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「intra-mart」で持続可能な内製開発基盤を構築
独自の開発ルールで運用保守性と圧倒的な開発スピードを両立 

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TOPICS

  • ・高い運用保守性と内製化を包括支援する開発基盤を採用
  • ・アジャイル型開発スタイルを確立しスピード感ある開発を実現
  • ・経営管理層向けシステムを迅速構築し社内プレゼンスが向上

グループ全体のビジネス変革を牽引すべく、デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させるハウス食品グループ本社株式会社(以下、ハウス食品グループ本社)。同社にとって、外部ベンダーへの依存によるシステムのブラックボックス化や、ユーザー部門のニーズの変化に対する対応スピードの鈍化は長年の課題だった。この状況を打破するために、独自の業務アプリケーションをスピーディーに開発できる基盤として「intra-mart」を導入し、内製開発へと舵を切った。高い運用保守性を担保しつつ、アジャイル型開発スタイルを確立した同社の取り組みの全容とは。

※本記事に掲載されている所属部署・役職は取材当時のものです。

目次

1.課題
外注依存の体制がDXの深刻な阻害要因に
「Fit to Standard」と内製開発の組み合わせで克服を目指す

2.導入
高い運用保守性と内製化を包括支援する提案が採用の決め手に
アジャイル型の開発スタイルでドキュメント管理も簡略化 

3.効果
外部委託では実現できなかったスピード感を現場も評価
経営管理層のシステムを迅速に構築し、社内のプレゼンスが向上

4.未来
現場の認知拡大に取り組みアプリの内製を拡充
生成AIを用いたスクリプト開発で飛躍的な生産性向上へ

課題

外注依存の体制がDXの深刻な阻害要因に
「Fit to Standard」と内製開発の組み合わせで克服を目指す

ハウス食品グループは、主力のカレールウや調味料、スパイスといった加工食品から、レトルト・冷凍食品、菓子、サプリメントまで幅広い商品の製造、販売を手掛ける大手食品メーカーだ。また、近年では「カレーハウスCoCo壱番屋」をはじめ、世界中でレストランの企画・運営を行う外食事業でも存在感が高まっている。

DXにも積極的に取り組んでおり、「現場主導のDXとそれを支える人材育成」を重視している。グループ全体のコーポレート機能を担う持株会社であるハウス食品グループ本社に、組織横断型のIT部門としてデジタル戦略本部を設置。各事業会社や事業部門の自律的な取り組みを網羅的に支援する体制を整えている。

こうした体制を機能させるための具体策として、ハウス食品グループが注力しているのがシステム内製化の拡大だ。従来のシステム開発や運用は、要件定義のみを社内で行い、開発・保守は外部へ委託していたため、業務領域ごとにベンダーやアーキテクチャが異なるシステムが乱立。結果としてシステムがブラックボックス化し、小さな変更であっても多大なコストと時間を要していた。デジタル戦略本部 コーポレートシステム部 アプリケーション開発課長の和田 真治 氏は次のように振り返る。

「DXの本質は単なるIT導入ではなく、ビジネスモデルの変革にある。しかし、ユーザー部門からシステム部門、そしてITベンダーへと要件が引き継がれる伝言ゲームの構造では、自社の業務や価値観を深く理解した上でビジネスニーズの変化への迅速かつ柔軟な対応が阻害されていた」

こうした課題を踏まえ、同社グループは基幹システムの刷新を契機に、パッケージの標準機能に業務を合わせる「Fit to Standard」の方針を掲げた。そして、それに適合しない独自色の強い業務領域については、自社でスピーディーに内製開発していくことを決断。2024年、ハウス食品グループ本社のデジタル戦略本部傘下に「アプリケーション開発課」を新設した。

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デジタル戦略本部
コーポレートシステム部
アプリケーション開発 課長
和田 真治 氏

