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自治体DXとは?~推進の目的・意義から推進事例までをご紹介~

自治体DXとは? ~推進の目的・意義から推進事例までをご紹介~

自治体DXとは、自治体が最新のデジタルテクノロジーを活用することで、自治体の業務プロセスや、提供する公共サービスを変革することをいいます。

DXの推進が叫ばれる日本において、その対象範囲はビジネスにとどまりません。
少子高齢化により、自治体サービスの提供が非効率的になり、また、自治体職員の数が減ることからも、自治体サービスにかかるコストは増大が予想されます。少子高齢化がさらに進めば、最終的には自治体サービスを提供できないエリアも出てくるでしょう。

こうした課題を解決するためには、最新のデジタルテクノロジーを活用し、自治体における業務や提供サービスを変革させる「自治体DX」が必要です。

本コラムでは、自治体DXを推進する目的や実施のポイント、推進事例などをご紹介いたします。

 

1. 自治体DXとは?

自治体DXとは、自治体が最新のデジタルテクノロジーを活用することで、自治体の業務プロセスや、提供する公共サービスを変革することをいいます。

日本は、すでに少子高齢化社会に突入しています。冒頭でもお伝えしましたが、住民の居住地が散在してしまうと、上下水道といったインフラの修繕や、ごみ収集などの自治体サービスを効率よく届けることができなくなるため、コストが増大します。自治体の人口が減って過疎化が進めば、最終的には自治体サービスの存続そのものが難しくなるでしょう。

実際に、すでに過疎地では国土交通省によって、居住区域や生活サービス施設を集中させる「コンパクト・プラス・ネットワーク」が推進されており、住民の居住地の集約プロジェクトが開始されています。

また、少子高齢化は、自治体職員の減少というかたちでも現れます。この影響で、人手不足による自治体サービスの質の低下なども懸念されます。

こうした背景から、自治体サービスを維持するためにはデジタルテクノロジーの力を借りる必要があり、自治体DXが求められているのです。

 

2. 自治体DX推進の目的と意義

総務省のWebサイトによれば、令和2年12月に政府が決定した「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」で示されたビジョン「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会~誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化~」の実現のために、自治体DXが必要だといいます。

そして、自治体DXを実現する際は、

  • 行政サービスにデジタル技術やデータを活用し、住民の利便性を向上させる
  • デジタル技術やAIなどの活用により業務効率化を図り、人的資源を行政サービスの更なる向上につなげる

という意義を、住民などと共有しながら進めていくことが重要だといいます。

参考:自治体DXの推進(総務省)

 

3. 自治体DXを推進させる際のポイント

では、実際に各自治体がDXを推進する際は、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?
主に次の3点がポイントになってくるでしょう。

社会課題を出発点とする

1つ目は、各自治体が抱える課題解決のためにデジタルテクノロジーを活用する方針を立てることです。

ここまでにお伝えしてきたように、そもそも自治体DXの出発点は、少子高齢化によって生まれる自治体サービスにおける課題解決のためでした。ここからさらに、各自治体が抱える詳細な課題にデジタルテクノロジーの活用を落とし込みましょう。
たとえば、雇用対策や保育所の待機児童の解消、移住支援など、優先的に解決すべき課題をデジタルテクノロジーやデータ活用によって解消する方法を検討します。

社会課題を出発点としてDXを成功させることで、少子高齢化による課題とともに、自治体が独自に抱える課題も解決できるでしょう。

縦割り組織やセクショナリズムを解消する

2つ目は、組織の垣根を超えて協力体制を作ることです。
まずは、自治体内の部署ごとの縄張り意識をやわらげ、連携するための土台づくりを行います。さらに、「自治体DX推進の目的と意義」で挙げた目的と意義を、自治体職員一人ひとりに浸透させ、その実現のためには必要が応じて異なる部署間で協力し合うことを推奨しましょう。

