導入事例

DX事業やデジタルマーケティング事業を中核に、積極的なM&Aで急成長を続ける株式会社Orchestra Holdings(以下、Orchestra Holdings)。事業の急拡大で浮き彫りになった申請業務のガバナンス上の課題や管理部門の業務負荷増大を解決すべく、全社統一のワークフロー基盤としてイントラマートの提供するSaaS型サービス「Accel-Mart Quick」を採用した。グループ各社でバラバラだった申請・決裁フローを統一し、内製化によって理想のガバナンス体制を構築。手戻りの頻発で最大10日かかっていた申請プロセスが最短2日に短縮されるなど、劇的な業務効率化も実現した。
※本記事に掲載されている所属部署・役職は2025年9月取材当時のものです。
課題
Orchestra Holdingsは、DX事業やデジタルマーケティング事業を核としながらも、近年では芸能やゲームといったIP・エンタメ領域に注力し、また積極的なM&Aを行うなどして事業領域を拡大し続けている。
ただし、こうしたスピーディーな成長に伴って、業務上の課題が顕在化していったという。グループ会社ごと、部門ごとに申請・決裁のフローがバラバラに存在することで管理部門の業務負荷が増大しており、ガバナンス上のリスクも看過できなくなっていた。Corporate Management部門 人事総務・IT統括部長の浜 美保子 氏は次のように振り返る。
「グループ会社の中には、ワークフローがシステム化されている会社もあれば、紙で運用している会社もあり、口頭で承認を得る文化が残っているケースもあった。決裁権者が誰なのかという基準も統一されていなかった。近年は比較的大規模なM&Aも増えており、グループの規模が拡大する中で、証跡が直ちに確認できない申請・決裁フローはガバナンスの観点から大きな問題があると感じていた。Orchestra Holdingsの管理部門にとっても、複数の申請・決裁手法に対応しなければならないのは大きな業務負荷になっていた」
Orchestra Holdings本体ではワークフローシステムを既に導入していたが、導入から時間が経ち、保守・運用に関するノウハウが社内で失われてしまっていたという事情もあった。そのため、M&Aでグループに加わった会社も含めた全社統一のワークフロー基盤として既存システムを使うのは現実的ではなかった。こうした背景から、同社はグループ全体のガバナンスと申請・決裁業務の効率向上を両立させる、新たなワークフロー基盤の導入を決断した。
導入
ワークフローシステムの選定にあたっては、それぞれのグループ会社において最適化したワークフローが構築でき、高額取引のような重要な決裁は組織をまたいでOrchestra Holdings本体にもスムーズに承認フローを流せるなど、柔軟な設定ができる製品を採用する方針を固めた。さらに、今後もM&Aでのグループ拡大が見込まれることから、拡張性に優れた製品であることも重視した。
また、既に導入しているビジネスチャットやコンテンツ管理ソリューションなどとスムーズに連携して業務の効率化・自動化を進められること、過去のワークフロー導入の反省を踏まえ、内製で構築、維持管理ができることも要件とした。
当初は10社ほどの製品をリストアップし、前述の要件に照らして4製品に絞り込んだ上で、最終的にイントラマートが提供するSaaS型のワークフロー/ローコード開発基盤サービスである「Accel-Mart Quick」の採用を決めた。Corporate Management部門 経営推進部 ITチームリーダーの堀 一久 氏は「複数の会社をまたいだグループ内の決裁フローを細かく設定しようとする際に、自由度が低い製品が案外多かった。その点、Accel-Mart Quickは直感的な操作で柔軟なワークフロー構築が可能だと判断できた。また、既存システムや利用中の他SaaS型サービスとの連携も柔軟にできることに大きなメリットを感じた。中長期的に活用していく前提でのトータルのコストも優位性があった」と説明する。
さらに、イントラマートが提案した導入支援体制も採用を後押ししたと堀氏は語る。「一般的なワークフローサービスの導入段階では、契約後に一定の研修期間を設けるだけという対応がほとんどだった。しかしイントラマートは、内製化を目指していた当社が自走できるようになるまで、技術者も交えてサポートするという提案をしてくれ、非常に心強かった」
導入プロジェクトは、Orchestra Holdingsが要件定義を主導し、グループ会社でITコンサルやシステム開発を手がける株式会社Sharing Innovations(以下、Sharing Innovations)が開発を担った。それをイントラマートが総合的に支援するという三社連携の体制でスタートした。しかし、船出は順風満帆ではなかったという。各部門には潜在的な業務効率化への要望が存在していたようで、Accel-Mart Quickの導入を全社に告知したところ、想定をはるかに超える量の要望が寄せられた。それらにすべて対応するためには、最初のリリース時点でさまざまなシステムとの連携を含む非常に複雑なワークフローを構築する必要があったため、システム構築前の段階で一度プロジェクトの進捗は滞ってしまった。
