intra-martでワークフローおよび、
顧客に価値を生む販売管理プラットフォームを構築

「不動産情報サイト アットホーム」の運営で知られるアットホーム株式会社(以下、アットホーム)。同社では以前、各現場が独自システムを使用して業務運用を行ってきた。
しかし、企業規模の拡大で販売管理業務やそれを支えるシステムが追い付かず、コンプライアンスの強化も困難になっていた。そこで、ワークフロー基盤および社内システムのプラットフォームとなるアプリケーション基盤の構築を検討。システム共通基盤「intra-mart Accel Platform」(以下、intra-mart)を活用し、将来の商品開発や顧客の新規開拓を支える販売管理システム構築を目指したのである。
現在は、フェーズに分けて順次システムをリリースしているが、業務フローと販売管理ルール構築に関する部署間の共通認識が進み、運営体制の効率化などの成果が生まれている。また、個別システムの統合が進むことで、システムコストの削減、さらに顧客に価値を生む活動へのリソースの集中といった成果も期待されている。

目次

1.課題
ビジネスの成長に伴い、個別最適システムの弊害が顕著に

2.導入
フルスクラッチ同様の自由度の高さとローコード開発のメリットを評価

3.効果
運営体制の効率化が進み、顧客に価値を生む活動にリソースを集中

4.未来
システムの順次リリースで業務のペーパーレス化を推進

課題

ビジネスの成長に伴い、
個別最適システムの弊害が顕著に

アットホームは、不動産会社間情報流通、消費者向け不動産情報、不動産業務支援を三つの柱として、不動産に関わる事業者、ユーザーに役に立つサービスを提供している。中でも、事業基盤となる「アットホーム不動産情報ネットワーク」には、業界No.1となる全国5万8872店の不動産店が加盟・利用している(2021年4月1日現在)。

同社はこれまで、各現場で独自のシステムやOffice製品を活用して業務運用を行ってきたが、企業規模が拡大し、ビジネスが成長するに伴って、販売管理業務やコンプライアンスの統制が困難になってきた。

情報システム部 社内システム開発統括室
室長    北川原幸佑氏

情報システム部社内システム開発統括室の北川原幸佑室長は、「当社は長い歴史の中で、各現場が独自のシステムや個別ツールを活用した業務を行うなど、その時に必要なものを手当してきたことから、個別最適なシステムになっていました。エンドユーザーコンピューティング自体は決して悪いことではないと考えていますが、ビジネスの成長とともに顧客層が拡大し、商品やサービスが多様化していくのに対して、販売管理業務やそれを支えるシステムが追い付かないという状況が生じるようになってきました。結果として、イレギュラーな運用が発生し、情報統制が困難となるなど、それぞれの現場にも負担になっていました」と振り返る。

課題の一つに、販売管理に在庫管理の機能がなかったことだという。担当部署がExcelで管理し、その情報をグループウェアに載せていたため、タイムラグが発生して情報をタイムリーに反映できなかった。「在庫があるのにもかかわらず、グループウェア上ではないと表示され、お客様にご迷惑を掛けてしまったことがありました」と北川原室長は話す。

販売管理業務については、担当者がマクロで作成していたものも多く、結果として属人化して、別の者では業務を代行できないケースもあった。また、紙ベースでおこなっている業務も多く、それを社内便で関係部署や各営業所に送るなどしていたことで、情報が伝わるまでに2日掛かることもあったのである。
こうした状況を改善するため、汎用的なワークフロー基盤および社内システムのプラットフォームとなるアプリケーション基盤の構築を検討。将来の商品開発や顧客の新規開拓を支える販売管理システム構築を目指したのである。

導入

フルスクラッチ同様の自由度の高さと
ローコード開発のメリットを評価

ワークフローおよび販売管理プラットフォームを構築するプロジェクトは、情報システム部の主導で2017年から検討を開始。18年4月にスタートし、以下の4点を目標に掲げた。

・現行業務の棚卸をして、業務全体の可視化
・改革に沿った新たなルールの策定
・自社のERP(基幹系情報システム)になり得るシステムの構築と導入
・企業コンプライアンス対応

同社は現在、ITシステムの内製化に力を入れている。社内で技術力とノウハウを蓄積し、業務や社会情勢の変化に迅速かつ柔軟な対応を実現していくという狙いがあるためだ。

情報システム部 社内システム開発統括室
社内システム開発グループ
平戸達則氏

当初は、パッケージ製品導入を検討したが、パッケージ製品では個別最適化した現場とマッチさせるのは困難であり、顧客への影響を考慮すると業務をパッケージに合わせるのも困難と判断したという。

「各現場の業務運用のやり方にも長い歴史があるので、それを全て無視してパッケージに寄せるにはあまりにも無理があり、現場の反発も大きいのです。その点、intra-martであれば、フルスクラッチで開発するのと同様に、自由度の高いシステム開発がローコードのため容易かつ短期間で可能と判断しました。すでにワークフロー基盤があるので、そこに掛ける時間とコストを抑えることができます」と、情報システム部社内システム開発グループの平戸達則氏は説明する。intra-martのワークフローは単体製品としてではなく、プラットフォーム(システム共通基盤)の1機能として標準装備している。

intra-mart採用の背景には、前職の時代から北川原室長がintra-martを知っていたこともある。操作を含めて慣れており、実績、開発の容易さ、他システムとの連携などについて高く評価していた。「社内にはintra-martを知らない人も多かったのですが、NTTデータニューソンさんの適切なアドバイスがとても役立ち、スムーズな開発につながりました」と北川原室長は話す。

