【事例付】DX内製化を成功させよう!課題やポイント、支援サービスまで

DX内製化を成功させるためのポイントには、以下のようなものがあります。
- 経営層のリーダーシップ
- 組織文化の変革
- デジタル人材の育成と確保
- 迅速な実行と柔軟な対応
- セキュリティとデータ管理
- 持続的な改善と評価
各ポイントの詳細については、記事中で解説しています。
DXの波が、日本国内の企業や公共団体にも押し寄せています。競争力の強化や業務効率化、顧客体験の向上など、DXの目的は多岐にわたります。
DXの実現のため外部の専門家に頼るケースも多い一方で、自社内で内製化を目指す動きも増えています。内製化には多くのメリットがありますが、一方で課題も存在します。
本コラムでは、DX内製化の成功事例を紹介しながら、その課題やポイント、さらに支援サービスについて解説します。
内製化とは?
そもそも内製化とは、何かをつくる際に、外注せずに社内だけで完結するよう、現状を変更することをいいます。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が企業の競争力強化に不可欠な時代において、外部の専門家やベンダーに依頼せず、自社でDXを推進していく「内製化」が注目を集めています。
そしてDXの内製化とは、企業内部でDX実現のための企画から設計、実装、運用までを行うことを指します。
内製化を実現した結果、企業は自社のビジネスに最適なデジタル戦略を構築し、迅速かつ柔軟に社内外の事情へ対応できるようになります。
内製化が注目されている理由
内製化が注目されている主な理由は、次の3点です。
ビジネスチャンスを逃さない
DXの内製化が注目される理由の一つは、ビジネスチャンスを逃さないためです。
現代はあらゆる市場環境は急速に変化しており、状況へ迅速に対応できる企業が競争優位に立つことができます。
外部の専門家やベンダーに依頼する場合、契約交渉やプロジェクトの立ち上げに時間がかかることも多く、そうしている間にビジネスチャンスを逃してしまうリスクがあります。
内製化を進めることで、自社内で瞬時にプロジェクトを開始し、迅速な対応をとることが可能となります。
独自性の高いシステムも構築できる
企業ごとに異なるビジネスプロセスやニーズを満たすためには、独自性の高いシステムの構築も必要となることがあるでしょう。
外部ベンダーが提供するパッケージシステムでは、どうしても汎用的な機能に限定され、自社の要望を実現できないケースもあります。
一方で内製化が実現すれば、標準化されたパッケージソフトでは対応できない独自の要件やカスタマイズが可能となり、自社業務に最適化されたシステムを開発することができます。
そうすることで、業務システム面からも他社との差別化を図ることができます。さらに、自社の業務ノウハウをシステムに反映させることも可能となり、業務効率化や生産性が向上します。
コストを削減できる
長期的な視点で見ると、内製化によって開発・運用コストを削減できる可能性もあります。
開発を外注する場合、開発費用に加えて、保守・運用費用や機能追加の度に開発費用が発生します。
内製化が実現すれば、先述のような費用の発生を抑えつつ、システムの柔軟性や拡張性を高めることも可能です。
また、内製化により社内に開発ノウハウが蓄積されるため、将来的なプロジェクトでもナレッジを活用でき、継続的なコスト削減が期待できます。
DX内製化における課題
DX内製化に取り組むにあたり、よく課題となるのが、次の5点です。
リーダーシップ不足
DX内製化を進める上で最も重要な要素の一つが経営層やDX推進担当者のリーダーシップです。
推進者側がまずDXの重要性を十分に理解し、積極的にリーダーシップをとって行動することが不可欠です。
多くの企業でDX推進者側のリーダーシップ不足により、現場でのDXプロジェクトが停滞するケースが散見されます。
この問題を解決するためには、DX推進者側がしっかりとリーダーシップを発揮する必要があります。
DX推進の旗振り役として具体的なビジョンを設定したり、組織全体へ推進意識を浸透させましょう。
人材不足
DX内製化を進めるためには、デジタル技術に精通した人材が不可欠です。
しかし、多くの企業ではこのような人材が不足しています。
特に、データ分析、AI、クラウドコンピューティングなどの高度な技術を扱える人材は確保は困難さを増しています。
この問題を解決するため、社内でデジタル技術のトレーニングを充実させたり、新たに専門家を招聘して社員のスキルアップを図ることが重要です。
また、リモートワークや副業などを利用し、多様なデジタル人材を採用することも効果的です。 コンサルティングの利活用なども有効でしょう。
費用を捻出できない
DX内製化には、初期投資が必要です。システム開発やインフラ整備、トレーニング費用、採用コストなど、多岐にわたる費用が発生します。
多くの中小企業では、この費用を捻出することが障壁となるのではないでしょうか。
しかし、長期的な視点で見れば、内製化によりコスト削減や業務効率化が図られるため、初期投資は回収可能です。
この問題を解決するためには、具体的なROI(投資対効果)を試算することが有効でしょう。
また、政府や地方自治体の補助金や助成金を活用することも検討しましょう。
DX内製化のポイント
では、DX内製化を成功させるためのポイントにはどのようなものがあるでしょうか?
