intra-mart導入から10年。
intra-mart Accel Platformによる
基幹系・業務系・情報系の統合とビジネスプロセス改革へと進化

情報系利用から、基幹系統合、業務改革へ。収益力向上から、競争力強化へ。企業が掲げる目標が高度化するとともに、システム基盤に求められる機能も進化する。
国内最大の自動車販売グループであるトヨタアドミニスタグループは、2003年からintra-martを導入して情報系システムの統合を進め、大きなコスト削減効果をあげてきた。
さらに2015年、intra-mart Accel Platformを基幹系・業務系・情報系の共通基盤と位置づけて、多数のアプリケーション再構築・新規開発を進めている。
目指すは、さまざまな業務改革を通じての「トヨタのプレゼンス強化」である。

目次

1.課題
intra-martで情報系システム基盤を構築して大きな成果
次の課題は基幹系システムまで含めた共通基盤構築

2.導入
投資抑制、開発スピードアップ、業務改革に威力
intra-mart Accel Platformで基幹系 ・業務系・情報系の共通基盤を構築

3.効果
ワークフローを駆使した業務改革に加えて
いままでシステム化していなかった領域にも踏み込む

4.未来
intra-mart Accel Platformのさらなる活用でトヨタのプレゼンスを高め、競争力を強化

課題

intra-martで情報系システム基盤を構築して大きな成果
次の課題は基幹系システムまで含めた共通基盤構築

 

統括会社であるトヨタアドミニスタ株式会社を中核に、東京都内のトヨタ販売店5社および、物流、情報システムを担う会社など全9 社が結集したのが、トヨタアドミニスタグループである。

「トヨタアドミニスタグループは、『新しい販売手法に取り組み全国へ発信する』というミッションをもって、店舗体制の構築、収益改善策や販売手法の提案などへ積極的に取り組んできました」と、株式会社トヨテック 代表取締役社長の森敏雄氏は語る。

同グループはこれまでの約10年間、リソース集約による収益性向上にチャレンジしてきた。
基幹系システムのサーバを集中配置し、システム系人材もシステム子会社のトヨテックに集結した。

株式会社トヨテック
代表取締役社長
森 敏雄氏

情報系システムを集約するためには、2003年にintra-martを導入して、システム共通基盤「TiPS(Toyota Information Portal Site)」を構築。
複数種類あったグループウェアを「イントラネット・スタートパック」に一本化したことに加えて、TiPS 集中購買システムなどの共通業務アプリケーションを開発して、シェアードサービスとしてグループ内に提供してきた。
グループウェアの一本化、情報系サーバの集約、運用管理効率化などにより、大きなコスト削減効果をあげてきたのである。

システム基盤最適化に向けてのトヨタアドミニスタグループのチャレンジはさらに続く。
2013年、トヨタ自動車は、基幹系システム「オールトヨタ販売店システム(ai21)」を集約する方針を打ち出した。
トヨタアドミニスタなど、販売会社に分散配置してきた基幹系サーバは2015年12月になくなり、シェアードサービスに切り替わる。

この大きな転換を、トヨタアドミニスタグループは改革の好機ととらえ、新プラットフォームを構築することにしたのである。

導入

投資抑制、開発スピードアップ、業務改革に威力
intra-mart Accel Platformで基幹系 ・業務系・情報系の共通基盤を構築

新プラットフォームに求められるのは、情報系、業務系にとどまることなく、基幹系まで含めたすべての領域を統合できる、柔軟性と拡張性の高い共通基盤である。
この要件を満たすプラットフォーム製品として採用したのが、intra-mart Accel Platformだ。

「intra-mart の情報系統合から一歩踏み出して、基幹系・業務系など全システムの基盤となり、さらには、業務プロセス改革へとうまく展開していけるのが、intra-mart Accel Platformの最大の魅力です」と森氏は語る。
投資抑制効果も高い。

「現在は、基幹系、業務系、情報系でプラットフォームが乱立し、開発基盤・開発言語もバラバラです。これらを新プラットフォーム上に統合できれば。開発ルールも運用ルールも統一できて、作業工数やコストを大幅に削減できます」と森氏。
また、複数のアプリケーションやポータルの間でintra-martも異なるバージョンアップが混在しているが、intra-mart Accel Platformであれば、これらを使い続けながら将来的に一本化できる。
しかも、モジュール単位でのバージョンアップが可能であるため、カスタマイズや拡張を柔軟に行える。
開発のスピードアップにも大きく貢献する。

基幹系システムがリプレースされれば、提供される機能にも変更が生じる。したがってこの大転換へ対応するには、業務系アプリケー ションを大至急で再構築しなければならない。
その点、intra-mart Accel Platform は、テンプレートが充実しており、アプリケーションの短期開発と、品質確保を両立できる。
もうひとつ、業務プロセスの標準化推進も重要な要件であるが、intra-mart Accel Platformは優れたワークフロー機能でこれを支援できる。業務プロセスを標準化したり、見える化するための機能が網羅されているうえに、社員が自分でワークフローの作成や修正ができる。