自治体外の組織との連携も重要です。
近年は、「オープンイノベーション」の重要性が説かれ、数多くの自治体で産学官連携が行われています。ほかの自治体からは成功事例を、大学や研究所などからは新たな技術について学ぶことができます。企業からは、実際に利用できるデジタルサービスの情報や、自治体に合った具体的な導入方法などのアドバイスをもらうことができるでしょう。

 

DX人材の確保

3つ目は、自治体において実際にDXを推進していくプロジェクトリーダーとなり得る人材を確保することです。

DXへの取り組みは喫緊の課題であるため、今から育成していては間に合いません。将来的なDX継続のために人材育成を行う一方で、即戦力となる人材を外部から採用する、ベンダーのコンサルティングサービスを利用するなど、自治体DXを推進する際のブレインとなるDX人材を確保しましょう。

DX人材に関して詳しくは、次の記事もご覧ください。

【関連記事】
DX人材をどう育てる? 経産省が立ち上げた人材育成支援サイトとは
DX人材に求められる役割とマインドセットを簡単解説

 

4. 自治体DXの推進事例

最後に先進的な自治体DXの取り組み事例をご紹介いたします。

AIによる津波予測(神奈川県川崎市)

神奈川県川崎市では2017年から、東京大学地震研究所や東北大学災害科学国際研究所、富士通と共同で、AIを活用した津波予測の技術検討に取り組んでいます。

対象地域は、津波が発生した際に浸水する可能性の高い川崎市臨海部。津波浸水シミュレーション技術や津波避難シミュレーション技術を活用し、リアルタイム浸水解析などの項目について検討を進めています。

スマホアプリのメッセージ送信機能で、逃げ遅れている人に避難を呼びかけることも可能だといいます。

スマートシティの実現に向けた取り組み(福島県会津若松市)

全国でも自治体へのIT活用が活発な福島県会津若松市では、スマートシティを「賢い方法でまちを運営していく考え方」と定義し、デジタル技術を使った新しいサービスや魅力的な仕事が生まれることで、若い人が地元で働いたり、同市に移住してくれる人が増えたりすることを期待してスマートシティの実現に向けた取り組みを行っています。

具体的には、自宅にいながらオンラインで医師の診察を受けたり、住民票の異動手続きができるようにしたりするほか、地域で使えるデジタル通貨での支払いができるようにするといいます。

令和4年度には新たに農産物の生産情報と飲食店や旅館などの需要を引き合わせる「需給マッチングサービス」や、位置情報による被災者の安否確認や避難誘導を行う「位置情報を活用したデジタル防災」などが実現しています。

RPAの導入で約500時間の時間外勤務を削減(千葉県市川市)

千葉県市川市では、職員が膨大な業務を抱えており、時間外勤務が常態化しがちだったことから、2019年にRPA(Robotic Process Automation)を導入しました。

市川市の職員数は約3,100名。このうち、児童手当年金などの情報照会業務を中心にRPA化を進めることで、年間の時間外勤務削減効果は約500時間にものぼると見込まれています。

RPAについて詳しくは、以下の記事もご覧ください。

【関連記事】
AIと何が違うの?今更聞けないRPA徹底解説
RPAツールとは?メリットや活用事例、無料ツールを一挙に紹介します

 

5. まとめ

少子高齢化の進む日本においては、どの業界でも人手不足が課題となっており、自治体職員も例外ではありません。さらに、自治体サービスを安定的に提供していくためには、住民がある程度、過密な状態で居住している必要があります。地方の過疎化が進んでしまえば、現実的に自治体サービスを提供できなくなる恐れすらあります。

こうした課題を解消するためには、最新のデジタルテクノロジーを活用して自治体サービスの提供方法や業務プロセスを変革する自治体DXが必要です。
自治体DXに取り組むことで、省力化や自治体サービスに新たな価値を付加することが可能になり、各自治体が個別に抱える課題をも解消することが期待できます。

こちらでご紹介したような事例を参考に、自治体ごとに必要なデジタルテクノロジーを導入・活用し、自治体DXを成功させましょう。

 

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