アジャイル開発の活用事例や成功させるポイントを解説

現代のビジネスシーンにおいて、市場の変化や顧客ニーズの多様化はかつてないスピードで進んでいます。このような状況下では、従来のウォーターフォール開発では対応しきれないケースが増えており、迅速かつ柔軟にシステムを構築できるアジャイル開発への関心がこれまで以上に高まっています。
多くの日本企業、特にリソースが限られる中小企業において、IT投資の投資対効果(ROI)を最大化させるためには、開発途中の仕様変更を許容し、早期にサービスをリリースして改善を繰り返すアジャイルなアプローチが不可欠です。しかし、「具体的にどのように進めればよいのか」「自社で本当に運用できるのか」という不安を抱える担当者も少なくありません。
この記事では、アジャイル開発の基本的な仕組みや代表的な手法、成功させるためのポイントを詳しく解説していきます。
アジャイル開発とは
アジャイル開発とは、システムやソフトウェアを小さな単位で区切り、計画・設計・開発・テストのサイクルを短期間で繰り返す手法の総称です。英語の「Agile(素早い、機敏な)」という言葉が示す通り、変化に対して柔軟かつ迅速に対応することを最優先とした考え方です。
特にデジタルテクノロジーが急速に進化する中で、顧客の期待は日々変化しています。最初から完璧な完成図を描くことが困難なプロジェクトにおいて、アジャイル開発はリスクを抑えつつ、価値を最大化する手段として機能しています。
アジャイル開発とウォーターフォール開発との違い
従来主流であったウォーターフォール開発は、滝(Waterfall)が上から下へと流れるように、上流工程から順に「要件定義」「設計」「開発」「テスト」「運用」を一方向で進める手法です。各工程を順次完了させてから次に進むため、全体の進捗管理がしやすく、大規模なプロジェクトに向いているとされています。
しかし、ウォーターフォール開発には「途中の変更が極めて困難である」という大きな課題が存在します。全ての開発が終わるまで実際のシステムを触ることができないため、リリース後に「思っていたものと違う」といった乖離が発生した場合、手戻りによるコストが膨大になる傾向があります。
一方で、アジャイル開発は全体の仕様を細かく分割し、「イテレーション(反復)」と呼ばれる短いサイクル(1週間〜4週間程度)でリリースを繰り返します。このため、開発の途中で優先順位を変更したり、新しい要望を反映させたりすることが可能です。スピード感が必要な新規事業や、ユーザーの反応を見ながら機能を拡張していくSaaS製品の開発などにおいて、アジャイル開発の優位性は顕著に現れます。
アジャイル開発の手法
アジャイル開発には、プロジェクトの性質や組織の文化に合わせて、いくつかの代表的なフレームワークが存在します。
スクラム
スクラムは、アジャイル開発の中で最も広く普及している手法の一つです。ラグビーのスクラムのように、チーム全員が一体となって目標に向かうことからその名がつきました。
スクラムの特徴は、明確に定義された役割(ロール)にあります。プロダクトの価値を最大化する責任を持つ「プロダクトオーナー」、チームの障害を取り除き円滑な進行をサポートする「スクラムマスター」、そして実際に開発を行う「開発チーム」の3者で構成されます。短期間の「スプリント」と呼ばれる期間ごとに成果物を出し続け、デイリースクラム(朝会)などを通じて常に状況を透明化することが成功の鍵となります。
エクストリーム・プログラミング(XP)
エクストリーム・プログラミング(XP)は、技術面から開発の質と柔軟性を高めることにフォーカスした手法です。「コミュニケーション」「シンプル」「フィードバック」「勇気」「尊重」という5つの価値観を重視します。
具体的なプラクティスとしては、2人のエンジニアが1つの画面でコードを書く「ペアプログラミング」や、テストコードを先に書く「テスト駆動開発(TDD)」、頻繁にコードを統合して不具合を早期発見する「継続的インテグレーション(CI)」などがあります。これらを徹底することで、仕様変更に強く、高品質なソースコードを維持し続けることが可能になります。
ユーザー機能駆動開発(FDD)
ユーザー機能駆動開発(FDD)は、顧客にとって価値のある機能を中心に開発を進める手法です。ビジネス上の価値を重視し、目に見える成果を短期間で提供することを目的としています。
まず全体のモデルを設計し、次に機能リストを作成します。その後、それらを2週間以内の短いサイクルで計画・設計・構築していきます。進捗状況が「どの機能が完了したか」という形で可視化されるため、経営層やステークホルダーにとっても理解しやすいという利点があります。
アジャイル開発の活用事例
アジャイル開発は、変化の激しいビジネス環境において、迅速なシステム対応と現場主導の改善を実現する手法として注目されています。以下では、intra-martを用いてアジャイル開発を成功させた事例をご紹介します。
