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ローコード開発ツール・プラットフォーム17種を比較!おすすめのツールは?

日本の人口減少により人材不足が深刻化しつつあり、働き方改革の推進などもあり、企業などには業務効率化が求められています。一方で、デジタル化がますます進む中、業務に活用するシステムやアプリケーションの拡充も必要不可欠なものとなっています。

これらを両立させるために注目したいのが、短期間でアプリケーション開発が行えるローコード開発ツールです。ローコード開発ツールとは、高度なプログラミングのスキルを必要とせず、画面の操作のみでアプリ開発が可能なプラットフォームのことです。

本コラムでは、ローコード開発ツール(ローコード開発プラットフォーム)について、注目の背景とおすすめのツール、選び方などをご紹介いたします。

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ローコード開発の事例をまとめています

イントラマートがプログラミングを最小限におさえ、ローコード開発ツールを活用して素早いシステム構築を実現した事例をご紹介します。

 

1. ローコード開発ツール、ローコード開発プラットフォームとは?

ローコード開発ツール(ローコード開発プラットフォーム)とは、極力、ソースコードを書かずにアプリケーションを開発する「ローコード(Low-Code)開発」の手法を実現できるソフトウェアのことです。

プログラミングの代わりに使われるのが、「グラフィカルユーザインタフェース(Graphical User Interface/GUI)」です。グラフィカルユーザインタフェースとは、視覚的に操作できるインターフェースのことで、あらかじめ用意された機能単位を表示したアイコンなどをドラッグアンドドロップ、ポイントアンドクリックといった操作により組み合わせることで開発します。

プログラミングが必要なのは最低限の部分であるため、短期間でのアプリケーション開発が可能で、まったくソースコードを書かないノーコード開発に比べると開発の自由度が高い点がメリットです。
「ローコード(Low-Code)開発」は日本語で「超高速開発」と呼ばれる場合もあります。

ローコード開発については、こちらの記事もご覧ください。

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ニューノーマルのDXを支える注目トレンド「ローコード開発」とは

 

2. トレンドのローコード開発、なぜ注目されている?

ローコード開発がなぜ今注目されているかといえば、冒頭に挙げた人材不足の解消や働き方改革実現のほかに、近年バズワードのように広がっているDXが大きな理由の一つとして挙げられます。
DX(Digital Transformation)とは、最新のデジタル技術を駆使してビジネスモデル、顧客体験、業務プロセスなどを変革させることをいい、日本語では「デジタル変革」と訳されます。

経済産業省は、「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」(2018年9月)や、「DXレポート2(中間取りまとめ)」(2020年12月)などで、たびたび日本のDX推進を訴えています。

レポートでは、DXが推進できなければ複雑化・ブラックボックス化したレガシーシステムを刷新できず、保守費用が増大するなどして、2025年以降最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性があると指摘しており、これを「2025年の崖」と表現しています。

差し迫ったDXを実現する有力な手段の一つとして、短期間で柔軟性が高い開発が可能で、過度に高度な専門スキルを必要としないローコード開発に注目が集まっています。

 

3. ローコード開発ツール・プラットフォームの基本機能

ローコード開発ツール・プラットフォームの多くに備わっている基本的な機能は、次の5機能です。

ビジュアルモデリング機能

多くのローコードプラットフォームは、視覚的な操作でアプリケーションを構築できるインターフェースを提供し、プログラミングの知識が少なくてもアプリケーションを構築できるように設計されています。これがビジュアルモデリング機能です。

たとえば、ドラッグ&ドロップで画面に配置できる、ボタンやテキストフィールド、画像などの要素が用意されていたり、視覚的なフローチャートで表現することで、複雑なロジックを分かりやすく定義できたりします。

コンポーネントとテンプレート

ローコード開発ツール・プラットフォームには、アプリケーション開発に必要な一般的な機能を備えたコンポーネントやテンプレートが用意されています。

たとえば、データベースから取得した情報を一覧表示するデータコンポーネントや、ユーザー認証に必要な入力フォーム、エラーメッセージ表示、パスワードリセット機能などが実装されたログイン画面テンプレートなどがあります。

データベース連携機能

ローコード開発ツール・プラットフォームには、外部データベースやAPIとの接続を簡素化する機能が備わっています。この機能を活用することで、データの取得、保存、更新を容易に行うことができます。

たとえば、SQLなどの複雑なクエリ言語を使用せずに、GUI上でデータベース操作を定義できる「ビジュアルクエリエディタ」や、Salesforce、SAP、AWSなどの外部サービスと接続するための「コネクタライブラリ」が用意されています。

