導入事例
エイチアールワン株式会社様
大企業から中小企業まで300社約30万人にアウトソーシングサービスを提供する人事サービス・コンサルティング会社のエイチアールワン。同社はBPO※1業務のセンター化を推進していくためにintra-martのBPM※2機能を活用し、BPO業務の標準化や見える化、処理手順のコントロールを実現するサービスプラットフォームの構築に成功した。
※1 BPO(Business Process Outsourcing): ビジネスプロセスアウトソーシング企業運営に関する業務(主に人事・総務・経理等)を継続的に外部の専門企業に外部委託すること。
※2 BPM(Business Process Management):ビジネスプロセスマネジメントビジネスプロセス(業務の流れ、手順、役割分担、ルール等)を把握・分析し、継続的に管理・改善・最適化していくこと。
目次
課題
BPOサービスを安価に提供するにあたって、業務の標準化・集中化(センター化)は欠かせない要素である。一方、アウトソーシングを希望するお客様のニーズ(業務サービス範囲)や業務の成り立ち(人事制度など)は様々であり、結果としてBPOの受託業務のプロセスも顧客ごとに異なるものになりがちであり、業務のセンター化を難しいものとしている。
一般的に、このように異なるプロセスの標準化を図る上で有効な手段は、異なる業務内容をパラメータ化しシステムで吸収することであるが、従来の基幹系のシステム(人事給与システム)のカバー範囲は、給与計算など大量計算処理に重点が置かれ、事務処理の一部を担うに過ぎないものであった。
このような背景から、業務のセンター化を実現するために、基幹システムでカバーされていない事務処理を含めた業務全体の標準化を推進すべく、プロジェクトに着手した。
導入
業務標準化の検討は2014年10月から始まる。
先ず手を付けたのが、現状把握。顧客ごとに異なる業務内容を把握することから着手した。現状把握を進めるに連れ、例えば、お客様ごとに社員の入社の際に入手する情報の詳細は異なるが、書類を受け付け、内容をチェックし、システムに登録し、入社手続きと給与計算処理を行うといった一連の抽象化されたプロセスは同一であることが分かってきた。このようなことから、業務の標準化を行うにあたって、下記4点の検討を行った。
(1)標準化/パターン化 | 業務処理の手順をモデル化 | 受付→チェック→入力→処理→後続手続きなどのプロセスのモデル化 |
---|---|---|
(2)見える化 | 標準化した業務モデルに沿った顧客ごとのオペレーション(パラメータ)の整理 | 顧客ごとに異なる受付時に受け取る書類の整理など |
(3)効率化 | モデル化したプロセスを支えるシステムCHORUS(Credible HR Operations Running Under the Standard)の構築 | 上記モデルに沿ってパラメータ登録することにより業務手順の標準化と顧客ごとの差異の見える化を支援するシステムの構築など |
(4)集中化 | センター化を推進する組織検討 | 上記モデルに沿った受付センターなどセンター組織の検討など |
また、上記検討と並行してシステムツールの選定も行った。
「この業務オペレーションを支えるシステム・ツール選定において、同時に走るいくつものオペレーションを管理しなければならない点から、BPMツールは不可欠だった。様々なBPMツールを検討し、(1)システム共通基盤上で業務プロセスが動かせる、(2)日本固有の処理プロセスへ対応できる、(3)業務の標準化のしやすさ、(4)リーズナブルなライセンス体系などから、『intra-mart』が最終候補に上がった。ただし、最終的に重視した点は、上記のモデリングやパラメータ化といったことを検討する際やそれをシステムとして具体化するにあたって想定される試行錯誤の過程に併走してもらうためのコンサルティング能力だった。相対したイントラマート社のソリューションコンサルティングメンバーの豊富な経験に基づく知識、高い技術サポート力、同じゴールへ向かって一緒に作り上げて行こうとする姿勢がintra-martの導入を決定づけた。」と常務執行役員の竹田氏。
「製品も飛躍的に導入数が増えており、4,800社もの導入実績からノウハウがフィードバックされる安心感も導入を後押しした。」とシステム事業部門 システムソリューション部 部長の池田氏。
intra-martの導入決定後、3ヶ月の開発期間を経て2015年7月第一フェーズの受付管理機能と進捗管理機能がカットオーバーした。IT化の側面からも、要件決定までの時間を極めてスピーディにできたことを評価している。
「試行錯誤を前提としながら、最小限の手戻りで業務オペレーションを開発していくのに、intra-martは真価を発揮した。アジャイル開発を取り入れ、出来上がりイメージをスピーディに作成し、画面やシステムの動きを確認しながら安心して開発を進めることができた。」と竹田氏は語る。
「我々が伝えた内容や実現したいことを、イントラマート社のソリューションコンサルティングメンバーが深く理解し、最大限の具現化案を一緒に検討してくれた。」と事業企画部の萩原氏は語った。
効果
機能的にはまだ初期段階であるが、新オペレーションプラットフォーム『CHORUS』により、基幹システムであるERPシステムではカバーできない事務処理に対して、エイチアールワン社が長年培ったノウハウを集約した標準の業務オペレーション支援システムを作り上げた。
「個別にExcelなどで管理していた顧客の個社性担当者の属人性を排除し、業務と携わっている人の進捗を抑え、処理手順のコントロールをシステムがサポートできるようになったことが大きい。」と事業企画部長の服部氏は力強く語る。
また、このような統一されたプラットフォームを持つことで、マイナンバー対応のような全顧客に共通する業務サービスの追加・拡張があった際も、インフラの追加等の手間や時間、コストをかけずスピーディに全社標準的な対応をすることができた。
このようにエイチアールワン社は、標準化された業務と俯瞰的な進捗管理による効率化を実現しながら、自社サービスを改良し、企業競争力を上げられる事業の基盤「サービスプロセスプラットフォーム」を手に入れたのである。
未来
「ここまでの到達には苦労はしたが、大きな一歩を踏み出すことができた。今後、機能を拡張することにより、更なる標準化・センター化を図れるようにしたい。また、この仕組みにより蓄積していくデジタルなデータにより、多面的な分析ができるようになり、改善の指針となる指標値を定性的ではなく定量的に決められるようになる。また、業務毎の特性が見えてくれば、それをマーケティング/営業部門にフィードバックすることで、値段に応じたサービス範囲のあり方の検討や顧客も交えた改善活動につなげることができ、顧客サービスの向上が期待できる。」と事業企画部の川合氏は期待をこめて語る。
業務プロセスのデジタル化
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柔軟な働き方と圧倒的な生産性を
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国内の著名企業を中心に10,000社以上のお客様に導入されています。
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