本コラムでは次の6点を重視することをおすすめします。
経営層のリーダーシップ発揮
DX内製化を成功させるためには、経営層のリーダーシップ発揮が不可欠です。
経営層がDXの重要性を理解し、全社的な推進力となることが求められます。具体的には、DXのビジョンを明確にし、戦略的な目標を設定して、リソースの適切な配分を行いましょう。
経営層の積極的な関与により、社員全体の意識が高まり、プロジェクトの成功確率が高まります。
組織文化の変革
DXを内製化するためには、従来の組織文化を変革することも重要です。具体的には、失敗を恐れずに新しい挑戦を受け入れる風土を作ることが求められます。この結果、社員が主体的に動き、イノベーションを促進することができます。
また、DXに対する抵抗を減らすために、変革のメリットを社員に理解させ、協力を促す必要もあるでしょう。
デジタル人材の育成と確保
DX内製化の鍵となるのは、デジタル技術に精通した人材の育成と確保です。
育成ということになれば、既存社員に対して、デジタルスキルを習得するためのトレーニングプログラムを提供するなどの施策も考えられます。
また、外部から専門知識を持つ人材を招聘し、チームのスキルセットを強化することも必要です。
さらに、デジタル人材の定着を図るため、キャリアパスの明確化や働きやすい環境の整備も重要となります。
DXを担う人材に関しては、以下の記事もご覧ください。
【関連記事】
・ DX人材に求められる役割とマインドセットを簡単解説
・ DX人材が不足している!対策方法は?人手不足を乗り越えるための実践ガイド
・ DX人材をどう育てる? 経産省が立ち上げた人材育成支援サイトとは
迅速な実行と柔軟な対応
DX内製化を進めるためには、迅速なプロジェクト実行と柔軟な対応が求められます。
アジャイル手法を取り入れ、小さなステップを迅速に進めることで、プロジェクトの進捗を可視化し、状況へ柔軟に対応することが可能になります。
早期にプロトタイプを作成し、実運用で問題点を洗い出して改善するサイクルを確立しましょう。
また、ユーザ部門から定期的にフィードバックを受けることで、プロジェクトの改善点を早期に発見し、軌道修正することができます。
セキュリティとデータ管理
DXの推進において、セキュリティとデータ管理は極めて重要です。
知識がまだ十分ではないメンバーが内製化に携わると、データの取り扱いに対するリスクが高まることもあります。
その際は、データの暗号化、アクセス制御、定期的なセキュリティ監査を行い、強固なセキュリティ対策を講じてデータの安全性を確保しましょう。
また、データガバナンスを確立し、データの一貫性と信頼性を維持することも重要です。
持続的な改善と評価
DX内製化は一度、実行すれば終わりではなく、持続的な改善と評価が必要です。
PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを実践し、プロジェクトの進捗と成果を定期的に評価して、見つけた改善点は次のステップに反映させましょう。
以上のポイントを押さえることで、企業はDX内製化を実現することができるでしょう。
DX内製化の事例
実際にDXの内製化に取り組んでいる企業の事例をご紹介しましょう。
DX基盤の整備でローコード開発プラットフォームを導入(太陽化学株式会社)
食品用の乳化剤や安定剤、鶏卵加工品など食品向けの素材を製造・販売する太陽化学株式会社では、攻めの投資を拡大していくために、DX基盤の整備を急務と捉え、数年前から社内システムの見直しや新たなIT製品の導入に積極的に投資してきたといいます。
その中で、基幹業務システムを刷新したり、AI-OCRを活用して効率化を図ったりしてきました。 同社では、グループウェアやワークフロー、業務アプリケーション基盤としてNotesを利用してきましたが、サポートが2024年に終了予定となり、DXの基盤としても機能することを期待して、NTTデータ イントラマートのローコード開発プラットフォーム「intra-mart」を導入しました。
