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西武鉄道株式会社様


業務部門発によるノンプログラミング開発で
乗務員の技術・サービスの品質向上を支えるシステムを刷新
 前身である武蔵野鉄道の設立以来、100年以上にわたって東京から埼玉エリアの通勤や通学、観光などを支えてきた西武鉄道株式会社(以下、西武鉄道)。2019年3月16日には、25年ぶりとなる新型特急車両「Laview(ラビュー)」の運行も開始。都市や自然の中でやわらかく風景に溶け込む特急として話題になっている。
 同社では、お客さまが安全かつ安定的に目的地まで移動できることを視野において、乗務員の育成に力を入れている。その一環として、運転士や車掌の横に立って動作を監察し、「添乗」結果を管理する添乗記録システムを長年利用していたが、操作性や評価軸の曖昧さが課題となっていたためシステムの刷新を検討。intra-martのクラウドサービス「Accel-Mart」の導入により、評価結果を乗務員自らiPadで確認できるなど利便性が増したうえ、ペーパーレス実現による承認フロー時間の半減といった効果をもたらしている。

課 題

構築から15年以上が経過
ブラックボックス化したシステムの刷新が急務に

西武鉄道株式会社
鉄道本部
運輸部 運転課 主任
小川 知哉 氏

西武鉄道株式会社
鉄道本部
運輸部 運転課 課長補佐
土屋 正治 氏
 西武鉄道の運輸部門の質を高めるうえで欠かせない取り組みが、運転士や車掌が実際に業務をする現場に立ち会って適切な所作ができているかを確認する「添乗」である。西武鉄道では、全8乗務所・管理所に所属する管理職や各班の班長と副班長が運転士や車掌の業務内容を確認し、記録している。運転士と車掌の人数は、総勢約1,000名にものぼるという。
 当時運用していた添乗記録システムは、10年以上前にAccessで構築されたものであった。それゆえ、外部環境や社内組織などの変化に対応した評価基準に見直したいと考えても、仕組み自体がブラックボックス化しているために簡単には変えられなかった。鉄道本部運輸部運転課課長補佐の土屋正治氏は「乗務を終えた添乗者が一斉に添乗記録システムにアクセスすると画面が固まって操作できなくなったり、1件の処理に想定以上の時間がかかったりしていました」と当時の課題を語る。
 添乗記録システムの運用体制にも課題があった。当時は7項目(執務、乗務交代、乗務員室、運転、制動、喚呼・称呼、構内作業)について4段階評価で点数をつけ、その後は添乗者から所長までの紙による承認ワークフローを経て閲覧される状態であった。鉄道本部運輸部運転課主任の小川知哉氏は、「乗務の質的向上を目指すには、7項目の軸だけで正しく評価できるのか、細分化した方が良いのではないか、といった議論はありました。また職場や添乗者ごとに評価軸が異なることも多かったため、『曖昧な添乗評価基準を見直したい』という思いもありました」と振り返る。
 また、当時の添乗記録システムの仕組みでは、評価内容が運転士や車掌に具体的に伝えられていなかった。「運転士や車掌にとっては、自分がどのように評価され今後どのような改善をすれば良いのかが分からない状態でした。添乗記録の内容を運転士や車掌にフィードバックできる仕組みができないか模索していました」(小川氏)

導 入

記憶が鮮明なうちにiPadで入力できる添乗記録システムを簡単に構築
 これらの課題を解決するために、運転課では添乗記録システムの刷新に向けて動き出した。しかし、運転課として形のない状態から作り上げるシステム開発は初めて。そこで、既に同社で申請システムとして導入していたintra-martをクラウドでスピーディに利用できる「Accel-Mart」の採用を決めた。
 iPadとPCの両方を活用できることも、Accel-Martの採用を大きく後押しした。2018年2月に導入した乗務員用iPadを添乗時に持参すれば、記憶が鮮明なうちに評価を入力できる。添乗記録のためにわざわざ乗務所に戻る必要もない。一方のPCは、評価を詳しく入力したいときや評価内容を一覧したいときに便利である。「実は他社のツールも比較検討したのですが、iPadだけしか使えない仕組みだったので採用を見送りました。用途によって最適なツールを選べる柔軟さがAccel-Martはありがたいですね」(土屋氏)
 2018年8月からAccel-Martの導入と開発に着手、2019年2月より新しい添乗記録システムを運用している。小川氏は「『具体的にどんな画面になるのかを見たい』とリクエストしたらすぐにイメージ画面を作ってくださるなど、非常に丁寧な対応をしていただきました。早い段階で双方のイメージの擦り合わせができたおかげで短期間での刷新が実現できたと思います」と述べている。

