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OCRでペーパーレス化!注目される背景や導入するメリット

OCR(Optical Character Recognition/光学文字認識)は、決して新しい技術ではありませんが、AIが一般化し、OCRに組み込まれたAI- OCRが登場したことや、電子帳簿保存法の改正、テレワークの浸透などにより、最近また脚光を浴びています。
OCRを活用すれば業務効率化につながり、ペーパーレス化を促進できたり情報の共有や活用がしやすくなったりするというメリットが得られます。

本コラムでは、OCRの概要と注目を浴びている背景、導入するメリットについてご紹介いたします。

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1. OCRとは

OCRとは、Optical Character Recognition(またはReader)の頭文字を取ったもので、「光学文字認識」と訳され、紙に書かれた活字や手書き文字をスキャナやカメラで読み取り、文字コードに変換してくれるソフトウェアのことをいいます。

通常、文字が書かれた紙をデータ化しようとすると、読み取られた面すべてが1枚の画像として認識されるため、文字をデータとして取り出すことができません。
しかし、OCRを利用すれば、紙に書かれた活字や手書きの文字を文字データに変換できます。紙から取り出した文字データは、データベースに格納したり、システムと連携して自動入力したりすることが可能ですので、業務効率化にもつながります。

OCRの読み取り精度は、ソフトウェアの改良により、傾き補正などの事前処理を行ったり、単語を登録したレキシコンで精査する事後処理を行ったりして高められてきました。
最近では、AI(Artificial Intelligence/人工知能)を組み合わせたAI-OCRも登場して認識率はさらに向上しましたが、それでも完全ではないため、最後に目視によるチェックが必要です。


 

2. OCRが注目される背景

冒頭でもお伝えしましたが、OCRは、特に新しく登場した先端技術というわけではありません。元となる機械は、ロシア出身の科学者で光学技術者でもあるエマヌエル・ゴルトベルク(Emanuel Grigorijevitch Goldberg)氏が1914年に開発しました。

日本では、1968年に東芝(当時:東京芝浦電気株式会社)が初めて国産OCRの製品化に成功したといわれています。それから、請求書など、紙に記載された内容をスピーディにデータ化できる方法として業務に浸透しました。

そのOCRが、近年、再び注目を集めています。
その理由は、主に次の5つです。

AI-OCRの登場

OCRが日本でさまざまな業務において、活用されるようになり、一定の評価を得ましたが、「OCRとは」でもお伝えしたように、どうしても多少は誤変換が発生してしまうため、人手でチェックして修正する作業が必要でした。
それが、AIの実用化に伴い、OCRにもAIが組み込まれるようになって、文字識字率が向上しました。AIのディープラーニングにより、文字を読み間違えたことも学習され、次回以降の読み取りに生かされます。AIが搭載されていることで、帳票のフォーマットがバラバラでも項目ごとに文字を抽出することができます。また、AI-OCRには手書き文字も読み取れるOCR製品が多いです。
このように、AIが搭載されて機能が強化されたことが、OCRが注目を浴びるきっかけの一つとなりました。


働き方改革の推進

2019年4月から、働き方改革関連法が順次、施行されています。政府が推進している働き方改革を実現するための大きな要素として、業務効率化が挙げられます。
もし、業務にOCRを導入していなければ、紙に書かれた文字をデータ化したい場合、人が目で文字を見て手入力でデータを打ち込むことになります。この作業には思考をそれほど使わず、単純作業に近いものとなります。そして、単純作業は機械に任せた方が早く、効率的です。それで、文字を読み取り、データ化してくれるOCRの活用に期待が集まりました。


テレワークの浸透

働き方改革関連法の施行から少し遅れて、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大しました。それ以前から、政府や東京都は、2020年7月に開会を予定していた東京オリンピック・パラリンピックに合わせて、テレワークを推進してきましたが、テレワークの実施について具体的に検討するようになったきっかけはコロナ禍であるという企業も多いでしょう。

