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北京蒲蒲蘭文化発展有限公司様


拡大する中国の絵本市場を攻略すべく版権管理のシステム基盤に「intra-mart」を採用
複雑な管理業務の効率化と人的ミスの徹底排除を目指す


 日本の児童書出版社ポプラ社の中国現地法人として、2004年7月に中国北京市で設立した北京蒲蒲蘭文化発展有限公司(以下、北京蒲蒲蘭)は、外資企業のなかではいち早く中国の図書流通業に参入し、絵本の販売や出版などを手掛けている。急激な経済発展に伴い、子どもの教育への関心が高まっている中国では、毎年の発行部数が伸びている。一方、刊行物の版権を管理する社員の負担も増加し、これまで続けてきたExcelを使った手入力の対応は限界の状態に。複雑な版権管理業務の効率化とミスの徹底排除を狙い、「intra-mart Accel Platform」を基盤とした初めてのシステム化を実現した。

課 題

右肩上がりに刊行点数が増え、属人的な版権管理業務が限界に
人力のデータ入力と業務の属人化の解消が喫緊の課題

北京蒲蒲蘭文化発展有限公司
副董事長
北村 明 氏
 北京蒲蒲蘭は現在、日本本社のポプラ社やその他の日本及び海外の出版社が出版した絵本を翻訳し、中国国内で販売することを主な事業にしている。これまでの総刊行数は約700点で、その数は右肩上がりで増えているという。
 中国国内で販売した刊行物については、新刊の場合は1年に1回、重版の場合は半年に1回、各出版社や作家、デザイナーに対して印税に関する報告の必要がある。北京蒲蒲蘭ではこれまで、各刊行物の販売部数や在庫部数、印税のパーセンテージなどの多くの情報をExcelへの手入力で管理していたが、発行点数の増加に伴い、業務上の問題点が出てきた。
 北京蒲蒲蘭の北村明副董事長は「版権管理の業務は、これまで4名の担当者が、1か月ほどかけて集中的にデータを入力していました。販売部数や在庫部数、印税のパーセンテージは報告先ごとに異なるほか、日本とは違って書籍の定価が数年で変動することもあり、入力の作業はかなり複雑です」と説明する。
 そのうえで「絵本の発行部数が伸びている影響で、入力するデータの量も増え続けており、これまでの手入力による版権管理は限界を迎えています。入力作業は個人の能力に頼っていた部分もあり、人事異動などで担当者が代わると、作業の手順や必要な数式が分からなくなるという事態も起こっていました」と、その課題を振り返る。
 こうした状況を踏まえ、北京蒲蒲蘭は17年からシステム導入の検討を開始した。北村副董事長は「お金が絡むことなので、万が一、ミスがあったら、長年にわたって築いてきた弊社の信用を失墜させることにつながります。社員の負担を減らし、かつミスを起こさないためには、システムの導入が必要だと判断しました」と説明する。

導 入

業界の特殊な仕様と将来的な利用に対応する柔軟性と拡張性が決め手
簡単にデモ画面を作成し、日本本社とも共通認識を醸成
 北京蒲蒲蘭にとって、版権管理業務のシステム導入は初めての挑戦で、「何から手を付けていいか全く分からない状態」(北村副董事長)だった。当初はポプラ社が利用するシステムと同じ仕様も検討したが、ユーザ数や処理内容に伴うシステム規模が違うほか、中国での利用に合わせた手直しが必要であることが判明し、移行は断念した。
 中国国内の数社のベンダーからの提案を比較検討した結果、システム基盤にintra-mart Accel Platformの採用を決定した。北村副董事長は「柔軟な開発や将来的な拡張がしやすい点が採用の大きな決め手です」と話す。
 管理本部の楊名氏は「出版業界は印税のパーセンテージなど、他の業界とは異なる複雑かつ独自のルールがあり、一般的なパッケージのシステムでは十分に対応ができない可能性が高かったです。一方、intra-mart Accel Platformは出版業界でシステム基盤としての活用実績があり、初めてシステム化する弊社にとっては安心して選択できる材料となりました」と付け加える。
 北京蒲蒲蘭は、18年末から要件定義に着手した。一つの版権には、複数の部署が関係しているため、ほかの部署も交えた会議を続け、業務の整理と共通のルールづくりを進めた。
 楊氏は「要件定義後の設計・開発段階になってからも、各部署から機能追加に関する希望が出ていましたが、画面作成ツールのIM-FormaDesigner を使うことで、希望に合わせて短期間で簡単にデモを作成し、それを見ながら開発の経過を把握することができたので、方向性を見失うことなく、具体的なイメージを持ちながら導入を進めることができました」と振り返る。
 また北村副董事長は「日本側に報告する際、言葉だけだと伝わりにくい場合がありますが、デモ画面を日本から見てもらうことによって、日本側の理解が得やすく、日中双方でシステムに関する共通の認識を持つことができました」と話す。