効 果

時間や場所を選ばず入力できることで評価精度が向上
ペーパーレス化でワークフローの所要時間は半減
 従来は乗務所にあるPCの空き時間を狙って入力する必要があったが、添乗記録システムの刷新によって入力時間の制約から解放された。iPadと連携したシステムなので、入力はもちろんのこと評価確認もiPad上でできる。
 乗務員へのフィードバック機能が追加されたので、離れた現場で働いていても常にやりとり可能な環境が整った。評価の良し悪しを具体的な数値で把握するとともに、履歴を振り返りながら成長した項目や今後力を注いでいくべき項目も見えてくる。
 システム刷新を機に、曖昧だった評価項目の見直しにも着手。最終的に、評価項目は7項目から最大39項目に増えた。「確かに評価項目数は多くなりましたが、評価基準を具体的な言動で示しており、添乗者も評価を細かくつけやすくなり、実際に添乗の精度レベル向上にも繋がった手応えがあります」(小川氏)
 Accel-Mart導入によってペーパーレス化が実現したことも、同社にとって大きな効果となった。従来はおよそ10名の押印を経なければならない承認ワークフローを電子化したことで、プロセスの時間そのものが半減したという。
 さらに、これまで乗務員1名につき1枚印刷していた評価シートが不要に。「2019年2月の1カ月間、8つの乗務所・管理所に所属する乗務員約1,000人に対しておよそ4,500件の添乗を実施しました。従来だとこれらを記録するために膨大な量の印刷を必要としていましたが、今はiPadやPCで入力も閲覧もできて便利です。作業負荷を大幅に軽減できました」(小川氏)


未 来

乗務所別評価分析やペーパーレス化のさらなる推進で、
お客さまへ安全・安定輸送を提供する基盤をつくる
 今後は、添乗記録データを活用した乗務所ごとの傾向分析を予定している。「乗務所別に評価が高い項目とそうでない項目を比較分析することで、乗務所ごとの改善計画も作りやすくなるでしょう」と土屋氏は考えている。
 引き続きペーパーレス化も推進していく。「Accel-Martの活用をさらに進めて、未だ続いている紙と印鑑によるワークフローを順次電子化していきたいと思っています。ペーパーレス化が進めば、それぞれが本来の業務に集中できる時間が増えますから、より一層お客さまへ安全・安定輸送を提供できると信じています」(小川氏)

基本情報

西武鉄道株式会社

所在地 〒359-8520 埼玉県所沢市くすのき台 一丁目11番地の1
設立 1912年5月7日
概要 鉄道事業、沿線観光事業、不動産事業を展開
url https://www.seiburailway.jp

導入パートナー 日本ユニシス株式会社

公共ビジネスサービス第一本部 スマートインフラサービス部
チーフ・スペシャリスト 志村 俊治 氏(右)
公共第二事業部 ビジネス三部 第二グループ
マネージャー 中沢 亮太 氏 (左)
 Accessによる添乗記録システムでは、評価基準を変更したくても専門の技術者がいなければ対応できないといった課題がありました。ノンプログラミング開発であれば、運転課のご担当者でも評価基準を変更することも容易です。そこで、Accel-Martを活用した新しい添乗記録システムの刷新を提案いたしました。

 早い段階でAccel-Martによりプロトタイプを作成し、添乗を実施する現場の方々と画面イメージを共有できたので、認識の齟齬なく短期間での開発を実現できました。Accel-Martはクラウドサービスなので、これまで8乗務所・管理所で個別管理していた評価基準や評価記録を一元管理できるのも便利です。

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