テレワークを実現するには、ペーパーレス化を進める必要があります。ただ、一気にすべての紙をなくすことは難しいため、既存の紙ベースでのやり取りをデータでのやり取りに移行するためにOCRが注目されました。


RPAの登場と活用

上記の働き方改革を推進する上で、業務効率化を実現する手段として大きな注目を集めたものに「RPA」があります。RPAとは、Robotic Process Automationの頭文字を取ったもので、業務をソフトウェアロボットに代行させることです。RPA の実用化に伴い、RPAを活用して業務効率化を図ろうという動きが現れました。
RPAにOCRを組み合わせることで、注文書や請求書といった紙からデータを作成し、加工するといった一連の業務を自動化して効率化できるようになります。よって、RPAの活用が進むにしたがい、OCRにも注目が集まるようになりました。


電子帳簿保存法の改正

電子帳簿保存法とは、帳簿や決算関係書類、取引関係書類(見積書・請求書)などの国税関係帳簿・書類を一定の条件のもとで電子データとして保存することを認める法律です。何度か改正されていますが、最近では、2022年1月に改正法が施行されました。

今回の改正で、要件が厳しくなった部分もありますが、全体的に緩和された面が大きく、ペーパーレス化による業務効率化が容易になりました。たとえば、改正前は、請求書などをスキャナで読み取りデータ化しても、原本を一定期間、保存しなければならなかったのですが、正しくスキャンできていれば即時破棄しても良いことになりました。また、以前は、国税関係帳簿・書類を電子データで保存するためには、原則として3ヵ月前までに税務署長に申請して承認を得る必要がありましたが、これも不要になりました。

このように緩和が進んだことで、これまでは帳簿の電子データによる保存を実施してこなかった企業にとってハードルが下がり、電子化に踏み切りやすくなりました。ただ、その後も従来の紙の帳簿にも対応しなくてはなりません。帳簿の文字の読み取りにOCRが活用されるため、改正に伴い注目されるようになりました。

【関連記事】
電子帳簿保存法とは?ペーパーレス化を進める上で知っておきたい法律


 

3. OCRを導入するメリット

OCRを導入するメリットをまとめると、以下の3点になります。

ペーパーレス化を促進できる

OCRを導入すれば、既存の紙の資料や帳票などから文字を読み取ってデータ化し、原本は廃棄できます。これにより、ペーパーレス化を進めることができます。

ペーパーレス化により、紙のままでは不可能だった検索ができるようになります。また、紙を保管していたスペースが不要になってオフィスの維持費を削減できたり、持ち出しや紛失のリスクを抑えられたりというメリットも享受できます。

ペーパーレス化については、下記の記事もご覧ください。

【関連記事】
ペーパーレス化とは ~メリットや注意点まで解説~


データの入力業務を効率化できる

OCRを活用すれば、それまでは手作業で文字を読んで入力していた作業を、大幅に効率化することができます。人は、最後のチェック作業と、誤りがあった場合の修正作業だけ行えば済むため、空いた時間はほかのもっと重要な作業に当てることができます。
OCRにプラスして、RPAなどを組み合わせれば、さらに業務効率化につながります。


情報の共有や活用がしやすくなる

資料が紙のままだと、記載内容を共有したくても、一度に一人ずつにしか共有できず、大人数に情報共有したい場合には時間も手間もかかってしまいます。
OCRで文字を読み取り、データ化することでファイルサーバーやメールへの添付などで簡単に大人数への共有が可能になります。

また、データ化した情報は、編集や更新も簡単に行えるため、適宜、修正を行うなど最新の状態に保ちながら活用できるようになります。


 

4. まとめ

OCRについて、最近注目されている理由や導入メリットなどをご紹介いたしました。
OCRが日本でビジネスに活用され始めてから、ある程度の時間が経過しましたが、近年、AI-OCRの登場などによって再び注目を集めています。
社内にまだ帳票や資料が紙で存在していて、ペーパーレス化や業務効率化を進めたいとお考えの企業様は、この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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