導入事例

課題
ニデックは、眼科医療機器や眼鏡機器の開発・製造・販売を行うグローバル企業だ。日本市場だけでなく海外市場での競争力強化を見据え、ERPやPLMをはじめとしたバックエンドシステムへの投資を積極的に行ってきた。一方で、現場の業務プロセスやそれを支える業務システムについては、部分最適とサイロ化の進行が課題になっていた。
例えば同社は従来、「Notes」を業務アプリケーション基盤として広く活用してきた。全社で稼働するNotesアプリの数は1,000個を超え、営業プロセスに関連するものだけでも100個に達していた。情報システム部 部長の山本 勝淑 氏は「現場のアイデアで手軽に業務アプリケーションを作成できる反面、類似の業務で異なるアプリケーションが乱立し、部署間の連携や情報共有が課題となっていた」と振り返る。
近年では、Notes環境が陳腐化し、モバイル端末での利用が難しい、VPN接続が必要で動作が遅いといったシステム的な課題も顕在化していた。さらに、Notes以外にも各業務部門が独自の裁量で利用するITツールが増加しており、同社はこうした状況がDXの阻害要因となると判断。2021年に業務改革推進プロジェクトを開始した。同プロジェクトをけん引してきた業務改革推進室 室長の梅田 恵 氏は次のように説明する。
「独自のITツール活用でブラックボックス化してしまった業務プロセスを可視化する目的でプロジェクトを立ち上げた。まずは現行業務の内容と利用ツールの実態を知るために、業務フローを各部門で棚卸ししてもらったところ、約2,000種の膨大なアプリケーションやITツールが使われていることが分かった。デジタル活用をこのまま進めたら、業務改善・改革やガバナンスの観点で収拾がつかなくなるという危機感があった」
こうした課題意識の下、ニデックはNotesを中心とした従来の業務アプリケーション基盤を刷新するとともに、業務プロセス全体を見直し、全社最適を実現するための抜本的な改革を進めることを決断した。
導入
複数のプラットフォーム製品の比較検討を経て、ニデックが新たな業務アプリケーション基盤として採用したのが「intra-mart Accel Platform」だ。日本の商慣習に基づく複雑なワークフローへの対応力や、ライセンス体系に基づくコストの優位性などを評価した。また、内製を前提としていたため、ローコード開発基盤としての使い勝手のよさも採用を後押しした。情報システム部 情報企画課 課長代理の岩近 友亮 氏は次のように説明する。
「intra-martは『Accel Studio』や『IM-BloomMaker』など現代的なローコード開発プラットフォームとして使いやすそうな機能が随時実装されていて、常に進化している点を評価した。また、競合製品はほとんどが利用ユーザー数に応じた課金体系だったため、全社の業務アプリケーション基盤として使うには高額になる。対してintra-martはCPU課金のため、コストパフォーマンスがとても高かった」
2022年に採用を決定し、直後の1年間をまずは社内の開発者のトレーニングに充てた。「開発基盤としての機能だけでなく、パートナーソリューションの情報も含めて学習し、全社の業務基盤としてフル活用するための準備に時間をかけた」と岩近氏は話す。
並行してBPM(Business Process Management)も進め、既存業務の棚卸しも行った。業務改革推進室 課長補佐の杉浦 智行 氏は「Notesの既存アプリをそのままintra-martに移行しては意味がないので、まずは新しい基盤に優先的に移すべきNotesアプリを整理した上で、廃止する業務、intra-martでシステムを構築する業務、intra-martではなくパッケージソフトで巻き取る業務などを仕分けしていった」と説明する。
その後、開発フェーズに入り、要件定義では業務改革推進室と情報システム部が連携し、各業務部門の要望を交通整理した上で、可能な限り業務プロセスの標準化を進めた。山本氏は「現行業務に精通する現場からは既存業務をベースとした要望が出やすいなか、業務改革推進室が仲介役となって、業務そのものを整理してシステム化する座組が作れたことで、業務改革・改善に資するシステム開発ができた」と話す。
こうした一連のプロセスは、intra-martのパートナーである株式会社情報技術センターが業務改革やintra-martの全社活用促進として支援している。