そこでイントラマートの担当者からの「まずはシンプルなものから作って使い始め、そこから改善を考えた方がいい」という助言を踏まえて、はじめは三つの基本的なワークフローをリリースするという方針に転換。それと並行して、グループ各社の決裁権限の規程を見直し、統一の基準を決定するなど、業務プロセスの標準化も進めた。こうしたイントラマートの支援について、「用意いただいた課題管理ポータルを通じて密に情報共有することで、開発中に発生した課題は迅速に解決できた。週1回の定例ミーティングで、Sharing Innovationsの若手メンバーが初歩的なことも含めて何度も質問できる場を作ってくれるなど、手厚い支援をしてくれた」(堀氏)と評価する。
システム概要図
効果
Accel-Mart Quickによる新たなワークフロー基盤は2024年秋に本格稼働した。現在はグループ10社、約800人のユーザーが、購買、取引先審査、名刺発注、契約書の確認、稟議申請などで利用中。IT関連の申請についても、段階的にワークフロー構築を進めている。導入プロジェクトの明確な効果はすでに発揮されているという。
特に顕著なのはガバナンスの強化だ。「例外的な処理がなくなり、グループをまたぐ申請においても、あるべき姿のワークフローを整理できた。例えば、総務機能がないグループ会社から上がってくる総務系の申請はOrchestra Holdingsが一手に引き受けている。こうした申請について、以前のシステムではグループ会社の社長をシステム上の承認ルートに設置することができなかったが、新しいワークフローではそのような問題も解決された。グループ全体の統一基盤を整備したからこそ実現できた仕組みだ」(堀氏)
業務効率の面でも劇的な改善が見られた。例えば、業務委託の受け入れに伴うPCの手配といったIT関連の申請では、従来、契約書の有無の確認などで手戻りが頻発し、決裁まで5日から10日を要していた。そこでAccel-Mart Quick導入時にワークフローを標準化し、必要な書類が添付されていないと申請できないよう設計したことで、手戻りがなくなり、リードタイムは最短2日まで短縮された。結果として、「明日までにPCを用意してほしい」といったチャットでの無理な依頼もなくなり、ITチーム側の業務負荷低減にもつながっているという。
Accel-Mart Quickでワークフロー開発を重ねるにつれて開発チームがスキルアップし、内製体制が強化されたことも大きな成果だ。「当初は指示書や設計書どおりに機能を実装することも大変だったが、今ではほとんどミスもなくなった。それだけでなく、作成した指示書に対して『ユーザーの使いやすさを考えると、こうした方が良いのでは?』と、期待を超えた提案を返してくれるようになっている。要件を的確に理解した上でユーザーが使いやすいシステムを作るスキルが育ちつつある」と堀氏は評価する。
未来
Orchestra Holdingsは現在、年末までのリリースを目指し、新たに15本のワークフロー開発を進めている。その先に見据えるのは、Accel-Mart Quickを単なるワークフローシステムにとどめず、グループ全体の業務の「ハブ」として進化させるという構想だ。
具体的には、2026年4月を目標に、会計システムの入れ替えとタイミングを合わせ、Accel-Mart Quickを会計システムや販売管理システムと連携させ、基幹システムのフロントソリューションとして活用する。ビジネスチャットやコンテンツ管理ソリューションとの連携も進め、申請業務のさらなる効率化や自動化に取り組む。また、今後のIT投資として、SFA(営業支援システム)との連携も見据えている。
堀氏は「Accel-Mart Quickをあらゆる業務のハブにするとともに、Accel-Mart Quickを介して複数のシステムがつながることで、データのサイロ化を防ぎ、グループ全体のデータ活用を促進できる。ポータル機能などもその一環として活用を進めていきたい」と展望を語る。
Accel-Mart Quickに対しては、新たなテクノロジーのキャッチアップという面でも期待は大きいという。浜氏は「社内のユーザーが長く使い続けたいと思えるような、先進的なプラットフォームであり続けてほしい。AIを活用したさらなる効率化など、テクノロジーの進化に合わせたスピーディーな機能のアップデートを期待している」と語った。

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