ビジネスロジック定義機能

ローコード開発ツール・プラットフォームでは、コードを記述せずに、条件分岐や繰り返し処理などのビジネスロジックを定義する機能が提供されています。

たとえば、「もし、○ならば△を実行」といった形式で、条件に基づいた処理を視覚的に定義できたり、データの入力、承認、通知などのプロセスを自動化するワークフローをGUI上で設定できます。

アプリケーション管理機能

ローコード開発ツール・プラットフォームでは、開発したアプリケーションを簡単にデプロイし、運用・管理するための機能も提供されています。

たとえば、ボタン操作だけで、開発したアプリケーションをテスト環境や本番環境にデプロイできる「ワンクリックデプロイ」や、アプリケーションのバージョンを管理し、以前のバージョンへのロールバックを容易に行える「バージョン管理機能」が備わっています。

 

4. ローコード開発ツール、ローコード開発プラットフォーム17種を紹介

ローコード開発ツール、ローコード開発プラットフォームには、どのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、有料・無料に分けてご紹介いたします。

有料のローコード開発ツール、ローコード開発プラットフォーム

まずは、有料のツールからご紹介いたします。

OutSystems

OutSystemsは、Webアプリケーションやモバイルのネイティブアプリケーションの開発が可能なローコード開発プラットフォームです。任意のプログラミング言語で独自コードを追加し、プラットフォームを自由に拡張できます。

ポルトガル発のローコード開発プラットフォームですが、現在は、米国に本社を構え、世界11ヵ国にオフィスを展開しています。

OutSystemsは有料のツールですが、無償トライアルがあり、無償トライアルでも全機能を体験できます。最大100ユーザーが登録できるので、チームでの開発でも利用可能です。
無償トライアルは、フォームに必要項目を入力してサインアップするだけで1分でインストールでき、簡単なアプリなら5分以内に作成することもできるという迅速な開発が可能な点が特徴です。

Webサイトは一部、日本語対応していますが、基本的に英語の説明を読んで利用する必要があります。

Microsoft PowerApps

Microsoft PowerAppsは、ビジネスアプリケーションを作成できるローコード開発ツールです。GUIと関数(Excelのような)を組み合わせてブラウザ上で開発を行います。
ExcelやPower BIといったMicrosoft製品のほか、CSVファイルや他社のデータベースと接続して、テンプレートも用意されており、スピーディーな開発が可能です。

MicrosoftのDynamics 365やOffice 365のエンタープライズプランなどを契約していると、PowerAppsを無料で利用できます。そうでない場合は、1ユーザー当たり月額料金760円から単体契約も可能です。30日間の無料トライアルもあります。

Kintone

Kintoneは日本製のローコード開発ツールで、サイボウズ株式会社が提供しています。導入実績は2万社以上です。

リッチテキスト、日付、チェックボックス、計算といった28個のパーツが用意されており、ドラッグアンドドロップでこれらを組み合わせて、クラウド上にて業務アプリを開発できます。
特に、チームや部署単位などで利用するアプリケーションが想定されており、SNS機能が充実しています。

カスタマイズを行いたい場合は、Javascriptによる開発が可能です。

Oracle APEX

Oracle APEXは、データベース管理システムを中心とする企業向けソフトウェアの大手、オラクルが提供するローコード開発ツールです。Oracle Databaseのユーザーであれば、追加ライセンスを購入することなく利用できます。単体契約の場合も、月額360ドルからとなっており、低コストで利用できます(クラウド版の場合)。

低コストながらエンタープライズ向けのアプリ開発も可能。ウィザードが用意されており、学習なしですぐにアプリ開発を行うことができます。カスタマイズしたい場合は、データベース言語であるSQLをOracle Database用に独自に拡張したプログラミング言語「PL/SQL」で、これはSQLの知識があればすぐに使えるものだといいます。

ローコード分野ですでに20年以上の実績を持つオラクル社のツールとして、シンプルさと低コスト、スピーディさが追求されています。

intra-mart

私たち株式会社エヌ・ティ・ティ・データイントラマートが提供するintra-martは、導入実績は10,000社以上の日本製ローコード開発ツールです。17年連続、ワークフロー市場でシェアNo.1(シェア率25%)を誇ります。

