導入事例
課題
アポクリートは2021年、アポロメディカルホールディングス株式会社(アイランド薬局)が株式会社日本アポック(薬局アポック)、株式会社中日ファーマシーと経営統合した上で社名を変更して発足した。薬局事業を柱に、パーソナルジムや介護サービス、健康食品などのプライベートブランド製品事業も手掛ける。近年は地域包括ケアへの参画や予防医療啓発などにも取り組み、地域の「健康パートナー」を目指して事業の幅を広げている。
同社にとって目下の課題は、業務オペレーションやそれを支える情報システムの統合をいかにスムーズに進めるかだ。総合企画部システムグループ長の伊藤聡氏は「基幹システムの統合などはできているが、診療報酬明細を作成するレセコンやその周辺システムなど薬局店舗で使うシステムは統合されておらず、旧所属会社によって独自の運用が残っている」と説明する。店舗数も多く、システムの入れ替えは投資額や準備の負荷も大きいため、運用の標準化と並行して段階的に進めているという。
そんな中、従来使用していたワークフローシステムのサポートが終了し、代替となるシステムを検討することになった。ワークフローの構築を担当する総合企画部システムグループの木村真大氏は次のように振り返る。
「従来システムは現代的なグラフィカルユーザーインターフェース (GUI)を備えておらず、意図通りの画面を作成するために多くの時間を費やす必要があった。また、承認ルートや権限設定の自由度が低く、起案されてからワークフローが終了するまで長い時間がかかるケースも珍しくなかった。例えばある会議体での決裁事項を起案する場合、会議体の参加者全員に承認処理をしてもらわなければならず、承認権限を少人数に絞り、そのほかの参加者には確認権限のみを持たせるといった設定ができなかった」
ワークフローシステムの刷新では、これらの課題を解決できる製品を選ぶことが前提になった。製品選定の情報収集を進める過程でintra-martのセールスパートナーであるNECネクサソリューションズ株式会社(以下、NECネクサソリューションズ)から提案があり、intra-martと出会った。
導入
intra-martの選定理由として、「ドラッグ&ドロップで入力項目を手軽かつ思い通りに動かせるなど、画面作成の操作性が高い点が魅力だったし、承認権限を持たせずに確認だけしてもらうという日本のビジネスの慣習にあったルートや権限の設定が柔軟にできるのも評価ポイントとしては大きかった」と木村氏は話す。また、薬局店舗をはじめとする全国の拠点を含め、約1600人の全従業員が利用するシステムであるため、「ユーザー数で課金されるシステムではコストがかかりすぎる懸念があった」(木村氏)。intra-martはサーバーのCPU単位の課金体系であり、コスト面でも優位性があったという。
同社はさらに、intra-martのシステム基盤としての拡張性の高さにも着目した。伊藤氏は「統合前の会社単位で存在していた業務運用や情報管理を統一するための基盤として活用できそうな手応えがあった」と強調する。システムグループは日常的に各業務部門と積極的にコミュニケーションを取っており、ちょうどワークフローシステムの更改を検討しているタイミングで、薬局運営に必要となるさまざまな許可証の管理方法や本部と店舗間の情報共有の仕組みを統一したいという相談も寄せられていた。
今回、アポクリートにintra-martを提案したNECネクサソリューションズは、intra-martのローコード開発機能を使って調剤薬局向けアプリケーションのテンプレートを提供している。本部からの指示に対する店舗の回答状況を可視化する機能や、各店舗の許可証の一元管理機能、IT資産管理機能などを備えており、これが薬事グループの課題にフィット。アポクリートは先行してワークフローシステムとしてintra-martを採用した後、薬局運営のさらなる業務効率化を図るため、追加で調剤薬局向けテンプレートを採用する決断をした。
ワークフローシステムの導入にあたっては、NECネクサソリューションズの支援を受けながら、基本的には内製で開発を進めた。旧システムのルートや権限設定の棚卸しをしながら、4カ月ほどの作業期間で80本以上を構築。従来は各部署が独自でワークフローを作成しており、UIにばらつきがあったため、画面の統一感にも配慮したという。木村氏は「同時期に組織変更などもあり、手戻りが発生した部分もあったが、intra-martは直観的な操作ができ開発の生産性も上がったため、無事に乗り切ることができた」と話す。