導入

高い運用保守性と内製化を包括支援する提案が採用の決め手に
アジャイル型の開発スタイルでドキュメント管理も簡略化 

ハウス食品グループ本社は、アプリケーション開発課の発足と並行して、現場の要望に素早く応えつつ持続可能なシステム運用を実現するための開発プラットフォームの選定に着手した。フルスクラッチでの開発からローコード/ノーコード開発プラットフォームの利用まで、さまざまな選択肢をゼロベースで比較検討。最終的にintra-martのプラチナパートナーである株式会社アグレックスが提案したintra-martを選定した。同課 チームマネージャーの今井 祐介 氏は、その理由を次のように語る。

「人事異動が発生する可能性もあるため、運用・保守の持続可能性の確保を最優先要件とした。intra-martは、バージョンアップを含むライフサイクルの観点で長期的な利用に適している点に加え、ローコードからスクリプト、フルスクラッチ開発までスキルレベルに応じた段階的な開発が可能である点を評価した。さらに、ライセンス体系がユーザー課金ではなくCPU課金であるため、費用が変動しにくい点も、全社で数千人規模の利用を想定する弊社にとって大きなメリットに感じた」

国内エンタープライズ層での利用実績や、将来的に利用を検討しているBPM(Business Process Management)機能を備えていることも、intra-martの採用を後押しする要因となった。

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デジタル戦略本部
コーポレートシステム部
アプリケーション開発課
チームマネージャー
今井 祐介 氏

さらに、内製化のノウハウ構築の包括的な支援がアグレックスの提案内容に含まれていた点も、同社が高く評価したポイントだったという。同課の岸岡 圭太 氏は「アグレックス社には、一方的な教育コンテンツの提供ではなく、現場に深く入り込んだ寄り添い型のサポートをしていただいた。実際に合宿形式で集中的にロジック設計の議論などをさせていただき、実践の最中に質問できる環境を作っていただけたのは助かった」と振り返る。

開発環境の構築は2024年5月に開始したが、並行して開発ルールの策定に大きな工数を割いたのが、同社の取り組みの大きな特徴だ。システムエンジニアの経験を持つメンバーを中心に、品質担保と属人化防止を目的とした「開発ガイドライン」を作成した。

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デジタル戦略本部
コーポレートシステム部
アプリケーション開発課
岸岡 圭太 氏 

具体的な内容としては、保守性を高めるために、Webシステムの3層構造(アプリケーション層、ビジネスロジック層、データベース層の分離)を維持する、システム間の共通部品を作成し最大限活用する、他システムとの連携はWeb API経由を基本にするなどのルールを策定。将来の改修や基幹システムとの連携を見据えた土台を構築した。

また、内製ならではの「スピード感」も追求した。今井氏は「保守性は保ちたいものの、重厚長大なウォーターフォール型のスタイルではスピードが出ない。そこで、要件定義書やデータベース設計書など『残すべきドキュメント』は死守しつつ、詳細設計書などはintra-martの設計書出力機能やソースコード内のコメントで代替し、思い切って簡略化を図った」と説明する。

これにより、「まずは必要最小限の機能で動くモックを作成し、フィードバックを得て素早く改善を回す」というアジャイル的な内製開発のスタイルを確立した。開発ルールやガイドラインの内容も、継続的な改善プロセスの下で「走りながら育てていく」方針だ。

効果

外部委託では実現できなかったスピード感を現場も評価
経営管理層のシステムを迅速に構築し、社内のプレゼンスが向上

基本的な開発環境とルールが整った後は、デザインテンプレートやサンプルアプリ、共通モジュールを作成するとともに、まずは既存のExcelマクロの移行などから着手し、開発ノウハウを蓄積した。intra-martを活用したアジャイル型の内製開発の効果は、「圧倒的なスピード」という形で既に現れ始めている。同課の波多野 佑輔 氏は「要件定義の段階から動くモックアップをユーザー部門に提示し、実際に画面を触ってもらってフィードバックを即座に反映するなど、外部委託では実現できなかったスピード感を現場からも評価してもらっている」と話す。