レガシーシステムからの脱却と業務スピード化を同時に実現したSOMPOホールディングスのアジャイル×ローコード開発事例
レガシーなシステムから脱却し、社内業務のスピードと品質を向上させるために、SOMPOホールディングスはローコード開発基盤であるintra-martを活用。アジャイル手法を取り入れたことで、現場の声を反映した柔軟なシステム構築が可能となり、開発スピードと業務効率を両立する成果をあげています。
この事例の詳細は、こちらのページをご覧ください。
SOMPOグループのNotesリプレースを機に、ローコード開発基盤として「intra-mart®」を採用
ビジネス部門とシステム部門の協創・アジャイル開発で関係社員の約90%が業務負荷軽減を実感
工程管理の属人化解消と現場改善を両立させたオプテージのアジャイル的アプローチによる業務標準化プロジェクト
多部門が関与する工程管理業務において、属人化の排除と業務の見える化を実現したオプテージ。intra-martによる段階的なシステム構築とアジャイル的な改善サイクルを通じて、短期間でユーザー満足度の高い仕組みを実現しました。現場のリアルなニーズを迅速に反映した点が成功の鍵です。
この事例の詳細は、こちらのページをご覧ください。
業務標準化と同時に進めた工程管理システム構築プロジェクト
「intra-mart」が可能にしたアジャイル型のアプローチ
社内申請業務のペーパーレス化と業務改善を加速させた日立造船マリンエンジンのアジャイル導入事例
紙で行われていた社内申請業務を、業務プロセスに最適化した形でデジタル化した日立造船マリンエンジン。intra-martによる開発基盤にアジャイルのアプローチを取り入れ、利用部門との密な連携を図りながら柔軟かつ継続的に改善を実施。使いやすさと業務効率向上の両立を実現しています。
この事例の詳細は、こちらのページをご覧ください。
グループの基幹システム刷新に合わせて業務基盤をモダナイズ
蓄積してきた業務ノウハウを生かし「intra-mart®」でスクラッチ開発
アジャイル開発成功のポイント
アジャイル開発は単なる「開発手法」ではなく、組織の在り方そのものに変革を求めるアプローチです。導入を成功させ、成果に結びつけるためには以下のポイントが重要となります。
マインドやスキルを身につける
最も重要なのは、関係者全員が「アジャイルなマインドセット」を持つことです。従来の「計画通りに作る」ことを重視する考え方から、「変化を受け入れ、継続的に学習する」姿勢へと文化を転換する必要があります。
現場のエンジニアだけでなく、ビジネス側の担当者も技術的な制約を理解したうえで、優先順位を論理的に判断する能力を磨く必要があります。
仕組み化する
個人の努力に頼るのではなく、プロセスを仕組み化することが持続可能な開発につながります。タスク管理ツールの導入による情報の可視化、自動テストツールの活用による品質担保、定期的な振り返り(レトロスペクティブ)による改善活動のルーチン化などが挙げられます。
この際、現場への過度な負担が発生しないよう、労働環境やリソースの配分にも配慮することが重要です。
外部リソースやサービスを活用する
すべてを自社だけで完結させようとせず、外部のリソースやサービスを柔軟に活用することも戦略的な選択肢となります。
チームは「ビジネスロジックの構築」や「ユーザー体験の向上」という、より本質的な価値創造に時間を割くことができるようになります。
ワンチームの体制で進める
アジャイル開発では、ビジネス部門と開発部門の間に「壁」があってはなりません。要件を伝えて終わるのではなく、常に密なコミュニケーションを取り、一つのチームとしてプロジェクトを推進する体制を構築することが重要です。
信頼関係に基づいたフラットな関係性を築くことで、問題が発生しても隠されることなく迅速に共有され、早期解決につながります。
まとめ
アジャイル開発は、変化の激しい現代において、企業が競争を勝ち抜くための強力な手段となります。
成功のためには、ツールの導入だけでなく、組織全体のマインドセット改革や、効率的なプラットフォームの活用が欠かせません。事例を参考にしながら、まずは小さなプロジェクトからアジャイルなアプローチを取り入れ、改善のサイクルを回し始めてみてはいかがでしょうか。
NTTデータ イントラマートが提供する「intra-mart」は、単なるデジタル化にとどまらず、複雑な業務プロセス全体を統合・最適化するプラットフォームです。ローコード開発による素早いプロトタイプ作成や、段階的な機能拡張が可能な柔軟性を備えており、アジャイル開発との相性が極めて高いのが特徴です。
自社のDX推進や開発スピード向上にお悩みの方は、ぜひintra-martの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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