導入後は、ベンダーのサポートでワークフローを共同で構築しました。そのノウハウを基に、以後は基本的に内製で開発を進め、約3年をかけて申請・承認処理のためのワークフローを75本、それ以外のアプリケーションを65本作成しました。
内製開発においては、ノウハウを属人化させずに次世代に継承するための工夫として、できるだけわかりやすい構造で開発し、Excelで設計情報を残すというルールを決めたそうです。
この事例の詳細は、こちらのページをご覧ください。
スムーズなNotes移行と発展性・拡張性のある業務基盤構築を同時に実現
「intra-mart」がDX推進のキーソリューションに
BPMへの取り組みでDX内製化を推進(株式会社ATビジネス)
トヨタをはじめとする12社での販売ネットワークにおいて、間接業務を受託する株式会社ATビジネスでは、2016年にいち早くRPAの導入・取り組みを開始しています。
2時間かかる手作業を15分にまでに短縮した実績からRPA化を推し進めて伝票入力を中心に104の作業を自動化しました。
しかし、個人作業の自動化ということで効果は限定的であり多くの課題が発生したといいます。具体的には、最適化されていない業務の自動化が最適化された業務の数倍も複雑で、RPAに必要かつ重要なメンテが大変になり、業務の最適化が必要だと痛感したそうです。
そこで同社では、BPM(Business Process Management)に取り組み始めました。具体的には、日本ビジネスプロセス・マネジメント協会とNTTデータ イントラマートが実施する「イントラマートBPM実践ワークショップ研修」に社員が参加。業務プロセス改善の推進体制を強化しました。
その結果、業務改革の思考プロセス習得とBPMS(intra-mart)によるデジタル化で劇的な改善効果を実感するまでになったといいます。
この事例の詳細は、こちらのページをご覧ください。
RPA活用は序章
トヨタの地域販売戦略を支える業務基盤として「BPM」を
活用し、地に足のついたグループ企業のDXを推進
従来から利用していたローコード開発プラットフォームをDX基盤へ(東洋鋼鈑株式会社)
国内初の民間ぶりきメーカーとして設立した東洋鋼鈑株式会社は、2012年に「intra-mart」を導入してワークフロー基盤を構築しました。内製開発したワークフローはその当時で約150本。システムを内製する風土が根付いていたといいます。
2021年に、ローコード開発機能が追加された最新の「intra-mart」にバージョンアップするプロジェクトを立ち上げ、情報システム部のメンバーが、イントラマートが提供する計5日間の個別オンライン研修を受講。バージョンアップ後は、違和感なく開発に活かすことができたそうです。
バージョンアップ後は、ローコード開発やRPA連携が可能となったことで、業務連携がさらに容易になり、Java開発と比較し、開発時間が約40%削減されたほか、問い合わせ対応では月に30時間の削減に成功。
今後のDX実現に向け、intra-martをさらに積極的に活用すると意気込んでいます。
この事例の詳細は、こちらのページをご覧ください。
内製開発で10年利用を続けた「intra-mart」をバージョンアップ
新機能による開発生産性のさらなる向上と他システムとの連携強化による業務改善を実現し、今後のDX基盤へ
DX内製化の支援サービス
最後に、実際にDX内製化に取り組む際に利用できる支援サービスをいくつかご紹介いたします。
内製化DX支援サービス(株式会社Members)
https://www.members.co.jp/services/inhouse/
