導入事例
カーボンニュートラルに向けた取り組みは業界を問わずグローバルで加速しているが、とりわけエネルギー産業は事業構造の転換を含む大きな変革を迫られている。総合エネルギー企業である石油資源開発株式会社(以下、石油資源開発)のビジネス環境も大きく変化している。さまざまな外部環境の変化に柔軟かつスピーディーに対応するためには、業務のデジタル化が不可欠。同社では変化対応力を向上させるべく本格的なデジタル基盤整備の取り組みを進めている。経理業務においては、適格請求書等保存方式(以下、インボイス制度)と改正電子帳簿保存法(以下、改正電帳法)への対応が必要になったが、経理部門内での従来のアナログな業務プロセスでは業務負荷の増大を吸収しきれないという課題が顕在化した。そこで、法制度対応と業務効率化を同時に実現するため経理業務改善ソリューションである「intra-mart DPS for finance(以下、DPS for finance)」を導入した。
課題
石油資源開発は石油や天然ガスのE&P(探鉱、開発、生産などの上流)事業から輸送・供給までを一貫して手掛け、国内外で豊富な実績を持つ総合エネルギー企業だ。現在ではLNG火力発電事業や、バイオマス等の再生可能エネルギー事業による電力に従事するなど、多様なエネルギーを取り扱いながら、エネルギーの安定供給に貢献している。
カーボンニュートラル社会の実現に向けた世界的な潮流は、同社の事業にも大きな影響を与えている。日本を含む多くの国が2050年までのCO2排出量実質ゼロを目標に掲げる中、同社は従来の事業で培った知見を生かし、CO2排出量削減に貢献するとともに新たな事業の柱となり得る事業を創出しようとしている。具体的には、CO2を回収して地中で貯留するCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)や、有効活用につなげるCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)といった技術の事業化に向け、検討を進めているという。
石油資源開発は、こうした事業環境の変化に対応して継続的な成長を図るべくデジタルトランスフォーメーション(DX)を重要な手段に位置づけ、そのための基盤づくりとしてさまざまな業務のデジタル化やプロセス改善・改革に取り組んでいる。
同社内では紙の書類を基にしたアナログな業務プロセスが残っており、経理部門も同様の課題を抱えていた。例えば取引先に請求書を送付する場合は、各部門が紙で発行したものを経理部門に渡し、内容の確認、押印を経て郵送するという流れだった。
また会計伝票については、各部門が起票して責任者が決裁した後、経理部門で確認して承認するというフローで処理している。伝票データは起票時に各部門側で会計システムに入力するが、これを紙で出力し、関連証憑と合わせて回付していた。経理部経理グループ長の相蘇友樹子氏は「経理部門に紙の書類一式が届いたら伝票番号をチェックし、それを会計システムで検索して伝票情報を特定、証憑類と突き合わせて問題なければ承認するというプロセスで処理しており、アナログとデジタルが混在した、非効率なプロセスになっていた」と振り返る。新型コロナウイルスの流行を契機に全社でリモートワークの環境整備が進む中で、経理部門の業務は紙の書類を扱う前提になっており、出社が必須であったことも大きな課題だった。
会計システムが経理部門以外のエンドユーザーにとって使いやすいUIを備えているとは言えなかったことも、スムーズな業務を阻害する要因になっていた。経理部長の奈良巌氏は次のように説明する。「会計システムとしてERPのファイナンスモジュールのみを単独で導入しているため、調達や販売管理のシステムからは仕訳データのみの連携となり、請求情報等は別途確認する必要があったし、会計システム上で直接起票する際には、エラーチェックなどの入力補助機能も十分でないため、ミスが多発していた。また、経理部門側でチェックが必要な項目を一画面で確認することができず、1伝票につき何度も画面を移動する必要があり、漏れやミスなく承認を進めるために手間と時間がかかっていた」
さらに、2023年10月のインボイス制度開始や改正電帳法による2024年1月からの電子取引データの保存義務化が、業務プロセスの変革をさらに促すかたちになった。
請求書のフォーマットは部門ごとに異なっており、インボイス制度開始後も現行のプロセスを継続した場合、「請求書が回付されるたびにインボイス制度の要件を満たしているかどうかを確認する作業が新たに発生することが想定された」と奈良氏は説明する。また、改正電帳法への対応については「既存のシステムだけでは検索性や真実性を担保しながら電子取引データを自動保存する機能を実現できず、別途システムを導入しない場合には、手作業で電子取引データを保存するような対応をせざるを得ない状況だった」(相蘇氏)という。
こうした課題を網羅的に解決するために新たなシステムの導入を決断し、そのコアソリューションとして採用したのがDPS for financeだった。
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