導入事例

ヤマトホールディングス傘下で金融サービスを担うヤマトクレジットファイナンス株式会社(以下、ヤマトクレジットファイナンス)は、営業情報管理基盤としてNTTデータ イントラマートのSFA「DPS for Sales」を導入し、営業活動情報の集約と検索性の向上を実現した。一方で、蓄積されたデータの分析・活用がなかなか進まず、運用の高度化が課題となっていた。この状況を打破するために採用したのが、「カスタマーサクセス支援サービス」だ。システム基盤である「Accel-Mart Quick」のポテンシャルも活かし、DPS for Salesをデータドリブンな営業活動の基盤として活用する体制を整えた。
※本記事に掲載されている所属部署・役職は2025年12月取材当時のものです。
課題
ヤマトクレジットファイナンスは、ヤマトグループの決済・金融会社として、BtoC向けのショッピングクレジット事業、BtoB向けのペイメント事業、ファイナンス事業など多岐にわたるサービスを展開している。
同社は2023年10月、DPS for Salesの利用を本格的に開始した。従来、営業情報はExcelやメール、ビジネスチャットなどに散在し、その管理も事業や担当者ごとにサイロ化していたが、DPS for Salesを一元的な情報管理基盤とし、データに基づく戦略的な営業活動を進めていく狙いがあった。
導入後は約60人の営業担当者が利用しており、日報や商談情報の入力自体は定着しつつあった。過去の商談記録を探すのに従来は1案件あたり10分程度かかっていたのが、1分以内で完了するようになるなど、定量的な効果も出ていた。
一方で、新たな課題も顕在化してきたという。「データの入力・蓄積」から「データの分析・活用」へのステップアップがなかなか進まなかったのだ。事業統括部 商品企画管理課 アシスタントマネージャーの遠藤 広也 氏は次のように振り返る。
「取引先情報、案件情報、営業活動記録を共通のシステムに入力して必要な人が必要な時に検索できるようにはなったが、それぞれのデータを有機的につなげることができていなかった。例えば『どの取引先にどれだけの案件が積み上がっているのか』を可視化したくても、その具体的な実現方法が分からず、歯がゆい思いをしていた」
DPS for Salesはintra-martを基盤としている。ヤマトグループのセキュリティ要件との兼ね合いなどもあり、ヤマトクレジットファイナンスはintra-martのクラウド版「Accel-Mart Quick」を採用した上で、同サービスに標準搭載される営業支援機能としてDPS for Salesを利用している。
Accel-Mart Quickは、intra-mart上のデータを抽出して表やグラフ形式で柔軟に表示できる「ViewCreator」などのローコード開発機能を備えているが、DPS for Salesの運用を担当する商品企画管理課はエンジニア組織ではなく、独学での機能活用には限界があった。
導入
SFAを単なる記録ツールで終わらせずに投資対効果を最大化するためには、基盤機能であるAccel-Mart Quickを使いこなし、自社に合わせた機能拡張やデータ分析を行う必要がある。そう判断した同社が選択したのが、NTTデータ イントラマートによるAccel-Mart Quick活用の伴走支援サービス「カスタマーサクセス支援サービス」だった。最終的な目標として、商品企画管理課がViewCreatorやデータフローといった機能を内製で活用し、自走できる状態を目指した。
カスタマーサクセス支援サービスの利用は2024年7月にスタート。まずは現状の業務プロセスの構造化と課題の抽出に取り組んだ上で、優先度の高い機能から開発・実装を進めたという。「単にツールの使い方を教わるだけでなく、ヤマトクレジットファイナンスならではの営業手法や管理指標をNTTデータ イントラマートに深く理解してもらった上で、最適な機能やその実装方法を提案いただけた」(遠藤氏)
