導入事例
株式会社NTTファシリティーズ様
株式会社NTTファシリティーズは長年にわたって通信用電源・空調設備、および建物に関する企画・設計・構築・維持管理業務を実施して来た。中でも「通信を途絶させない」ICTインフラの保守については全国16,200棟の施設と20万台に及ぶ機器類を24時間365日リアルタイムで監視・保守を行うサービスを展開。従来の設備監視/設備管理システムの融合に加え、保守業務に関わる諸情報をポータル的に参照可能な保守支援Webシステムを開発し、それらを統合した設備運用統合管理システム(MaRIA)*を運用開始。これにより保守業務の信頼性と品質が格段に向上し、以降も着実に改善進化を続けながら、保守業務の信頼性と品質向上を継続している。
*「MaRIA」はNTTファシリティーズの社内呼称です。
課題
従来の設備監視システムは、オペレーションセンタの監視者が設備の情報を監視し、警報を検知することに特化して監視業務を行うオペレーター向けに開発されたシステムだった。そのため障害復旧に向かうスタッフに対するサポート機能は少なく、現地の保守者は障害に関する情報を取得するためにオペレーションセンタと電話連絡を取りながら対応するなど、非効率で時間のかかる作業手順を踏む必要があった。
上記課題を解決するため、保守者が現地へ到着するまでの間に障害の状況を確認し、最適な復旧作業を実行するために、装置の状態を的確に把握するための支援システムの開発が急務であった。
また、大規模ビルにおける障害や大規模災害発生時には全体統制指揮が必要になるが、統制を円滑に行うためには本社及び全国の各地域ブロック支店に設置される災害対策室のすべてがタイムリーに同じ情報を把握、共有しておく必要がある。しかし、MaRIAの稼働前は操作に専門的なスキルが必要な設備監視システム/設備管理システムそれぞれから情報を引き出していたために属人的知識に頼ることが多く、各部署での情報共有に多くの手間と時間を要していた。
導入
新たに開発することになった保守支援WebシステムはSIerと共に検討を重ね、業務課題を解決するまで最適なシステムを設計した。
その結果、ミドルウェアとして選択されたのがintra-martである。intra-martは開発基盤の上に3万ほどのAPIパーツが用意されており、効率よく組み合わせることで開発スピードを高めることができる上、ポータルやモバイルの機能も持っている。
「intra-martは開発効率やスピード、そしてシステムの安定性を総合的に評価して選ばれた。当社のオペレーション業務および保守業務と照らし合わせながらAPIパーツをうまく組み合わせ、一部をカスタマイズするだけで効率よくシステムが開発できたので全国のユーザーがビル・設備状態を把握でき、喜んでもらえているので大変満足している」と川池氏は語る。
効果
保守支援Webシステムを実装したMaRIAの稼働により、それまでの保守業務オペレーションが一変した。Web経由での設備警報情報、ビル情報参照により、保守者がどこにいても設備状態の把握が可能になったからである。
また従来のオペレーターとの電話連絡に加え、過去の故障履歴や他エリアでの対処事例も検索・参照でき、設備障害の起こっている現地で対応すべきアクションについて、最適な復旧方針を迅速に判断することが可能になった。
さらに移動電源車の駆け付け状況や気象情報など民間情報も確認できるため、それらを組み合わせることで、保守業務のレベルも格段に向上した。
未来
通信インフラ設備の広域監視システムとしては世界クラスのシステムであるMaRIA。
NTTファシリティーズは、通信用電力設備から建物外構に至るまで、建物全体の保守業務を1人のビル管理者がワンストップで対応し、より安心・安全をお客様へ提供しており、MaRIAおよび保守支援Webシステムも同業務をサポートすべく、タブレットによる点検業務支援、リスク管理業務との連携など日々進化を遂げ続けている。
また過去より蓄積管理してきた故障情報は約30万件、警報履歴は約7億件、計測情報に至っては約300億件にもおよぶ。それらビッグデータを基に、分析・コンサル業務、お客様への更改提案や自社の保守業務基準の最適化などに活用することで保守支援Webシステムが各ユーザをサポートし、他社にはないファシリティーズ独自の最適な提案をお客様へ提供していけると考えている。
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