効果

運営体制の効率化が進み
顧客に価値を生む活動にリソースを集中

今回は、BPRプロジェクトとして工数も多く、一度に販売管理システムのすべてを開発・リリースするのは難しいことから、フェーズに分けて順次リリースを進めている。まず、PoCを兼ねて小さな二つの機能をintra-martでスクリプト開発し、19年1月に稼働させた。同年8月には、人事パッケージから人事情報をIM共通マスタに取り込み、一元的に管理する仕組みを構築。これにより、異動に際して手入力せず、履歴を備えた社員情報、組織情報、役職情報を自動的に反映し、統合管理できる仕組みが完成した。
さらに、21年1月に出庫を伴う商品(不動産店舗で使用する店頭業務ツールなど)の受注機能、在庫管理、棚卸機能をリリースした。今は、基幹サービスの一つである物件情報についても対応を進めている最中だ。

「販売管理に在庫管理の機能がなかったことで、情報をタイムリーに反映できなかったという課題も、これからは受注と同時に在庫の引き当てが行われるので、リアルタイムに在庫情報を提供できるようになりました」と平戸氏はメリットを語る。ECショップ「アットホームショップ」からの注文は、以前は人がデータを打ち直していたが、データ連携でその必要が無くなり、手間の削減と共に打ち間違えもない。

また、社内便で紙の書類を関係部署や各営業所に送っていたものも、ワークフローの導入によってリードタイムが丸2日短縮するなど、情報共有のスピードが格段に向上している。
ワークフローの導入で紙を廃止した業務が増えたことで、テレワークでも十分に業務を回していけるようになり、出社率の削減にもつながっているという。

「業務が異なっていても、必要とするデータは同じというケースは少なくありません。以前は各部署がそれぞれデータを保有していたため重複することがあり、最新データがどれか分からないこともありました。それが一元化したことで、必要なデータに容易にアクセスできるようになりました」と北川原室長は振り返る。

業務プロセス自体の改善も進む。ワークフローによる新しい業務フローと販売管理ルールの構築に関して、部署間で共通認識を持つことにより、非効率な運用を生まない環境が実現できるようになってきたという。共通基盤化で、現場にはマクロによるやり方ほどの自由度はなくなったが、あえてシステム側に業務を寄せることで標準化を進めていった。

平戸氏は、「社内の合意形成には苦労しましたが、結果として、属人化からの脱却など、運営体制の効率化も進み、お客様に価値を生む活動にリソースを集中できるようになります。また、個別に構築していた社内システムの一部が統合したことで、今後は、システムコストの削減にも寄与できると考えています」と語る。

システム構成・業務データフロー図

未来

システムの順次リリースで
業務のペーパーレス化を推進

同社では、今後も他のシステムについても順次リリースしていく予定で、現在は基幹サービスの一つである物件情報(ファクトシート)についても、本システムでの対応を進めている最中だ。物件情報に関する事業は創業以来、同社の柱となる事業であり、加盟店の方々に向けていち早く最新情報を提供できる仕組みを整備していく。

販売管理システムとは別のプロジェクトとして、intra-mart の基盤上で直観的な操作でWebアプリケーションを簡単に作成することができるIM-FormaDesignerを活用した業務ワークフロー機能の開発も進めている。これはRPAの仕組みも取り入れてメールの情報を取り込み、自動処理できるようにするもので、ペーパーレス化を狙いとしている。
「まだ、社内に紙ベースの業務は多く残っていますが、紙からデジタル化への転換を進めることで、全社におけるビジネスの加速にも寄与できます」と北川原室長は展望する。

基本情報

アットホーム株式会社

所在地
東京都大田区西六郷4-34-12
創業
1967年12月
事業内容
不動産会社間情報流通、消費者向け不動産情報、不動産業務支援
URL

導入パートナー 株式会社NTTデータニューソン

アプリケーション事業部
アプリケーション営業部 課長
堀内淳氏
アプリケーション事業部
第二統括部第二開発担当 部員
佐々木月海氏
アプリケーション事業部
第二統括部第二開発担当 担当部長
北畠千聖氏
アプリケーション事業部
第二統括部第二開発担当 
エキスパート

大槻健高氏

個別最適化が進み、コンプライアンスを含めての管理が難しくなっていた業務システムをintra-mart上で統合するというプロジェクトに、弊社はITアーキテクトの領域で支援させていただきました。これからもリリースが続きますが、アットホーム様のintra-martへの深い理解と確かな技術力を目の当たりにし、必ずプロジェクトは成功するものと確信しています。今後とも、進化を続けるintra-martの最新情報をお届けしていくとともに、アットホーム様の常に頼れるパートナーとして、ご相談を頂けるよう努めてまいります。

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