特に遠藤氏が価値を感じたのは、具体的な実装例の提供だったという。「当社のやりたいことに対して、『こうすれば実現できます』というテストモデルやサンプルを用意してくれた。それを応用して当社向けに細部を内製でカスタマイズし、そのプロセスも伴走支援してもらうことで、私たちのスキルを無理なく高めることができた」
また、カスタマーサクセス支援サービスの利用を通じて、システムの定着や活用促進に向けた仕組みづくりにも取り組んだ。活動報告に対する「ライク」リアクションの数を集計・可視化する機能を実装し、これを社内表彰の選考基準の一つとして採用したのだ。 「NTTデータ イントラマートからの提案がきっかけとなった施策で、これも業務要件や課題を深く共有したからこそ実現に至った」と遠藤氏は話す。
効果
カスタマーサクセス支援サービスの活用は、システムの内製開発における「学習・構築コスト」の大幅な削減をもたらした。最大の成果は、ViewCreatorを活用したデータ分析基盤の内製化だ。提供された実装例を応用し、自社に必要な約30本ものクエリを自力で作成した。「もし手元に実装例がなく、すべて独学で調べていたら、膨大な試行錯誤が必要だったはず」と話す遠藤氏。学習や検証にかかる想定工数と比較して、トータルで約50時間分の工数を短縮できたと試算している。
ViewCreatorにより、商品ごとの案件積み上げ状況や活動トレンドをポータル上でリアルタイムに可視化できるようになった。事業統括部 シニアマネージャーの太田 雅光 氏は「自部署だけでなく他部署との比較も一目瞭然となり、PDCAを回すために欠かせないツールになっている。データがデイリーで更新されるため、マネージャーは瞬時に次の手を打てるようになった」と手ごたえを語る。
営業活動の「質」も着実に向上している。「良質な報告にはライクが集まる仕組みにしたことで、質の低い報告は自然と淘汰され、営業担当者が『見られること』を意識して質の高い情報を入力する良いサイクルが生まれた。担当者自身のモチベーション向上にもつながっている」(太田氏)
また、ビジネス環境の変化に対する即応性も高まった。同社は2025年、請求書発行業務から入金消込業務までをデジタル化する新サービスとして「クロネコ請求消込DX」の提供を開始したが、同サービス立ち上げに向けて銀行代理業の許可を取得する際、法令対応として「取引の経緯」の記録が必須となった。これに対して、カスタマーサクセス支援サービスを通じてNTTデータ イントラマートから「トリガー機能」(特定の条件下でのみ入力を必須にする機能)の活用を提案された。遠藤氏は「相談してからサンプルの提示までスピーディーで、サービスリリースまでにシステム対応を間に合わせることができたのはカスタマーサクセス支援サービスを利用していたからこそだと評価している」と話す。
未来
「データを貯める」フェーズから、カスタマーサクセス支援サービスの導入を経て「データを分析できる基盤」が整った。現在は遠藤氏を中心に商品企画管理課がデータ分析環境を整備しているが、「将来的には各マネージャーがセルフサービスで自分に必要な形のデータ分析ができ、そこからビジネスの示唆を得られるような環境を作っていきたい」と遠藤氏は展望を語る。
また、DPS for SalesやAccel-Mart Quickのプロダクトとしての進化に対する期待も大きい。事業統括部 商品企画管理課 マネージャーの寺崎 崇基 氏は、今後実装予定のAI機能に注目しているという。「営業担当者の入力内容は非常に充実しており、質が高い反面、文章が長くなる傾向がある。マネージャーが多数の報告を毎日確認するのは大きな負荷となっており、AIによる活動内容の要約機能などが実装されれば、意思決定のスピードがさらに上がると期待している」
非エンジニア部門であっても、業務を深く理解したパートナーの適切な伴走支援によって、システムを自分たちの手で進化させることができる。
ヤマトクレジットファイナンスの取り組みは、SFAの定着やデータ活用に悩む企業にとって、内製化による課題解決のモデルケースの一つと言えるだろう。

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