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レガシーシステムとは? ~2025年の崖との関係性から脱却する方法までわかりやすく解説~

DX

レガシーシステムとは、新たな技術の登場によって相対的に古くなってしまったコンピューターシステムのことを指します。新技術との比較で判断されるため、たとえば「導入から何年が経過したらレガシーシステムとよぶ」といった具体的な年数などの明確な定義はありません。

レガシーシステムの刷新が進まないことなどが原因で、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進まないために、2025年以降、最大で毎年12兆円の経済損失が生じる可能性が指摘されています。

本コラムでは、レガシーシステムの概要と、2025年の崖との関係、レガシーシステムから脱却する方法について、ご紹介いたします。

 

1. レガシーシステムとは

レガシーシステムとは、新技術の登場により、相対的に古くなってしまった既存のコンピューターシステムのことをいいます。新たな技術との比較で判断されるため、「導入から何年が経過したらレガシーシステムとよぶ」といった具体的な年数などの明確な定義はありません。

クラウド化が進んでいる現代では、オフコン(オフィスコンピューター)やメインフレームといった2000年頃までに主流だったオンプレミス型のシステムを指してレガシーシステムと呼ばれるケースが多いです。

レガシー(legacy)という言葉は「遺産、遺物」などの意味を持ち、否定的なニュアンスが含まれるわけではありませんが、コンピューター用語としては「古びて時代に合わなくなった」というマイナスな意味で使われます。

 

2. レガシーシステムと2025年の崖との関係性

経済産業省は、2018年9月に「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」を発表し、2025年の崖について警鐘を鳴らしました。

2025年の崖とは?

同レポートによれば、2025年の崖とは、レガシーシステムのブラックボックス化と、現場の抵抗が大きいことから、既存システムの刷新が進まず、さらに2025年付近に集中する「固定電話網PSTNの終了」「SAP ERPの保守サポート終了」「IT人材不足の拡大」などが重なることにより、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進まなかった場合、2025年以降、最大で毎年12兆円の経済損失が生じる可能性を指します。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、最新のデジタルテクノロジーを活用して経営戦略や業務、商材、顧客体験などを変革させることをいいます。

上記の2025年の崖を回避するためだけではなく、すでに最新のデジタルテクノロジーを活用したビジネスが既存の商品・サービスの価値を低下させる「デジタルディスラプション」が起きており、そうした市場において競争力を維持・向上させるためにも、DXへの取り組みが重要であるといえます。

DXについて詳しくは、下記の記事もご覧ください。

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レガシーシステムと2025年の崖との関係

2025年の崖を回避し、DXを実現するためには、レガシーシステムを刷新する必要があります。なぜなら、レガシーシステムに採用されている技術が古いことから、最新のデジタルテクノロジーと規格が合わず、新たに得られたデータと連携できないためです。

データは21世紀の石油ともいわれるほど、ビジネス以外にもあらゆる分野で重要性を増しており、「データドリブン」という言葉もよく聞かれます。経営資源の一つとしてデータを活用することができなければ、DXの成功も中途半端なものになってしまうでしょう。

 

3. レガシーシステムから脱却する方法

レガシーシステムから脱却し、最新のデジタルテクノロジーを導入できるように新たなシステムへと刷新する方法として、「マイグレーション」や「モダナイゼーション」があります。

マイグレーション

マイグレーションとは、ハードウェアやソフトウェアといったIT資産や、データなどを新しい環境に乗せ換えることです。

マイグレーションには「アプリケーションの移行」「ストレージの移行」「データベースの移行」「BPM(ビジネスプロセス管理)の移行」などがあります。

アプリケーションの移行

アプリケーションの移行とは、従来のアプリケーションと同等の機能を持つ、新たなアプリケーションへの移行です。

現行のプログラムを、新しい環境下でリコンパイルする「ストレートコンバージョン」と、新しい環境下に適した言語・ソフトウェアに書き換える「リライト」があり、ほかに、スクラッチ開発を行うこともあります。

レガシーマイグレーションの多くは、このアプリケーションの移行です。

ストレージの移行

アプリケーションの移行とは、データが格納されているストレージを、新しいものに移行することをいいます。

オンプレミス環境の場合、レガシーマイグレーションでなくても3~5年周期で行ってきたという担当者も多いでしょう。ただ、ストレージの移行と同じタイミングで、アプリケーションやソフトウェアも移行する場合は大掛かりになります。スケジュールや容量、接続性などに配慮する必要があります。

データベースの移行

データベースの移行は、アプリケーションの移行に伴って発生します。
データベースソフトの移行、または、アプリケーション内のデータの移行となり、既存のアプリケーションで利用していたデータ形式の変換が必要となるケースもあります。

BPM(ビジネスプロセス管理)の移行

BPM(ビジネスプロセス管理)とはBusiness Process Managementの略称で、業務プロセスを整理・分析し、業務効率化の推進について、具体的な方法を検討し、行動することをいいます。

買収・合併や新マーケットへの参入など、組織に変化が起こり、ビジネスプロセスが変更されるタイミングで行われます。組織変更などがあった場合にも実施されます。

BPMの移行が行われる際は、社内に蓄積してきたデータや、データベースそのものの移行が必要になるケースが多いため、「アプリケーションの移行」「ストレージの移行」「ストレージの移行」の2つ以上の移行を伴うことが多いです。

モダナイゼーション

モダナイゼーションとは、古くなったIT資産(ハードウェアやソフトウェア)を最新の製品や設計に置き換えることを指します。

モダナイゼーションには、「リプレース」「リライト」「リホスト」などがあります。

リプレース

リプレースとは、既存のシステムやパッケージソフトウェアを、新たなパッケージソフトへ移行することをいいます。

リプレースに伴い、既存の業務プロセスを見直して新たなパッケージソフトに合わせることが多いため、業務効率化につながる点がメリットです。
ただ、抜本的な変更となり、大掛かりになるため、金銭コストや人的コストがかかる点はデメリットです。業務プロセスの変更により、現場からの反発が出やすい点も難点です。

リライト

リライトとは、新しい環境下に合わせて現行のプログラムを最適な言語やソフトウェアに書き換えることをいいます。

セキュリティや稼働スピードの向上を狙い、コード変換ソフトなどを活用して既存システムのプログラミング言語を新しいものへ書き換えます。機能や仕様には特に変更を加えない点も特徴です。

リホスト

リホストとは、サーバやOS、ミドルウェアなどを、新たな環境に構築し、アプリケーションやデータなどを移行することをいいます。
オンプレミス環境からのクラウド化も、このリホストに当たります。

リホストを行っても、古いIT資産(ソフトウェア)はそのまま利用することになるため、業務効率化の効果は限定的になります。ただ、その分、移行はスピーディーに行えます。

 

まとめ

レガシーシステムとは、新たな技術の登場によって陳腐化してしまったシステムを指します。
デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためにも、2025年の崖を回避するためにも、レガシーシステムの刷新が求められます。

2025年まで3年を切りました。まだレガシーシステムを抱えているところは、そろそろ本腰を入れてマイグレーションやモダナイゼーションの対応を行う必要があるでしょう。

 

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