効 果

安定稼働と接続スピードを確保、今後の劇的な変化に期待膨らむ

北京蒲蒲蘭文化発展有限公司
管理本部
楊 名 氏
 北京蒲蒲蘭は、19年8月にシステムを稼働させた。北村副董事長は「稼働初期の現時点では、Excelとシステムを併用していますが、システムの方が使いやすいのは言わずもがな。今後は劇的な変化が出てくるはずです」と期待感を示す。
 さらに「今回、初めてシステムを導入した結果、Excelに入力した文字の半角と全角の違いなど、今まで見えなかった問題点が見えるようになりました。担当者以外には把握しにくかった版権管理の流れも可視化できるようになり、属人的な業務のバラつきもなくなりました」とも。システムのインフラは、オンプレミスとIaaS型クラウドサービスの二つの選択肢があった。楊氏は「社内へのサーバーの設置は、システムの管理人員やスペースの課題があったため、当初から避けることを考え、中国のアマゾンウェブサービス(AWS)をシステム環境として利用することを決めました」と説明する。
 楊氏は「安定性はまったく問題なく、処理が集中しても処理速度が落ちることはありません。初期コストを抑え、業務範囲や利用するユーザの規模に合わせた適切なインフラとして利用が可能です」と実感する。
 具体的な導入効果についても、「ワークフローで版権周りのマスタデータについて厳密な承認を実施しているので、データの記入漏れや不正の発生を防げるようになりました。印税はシステム上で自動的に計算できるため、業務の効率を向上させることができました」と説明。さらに「各契約や書籍などはマスタテーブルを設計したので、管理が楽になりました。販売や財務システムとのデータ連携もできるようになっており、時間の大幅な削減を実現しました」と話す。
 システムの安定性に加え、北京蒲蒲蘭が重要視していたのが拠点間の接続スピードだ。楊氏は「われわれは北京市に本拠を置き、中国国内では上海市と広東省広州市に拠点があります。AWSを利用したことで、中国国内の各拠点間の接続スピードは安定しています。それに加え、日本との接続は、専用回線なしでもスピードが低下することはありませんので、今まで以上に各拠点の連携を強化できそうです」と語る。
 北京蒲蒲蘭は、導入したシステムに対して日中をまたいだ業務改善効果も想定している。楊氏は「今までは、中国側の担当者が入力したデータを別の担当者が検算した後、日本側でもデータをもう一度手打ちで入力して関連部署がチェックする必要がありました。システムを使うことで、今後はこうした二重入力の作業は不要になり、中国と日本の両方で業務の負荷を軽減できるとみています」と予想する。


未 来

編集業務をはじめ、他の業務にも活用の幅を拡張
将来は社内全体のシステム基盤としての利用も目指す
 中国の親は子どもの教育に熱心といわれている。最近では、中国政府の主導で子どもの読書環境を整える動きもあり、中国の絵本市場は拡大が続く見通しだ。北京蒲蒲蘭は、主力事業とする中国国外の翻訳絵本の販売に加え、これからは中国のオリジナル作品も増やす計画だ。それに伴い、今回の版権管理システムの改良を進めるとともに、第2フェーズとして編集業務への展開を準備している。
 北村副董事長は「オリジナル作品が増えると社員の増員や部門の規模拡大の必要が出てきます。事前にしっかりとシステム化しておけば、社内の体制が変わっても、スムーズに事業を続けることができます」とし、「編集業務では、各刊行物の編集がどのように進行しているかを見えるようにすることを考えています。必要に応じて柔軟にシステムを拡張できるintra-mart Accel Platformを活用することで、しっかり対応できると思っています」と自信を見せる。
 さらに「将来的には、社内全体のシステム基盤としても検討していく予定です。システムで業務の効率が上がれば、ほかの業務への展開について、社内の理解が得やすくなります。人の手に頼っていた業務をシステムに任せることで、価値のある仕事に社員の力を振り向けることができます。われわれの業務を支えるintramart Accel Plartformとは、これからも長く付き合っていくつもりです」と語る。

基本情報

北京蒲蒲蘭文化発展有限公司

所在地 中国北京市朝陽区建外秀水街1号建外外交公寓15号楼15-1-062
設立 2004年7月
概要 絵本を中心とした児童書の出版と、卸販売、北京市内で運営する直営店での小売りを展開。絵本の著者を招いた講演会や読み聞かせイベントなどの啓発活動も実施
url http://www.poplar.com.cn/

導入パートナー 富士軟件科技(山東)有限公司(富士ソフト中国)

第一事業部国内開発部
プロジェクトリーダー 孔祥峰 氏(左)
国際商務開拓部
部長 張川 氏 (右)
 従来、Excelで管理されていた版権関連の業務のシステム化ということで、複雑な版権管理への理解、業務整理からの支援をさせていただきました。ワークフローの導入・データ化により、作業の見える化/共有化が可能になりました。
 今後の拡張も踏まえた第一弾のシステム導入ではありましたが、業務整理時のお客様側の積極的な協力もあり、無事リリースすることができました。
 今後は、今回のintra-martの基盤を生かし、版権管理のほか、編集から出版まで、幅広い範囲での業務の共有化・効率化への支援をしていきます。

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