株式会社Membersが提供する「内製化DX支援サービス」では、7つの独自メソッドを用いて、内製化によるDX推進を実現できる人材の育成を支援しています。支援実績は、20以上の業界、1,000社以上となっています。
サービスメニューは、「常駐型DX推進支援サービス」「Web運用内製化コンサルティング」「広告運用の内製化支援サービス」「リスキリング支援サービス」の4つ。
たとえば、「常駐型DX推進支援サービス」では、顧客ビジネスを理解した「DXプロデューサー」が常駐し、企画・設計段階から目標達成まで支援してくれます。
DX人材不足がネックでDXの内製化に踏み切れない企業におすすめです。
DX内製化支援サービス(株式会社AGEST)
https://agest.co.jp/solution/dx_insourcing/
株式会社AGESTが提供する「DX内製化支援サービス」では、ITの知見を活かし、DXのためのシステム構築の内製化を支援しています。
「DX体制構築」「要件定義/設計」「DXシステム開発」「オペレーション」の4つのフェーズのどこからでも支援が可能で、予算に応じた開発体制の組成を提案してもらえます。
また、東京・ベトナムに開発拠点を持っており、開発役務も提供してもらえます。
Aidemy Business(株式会社アイデミー)
株式会社アイデミーが提供する「Aidemy Business」では、DX人材の育成を支援しています。DXに関する230以上の学習コンテンツから、専任のカスタマーサクセスが目標に合う最適な学習カリキュラムや学習アドバイス、他社交流会の案内などを提供してくれます。
受講生の学習進捗を可視化できるため、より積極的に学習するDXへの関心が高い人材を見つけることができるといいます。
無料トライアルが用意されており、1社あたり3名から体験が可能です。
BPOサービス(株式会社BPIO)
株式会社BPIOが提供する「BPOサービス」では、バックオフィス業務の最適化を切り口にDXを支援しています。ERP・DX支援実績は、1,000社以上。
バックオフィス業務の代行、業務フローの整理・効率化を目的としたコンサルティングなどを依頼可能です。
また、課題にあったITツールの提案や導入支援、運用定着のサービスも提供しています。
オンライン・オフラインで対応可能です。
intra-mart(株式会社NTTデータ イントラマート)
株式会社NTTデータ イントラマートが提供する「intra-mart」は、高機能なローコード開発プラットフォームです。クラウド型の「Accel-Mart」も提供されています。
ローコード機能を活用して社内でのシステム構築ができるため、長期的に取り組む必要のあるDX内製化を実現することが可能です。
無料のセミナーや研修プログラムで、社内のIT人材のスキルアップを促進し、DX人材へと育成する支援も行っています。
まとめ
内製化は、企業が自社のデジタル戦略を強化し、迅速かつ柔軟に状況へ対応していくための重要な手段です。
DX内製化を成功させるためには、リーダーシップの強化、人材の育成、費用の確保が不可欠です。これらの課題をクリアすることで、企業は内製化による競争力強化と持続的な成長を実現できます。
支援サービスの活用も大いに役立ちます。 たとえば、「intra-mart」は、DX内製化をサポートする強力なツールとして、多くの企業で導入されています。
intra-martを活用することで、プロジェクトの効率化とコスト削減が図られ、内製化を実現させられるでしょう。
Concept Book
ローコード開発・業務プロセスのデジタル化で豊富な実績を持つintra-martが、お客様のビジネスにどのような効果をもたらすのか、特長や導入効果など製品コンセプトを詳しくご紹介しています。

お困りごとがありましたら、お気軽にご相談頂ければと思います。