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インボイス制度&電帳法対応を契機に経理業務の効率化に奮励
「DPS for finance」の導入により、月間3,000枚の伝票処理のペーパーレス化を実現
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カーボンニュートラルに向けた取り組みは業界を問わずグローバルで加速しているが、とりわけエネルギー産業は事業構造の転換を含む大きな変革を迫られている。総合エネルギー企業である石油資源開発株式会社(以下、石油資源開発)のビジネス環境も大きく変化している。さまざまな外部環境の変化に柔軟かつスピーディーに対応するためには、業務のデジタル化が不可欠。同社では変化対応力を向上させるべく本格的なデジタル基盤整備の取り組みを進めている。経理業務においては、適格請求書等保存方式(以下、インボイス制度)と改正電子帳簿保存法(以下、改正電帳法)への対応が必要になったが、経理部門内での従来のアナログな業務プロセスでは業務負荷の増大を吸収しきれないという課題が顕在化した。そこで、法制度対応と業務効率化を同時に実現するため経理業務改善ソリューションである「intra-mart DPS for finance(以下、DPS for finance)」を導入した。

目次

1.課題
アナログとデジタルが混在した非効率な業務プロセス
法制度改正で変革が待ったなしの状態に

2.導入
経理業務に必要な機能を広くカバーするDPS for finance
電子請求書、文書管理システムとの連携実績も評価

3.効果
3,000枚/月の伝票処理を完全ペーパーレス化
経理業務に関わる申請、承認を一つのシステム上で完結

4.未来
先進技術を活用しデジタライゼーションへ
経理人材は高付加価値業務にシフト

課題

アナログとデジタルが混在した非効率な業務プロセス
法制度改正で変革が待ったなしの状態に

石油資源開発は石油や天然ガスのE&P(探鉱、開発、生産などの上流)事業から輸送・供給までを一貫して手掛け、国内外で豊富な実績を持つ総合エネルギー企業だ。現在ではLNG火力発電事業や、バイオマス等の再生可能エネルギー事業による電力に従事するなど、多様なエネルギーを取り扱いながら、エネルギーの安定供給に貢献している。

カーボンニュートラル社会の実現に向けた世界的な潮流は、同社の事業にも大きな影響を与えている。日本を含む多くの国が2050年までのCO2排出量実質ゼロを目標に掲げる中、同社は従来の事業で培った知見を生かし、CO2排出量削減に貢献するとともに新たな事業の柱となり得る事業を創出しようとしている。具体的には、CO2を回収して地中で貯留するCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)や、有効活用につなげるCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)といった技術の事業化に向け、検討を進めているという。

石油資源開発は、こうした事業環境の変化に対応して継続的な成長を図るべくデジタルトランスフォーメーション(DX)を重要な手段に位置づけ、そのための基盤づくりとしてさまざまな業務のデジタル化やプロセス改善・改革に取り組んでいる。
同社内では紙の書類を基にしたアナログな業務プロセスが残っており、経理部門も同様の課題を抱えていた。例えば取引先に請求書を送付する場合は、各部門が紙で発行したものを経理部門に渡し、内容の確認、押印を経て郵送するという流れだった。

また会計伝票については、各部門が起票して責任者が決裁した後、経理部門で確認して承認するというフローで処理している。伝票データは起票時に各部門側で会計システムに入力するが、これを紙で出力し、関連証憑と合わせて回付していた。経理部経理グループ長の相蘇友樹子氏は「経理部門に紙の書類一式が届いたら伝票番号をチェックし、それを会計システムで検索して伝票情報を特定、証憑類と突き合わせて問題なければ承認するというプロセスで処理しており、アナログとデジタルが混在した、非効率なプロセスになっていた」と振り返る。新型コロナウイルスの流行を契機に全社でリモートワークの環境整備が進む中で、経理部門の業務は紙の書類を扱う前提になっており、出社が必須であったことも大きな課題だった。

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経理部長
奈良 巌 氏

会計システムが経理部門以外のエンドユーザーにとって使いやすいUIを備えているとは言えなかったことも、スムーズな業務を阻害する要因になっていた。経理部長の奈良巌氏は次のように説明する。「会計システムとしてERPのファイナンスモジュールのみを単独で導入しているため、調達や販売管理のシステムからは仕訳データのみの連携となり、請求情報等は別途確認する必要があったし、会計システム上で直接起票する際には、エラーチェックなどの入力補助機能も十分でないため、ミスが多発していた。また、経理部門側でチェックが必要な項目を一画面で確認することができず、1伝票につき何度も画面を移動する必要があり、漏れやミスなく承認を進めるために手間と時間がかかっていた」
さらに、2023年10月のインボイス制度開始や改正電帳法による2024年1月からの電子取引データの保存義務化が、業務プロセスの変革をさらに促すかたちになった。

 請求書のフォーマットは部門ごとに異なっており、インボイス制度開始後も現行のプロセスを継続した場合、「請求書が回付されるたびにインボイス制度の要件を満たしているかどうかを確認する作業が新たに発生することが想定された」と奈良氏は説明する。また、改正電帳法への対応については「既存のシステムだけでは検索性や真実性を担保しながら電子取引データを自動保存する機能を実現できず、別途システムを導入しない場合には、手作業で電子取引データを保存するような対応をせざるを得ない状況だった」(相蘇氏)という。

こうした課題を網羅的に解決するために新たなシステムの導入を決断し、そのコアソリューションとして採用したのがDPS for financeだった。

 

