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働き方改革による残業時間 ~残業時間を削減する方法~

働き方改革とは本来、将来的に続く人口減少と少子高齢化に伴う労働人口減少に対し、非正規雇用者を含め、さまざま立場の人がそれぞれに合った働き方を行うことで、労働生産性を保ちながら、国民が生き生きと暮らすことを目的としたものです。

ただ、その具体的な方策として、長時間労働の是正や有給休暇取得率の向上といったことがあるため、企業側では「いかにして残業を抑制するか」「有給休暇の消化率を上げるか」といったことに目が行きがちです。
とはいえ、実際にこれらを実現しなければならないのですから、間違っているわけではありません。

本コラムでは、働き方改革への取り組みの中でも「残業」にフォーカスし、その削減方法についてご紹介いたします。

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1. 残業時間の現状

企業によって、定められている1日の勤務時間が7時間だったり8時間だったりと異なるため、「所定時間外労働時間」としての残業時間は一律に数値を算出することができません。
ただ、労働基準法で定められている労働時間と時間外労働(法定外労働時間)を元に、厚生労働省が発表した調査結果から長時間労働の実態を数値化することは可能です。

労働基準法(36協定)が定める労働時間


労働基準法では、1日の労働時間を8時間以下、1週間の労働時間を40時間以下と定め、法定除外事由なく、これを超えて労働させてはならないとしています。
また、第36条では時間外および休日の労働について定められています。通称「36協定(サブロクキョウテイ)」とよばれるものです。36協定では、1ヵ月当たりの労働時間を45時間以下、1年当たりの労働時間を360時間以下としています。


令和2年度の日本の所定外労働時間の平均は「110時間」


厚生労働省が発表した「令和3年版過労死等防止対策白書」によれば、パートタイム労働者を含む年間総実労働時間の推移を見ると、「総実労働時間」と「所定内労働時間」は平成24年度から令和2年度から8年連続で減少しているものの、所定外労働時間、つまり残業時間は、増減しながらほぼ横ばいで推移し、令和2年度に急激に減少し、110時間となっています。これは、36協定の規定を下回っており、平成5年以来、最も低い数値となっており、働き方改革に一定の効果が出ていることが表れているといえます。

また、海外に目を向けると、OECD(経済協力開発機構)が発表した2021年の調査結果では、世界の労働時間ランキングで日本の労働時間は26位となっており、そこまで長時間労働がまん延しているとはいえない結果となっています。
ただ、この数値にはパート・アルバイトなどの非正規雇用者が含まれているため、フルタイム勤務の正社員の労働時間はこれより長いといえそうです。

参考:「Hours worked」OECD


 

2. 働き方改革による残業時間の上限規制

一方、働き方改革関連法案によって、残業時間の規定はどのように変わったのでしょうか?
残業時間の現状」でお伝えしたように、36協定では、1ヵ月当たりの労働時間を45時間以下、1年当たりの労働時間を360時間以下と定めています。

働き方改革関連法によって改正された内容を見ると、この労働時間そのものは変わりがありません。ただ、繁忙期であっても単月で休日労働を含み100時間未満とすることと、1ヵ月当たりの労働時間45時間を上回るのは年6回までの年720時間の範囲内であることという上限規制が追加されました。
これに違反すれば、違反企業や労務担当者には30万円以下の罰金が科されます。

大企業は2019年4月1日から、中小企業は2020年4月1日から適用されていますが、建設事業者や、自動車運転を業務とする人などには2024年までの猶予が設けられており、医師についての具体的な上限時間は省令で定めるとしています。


 

3. 働き方改革を推進するために残業時間を削減する方法

では、働き方改革を推進して残業時間を削減するためには、具体的にどのような方法があるのでしょうか?
大きく以下の5つの方法が考えられます。

従業員の残業時間を可視化して把握する


まずは、自社の従業員の残業の実態を掴む必要があります。Excelなどで集計する方法でも良いですが、自動で集計してくれる機能を持つ勤怠管理システムを導入すると良いでしょう。

勤怠管理システムを導入することで、他人による不正な打刻や、集計の際の転記ミスや計算ミス、などを防止できたり、テレワークに対応していたりというメリットも得られるため、働き方改革推進に役立つはずです。


人事評価制度や給与体系を見直す


従業員が残業をする理由には、顧客からの突発的なリクエストやトラブル対処など、仕方のない場合もありますが、なかには、「残業して頑張っているところを上司にアピールしたい」「多少、残業してでも成果を上げたい」「基本給では足りない生活費を残業代で補いたい」というように、人事評価や収入のために残業しているケースもあります。

このような理由で残業する従業員は、「残業」というマイナスを上回るだけの「人事評価」というプラスがあると計算しているわけです。評価のために残業する人が多いという企業では、人事評価制度を見直してみましょう。

成果に対して投下した業務時間が適正かどうか、生産性の観点を盛り込み、上司の主観的な評価が中心とならないような制度にすることがポイントです。
また、基本給が低く、歩合の割合が高いなどの給与体系の場合は、基本給を引き上げたり手当を支給するなどして、残業しなくても従業員が十分に生活できるように給与体系を見直してみてください。


業務プロセスを可視化して改善する


業務プロセスを改善するためには、まず現状を把握することから始める必要があります。そのためには、業務プロセスを可視化するのが近道です。業務を可視化する専用のツールが多数、提供されているほか、業務プロセスの可視化から改善、その後のモニタリングまでカバーしてくれるBPMツールを活用するのもおすすめです。

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BPMツールとは?業務改善に効果を発揮するBPMツールを比較


業務効率化のためのITツールを導入・活用する


RPAやBPMツール、タスク・プロジェクト管理ツールなど、自社が業務効率化において抱える課題を解消してくれるようなITツールを導入・活用することで、従業員が業務にかける時間を短縮することができます。
既存のシステムやサービスとデータ連携できるものを選ぶことで、さらなる効率化が期待できます。


業務をアウトソースする


自社の従業員だけでは消化できないほど業務量が多い場合は、社外にアウトソースするのも良い方法です。アウトソースする場合、従業員を雇用するのとは異なり、繁忙期だけなどの一時的な利用が可能なため、低コストで済みます。
また、特定の業務に特化した専門のアウトソーシングサービスを利用することで、業務のクオリティが向上するメリットも期待できます。


 

4. まとめ

働き方改革の中でも特に、残業時間を削減するために、日本における現状と解決策をご紹介しました。
日本人は働き過ぎというイメージが根強いですが、働き方改革がスタートした影響もあり、他国と比べてもそこまで長時間労働がまん延しているとはいえないのが現状です。
ただ、人事評価などのために無駄な残業を行っている従業員がいないとは言い切れず、業務効率化を妨げる要因となっている恐れがあります。

従業員の残業がまだ多く、解消できていないという企業様は、この機会に業務プロセスを見直し、上で挙げたような解決策を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

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