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DX人材に求められる役割とマインドセットを簡単解説

経済産業省は、2018年9月に「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~ 」を発表して以降、DXを推進してきました。その甲斐あってか、今では大企業や先進的な企業ばかりでなく、中小企業へもDXが浸透してきました。

DXはデジタル技術の活用を伴うため、自社でDXを進めるには、デジタル技術とビジネスに精通した人材が不可欠です。それが本コラムのテーマとなるDX人材です。
ここでは、DX人材の定義や求められる役割、マインドセットなどについてご紹介いたします。

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1. DX人材とは

DX人材とは、DXを推進できるスキルを持った人材のことです。
なお、DX(Digital Transformation/デジタルトランスフォーメーション)とは、組織が最新のデジタル技術やデータを駆使して、ビジネスモデルや業務プロセス、商品・サービス、企業文化などを根本から変革させることで、日本語では「デジタル変革」といいます。

このことから、DX人材には、ビジネスとデジタル技術やデータの両方に関する知見が求められます。DX人材に必要な役割やマインドセットについては、次章以降でご紹介いたします。

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DX人材とIT人材の違い


IT人材という言葉はIT(情報技術)という言葉が聞かれるようになった2000年前後から存在しており、組織内で業務にITを活用するために必要な人材を指します。つまり、情報システム部門の担当者として役割を果たせるスキルを持った人材です。中小企業庁の定義によれば「ITの活用や情報システムの導入を企画、推進、運用する人材のこと」とあります。従業員が利用するPCやネットワーク環境を整備・維持するのが主な仕事です。

これに対し、DX人材はビジネスモデルやプロダクトなどを根本から変革させるDXのために最新のデジタル技術をどのように活用するかを企画立案したり、プロジェクトを牽引できる人材を指します。


DX人材とデジタル人材の違い


デジタル人材とは、AIやRPA、IoTといった最先端のデジタルテクノロジーに精通し、組織での活用を推進できる人材のことです。
つまり、DX人材はデジタル人材に内包される概念であるといえます。


 

2. DX人材に求められる役割

では、DX人材には具体的にどのような役割が求められるのでしょうか?
日本のIT国家戦略を技術面・人材面から支えるIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が東証一部上場企業1,000社を対象に実施した「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」において企業・組織におけるDXの推進を担う人材には、プロデューサー(プログラム・マネージャー)・ビジネスデザイナー(含むマーケティング)・アーキテクト・データサイエンティスト/AIエンジニア・UXデザイナー・エンジニア/プログラマの6つの役割が挙げられています。

一方、世界有数のリサーチ&アドバイザリ企業である米ガートナー社の日本法人であるガートナージャパン株式会社が提言するDXを推進する人材に求められる役割は、ビジネス系プロデューサー(ビジネスアーキテクト)・テクノロジー系プロデューサー(テクノロジーアーキテクト)・テクノロジスト(エンジニア)・デザイナー・チェンジリーダーの5つです。

ここでは、IPAが挙げた6つに求められるスキルなどについて、それぞれご紹介いたします。

プロデューサー(プログラム・マネージャー)


プロデューサー(プログラム・マネージャー)の役割は、前述の調査によると「DXやデジタルビジネスの実現を主導するリーダー格の人物(CDO含む)」とあります。
なお、CDOとはChief Digital Officerの頭文字を取ったもので、「最高デジタル責任者」と訳されます。
社内外の関係者を引き込みながら、必要な体制や予算などを確保し、DX実現に導く役割です。

プロデューサー(プログラム・マネージャー)に求められるのは、最新のデジタルに関する知見やリーダーシップ、外部環境と内部環境を照らし合わせて状況を分析するスキルなどです。


ビジネスデザイナー(含むマーケティング)


ビジネスデザイナーの役割は、前述の調査によると「DXやデジタルビジネスの企画・立案・推進等を担う人材」とあります。
市場や顧客が抱える課題・ニーズを汲み取り、そこからプロダクトを企画する役割です。

ビジネスデザイナーに求められるスキルは、関係者に意見を聞きながら目的に対する、より良い結果を導くファシリテーション力や、課題解決のためにアイデアをまとめて実現させる企画力などです。


アーキテクト


アーキテクトの役割は、前述の調査によると「DXやデジタルビジネスに関するシステムを設計できる人材」とあります。
DX実現のために、ビジネスにおける課題をより具体的に分析し、ソリューションを構築する役割です。

