ワークフローシステムの導入事例や導入を成功させるポイントをくわしく解説

この記事を読んでわかること
- ワークフローシステムの仕組みや導入によって得られるメリット
- ワークフローシステムの導入手順と導入事例
- ワークフローシステム導入を成功させるポイントと注意点
ワークフローシステムは、申請・承認業務を電子化し、業務効率化やペーパーレス化、内部統制の強化を実現できるシステムです。近年ではクラウド型サービスやローコード開発基盤の普及により、企業規模を問わず導入しやすくなっています。
一方で、「どのような効果が得られるのか知りたい」「導入を成功させるポイントを確認したい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、ワークフローシステムの概要や導入メリット、導入手順、実際の導入事例、導入を成功させるポイントについて詳しく解説します。ワークフローシステムの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

ワークフローシステムとは
ワークフローシステムとは、企業内で行われる申請・承認業務を電子化し、一連の業務フローを効率的に管理するためのシステムです。
企業では、経費精算や稟議申請、購買申請、休暇申請、契約書承認など、さまざまな申請・承認業務が発生します。従来は紙やメールを利用して処理されることも多く、申請書の紛失や承認遅延、進捗状況の把握が難しいといった課題がありました。
ワークフローシステムを導入することで、申請から承認、決裁までの流れをシステム上で一元管理できます。誰がどの段階で処理を行っているのかをリアルタイムで確認できるため、業務の透明性向上にもつながります。
近年はクラウド型製品も増え、場所を問わず申請・承認業務を行えるようになりました。業務効率化やDX推進を支える基盤として、多くの企業で導入されています。
ワークフローシステム導入のメリット
ワークフローシステムを導入することで、申請・承認業務の効率化だけでなく、内部統制の強化やコスト削減など、さまざまな効果が期待できます。ここでは、ワークフローシステム導入のメリットとして、以下の5点について解説します。
- 申請・承認プロセスの迅速化
- 業務の可視化
- ペーパーレス化
- コスト削減
- 内部統制の強化
申請・承認プロセスの迅速化
ワークフローシステムの大きなメリットは、申請から承認までの時間を短縮できることです。紙の申請書を利用している場合、申請者が書類を作成し、上長へ提出し、承認印をもらう必要があります。承認者が出張中や不在の場合には処理が止まってしまうことも少なくありません。
一方、ワークフローシステムでは申請内容が自動的に承認者へ通知されます。承認者はPCやスマートフォンから内容を確認し、その場で承認や差し戻しを行うことが可能です。その結果、意思決定のスピードが向上し、業務全体の生産性向上にもつながるでしょう。
業務の可視化
ワークフローシステムを利用すると、申請業務の進捗状況を可視化できます。従来は「申請書が今どこにあるのか分からない」「誰が承認待ちなのか把握できない」といった状況が発生することがありました。
しかし、ワークフローシステムでは、申請状況や承認履歴がシステム上に記録されるため、進捗をリアルタイムで確認できます。ボトルネックとなっている承認工程も把握しやすくなるため、業務改善の材料としても活用可能です。
ペーパーレス化
紙による申請業務を電子化することで、ペーパーレス化を実現できます。申請書の印刷や押印、保管作業が不要になるため、業務負担を軽減することが可能です。また、紙文書の保管スペースも削減できるため、オフィスコストの削減にもつながります。
近年は電子帳簿保存法への対応やテレワーク推進の観点からも、ペーパーレス化を目的としてワークフローシステムを導入する企業が増えています。
コスト削減
ワークフローシステムはさまざまなコスト削減効果をもたらします。例えば、紙代や印刷費、郵送費などの直接的なコストを削減することが可能です。また、申請処理や書類管理にかかる工数も減らせるため、人件費の削減にもつながります。