エンタープライズ向けのアプリ開発も可能。グローバルに対応しており、日本語、英語、中国語など多言語対応しているだけでなく、各国のタイムゾーンも利用可能です。

APIコンポーネントが用意されており、AI、OCR、RPA、電子署名などのデジタル技術との組み合わせも可能で、ワークフローを高度に自動化することができます。

WebPerformer

WebPerformerは、キヤノンITソリューションズが提供するローコード開発プラットフォームです。導入社数は、累計1,000社以上。

Webシステムを素早く構築することができ、構築の工程だけでなく設計書の作成工程やテスト工程も短縮することが可能です。

ニアショア開発や、内製化支援サービスも用意されており、自社のみでのローコード開発に不安のある企業でも導入できるようになっています。

TALON

TALONは、株式会社HOIPOIが提供する日本製のローコード開発プラットフォームです。導入実績は、300社超。

「ブロックシステム」を採用している点が最大の特徴で、ブロックを組み合わせることで、複雑なシステムを作ることができます。

料金は、オンプレミス版が50万円から、クラウド版が4万円からとなっています。
1ヵ月間の無料試用版も提供されています。

Retool

Retoolは、米リツール社(Retool, Inc.)が提供するローコード開発プラットフォームで、Webサービスを簡単に作ることができます。

REST APIやGraphQL APIと連携して、外部サービスのデータを利用できるほか、必要に応じてJavaScriptでカスタムコンポーネントやロジックを追加することで拡張が可能です。

料金は、「Team(月額10ドル/1ユーザー)」「Business(月額50ドル/1ユーザー)」「Enterprise(要見積もり)」となっており、無料で使えるFreeプランも用意されています。

Mendix

Mendixは、ドイツの電機メーカーであるシーメンス社(Siemens AG)が提供するローコード開発プラットフォームです。

開発は基本的にデータ構造と画面をロジックでビジュアルに関連付けるだけで行え、オフライン動作も可能な、あらゆるデバイスに対応するアプリ開発が可能です。
作成したアプリケーションは、ワンクリックで、さまざまなクラウド、オンプレミスに展開可能です。

Salesforce Platform

Salesforce Platformは、米セールスフォース社(Salesforce, Inc.)が提供するローコード開発プラットフォームです。世界トップシェアを誇るSFA/CRMである「Salesforce」の開発プラットフォーム上で、ローコード/ノーコードでのアプリ開発が可能です。

ワークフローや承認プロセスを自動化するLightning Flow、独自のコンポーネントを作成できるLightning Web Componentsなど、ローコード開発を強力に支援するツール群が提供されています。

Now Platform

Now Plaformは、米サービスナウ社(ServiceNow, Inc.)が提供するローコード開発プラットフォームです。フォーム、リスト、チャート、マップなど、すぐに使えるコンポーネントが豊富に用意されており、開発効率を向上できます。

ノーコードとローコードを両方柔軟に使い分けることが可能です。たとえば、簡単なアプリケーションはノーコードで開発し、より複雑な要件にはJavaScriptを使用してカスタマイズするなど、柔軟な開発スタイルを選択できます。

利用料金は「要問い合わせ」で、日本企業の代理店が複数あり、代理店から購入することで日本語でのサポートが受けられます。

SmartDB

SmartDBは、株式会社ドリーム・アーツが提供する日本製のローコード開発プラットフォームです。
高度な申請・承認ワークフローと Web データベース、文書管理機能を中心に多彩な機能を搭載しており、業務効率化のためのシステム構築が可能です。

さまざまな業務部門ごとに多数のテンプレートが用意されており、これらを活用すれば、より短時間でシステムを構築することが可能です。

利用料金は「要見積もり」で、Webサイト上に利用料金を試算できるフォームが用意されています。

Wagby

Wagbyは、株式会社ジャスミンソフトが提供する日本製のローコード開発プラットフォームです。エンタープライズレベルのシステム開発を可能にする高機能プラットフォームで、導入実績は1,000社以上です。

データベース定義、画面設計、業務フロー定義などを、プログラミング不要のGUI操作で行うことで、Webアプリケーションを構築可能です。

利用料金は、開発ライセンスが6,600円、同時接続ライセンスが3,300円、モデル項目の追加が50項目ごとに1,100円となっています。ユーザー課金制ではなく、同時に何名の利用者がアクセスしているかという当時接続数で料金が決まります。