アーキテクトに求められるのは、システム要件定義を行うスキルやアーキテクチャ設計のスキル、コンサルティングのスキルなどです。


データサイエンティスト/AIエンジニア


データサイエンティスト/AIエンジニアの役割は、前述の調査によると「DXに関するデジタル技術(AI・IoT等)やデータ解析に精通した人材」とあります。
IoTやSNSなどからビッグデータを収集・分析し、ビジネス活用するための示唆を見出す役割です。

データサイエンティスト/AIエンジニアに求められるのは、プログラミングやデータベース、ビッグデータなどデータエンジニアリングに関する知見、AI活用や機械学習、アルゴリズムの知識などです。


UXデザイナー


UXデザイナーの役割は、前述の調査によると「DXやデジタルビジネスに関するシステムのユーザー向けデザインを担当する人材」とあります。
DXで導入する最新のデジタル技術をシステムや商品に搭載する際に、従業員や顧客が体験する操作感やインターフェースなどを設計する役割です。

UXデザイナーに求められるのは、グラフィックデザインやソフトウェア開発、データ分析スキル、ブランディングの知見などです。


エンジニア/プログラマ


エンジニア/プログラマの役割は、前述のIPAの調査によると「上記以外にデジタルシステムの実装やインフラ構築等を担う人物」とあります。つまり、上に挙げた5つの役割以外のうち、実装やインフラ構築などを行う役割です。

エンジニア/プログラマに求められるのは、システム要件定義を行うスキルやシステム設計のスキル、プログラミングスキル、運用管理スキルといったエンジニアリングスキルなどです。

なお、これら6つの役割に共通して「コミュニケーションスキル」や「スケジュール管理スキル」などが求められます。


 

3. DX人材に必要なマインドセット

最後に、上記のようなDX人材に必要なマインドセットをご紹介いたします。
マインドセットとは、その人が生まれ持った性質や受けた教育、時代の空気感、経験などから形成さる、物の見方や考え方のことです。マインドセットがその人の人生に与える影響の大きさから、近年では企業などにおける人材育成に活用するところも少なくありません。

DX人材に必要な主なマインドセットは、次の5つです。

「現状を変えよう」という考え方


DXは、最新のデジタルテクノロジーを活用して、自社のビジネスモデルやプロダクト、業務プロセス、文化などを変革することです。このため、DX人材には、現状に満足せず、より良く変えていこうというマインドセットが必要です。


「課題を見つけよう」という考え方


DXの第一歩は、自組織が業務上で抱える課題を特定するところです。
漠然と、より良くしたいと願うだけでなく、具体的に何を改善すべきか、課題を発見しようという意欲が求められます。


「諦めずにやり遂げよう」という考え方


DXは短期的な取り組みではありません。数年以上かけて改善サイクルを回しながら実現を目指す、中長期的な取り組みです。DX成功までの道中に発生する障害を、都度、解消しながらプラン全体を調整し、進めていく必要があります。困難に負けず、成功するまで諦めずにやり遂げる意思が必要です。


「臨機応変に対応しよう」という考え方


DXを推進する中で、想定していたものとは異なる状況が出てきたり、状況が変わったりすることが多々あります。その時に、プランや手法、スケジュールなどを柔軟に変えながら取り組み続ける必要があります。当初の予定に固執せず、臨機応変に対応していこうというマインドセットが求められます。


「周囲の関係者を巻き込もう」という考え方


DXは企業を根底から変革させるものであり、全従業員に関わるものです。理想的なのは、すべての従業員がDX推進の取り組みに参加することですが、現実的には難しく、「DX人材に求められる役割」でご紹介した6つの役割で構成されたプロジェクトメンバーを中心に推進していくことになるでしょう。

ただ、状況に応じて関連部署や、必要なスキルを持った従業員などに声をかけ、参加してもらうことで、社内のDX推進の輪を広げつつ、課題を解消しながらDX成功につなげることが大切です。


「探求を続けていこう」という考え方


DXは中長期的に取り組む必要があるものですが、一定の成果が出た後も、市場の変化や新たなデジタル技術の登場、社内の研究開発状況など、社内外の環境の変化に合わせて取り組みを継続していく必要があります。現状に満足せずに、常に新たな課題を把握して改善していこうという考え方が重要になってきます。


 

4. まとめ

DX人材について、定義や求められる役職、マインドセットをご紹介しました。
DXを推進する上でDX人材は欠かせませんが、自社で育成するにしても外部から採用するにしても簡単なことではありません。
また、DXとは、単にシステムを導入して業務を効率化することではなく、DXを成功させるためには、現状の課題の把握からスタートする必要があります。

こうした理由から、DXを進めたいが、何から手を付けたら良いのかわからないとお悩みの企業様も多いのではないでしょうか。

 

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