さらに、申請遅延による業務停滞や確認作業の手間も減少するため、間接的なコスト削減効果も期待できるでしょう。企業規模が大きいほど処理件数も増えるため、導入効果を実感しやすい傾向があります。
内部統制の強化
ワークフローシステムは内部統制の強化にも有効です。システム上で申請・承認履歴が自動的に記録されるため、「誰が」「いつ」「どのような承認を行ったのか」を容易に確認できます。
また、承認ルートをあらかじめ設定できるため、承認漏れや不正な承認を防止することも可能です。監査対応やコンプライアンス強化が求められる企業にとって、大きなメリットといえるでしょう。
ワークフローシステムの導入手順
ワークフローシステムを効果的に活用するためには、計画的な導入が重要です。ここでは一般的な導入手順について、以下のステップに沿って解説します。
- 導入計画の策定
- 対象業務選定
- ワークフローシステムの選定
- 申請フォーム・決裁ルート・権限設定
- 運用体制の整備・テスト実施
- 社内展開
導入計画の策定
まずはワークフローシステムを導入する目的を明確にします。例えば、「承認に時間がかかっている」「紙の申請書管理に手間がかかる」「テレワーク環境でも申請業務を行いたい」など、現状の課題を洗い出すことが重要です。
承認時間の短縮やペーパーレス化、申請業務の工数削減など、具体的な目標を設定しておくことも重要です。導入目的や目標が曖昧なまま進めてしまうと、システム選定や運用方針が定まらず、期待した効果を得られない可能性があるため注意が必要です。
対象業務選定
次に、ワークフローシステムで管理する業務を選定します。経費精算や稟議申請、休暇申請、購買申請など、企業内にはさまざまな申請業務がありますが、すべてを一度に電子化する必要はありません。
まずは申請件数が多く、改善効果が見えやすい業務から対象とするケースが一般的です。利用頻度の高い業務を優先することで、利用者が導入効果を実感しやすくなり、システムの定着にもつながります。対象業務の選定時には、現在の申請フローや承認ルートも整理しておくことが重要です。
ワークフローシステムの選定
対象業務が決まったら、自社に適したワークフローシステムを選定します。選定時には以下のようなポイントを確認しましょう。
- 自社業務への適合性
- 操作性や使いやすさ
- カスタマイズ性
- 他システムとの連携機能
- セキュリティ対策
- サポート体制
- 将来的な拡張性
特に、既存の会計システムや人事システムとの連携が必要な場合は、事前に対応状況を確認しておくことが大切です。
申請フォーム・決裁ルート・権限設定
システムを導入した後は、実際の業務に合わせて各種設定を行います。例えば、経費精算や稟議申請などの申請フォームを作成し、入力項目を設定します。また、部署や役職に応じた承認ルートも設定しなければなりません。
複雑な承認フローをそのままシステム化すると運用が煩雑になる場合もあるため、このタイミングで業務フローを見直し、不要な承認工程を削減することも有効です。さらに、閲覧権限や承認権限を適切に設定することで、情報漏洩防止や内部統制強化にもつながります。
運用体制の整備・テスト実施
本格運用の前には、十分なテストを実施することが重要です。実際に申請から承認までの流れを確認し、設定ミスや運用上の問題がないかを検証します。また、承認ルートや通知機能が正しく動作するかも確認しておきましょう。
あわせて、システム管理者や問い合わせ窓口を明確にし、トラブル発生時の対応フローも整備しておく必要があります。運用開始後の混乱を防ぐためにも、利用マニュアルやFAQの作成を進めておくことがおすすめです。
社内展開
テストが完了したら、いよいよ社内展開を行います。利用者向け説明会や操作研修を実施し、システムの利用方法を周知します。特に紙運用に慣れている部署では、新しい業務フローへの抵抗感が生まれることもあるため、導入目的やメリットを丁寧に説明することが重要です。
また、導入後も利用状況や利用者の意見を収集しながら改善を続けることで、システムの定着率向上につながります。ワークフローシステムは導入して終わりではなく、継続的に運用を最適化していくことが成功のポイントです。
