マルチテナントとは ~シングルテナントとの違いからメリットまで徹底解説~
マルチテナントとは、SaaSやASPサービスなどのように、同一のシステムやサービスを、無関係な複数のユーザー(企業や個人)で共有するモデルを指します。同一システム内で、データベースやソフトウェア、サーバーなどを共有します。英語表記では「multitenancy」と書き、「マルチテナンシー」でよばれることもあります。
一方、マルチテナントに対して「シングルテナント」という利用形態もあります。
本コラムでは、マルチテナントとシングルテナントの違いや、マルチテナントのメリットとデメリットなどをご紹介いたします。
1. マルチテナントとは
マルチテナントとは、SaaSやASPサービスなどのように、同一のシステムやサービスを、無関係な複数のユーザー(企業や個人)で共有するモデルを指します。同一システム内で、データベースやソフトウェア、サーバーなどを共有します。英語表記では「multitenancy」と書き、「マルチテナンシー」でよばれることもあります。
たとえば、クラウドサービスのAmazon Web Services (AWS)やMicrosoft Azure、ECモールの楽天市場やAmazonなどがマルチテナントの例です。
ユーザー(企業)はマルチテナントで利用しているシステムやサービスを活用してビジネスを行い、さらにエンドユーザーへ商品・サービスを提供することもできます。
ユーザーにとっては、システムの運用や保守の手間がなく、低コストでスピーディに環境を構築して利用できる点などがメリットです。
2. マルチテナントとシングルテナントの違いとは
マルチテナントに対して、シングルテナントというモデルもあります。
シングルテナントとは
シングルテナント(Single Tenant)とは、マルチテナントとは逆で、ネットワークを介したサービスなどにおいて、サーバーやデータベースなどを1社のみが占有するモデルを指します。PaaSなどでよく見られる利用形態で、シングルテナンシー(single-tenancy)ともよばれます。
マルチテナントに比べて、情報セキュリティの信頼性に優れている点などがメリットですが、その分、コストは上がります。
3. マルチテナントのメリットとデメリット
マルチテナントのメリットとデメリットをご紹介いたします。
マルチテナントのメリット
マルチテナントのメリットには「スピーディに環境を構築できる」「システム運用が不要」「低コストで利用できる」の3点があります。
スピーディに環境を構築できる
ユーザーは、サービスプロバイダーが用意したシステムを、ほぼそのまま利用することになるため、環境構築のために大きく手をかける必要がなく、リードタイムを大幅に短縮することができます。
システム運用が不要
システムやサービスの利用開始後の運用も、基本的にサービスプロバイダーが行ってくれるため、運用保守のために手間をかける必要がありません。
たとえば、バージョンアップなどは自社で行う必要がなく、サービスプロバイダーが新たに機能追加などを実施すれば、それをそのまま利用することができます。
低コストで利用できる
同じシステムやサービスを多数のユーザーで利用することからコストメリットがあり、初期費用を安く抑えることができます。
また、運用保守も自社で行う必要がないため、メンテナンスのために人員を割いたり費用をかけたりする必要もありません。
マルチテナントのデメリット
一方、マルチテナントのデメリットには「セキュリティ面の不安がある」「機能・デザインなどの自由度が低い」の2点があります。
セキュリティ面の不安がある
サービスプロバイダーがセキュリティには配慮しているはずですが、同一のサーバーに無関係な複数のユーザーが入って利用する形態であるため、データがほかのユーザーのものと混ざってしまったり、情報漏えいが起きたりする可能性もゼロではありません。
マルチテナント型のサービスを利用する際は、実施されているセキュリティ対策を確認し、セキュリティの高いものを選びましょう。
機能・デザインなどの自由度が低い
マルチテナントでは、アカウントなどでユーザーが区別され、それぞれの利用領域が与えられ、設定や多少のカスタマイズは行えますが、1からのカスタマイズや自由なデザインは行えないことが多いです。
4. まとめ
マルチテナントについて解説しました。
マルチテナントには、安く・素早く利用環境をでき、運用保守の必要がないといったメリットがある反面、機能やデザインの自由度は低く、セキュリティ面でも不安が残ります。
利用の目的などに応じて、マルチテナントが良いのか、それともシングルテナントが良いのかを検討し、マッチする方を選択しましょう。
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