DX人材が不足している!対策方法は?人手不足を乗り越えるための実践ガイド

DX人材の不足への対策方法として、大きく以下の3つが考えられます。
・社内の人材を育成する
・外部からDX人材を採用する
・サービスとして外部のDX人材を利用する
日本でも経済産業省の主導でDX推進が急ピッチで進む中、企業など各組織においてDXを推進する上で必要とされる、専門知識を持った人材が不足しているのが現状です。
多くの企業では、DXにおいて「人材不足」が「資金調達」よりも深刻な課題となっています。
「2025年の崖」が迫る中、経済損失を避けるためにも、国内外での競争力強化のためにも、DXへの取り組みは必須といえます。
そこで、この記事では、DX人材不足の対策方法をご紹介いたします。
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改めて、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
メディアなどで「DX」について見聞きする機会は、かなり増えてきているかと思いますが、ここで改めて、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何かをおさらいしておきましょう。
デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)とは、最新のデジタル技術を駆使して、プロダクトや業務、顧客体験、従業員体験などを“変革させる”という概念のことです。日本語では「デジタル変革」と訳されます。
単にテクノロジーを導入するだけでなく、活用して既存の何かを変革させることが大きなポイントです。
「2025年の崖」の回避には、DXが不可欠
経済産業省が2018年に発表した「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」で、「2025年の崖」について言及されています。
「2025年の崖」とは、レガシーシステムの老朽化を始め、2025年付近に集中するさまざまなIT関連の問題によりDXを実現できなかった結果、2025年以降、毎年最大12兆円もの経済損失が生じる可能性のことです。
経済損失を避けるためにも、国内外での競争力強化のためにも、DXへの取り組みは不可欠だといえます。
DX人材が不足している理由
DXに取り組み、変革を実現させるためには、リーダーを担う人材が欠かせません。
しかし、現時点でまだDXに取り組めていない組織においては、推進するDX人材が不足しているケースが少なくありません。
では、DX人材が不足しているのは、なぜでしょうか?
理由として、次の3点が挙げ荒れます。
レガシーシステムの延命に人手が取られているため
多くの日本企業では、古くから使われているレガシーシステムの更新や保守に多大な労力が割かれています。
レガシーシステムは、機能を継ぎ足しながら長年、利用されてきた結果、複雑になり過ぎ、ユーザー側もベンダー側も構造が把握できていない「ブラックボックス」になっていることが多いです。
このため、更改したくても手が出せない状態となっています。
また、新しい技術との互換性が低いため、テクノロジーの導入を阻んでしまっています。
こうした事情からレガシーシステムが延命され、DXを妨げているのです。
さらに、レガシーシステムの保守は複雑で難易度が高く、手間がかかります。ここに、エンジニアの労力がかかってしまっているため、DXにかける時間と手間が取られてしまっています。
前述のレポート内でも、「2025年の崖」の大きな要因として、レガシーシステムの保守に人手がかかっている点が指摘されています。
DX人材需要の急な伸びに供給が追いついていないため
デジタル化の波は急速に進み、それに伴いDX人材への需要が急激に増加しています。
しかし、これに合わせてDX人材が急激に増えたわけではないため、供給が追いついていない状態です。
特に、DX人材には、従来の情報システム部門に求められていたような、情報システムの運用にはとどまらない、高度なデジタル知識やビジネス知識が求められます。
たとえば、データサイエンスやAI、クラウドコンピューティングなどの先端技術に関する知識を持ち、経営戦略の段階から参画できるようなビジネス知識も併せ持つデジタル人材は、圧倒的に不足しているといえます。
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日本ではIT人材・DX人材がIT業界に偏在しているため
欧米では、ITエンジニアがユーザー企業に多く所属しています。これは、欧米ではデジタル技術をビジネス戦略の中核と位置付け、競争力の源泉としている企業が多く、DXやソフトウェア開発などの内製化に積極的に取り組んでいるためです。
つまり、欧米ではDX人材がユーザー企業に広く分布しており、さらに、各企業においても採用・育成が活発なため、DX人材も輩出されやすい環境となっているのです。
一方、日本ではITエンジニアが特定のIT業界に偏在しており、他産業への流動性が低い傾向があります。
日本の企業文化では、外部の専門家に依存することが多く、デジタル技術の内製化が進んでいないためです。
原因としては、産業間でのキャリアパスが限定されていること、非IT企業におけるデジタル技術への理解度が低いことなどが挙げられます。
このため、多くのユーザー企業がDX人材を求めているのに、獲得できていません。
DX人材の不足への対策方法
では、こうした状況を打破してDX人材を獲得するためには、どうしたら良いのでしょうか。
主に、以下の3つの方法があります。
可能であれば、いずれか1つではなく、複数の方法を併用しましょう。
社内の人材を育成する
日本でDX人材不足の問題に対処する最も基本的な方法の一つは、既存の従業員を積極的に育成することです。
具体的な方法としては、
・社内研修プログラムの充実
・社外のオンラインコースへの参加奨励
・資格取得の奨励
などがあります。
メリットは、自社のビジネスをよく知り、社風と合った人材にDXを担ってもらえる点です。
デメリットは、時間がかかる点や、必ずしも狙ったスキルレベルまで到達できるとは限らない点です。
DX人材を育成することを掲げたサービスも登場しています。
デジタル関連のスキルだけでなく、ビジネススキル向上のためのプログラムを用意する視点も必要です。自社のDXの希望や方向性と合うようなスキルを向上させられる制度・環境を提供しましょう。
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外部からDX人材を採用する
「社内には、DX人材になれそうな素養を持った従業員がいない」
「教育の機会を提供できる自信がない」
といった場合には、外部からの新たなDX人材の採用が、人手不足を解消する有効な手段となります。
具体的には、
・大学や専門学校との連携による新卒採用
・経験豊富なプロフェッショナルの中途採用
・特定のスキルを持つフリーランサーとの契約
などが考えられます。
新たな人材を採用することで、社内に新しい視点やスキルを取り入れ、DX推進を加速させる効果が期待できます。
メリットは、採用直後から即戦力となってくれる可能性が高い点です。
デメリットは、売り手市場の人材市場で自社の社風に合った人材を獲得するためには、時間や費用がかかる点。最悪の場合、求人をかけても採用に至らない恐れがあります。
サービスとして外部のDX人材を利用する
DX人材を直接雇用する以外にも、外部の専門家やコンサルタント、DX推進サービスを活用する方法があります。
たとえば、
・プロジェクトのアウトソーシング
・特定の分野でのコンサルティングサービスの利用
・人材派遣サービスの利用
などが挙げられます。
メリットは、リードタイムが短く済み、スピーディにDXに着手できる点です。
デメリットは、中長期的に取り組むことを考えると、コストが高くつく点です。
社内の人材育成や外部からの採用と併用すると良いでしょう。
まとめ
上でお伝えしたように、DX人材の不足が企業のDX推進の大きな障壁となっています。
この問題を解決するためには、DX人材の確保と育成に向けた具体的な戦略と実行が求められます。
DX人材不足に対する効果的な対策は、社内外のリソースを最大限に活用し、複合的なアプローチを取ることです。社内の人材育成によってスキルセットを拡大し、新たな人材の採用で新しい視点を取り入れ、外部の専門家やサービスを利用して即戦力を確保することが大切です。
こうした対策を通じてDX人材不足を解消することで、企業はDXを加速させ、持続可能な成長とイノベーションを実現することができるでしょう。
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