ワークフローシステムの導入事例
ワークフローシステムは、申請・承認業務の効率化だけでなく、業務プロセス全体の改善やDX推進にも大きく貢献します。ここでは、業務改善プラットフォーム「intra-mart」を活用した導入事例を紹介します。
年間約1万件の稟議をデジタル化した三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社では、年間約1万件にのぼる社内稟議を紙ベースで運用しており、承認状況の把握や決裁の停滞、複雑な承認ルートへの対応が課題となっていました。そこでワークフロー基盤としてintra-martを導入し、稟議業務のデジタル化を推進しています。
導入後は複雑な組織構造や承認ルートに対応しながら稟議プロセスを電子化し、決裁漏れや承認遅延の解消を実現しました。また、稟議にかかる作業工数を約10%削減するなど、業務効率化にも大きく貢献しています。ワークフローシステムを単なる電子申請ツールとしてではなく、業務改革の基盤として活用した事例といえるでしょう。
この事例についての詳細は、以下のページをチェックしてみてください。
▶︎年間約1万件の稟議デジタル化に向け「intra-mart」採用 ユーザー部門、パートナーとの密接な連携でワークフロー最適化に挑む
月4,000人分の経費精算処理を効率化した株式会社ソラスト
株式会社ソラストでは、グループ内で経費精算フローが統一されておらず、申請方法や運用ルールが部門ごとに異なっていました。その結果、経理部門の負担増加や業務効率の低下が課題となっていました。そこで同社は、intra-mart Accel Kaiden!を導入し、経費精算業務の標準化を進めています。
導入後は月4,000人分に及ぶ申請処理を効率化し、経理業務の負担軽減とガバナンス強化を実現しました。また、申請者にとっても操作しやすい環境が整備され、申請業務の利便性向上にもつながっています。ワークフローの統一によって、業務品質の標準化と生産性向上を両立した事例です。
この事例についての詳細は、以下のページをチェックしてみてください。
▶︎バラバラだった経費精算フローを統一し月4,000人分の申請処理を効率化 intra-mart Accel Kaiden!を全社の業務基盤に
膨大な紙書類をゼロにした帝都自動車交通株式会社
帝都自動車交通株式会社では、申請書や経理関連書類など多くの業務が紙ベースで運用されており、年間で小さな会議室が埋まるほどの書類を保管していました。また、改正電子帳簿保存法への対応も求められており、業務のデジタル化が急務となっていました。
同社はintra-martを導入し、複雑なワークフローを内製でデジタル化しました。その結果、紙書類の保管を大幅に削減し、申請・承認業務の効率化を実現しています。また、ローコード開発基盤を活用することで、将来的な業務改善やシステム拡張にも柔軟に対応できる環境を構築しました。ワークフローシステムをDX推進の基盤として活用した代表的な事例といえます。
この事例についての詳細は、以下のページをチェックしてみてください。
▶︎「書類で小さな会議室が1年で埋まる」膨大な紙の書類がゼロに intra-martを採用し複雑なワークフローを内製でデジタル化
ワークフローシステム導入を成功させるポイント
ワークフローシステムは導入するだけで効果が得られるわけではありません。自社の業務に適した運用を行うことで、はじめて高い導入効果を発揮します。ここでは、ワークフローシステム導入を成功させるための4つのポイントについて解説します。
- 業務フローの見直しと最適化
- 自社の業務に適したシステム選定
- 費用対効果の考慮
- 段階的な導入・継続的な改善
業務フローの見直しと最適化
ワークフローシステムを導入する際は、現在の業務フローをそのままシステム化するのではなく、業務そのものを見直すことが重要です。長年運用されてきた業務の中には、不要な承認工程や重複作業が含まれているケースもあります。そうした非効率な業務をそのまま電子化しても、大きな改善効果は期待できません。
導入前に業務フローを整理し、不要な作業や承認工程を削減することで、システム導入効果を最大化できます。