導入

経理業務に必要な機能を広くカバーするDPS for finance
電子請求書、文書管理システムとの連携実績も評価


既存の会計システムに課題はあったものの、インボイス制度や改正電帳法は開始時期が決まっているため、限られた時間でシステムを構築する必要があった。そのため、会計システム刷新などの大掛かりなプロジェクトとはせず、会計システムのフロントに使いやすいワークフローシステムを導入し、電子請求書システムや文書管理システムとスムーズに連携させる仕組みを整備することにした。


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経理部 経理グループ長
相蘇 友樹子 氏

複数のワークフローシステムを比較検討した結果、一つの基盤上で事前承認から伝票起票、申請、承認まで完了でき、石油資源開発の複雑な承認パターンに合わせたワークフローを柔軟に設計可能な製品はDPS for financeのみであるという結論になったという。相蘇氏は「会計上の仕訳承認までカバーし、データを会計システムにスムーズに流せるという点でDPS for financeは他製品に対するアドバンテージがあったし、なおかつ当社に合わせて柔軟なカスタマイズも可能だった点を高く評価した」と話す。

また、同社はDPS for financeと同じタイミングで電子請求書システムとしてインフォマートの「BtoBプラットフォーム請求書」、文書管理システムとしてNTTデータビジネスブレインズの「ClimberCloud」を採用している。奈良氏は「インボイス制度への対応では請求書授受の電子化が最も効率的な手段であり、また、改正電帳法(電子取引データ保存の義務化)に現実的な業務負荷で対応するには文書管理システムが不可欠だった」と説明する。

DPS for financeをハブとしてこれらのツールと既存の基幹システムなどを連携させることで、経理業務の効率化とインボイス制度対応、改正電帳法対応を同時に実現するという方針も掲げていたため、「スケジュールがタイトであることを考えると、BtoBプラットフォーム請求書やClimberCloudと連携実績があった点もDPS for financeを選ぶ大きな要因になった」(奈良氏)としている。

プロジェクトは2023年1月にキックオフし、インボイス制度が開始となる同年10月までに新システムを本稼働させるというスケジュールで進んだ。NTTデータ イントラマートが導入フェーズも支援。「要件定義から基本設計、開発まで何度もミーティングを行い、相互に確認を行いながら当社側に極力寄り添うかたちで要望を実装してくれた。複数のベンダーのツールを一度に導入するプロジェクトだったが、NTTデータ イントラマートがリードしてうまく全体を調整してくれたおかげで、大きく遅延することなくプロジェクトを進めることができた」(相蘇氏)

効果

3,000枚/月の伝票処理を完全ペーパーレス化
経理業務に関わる申請、承認を一つのシステム上で完結

現在、社内では約1,300人が同システムを利用している。インボイス制度、改正電帳法に適切に対応したほか、経理業務に関わる各種申請、承認を一つのシステム上で完結できるようになった。

例えばBtoBプラットフォーム請求書で受領した電子請求書はintra-martに自動で連携される。各部門はこれを基に伝票を起票し、経理部門の承認を経て支払データは会計システムに連携、証憑は文書管理システムに格納される。また、同社の既存販売管理システムの請求データはDPS for financeに連携され、経理部門の承認を経てBtoBプラットフォーム請求書に流れ、インボイス制度の要件を満たした電子請求書を顧客に発行できる。仕訳データは会計システムに、添付証憑は文書管理システムに連携される。支払側、請求側の双方で、一気通貫での電子化を実現した。

ユーザーからのシステムの操作性についての評価も高く、業務効率化の効果は着実に現れている。相蘇氏は次のように説明する。「新システムでは複数のツールを連携させているが、申請部署や経理部門が操作するのは基本的にワークフローシステムのみにするところにはこだわった。検索画面についても当社が必要な項目で検索できるよう設計したため、ステータスごとの未承認伝票をすぐに確認できたり、過去伝票を簡単に参照できたり、使いやすいシステムに仕上がった。経理部門や社内各部署の利用者からは、操作しやすい、検索しやすい、入力しやすいなどの声があり、伝票入力や承認の際の業務負荷は下がっている。入力制御機能なども実装し、ミスの削減効果も確認できている」

従来、1カ月平均で3,000枚以上の伝票を処理していたが、「伝票まわりについては全てペーパーレス化できた」(奈良氏)という。結果として経理部門の業務もリモートワークで対応できるようになり、起票側での決裁後、紙の書類が回付されるまでの待機時間もなくなった。


〇システム概要図

未来

先進技術を活用しデジタライゼーションへ
経理人材は高付加価値業務にシフト

今回のプロジェクトは、石油資源開発に残るアナログな業務プロセスを変革し、デジタル技術を活用した業務基盤を再構築する先駆けとなった。奈良氏は「経理業務、経理関連業務のデジタイゼーションは大きく進んだので、これを基礎としてデジタライゼーションを進め、さらなる業務効率化を図るとともに、経理人材の高付加価値業務へのシフトにも取り組んでいきたい」と展望を語る。

新システムにより業務効率化は大幅に進んだものの、事業領域の拡大などにより伝票枚数は年々増加している。今後は伝票確認やデータ管理・活用の自動化をAIが支援するような機能の実装も検討を視野に入れていく考えだ。

基本情報

石油資源開発株式会社

所在地
東京都千代田区丸の内1-7-12
設立
1970年4月
事業内容
石油・天然ガス・その他のエネルギー資源の探鉱・開発・生産・販売、掘削など関連する事業の請負、太陽光・風力・地熱・バイオマスその他の再生可能エネルギー資源の開発、電気の供給を手掛ける
URL

業務プロセスのデジタル化
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