CELF

CELFは、SCSK株式会社が提供する日本製のローコード開発プラットフォームです。導入実績は、1,000社以上。

Excelと同じ見た目・操作性で、ローコードで業務アプリケーションを簡単に作成できます。
データベース機能を中心に、オプションでRPA機能も追加可能です。

料金は「クラウド版(月額1,500円)」「オンプレミス版(年額1万3,800円/1ユーザー)」。30日間の無料トライアルが用意されています。

無料(オープンソース)のローコード開発ツール、ローコード開発プラットフォーム

無料で利用できるオープンソースのローコード開発ツールもあるので、以下でご紹介します。

プリザンター

プリザンターは、株式会社インプリムが提供している無料のローコード開発ツールです。クラウド版は有料で提供されており、ダウンロード版が無料で利用できます。クラウド版にも、3ユーザーまで利用可能な無料プランが用意されており、60日間ほぼ全機能を試せるデモ環境も用意されています。

作成したアプリの操作感がExcelと似ているため、既存のExcelファイルから移行するのに最適です。
カスタマイズは、APIを利用するかJavascriptで行います。

iPLAss

iPLAssは、無料で利用できるJavaベースのローコード開発ツールです。提供企業は、電通グループのSIerである株式会社電通総研です。Webブラウザ上でデータ定義と設定を行うだけでアプリケーション開発が行え、データ定義を変更する際も、サービスを止めずに即座に反映できます。

無料ツールながら、エンタープライズ向けのアプリ開発も可能。クラウド上での開発のほか、オンプレミス環境での開発も可能です。
また、認証のセキュリティも2段階認証やシングルサインオンなど、高レベルに設定できます。

カスタマイズの際は、Javaのほか、Groovyも使用できます。

Open Lowcode

Open Lowcodeは、無料で利用できるローコード開発ツールで、クラウド版とオンプレミス版の両方が用意されています。
Open Lowcodeではワークフローアプリや財務アプリ、タスク管理アプリ、セキュリティ管理アプリなどを開発でき、簡単なアプリであれば数分間で作成可能です。

データベースに強みがあり、データ管理はもちろん、データ分析も自動で行えるアプリを開発できます。

 

5. ローコード開発ツール、ローコード開発プラットフォームの選び方

上でご紹介した以外にもさまざまなローコード開発ツールがあります。それぞれに特徴があり、一概にこれがおすすめといえるツールはありません。一番、良いのは、自社の目的に合ったツールを選択することです。
ここでは、ローコード開発ツールを上手に選ぶためにチェックしたいポイントをご紹介いたします。

適用範囲

まず、ローコード開発ツールを導入する目的に合わせて、全社で利用するのか、それとも特定の部門のように一部のみで利用するのかを確認しておきましょう。

ローコード開発ツールには、エンタープライズ向けのものもあれば、小規模事業者向けのものもあり、利用人数によってプランや利用料金が変わってくるツールもあります。
ローコード開発ツールの選定に当たり、想定される「開発規模や人数」「利用人数」をある程度、把握しておく必要があります。

運用体制

前項でお伝えした「人数」とともに、開発者のプログラミングスキルについても把握しておく必要があります。利用できる言語の種類、またその習熟度によっても選ぶべきツールが変わってくるからです。

基本機能はツール側で用意されている機能単位の組み合わせだけで作成できますが、細かい部分を自社の業務フローに合わせてカスタマイズしたい場合は、プログラミングが必要になってきます。場合によっては、ローコード開発ツールではなく、まったくプログラミングを必要としないノーコード開発ツールを選ぶ必要があるかもしれません。

自社の開発者がスキルを持つ言語に対応したローコード開発ツールを選びましょう。

拡張性

併せて、ローコード開発ツールの拡張性についても確認しておきましょう。既存のシステムなどと連携できるか、連携の方法はAPIなのか、プログラミングが必要なのかといったところまで把握した上でローコード開発ツールを選定する必要があります。

もし、現在は連携すべきシステムがまだそれほどなかったとしても、将来的にツールなどをほかに導入する可能性も考え、基本的には拡張性の高いものを選ぶことをおすすめします。

 

6. まとめ

ローコード開発ツール(ローコード開発プラットフォーム)について、求められる背景や具体的な製品を紹介しました。

ローコード開発は、ノーコード開発ツールに比べて自由度も高く、フルスクラッチで開発するよりも短期間で効率的に開発が行えます。DXをはじめ、多くの企業が抱える人材不足や
業務効率化など、さまざまな課題を解決しながらデジタル化を促進できるため、ぜひ積極的に活用したいものです。

NTTデータ イントラマートでは、エンタープライズにも対応できるローコード開発ツール「intra-mart」を提供しております。ローコード開発について疑問や不安をお持ちでしたら、お気軽にご相談ください。

 

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