自社の業務に適したシステム選定
ワークフローシステムにはさまざまな製品があり、それぞれ得意分野が異なります。
例えば、シンプルな申請業務を効率化したい企業と、複雑な業務プロセス全体を管理したい企業では、必要な機能が大きく異なります。そのため、機能の豊富さだけで判断するのではなく、自社の業務内容や将来的な拡張性も考慮して選定することが大切です。既存システムとの連携性や操作性についても十分に確認しておきましょう。
費用対効果の考慮
導入時には初期費用だけでなく、運用コストも含めて検討する必要があります。クラウド型の場合は月額利用料、オンプレミス型の場合は保守費用やサーバー管理費用などが発生します。削減できる工数や紙コストも含め、導入後の効果を総合的に評価することが重要です。
段階的な導入・継続的な改善
最初から全社すべての業務を対象に導入すると、現場の負担が大きくなり定着しない可能性があります。そのため、まずは経費精算や稟議申請など利用頻度の高い業務から導入し、運用状況を確認しながら対象範囲を広げていく方法がおすすめです。
導入後も利用者の意見を収集し、フォームや承認ルートを改善し続けることで、より使いやすいシステムへ成長させることができます。
ワークフローシステムの活用時の注意点
ワークフローシステムは業務効率化に大きく貢献しますが、運用方法によっては期待した効果を得られない場合もあります。ここでは、活用時に押さえておきたい注意点を2つ紹介します。
- セキュリティ対策
- 社内ルールの整備
セキュリティ対策
ワークフローシステムでは、稟議書や契約書、人事情報、経費精算データなどの重要情報を扱います。そのため、適切なセキュリティ対策が欠かせません。特に以下のような対策は重要です。
- アクセス権限管理
- 多要素認証(MFA)
- 通信データの暗号化
- 操作ログの取得
- 定期的なバックアップ
また、クラウド型サービスを利用する場合は、データ保管場所やセキュリティ認証取得状況についても確認しておく必要があります。内部不正や情報漏洩リスクを防ぐためにも、システム選定段階からセキュリティ要件を明確にしておきましょう。
社内ルールの整備
システムを導入しても、利用ルールが曖昧では効果を発揮できません。例えば、「どの申請をワークフローで処理するのか」「誰が承認するのか」「差し戻し時の対応はどうするのか」といったルールが明確でない場合、運用が混乱する可能性があります。
また、紙運用と電子運用が混在すると、二重管理や確認漏れの原因にもなります。そのため、システム導入に合わせて業務ルールを見直し、利用者向けのマニュアルや教育体制を整備することが重要です。
まとめ
本記事では、ワークフローシステムの概要や導入メリット、導入手順、導入事例、成功のポイントについて解説しました。
ワークフローシステムは、申請・承認業務を電子化し、業務効率化やペーパーレス化、内部統制の強化を実現するための重要なツールです。紙やメールによる運用と比較して、承認スピードの向上や業務の可視化、管理負担の軽減など多くの効果が期待できます。
一方で、導入を成功させるためには、自社の業務フローを見直したうえで適切なシステムを選定し、段階的に運用を拡大していくことが重要です。また、セキュリティ対策や社内ルールの整備、継続的な改善活動も欠かせません。
ワークフローシステムの導入を検討している場合は、豊富な導入実績を持つintra-martの活用も選択肢の一つです。intra-martが提供する「intra-mart Accel Platform」は、柔軟なワークフロー機能を備えたローコード開発基盤であり、稟議・経費精算・契約申請など幅広い業務の電子化に対応できます。ワークフローだけでなく、文書管理や業務アプリ開発、システム連携にも対応しており、全社的なDX推進基盤として活用可能です。
ワークフローシステムを活用して業務効率化や内部統制の強化を実現したい場合は、自社の課題や将来構想に合わせて最適なシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。









