IT活用で利益を生み出すB to B to Cのビジネスモデルを構築。
自社とユーザーとその先の顧客を強固に結び付ける
新たなサービスの創造にintra-martが貢献。

ガス事業者向けに住宅設備関連機器(ガス給湯器、ガス暖房機、フロ釜)の製造・販売を行うほか、電子制御機器・情報ソフトウェアなど幅広い事業を展開するパーパス株式会社(静岡県富士市)。同社は、エンドユーザーであるガスの消費者が「Webサイト上でガス料金や利用状況などを確認できる」サービスをintra-martで開発。ガス事業者に提供を開始した。

消費者の目が省エネやエコロジー、節約に向けられている今、消費者に対し価値あるサービスを提供できるとして、ガス事業者にとっても大きな強みとなり競争力強化にも役立つことが期待できる。いわばB to B to Cを強く意識した戦略で、大きくビジネスチャンスを広げようとしているこのサービス開始までの経緯や効果、将来への展望を執行役員 技術本部IT開発部部長 兼 営業本部情報営業管掌の川口忠彦氏をはじめ、システム構築に関わった二氏に伺った。

目次

1.課題
より良いサービスを求める消費者の声に応え続けるために、
ガス事業者には新たな取り組みが必要。

2.導入
選定のポイントは、「開発しやすく、保守しやすいこと」「マルチテナント」「既存システムとの連携」。
intra-martによる短期間でのシステム開発が実現。

3.効果
効消費者にとって嬉しいサービスを次々とスタートし、
ガス事業者・パーパス一体となって取り組む。

4.未来
社会の変化に合わせて変わる消費者のニーズに合わせ、
より良いサービスを事業者とともに提供していく。

課題

より良いサービスを求める消費者の声に応えるために、
ガス事業者には新たな取り組みが必要

ガス事業者のWebサイト活用が、消費者との関係強化のカギ

昨今、エネルギーに対する社会や消費者の関心は高まる一方。消費者は、自分が「どのくらいのエネルギーを消費しているのか」を知り、省エネや節約に取り組みたいという意識も高まっている。このような中、ガスを取り巻く状況も変化してきた。エネルギーを電力だけに一極集中しない方がいいという考えもあり、これまで以上にガスが注目を集めている。

「ガスに関するサービス展開を、急ピッチで行わなければなりません」と語るのは、パーパス株式会社執行役員の川口忠彦氏。
「パーパスでは、ガス事業者に向けて、ガス料金の請求を行うソフトウェアなどを提供してきましたが、2009年から、クラウドでもサービス提供を開始しています。顧客マスターや消費量データなどを、クラウド上で一元的に管理するクラウドAZタワーというサービスですが、これは業界でも先進的なものでした」。

執行役員
技術本部IT開発部部長 兼
営業本部情報営業管掌
川口 忠彦氏

川口氏はさらに、このクラウドを活用したサービスを、ガス事業者や消費者に役立てることができないかと考えていた。「ガス事業者と消費者は、毎月1回請求書を発行する、固定客のような強固な関係。とはいえ、消費者は常によりよいサービスを求め続けるもの。常に安心できる固定客と言うわけではありません。ですから、ガス事業者は、顧客確保と売上増大の努力は欠かせません。私たちにしても、ガス販売社が消費者に満足してもらうお手伝いをすることで、ガス販売社との関係を強化したい。そこで私たちが見直したのは、ガス事業者のWebサイトです」。

パーパスは、その顧客であるガス事業者のWebサイトの入念な調査を行った。その結果、本来ならば消費者に対しサービスの窓口となるべきWebサイトの利用は芳しいものではないことがわかったのだ。「ガス事業者にとっては、Webサイトを作ることが大変だったり、更新・運用してくことが難しい。ですが、ITの急激な発展を顧みたとき、今こそWebを活用して、消費者にサービスを提供して行くことが、顧客を確保する上でも重要であると認識したのです。」と川口氏は語る。

導入

複数の会社や国をまたがる複雑な取引にも余裕で対応
intra-martなら、やりたいことがすべて実現する

開発しやすく、運用しやすいシステム構築に向けて

ガス事業者に対し、消費者への窓口となるべきWebサイトを提供するしくみを作りたい――こう考えたパーパス。しかし、そのために選ぶべき製品とは。導入に携わった技術本部の藤田和久氏は次のように振り返る。
「製品を選定する過程で、ポイントは次の3つに整理されました。1つ目は、開発しやすく保守しやすいこと。2つ目はマルチテナント対応。3つ目は既存のクラウドシステムとの連携がしやすいことです。いくつかの候補がある中から選んだのは、ポータルで開発まで行えるintra-mart。もちろん、ほかの製品より導入しやすい価格帯でした」。