また、ニデックでは同時期にSFA(営業支援システム)のパッケージソフト導入も進めており、パッケージでカバーできなかった見積書作成の機能、クラウドストレージと連携した電子サイン機能、さらにはERPとの連携機能などもintra-martで構築した。これらはSFAの導入も支援したintra-martのパートナーであるNECネクサソリューションズ株式会社が開発を担った。「大規模なシステムで複雑かつ高度な技術が必要な領域は、パートナーに委託するハイブリッドな開発体制を構築できた」(岩近氏)
〇システム利用イメージ
効果
現在、社内では営業部門と保守部門を中心に全体で約1,700ユーザーがintra-mart上に構築されたアプリケーションを利用している。intra-mart活用の初期段階では、「情報システム部への各種申請」をパイロット的に開発する所から始め、他にも「廃棄物集計アプリ」や「出張申請」などをリリースし、転記作業の削減など事務作業の効率化やペーパーレス化を実現した。
また、SFAとintra-martの連携により、営業プロセスも刷新された。「intra-martをハブとして、SFAとさまざまな業務システムをシームレスに連携させたことで、営業活動の効率化とガバナンス強化を両立できた」と梅田氏は語る。
また、従来は業務アプリからの通知メールをトリガーに業務を開始するという受動的なスタイルだったが、intra-mart導入後は、各自がポータル画面でタスクの未処理件数を確認して能動的に業務に取り組むスタイルへと変わった。こうした変化が、業務を可視化し全体最適の意識を養うという点でも、多くのユーザーにポジティブな影響を与えている。
情報システム部では、8人体制でintra-mart上でのアプリ開発と運用を行っているが、開発の標準化も進んでいる。岩近氏は「Notesアプリでは開発者ごとに作り方の差があったが、intra-martの開発ではテンプレート化やナレッジの共有によって標準化を進めている。簡単なアプリなら、品質を担保しつつスピーディーに作れる体制が整ったのは大きな成果だ」と手応えを話す。
未来
ニデックの当初の計画に照らすと、新基盤に移行、集約予定だったアプリケーションの約50%が既にintra-martで稼働しているという。これを早期に完了させるのが情報システム部と業務改革推進室の目下のミッションだ。「SFAの周辺機能で未開発のものや、海外代理店の情報管理の仕組みなどの開発に優先的に取り組んでいる」と梅田氏は説明する。
より抜本的な業務改革の取り組みも課題だ。業務プロセス可視化と改善のサイクルを継続的に回していくために、「IM-BPM」の活用も視野に入れているという。
同社はintra-martをDXの基盤と位置付ける。内製中心の開発体制で事業や業務のスピーディーな変革を支えていくために、intra-martの進化に対する期待は大きい。「AIを活用し、やりたいことを指示すればアプリが自動生成されるような未来に期待している。また、開発者としては公式ドキュメントの検索性向上や、より実践的なマニュアルの整備をお願いしたい」(岩近氏、杉浦氏)

情報技術センター社 コメント
当社は設立から約60年、多種多様な情報システムの開発・運用を支援してきました。
intra-mart製品は20年以上の実績があり、近年はお客様のDX推進に向けたBPMによる業務改革に注力しています。
株式会社ニデック様の事例では、DX戦略の推進パートナーとして、BPM活用による業務プロセス改革やintra-martの内製化を支援し、全社最適化を追求しています。
今後も、自社のノウハウに加えてパートナー企業との連携を強化することで、お客様の事業戦略を見据えた多角的なDX推進、BPMによる抜本的な業務改革、およびintra-martの最適な活用提案を、共創の力で積極的に展開してまいります。
NECネクサソリューションズ社 コメント
当社はシステムインテグレーターとして、多様な業種のお客様を50年以上支援し、イントラマート製品は20年以上取り扱ってきました。
イントラマートアワードも16回受賞しています。
株式会社ニデック様では「Notes脱却」と「顧客情報の価値化」を目指し、営業支援(SFA)システム導入とintra-mart連携を弊社が提案・開発し、業務プロセス改善に貢献しました。
今後も製造業のお客様に寄り添い、有効な事例やDXの実現に向けた情報を積極的にご提案してまいります。
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国内の著名企業を中心に10,000社以上のお客様に導入されています。
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