな業界や地域の課題解決に努めており、埼玉事業部は、その中にあって関信越5県域(埼玉県、栃木県、群馬県、長野県、新潟県)の業務を所掌している。2018年7月、埼玉事業部では設備系業務における組織横断的な課題を解決する組織として、設備BPR推進室を発足、本社とも連携しながら様々なDX活動を積極的に行っている。
埼玉事業部で掲げるICTを活用した経営効率化の一環として、設備BPR推進室では回線開通業務にRPAをいち早く導入し、業務の標準化・自動化を開始したが、RPAの増加とともにオペレーションコストも増加するという新たな課題に直面していた。そこで、RPAを一元的に運用する埼玉ロボットオペレーションセンタ(以下、「SROC」)を構築、「intra-mart」をSROCにおけるBPM基盤として導入し、無人環境でもRPAを一元的に運用・維持管理できる仕組みを整備した。RPAの一括制御と遠隔監視、業務プロセスの自動化が可能になり、年間約12万時間の運用コスト削減に成功した。
課題
埼玉事業部の経営効率化に向けたICT活用が課題となっている最中、人手による作業が多く関信越各県域で行っていた回線開通業務を埼玉に集約するという新しいプロジェクトが発足したことで、開通業務プロセスの見直しが再検討されることになった。NTT(持株会社)研究所の持つ業務改善メソッドをベースに、業務プロセスの可視化・標準化を行いながら、その一環として自動化が可能な作業については、RPAを積極的に導入し効率化を推進した。
「当該作業を行う組織にRPAを順次導入していきましたが、それぞれの組織に「RPA管理者」が必要だったり、管理者の不在時はRPAを動かせなかったり、エラー発生時のみならず、様々な問い合わせが設備BPR推進室に入るようになったため、効率化という成果をあまり実感することができませんでした。」と佐藤氏は当時を振り返る。
そこで、夜間含めRPA管理者が不在な場合でも、RPAを動かすことができるセキュリティを強化した「SROC」を設備BPR推進室に併設し、RPAの運用を24時間一元的に行うことになった。
導入
SROCは、30台弱の端末とロボットで運用が開始された。RPAの動作も安定しており、KVMスイッチによる画面分割と画像を遠隔から確認するという手段でエラー・完了の管理を行っていても、運用開始当初は不都合がなかった。しかし、SROCで運用するRPAが次第に増加し、埼玉事業部以外のエリアのRPA運用まで任せたいという依頼も来るようになり、早晩この管理方法では限界がくることが見えていた。
そこで、本社において回線開通業務を主管するサービス運営部や社内のR&Dを担う高度化推進部に支援をお願いしたところ、既に社内の別のプロジェクトで導入実績のあった「intra-mart」を活用すれば、RPAの遠隔での一括制御や監視の仕組みが構築できそうだということがわかった。「私たちのRPAはNTTアドバンステクノロジ社の「WinActor」を利用しており、「intra-mart」が「WinActor」とも親和性が高いということも、採用の決め手となりました。」と佐藤氏。
「intra-mart」の採用は決まったものの、設備BPR推進室は小規模な組織であり、SROCにおけるRPAの運用拡大と「intra-mart」の導入という両方のプロジェクトを同時並行で進めるには限界があった。「intra-mart」の豊富なノウハウと技術力を有する日本情報通信社に導入支援を頂くことができたので、何とか目標としていた2月中のスタートに間に合わせることができました。」と佐藤氏は語る。
効果
「intra-mart」の導入によって、SROCはほぼ無人化され、効率的なRPAの一元管理・運用が可能になった。このことにより、これまでの埼玉事業部における5県域分のRPA運用のみならず、東日本全域のRPA運用を担える状態になった。
現時点では東日本全域分の業務を担っているロボットは1種類(端末約30台)だが、「intra-mart」によりエリアごと(例えば関信越5県域や東北6県域など)にグルーピングした一括制御や遠隔監視などができるようになった。
「埼玉事業部のエリアで導入してきたRPAとSROCによる運用一元化、「intra-mart」のBPM(RPA×BPM)により約12万時間の作業が削減されました。」と細坂氏。
未来
今後は、SROCで運用するRPAを拡大し、埼玉事業部だけではなくNTT東日本全体の業務効率化としての展開を視野に入れている。併せて、ロボットオペレーションセンタにおける一元的な運用/監視/維持管理のノウハウを蓄積するとともに、「intra-mart」のBPM機能を用いて各ロボットの実行プロセスをつなぎ、業務プロセス全体の最適化・自動化を図ることで、更なる業務効率化を目指すという。
「intra-mart」の網羅的な活用という意味ではまだ初歩的な段階なため、更なる効率化を実現するためにも、引き続きイントラマート社や日本情報通信社よりコンサルティング・導入支援を継続してお願いしたいと思っています。」と細坂氏は展望を語る。
NTT東日本様では様々な作業のRPA化を進めており、その一環として弊社ではWinActor単体では実現の難しい「各RPA処理で使用するデータの一括管理」や「各RPA処理の実行順制御と進捗管理」といった機能をintra-martで実現するご支援を行っておりました。
今回のSROCプロジェクトではその時の仕組みを活用して実現を図りました。
RPA呼出しに関わる各種処理はLogicDesigner、RPAの実行順制御はIM-BPMの非同期処理、RPA実行画面はFormaDesigner、RPA進捗管理画面はViewCreatorと、全てノンプログラミングで短期かつ柔軟に実現でき、お客様にも喜んでいただけました。
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