現時点での成果として、Excelで運用していた業務のWebシステム化がある。従来は部門ごとに情報をExcelファイルで作成・管理し、必要があればそれらをとりまとめて活用していたが、情報の見つけやすさや活用のしやすさに課題があった。新システムでは、この運用を見直し、閲覧性・検索性の高い仕組みへと改善した。

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デジタル戦略本部
コーポレートシステム部
アプリケーション開発課
波多野 佑輔 氏

「関係者がWeb上で一元的に情報を閲覧・検索できるシステムをスピーディーに構築・展開できたことで、社内に『intra-martを使えばここまでできる』という認知が広がったのは大きなポイントだった。また、内製開発の強みが活きる対象や進め方についての知見を得られたことも有意義だった」(和田氏)

未来

現場の認知拡大に取り組みアプリの内製を拡充
生成AIを用いたスクリプト開発で飛躍的な生産性向上へ

intra-martを基盤とした開発プラットフォームは本格稼働したばかりの段階だが、今後は現場部門への認知拡大に取り組む。アプリケーション開発課のコアメンバーの内製化ノウハウやスキルを土台に、社内人材のさらなる育成やITベンダーの支援を組み合わせ、アプリ開発を拡充していく構想だ。

次のステップとして見据えるのは「生成AIの活用」だ。
同課の大和 誉弘 氏は、「持続可能な開発においては運用保守性の観点からUI操作で開発するローコードのメリットは大きい。一方で、生成AIとの親和性という点では、AIにソースコードの生成や解読を補助してもらえるスクリプト開発の方が高い効果が期待できる。intra-martは同一プラットフォーム上で複数の開発スタイルを併用できるため、今後はスクリプト開発領域にAIによるコード生成を組み込むなど、さらなる開発生産性の向上にチャレンジしたい」と展望を語る。

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デジタル戦略本部
コーポレートシステム部
アプリケーション開発課
大和 誉弘 氏

さらに、BPMの活用も今後の重要なテーマだ。現状は個別の業務課題に対応する「部分最適」のアプローチが中心だが、今後はビジネスプロセス全体を俯瞰した改善が不可欠になると見通しを立てている。今井氏は「現在はワークフロー機能で代用してビジネスプロセスを回しているケースもあるが、将来的にはIM-BPMを導入し、プロセス全体の可視化と継続的な改善に踏み出したい」と意気込む。

コストセンターではなく価値創出の主体として躍動するシステム部門になるための、内製開発基盤はひとまず整った。圧倒的なスピード感と柔軟性を武器に成功事例を積み重ね、次世代の競争力の源泉を創り出していく同社の挑戦は、今後さらに加速していく。 

基本情報

ハウス食品グループ本社株式会社

所在地
東京都千代田区紀尾井町6番3号(東京本社)
設立
1947年6月
事業内容
ハウス食品グループの戦略立案、国内外事業会社の経営サポート、国際事業統括を担う 
URL

導入パートナー  株式会社アグレックス

アグレックスは、ITサービスインテグレータとして40年以上の実績を持ち、intra-mart事業では2025・2026年にPartner Awardを連続受賞、プラチナパートナーにも認定されています。
ハウス食品グループ本社様では、内製開発を継続的に推進するための開発手法や運用ルール、教育体制の整備が課題となっていました。
課題の解決に向けて当社は、開発ルールの策定、内製化を進めるための各種ドキュメントの整備、そしてintra-martの技術サポートを提供することで、お客様が自立して開発できる体制づくりを支援しました。
今後もAI活用やデータ利活用を含めた継続的な改善活動を通じて、DX推進と内製化のさらなる発展を支援してまいります。

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CX営業部 マネージャー
山本 修士 氏(左)


DX第1部 ハイエンドスペシャリスト
宮下 勉 氏(右)



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