技術本部IT開発部
Web開発グループ副主幹
藤田 和久氏

選定ポイントの詳細を藤田氏が語る。まず1つ目の、開発しやすく保守しやすいことについてはどうだろうか。「パーパスでは、基本的に自社開発でシステム構築を行います。しかし、これまで培ってきたノウハウはある一方で、システムを長く運用していく難しさも知っています。時代の変化によりOSが変わる、属人化する……このようなことが起きないよう、開発生産性を担保したい。教育しやすく、人が変わっても使い続けることができて、社員の技術力や能力を継続できる、そんなシステムがほしいと思いました。その点、intra-martは、使いやすいフレームワークに加えて、開発しやすい様々な部品が揃っていました。これならば、誰でも簡単に開発ができますし、効率的に開発が進められると考えました。また、これまでの知識や技術が活かせると判断したのです」。

2つ目は、マルチテナントという点。「サービスがスタートしたら、多くのガス事業者に提供することになります。その点、intra-martではマルチテナント向けの機能が標準搭載されているので、各事業者への権限設定が容易に行えます。これも、重要なポイントでした」。

3つ目は既存システムとの連携。これまでのIT資産の活用を考える上でも重要なポイントだろう。「基幹システムである、クラウドAZタワーにあるデータと連携できるかは大きな課題でした。intra-martは、他システムと連携するのが得意です。バッチのスケジュール機能などの活用で、顧客情報など、基幹システムとの連携をスムーズに行うことができました」。

効果

消費者にとって嬉しいサービスを次々とスタートし、
ガス事業者・パーパス一体となって取り組む。

消費者の声を、事業者とともに新たなサービスへ展開

パーパスが開発した『消費者Web会員サービス』は、消費者がガス事業者のWebサイトを訪れれば、消費者自身の毎月のガス料金や過去の取引履歴が見られるというもの。まさにエネルギーの「見える化」を実現したものだ。このサービスでは、単なるガス使用量の見える化にはとどまらない。消費者にとって「おトクな情報」として、ポイントサービスや、キャンペーンなども行うことができるのだ。

消費者Web会員サービス

ガス事業者は、このサービスを利用すれば簡単に自身の店舗のWebサイトが作れるだけではなく、固定客に対しての結びつきもより、強化できる。また、「消費者が求めるサービスをガス事業者が聞き、パーパスがともに考え、開発して消費者に提供する」このようなサイクルで、より三者の結びつきは強固になる。そして、そのサイクルを円滑に回すのがintra-martだ。

消費者Web会員サービスの概要

社内IT担当者にも大きなメリットが

技術本部の佐藤 淳氏は次のように語る。「intra-martで、システムの開発、保守が容易に行えるようになり、サービスを提供するスピードも上がりました。専門のシステム保守担当者をおかなくてもよいので、我々はシステムのお守りばかりをすることなく、新たなサービスに向けた本業に専念できるという点は大きなメリットです。また、フレームワークがしっかりとしているintra-martは、教育という面でも効果的でした。専門知識が少ない担当者でも保守や開発に関わることができるなど、教育の時間の短縮にもつながりました」。

未来

新たなビジネスを可視化する
intra-martの対応力に期待

新たなビジネスを可視化する
intra-martの対応力に期待

intra-martにより『消費者Web会員サービス』の効率的な開発に成功したパーパスは、今後はさらにintra-mart活用の幅を広げようとしている。「intra-mart上に、工場生産システム、営業管理システム、販売・承認システムなど、様々なシステムを構築していき、合理的な社内ポータルの構築を考えています」と、川口氏は語る。社内のシステムもより使いやすいものに変えていくためにもintra-martは適していると考えているのだ。

そして、社会を通じた消費者のこれからの課題や事業者、そして自社の在り方についても目を向ける。「環境問題やエコの問題、省電力など、多くの消費者がエネルギーの使い方に対して意識的になっていると思います。今後、電力の分野ではスマートグリッドや、自宅で太陽光発電した電気を販売できるようになるといったことが実現すれば、社会が大きく変化するはずです。このような社会情勢の中、私たちは、消費者にガスを通じて何が提供できるのかを、これからも考えていきたいです。例えば、パーパスではすでに、ガスの使用量などのデータをクラウドで扱い「見える化」しています。やがて家庭内のエネルギーを見える化するような時代が来た時にも、きっとそのノウハウは活かせるのではないでしょうか。こうした先進的なITサービスを、ガス事業者とともに消費者に提供していくためにも、今後もintra-martに後押ししてもらいたいですね」。

基本情報

パーパス株式会社

本社
静岡県富士市西柏原新田201
設立
1952年(昭和27)3月25日 前身である高木プレス工業(株)設立
1968年(昭和43)2月21日 社名を高木産業株式会社に変更
2011年(平成23)11月1日 社名をパーパス株式会社に変更
資本金
9,800万円
社員数
996名(平成24年1月現在)
概要
ガス販売店向けに住宅設備関連機器(ガス給湯器、ガス暖房機、フロ釜)の製造・販売を行うほか、電子制御機器・情報ソフトウェアなど幅広い事業を展開。
URL


本事例に掲載された各製品の関連情報は、下記をご参照ください。
●intra-mart Accel Platform
(システム基盤の集大成となるintra-mart WebPlatformの次バージョンを紹介しています。)

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