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モダナイゼーションとは? ~注目される背景から成功させるポイントまで解説~

DX

モダナイゼーションとは、古くなったIT資産(ハードウェアやソフトウェア)を、最新の製品や設計に置き換えることをいいます。元の英単語である「modernization」は、「近代化」「現代化」という意味を持ちます。
モダナイゼーションには、「リプレース」「リライト」「リホスト」「リビルド」といった手法があります。

本コラムでは、モダナイゼーションの概要と注目される背景、成功させるためのポイントをご紹介いたします。

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1. モダナイゼーションとは

モダナイゼーション(modernization)とは、古くなったIT資産(ハードウェアやソフトウェア)を、最新の製品や設計に置き換えることです。厳密には「ITモダナイゼーション」や「システムモダナイゼーション」といいますが、省略されて単に「モダナイゼーション」と呼ばれることが多いです。

新たな技術の登場によって陳腐化したレガシーシステムを対象とすることが多く、具体的なモダナイゼーションの手法として、「リプレース」「リライト」「リホスト」「リビルド」「リドキュメント」「リファクター」などがあります。

モダナイゼーションとマイグレーションの違い

モダナイゼーションと似た意味を持つものに、マイグレーションがあります。
マイグレーション(migration)とは、ハードウェアやソフトウェアといったIT資産や、データなどを、新たな環境に乗せ換えることを指し、必ずしもレガシーシステムを対象とするわけではありません。

マイグレーションには「アプリケーションの移行」「ストレージの移行」「データベースの移行」「BPM(ビジネスプロセス管理)の移行」などがあります。このうち、最後の「BPM(ビジネスプロセス管理)の移行」については、ビジネスプロセスの変更に合わせて経営戦略にも大きく関わるような変更が加えられますが、「アプリケーションの移行」「ストレージの移行」「データベースの移行」については基本的に、移行前と機能や要件などを変えずにそのまま移行します。

一方、モダナイゼーションでは、稼働スピードの向上や業務効率化、セキュリティ向上などを目的として、性能向上や新機能の追加を伴います。

 

2. モダナイゼーションが注目される背景

モダナイゼーションが注目されるようになった背景には、経済産業省が「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」で「2025年の崖」について言及したことがあります。

同レポートによれば、2025年の崖とは、2025年付近に集中する「SAP ERPの保守サポート終了」や「固定電話網PSTNの終了」といったIT関連の課題に加え、2025年までにレガシーシステムの刷新が進まなかった場合、2025年以降、最大で毎年12兆円の経済損失が生じる可能性があることです。

レガシーシステムを使い続けることで、保守のために費やされるコストや人員がかさむだけでなく、最新のデジタルテクノロジーとの規格が合わず、DXの妨げにもなります。

レガシーシステムをモダナイゼーションしてDXに取り組み、2025年の崖を乗り越えようということで、モダナイゼーションが注目されるようになったのです。

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3. モダナイゼーションを成功させるポイント

では、実際に既存のシステムをモダナイゼーションする際、どんな点に注意すれば良いのでしょうか?
ここでは、モダナイゼーションを成功させるための3つのポイントをご紹介いたします。

IT資産の可視化からスタートする

モダナイゼーションの実施を決めたからには、新たなシステムに対して性能やセキュリティの向上、アーキテクチャの刷新など、現状システムが持つ何らかの課題を解消したり改善したりする狙いがあるはずです。モダナイゼーションを成功させ、その目的を達成するためには、現状のシステムそのものと、利用するユーザー部門の実態を十分に把握しておくことが大切です。

とはいえ、レガシーシステムは「ブラックボックス化」という重大な問題を抱えています。ブラックボックス化とは、レガシーシステムが長年、使われる中で必要に応じて加えられてきた機能追加などのシステム変更の経緯や現在の内部構造を詳細に把握できている人材が社内にも社外のベンダー側にも不在である状態をいいます。

ただ、ブラックボックス化したレガシーシステムのすべてを明らかにする必要はなく、たとえば、老朽化に対応するためのモダナイゼーションなら、システム構成とソフトウェア構成を明らかにするというように、目的に合わせて調査項目を精査して現行調査を実施すれば良いのです。調査の結果、たとえば、全プログラムのうち、実際に業務に利用されているのはその7割程度であるという実態が掴めるかもしれません。そうなれば、全プログラムを移行する必要はなくなります。

このように、IT資産を可視化して、現状を把握するところからスタートすることで、どの箇所にどんな手法を用いてモダナイゼーションするかという方針が見えてきます。また、IT資産を可視化することで、どの部分に課題があるかを説明しやすくなり、経営層を説得したり稟議の承認を得たりもしやすくなるでしょう。

現行システムを「変えられる部分」と「変えられない部分」に分ける

モダナイゼーションを行う際は、現状のシステムが抱える課題を解消・改善することを目的としているため、特に課題のない部分については変更を加える必要はありません。

前項でご紹介したように、現状のIT資産を可視化したら、課題を抱えている部分、つまり「変えるべき部分」を明らかにした上で、「変えられる部分」と「変えられない部分」に精査しましょう。

「変えられない部分」については特に迷うことはないでしょうが、「変えられる部分」については、「変えるべき部分」に該当する場合は変更するとして、そうでない場合も、現場の声を聞きながら、刷新したシステムに合わせて業務プロセスを変更すべきかどうかを検討する必要があります。たとえば、一部システム化できずに手作業で行っている部分があった場合、システム化すれば業務効率を向上させられます。

現場のメンバーをプロジェクトの初期から参加させる

IT資産の可視化からスタートする」でもお伝えしたように、長年、使用されてきたレガシーシステムは、実施されてきた機能追加などのシステム変更は、ドキュメントが残されておらず、ブラックボックス化しているケースが少なくありません。このため、情報システム部門など管理者側は、システムの内部を把握していないだけでなく、現場サイドの利用実態についても把握できていないことがよくあります。

モダナイゼーションする際は、要件定義を行う前の初期の段階からユーザー部門の現場メンバーに参加してもらうことも大切です。逆に、たとえばテスト段階のような後期から参加してもらった場合、後から「必要な機能がなくなっている」「必要な処理速度が出ていない」などが判明して手戻りが発生し、スケジュール通りにリリースできなくなる恐れがあります。また、現場サイドと管理部門の関係が悪化する可能性もあります。

こうしたリスクを回避するためには、プロジェクトの初期から現場のメンバーにも参加してもらい、利用実態や希望を把握した上で、モダナイゼーションを進めましょう。

 

4. まとめ

モダナイゼーションとは、レガシーシステムなどの古びたシステムに対して、性能アップやアーキテクチャの刷新などを目的として実施するものです。似たものにマイグレーションがありますが、こちらは特に機能や性能、要件などを変更しません。

モダナイゼーションが注目されるようになった背景には、経済産業省が2018年に発表した「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」があり、2025年の崖を乗り越えてデジタルトランスフォーメーションに取り組むためにも、モダナイゼーションが必要という気風が盛り上がりました。

これからモダナイゼーションに取り組む企業様は、上でご紹介したようなポイントなどに留意しながらモダナイゼーション成功させ、ぜひDXを推進していきましょう。

 

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