薬局事業支援部薬事グループ長の野間元彰氏は「一般的なワークフローとは異なる複雑なフローをシステムに落とし込む必要があり、システムグループには無茶も言ったが、しっかり対応してくれた。システムグループと薬事グループのメンバーがひざを突き合わせて一緒に開発を進めたことで、結果的に満足できるシステムに仕上がった」と評価する。
薬局店舗の情報管理や業務支援については、NECネクサソリューションズに開発を依頼。定期的に進捗状況や対象となる業務の確認を行い、調剤薬局向けアプリケーションのテンプレートの活用を軸にしながらも、定期的な法改正に対応できるような許可証管理の仕組み、本部指示管理の仕組みなどを開発した。
システム概要図
効果
導入後は現場への定着もスムーズに進み、社内からは旧ワークフローシステムと比べて事務処理に要する時間が短縮されたという評価が聞かれるという。木村氏は「旧システムはUIのばらつきも影響して画面が見づらく、入力もしづらいという声が多かった。申請画面をできるだけ統一感のある見た目になるよう工夫した成果もあり、エンドユーザーの入力負荷は軽減できている」と語る。
また伊藤氏は「承認者と確認者を分けるなど細かな権限設定が可能になったことで、起案からワークフローの完了までのリードタイムが大幅に短縮された。過去の案件の検索もしやすくなった」として、多方面で業務効率が上がっていることを実感している。
intra-martと調剤薬局テンプレートの導入を通じて、DXを推進する社内体制が強化された点も大きな効果だ。
薬局店舗の運営や実務を支援する薬局事業支援部薬事グループの岡崎由美氏は次のように説明する。
「もともとシステムグループとは気軽にコミュニケーションを取れる関係を構築できていたが、今回の導入プロジェクトは薬局店舗の運営に必要なことを彼らにより深く知ってもらう機会になったし、薬事グループとしても、こちらの要望をシステムとして実装してもらうのにどれだけの苦労があるのか理解できた」。
こうした相互理解が進むことが、DXの基盤づくりにも活用できるとみている。
未来
intra-martの導入により、ひとまず社内の統一的な情報共有基盤が整備された。ただし、統合前に整備されたツールはまだ社内に散在しているため、intra-martへの集約を進める意向だという。伊藤氏は「情報システムのガバナンスという観点でも、ユーザーの利便性という観点でも、intra-martを一元的な情報管理基盤として活用し、ここを見れば必要な情報にアクセスできるという状態をつくれるのが理想。社内ポータル的な活用も検討していきたい」と話す。
データを活用した業務改革にも積極的に取り組んでいく。野間元氏は「intra-martや調剤薬局テンプレートで管理している情報を、業務の改善・改革に活かしていく仕組みをつくり、それをしっかり活用できる社内風土、文化をつくって定着させていくことも重要だ」と話す。そうした取り組みのプラットフォームとしてもintra-martへの期待は大きい。
当社は、ITサービスインテグレータとして40年以上の実績を持っており、イントラマート製品の取扱いは20年以上、intra-mart Awardも16回受賞しております。
アポクリート様では、既存のワークフローシステムで課題となっていた画面設計や設定の煩雑さを解消できるワークフローを探されていました。intra-martはGUIで直感的にワークフローを作成ができ生産性向上に結び付いたとご評価いただきました。
導入後にご紹介した当社「調剤薬局向けテンプレート」も高いご評価を頂き、追加で許可証管理、本部指示管理、システム情報管理の仕組みをご採用となりました。
今後も「調剤薬局向けテンプレート」の機能拡張や、全社のデータ活用基盤としてintra-martの利用領域を拡大できるようなご提案をさせて頂きたいと思っております。
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