トヨタならではの「持続的なカイゼン」を支えることができるワークフロー基盤なのだ。
「投資抑制、開発効率と品質の両立、業務改革支援。
共通基盤にこの3つの要素がそろっていてこそ、安定稼働と持続的運用が可能になるのです」と森氏は言う。

効果

ワークフローを駆使した業務改革に加えて
いままでシステム化していなかった領域にも踏み込む

intra-mart Accel Platform 導入と同時に、数多くの業務系アプリケーションの再構築や新規開発が急ピッチで進んでいる。

そのひとつが、統合物流システムの中核となる「新点工場システム」である。

新車をお客様へ納車する際、販売店では、工場から届いた車を点検し、カーナビやオプションの用品を取り付けて調整したり、塗装したり、ナンバープレートを取り付けたりする。
ひと昔前は、販売店で点検・オプション取り付けにかかる時間は平均40分だったが、オプションが増えた今日では、平均6時間かかる。 その進捗管理をするのが新点工場システムだ。

intra-mart Accel Platform 上で再構築することで、台風などによって物流に遅延が生じたときにすばやく全体スケジュールを立て直す機能や、部品用品の在庫管理・発注管理機能を新規に追加できた。車両配送システムとの連動も実現する計画であり、配送計画と点検計画とをシームレスにつなぐワークフローはすでに構築済みだ。

「再構築の目的は、『お客様への納車もジャストインタイムにする』ことです。計画立案から、工程管理、部品用品管理、ヤード(駐車スペース)管理、請求/支払い、実績管理などすべてをintra-mart Accel Platform 上で一元化することで、作業工数を原単位※で計画し、実績評価できるようになりました。納期遵守率はさらに高まるでしょう」と森氏。

「納期明示、納期遵守、納期短縮」という目標は、中古車の商品化工程を管理する「U-Car統合管理システム」でも共通している。
「『計画』は必達であり、マネジメントしなければならないもの。計画から少しでもはずれたら『異常』と判断し、リアルタイムにリカバリを図らなければなりません。異常の見える化は、改革の行動起点なのです。こうした異常管理の考え方を販売現場へ浸透させるためにも、intra-mart Accel Platformを活かしていきたい」と森氏は語る。

接客業務の品質標準化という新しい領域にもチャレンジしている。その代表例が、お客様の来店から退店までをおもてなしする「営業ワークフローシステム」だ。

店長ポータルには、現在の来店客の人数、用件、接客経過時間などが表示され、管理職・スタッフにも共有される。表示されるのは、基幹系データベースの情報と、スタッフメモなどの非データベース情報を融合した、現場に役立つ情報だ。
スタッフが商談のプロセスを進めたり、車の入出庫作業などを行えば、表示内容はリアルタイムに変化する。

この営業ワークフローを使って業務を行うことで、店長は来店客へ挨拶できたか、スタッフは商談支援ツールの何を使ったか、どういう来店客を迎えるためにどのような準備作業をすれば喜ばれたかなど、これまでデータベース化されなかった情報までが一元的に記録され、標準化への環境が整う。

トヨテックは、趣旨に賛同する販売会社と協力して成功事例を作り、全国展開しようと意気込んでいる。


※原単位:製品1単位を作るのに必要な生産要素(原料・工数 など)が原単位。トヨタは、部課別、工場別、全社などできめ細 かく原単位を算出し、その厳守と改善を目指す原単位管理を行っている。

未来

intra-mart Accel Platformのさらなる活用でトヨタのプレゼンスを高め、競争力を強化

基幹系・業務系・情報系の基盤統合は、長期 にわたるチャレンジである。
アプリケーション再構築の予定は目白押しだ。

しかしこれからもトヨタアドミニスタグループは、ワークフローを駆使したビジネスプロセス改革に加えて、これまでシステム化されていなかった領域でもITを活用できるようにして、あるべき姿と現場とのギャップを埋めていこうとしている。

「さまざまなアプローチの業務改革サイクルを回していくことによって、最終的には、トヨタのプレゼンスを高め、競争力を強化したい。この課題解決に最も役立つのが、現時点では、intramartAccel Platform だと思っています」と森氏は力強く語った。

基本情報

株式会社トヨテック

本社
東京都港区芝浦4-8-3
設立
1981年6月8日
資本金
2,000万円
従業員数
124名(2014年5月末日現在)
概要
東京トヨペット株式会社の子会社として出発。2003年、トヨタアドミニスタ株式会社の持株会社化に伴い、同グループの情報システム・情報戦略を一手に担う情報子会社となる。
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