基幹システムとその他システムを連携させる方法や注意点を解説

基幹システムの連携は、現代の企業経営において避けては通れない重要なテーマです。
多くの企業では、日々膨大なデータが蓄積される一方で、各システムが独立しているために「データの二重入力」や「情報の属人化」といった課題を抱えているのが現状です。
労働力不足が深刻化する日本企業にとって、限られたリソースで生産性を最大化するためには、基幹システムを軸としたスムーズなデータ連携が不可欠といえます。
この記事では、基幹システムを外部システムと連携させる具体的な手法やメリット、導入時に失敗しないための注意点を詳しくご紹介していきます。
基幹システムとは
基幹システムとは、企業の経営活動において中核をなす業務を支えるシステムを指します。具体的には、会計、人事・給与、販売管理、在庫管理、生産管理などが該当し、これらの業務が停止すれば企業の根幹業務がストップしてしまうほど重要な役割を担っています。
「業務システム」と混同されますが、業務システムは特定の部署や限定的な業務(例:メール管理、顧客管理の一部など)を効率化するためのものであるのに対し、基幹システムは全社的な資産やリソースを管理する点が大きな違いです。
近年の国内における労働力不足の深刻化により、基幹システムには単なる記録ツールとしてだけでなく、データを活用して意思決定を支える「攻めのIT」としての役割が期待されています。特に中小企業においては、限られた人的資源を有効活用するために、基幹システムを中心としたデータの流れを最適化することが経営上の最優先事項の一つとなっているようです。
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基幹システムの連携が必要な理由
多くの企業で基幹システムの連携が急務となっている背景には、「情報のサイロ化」という課題があります。部門ごとに最適化された個別のシステムが独立して動いていると、業務の停滞を招くだけでなく、企業の成長を支える「データ資産」を十分に活用できないという大きな損失につながります。このような状況を踏まえ、以下の3つの観点から、基幹システムと他システムとの連携の重要性が高まっています。
業務効率の低下と人為的ミスの発生
まず、データの転記作業による「二重入力」の問題です。例えば、営業部門の受注システムと工場の在庫管理システムが連携していなければ、同じ情報を二度入力する手間が発生し、人的なミスも誘発されやすくなります。
リアルタイム経営の阻害
人手不足が深刻な中、自動化による省人化は喫緊の課題といえます。システムを連携させることで、人の手を介さずにデータをリアルタイムで同期できれば、業務スピードは劇的に向上します。経営層にとっても、各部門の数値がリアルタイムで統合されることで、現状を正確に把握し、迅速な意思決定を下せるようになるというメリットがあります。データが孤立している状態では、月次決算を待たなければ経営判断ができないといったタイムラグが生じ、変化の激しい現代の市場環境に対応しきれないリスクが高まるでしょう。
データ活用(DX)の基盤づくり
DX(デジタルトランスフォーメーション)の第一歩は、データのデジタル化とその統合にあります。基幹システムに蓄積された財務や在庫のデータと、外部のマーケティングデータや顧客行動データを連携させることで、これまで見えてこなかった需要予測や顧客ニーズの深掘りが可能になります。
基幹システムとその他システムを連携させる方法
基幹システムを外部のシステムやツールと接続するための手法は、大きく分けて3つのパターンが存在します。
データベース連携
複数のシステムから共通のデータベース(DB)を直接参照・更新する方法です。システムAが書き込んだデータを、システムBが直接読み取ることができるため、大容量のデータを高速に処理できるという利点があります。この手法は、密接な連携が必要なオンプレミス環境のシステム同士でよく採用されます。しかし、一方のシステム構成やテーブル定義を変更した際の影響が他方にも直接及ぶため、メンテナンス性が低下しやすいという側面があります。また、近年普及しているクラウドサービスとの連携には直接DBを公開するリスクがあるため、慎重な設計が求められます。
ファイル連携
CSV、XML、JSONなどの形式でデータをファイルとして書き出し、別のシステムへ取り込む(インポートする)方法です。最も古くから行われている手法であり、多くのシステムが標準機能としてファイル入出力に対応しているため、技術的なハードルが低いのが特徴です。 バッチ処理(例えば「1時間に1回」や「夜間に一括処理」など)で運用されることが一般的ですが、情報の反映にタイムラグが生じやすいため、リアルタイム性が求められる在庫引き当てなどの業務には不向きな側面もあります。その一方で、既存のシステムを改修せずに連携を実現できるため、コストを抑えたい場合の有力な選択肢となります。
API連携
現代のシステム連携において主流となっているのが、APIを活用した手法です。インターネットを介してシステム同士が直接通信を行い、特定の機能を呼び出したりデータを送受信したりします。リアルタイムでのデータ同期が可能であり、セキュリティを担保しやすい設計になっているため、クラウドサービスとの連携には欠かせない技術となっています。柔軟性が高く、必要な時に必要なデータだけをやり取りできるため、システム全体の疎結合(依存関係を弱めること)を保ちながら、高度な連携を実現できるようです。
基幹システムと連携できるシステム例
基幹システムを軸に周辺システムを統合することで、企業活動のあらゆる場面で相乗効果が期待できます。
ECサイト・Web受発注システム
BtoCだけでなくBtoB取引においてもEC化が進んでいます。ECサイトでの注文情報が自動的に基幹システムの販売管理や在庫管理へ反映されるようになれば、在庫の引き当てミスや発送漏れを防ぐことができます。顧客にとっても、常に最新の在庫状況や納期が画面上で確認できることは、信頼の獲得に大きく寄与します。
POSレジ
小売業や飲食業など実店舗を持つ企業の場合、POSレジと基幹システムを連携させることで、店舗での売上データや在庫変動を本部で一括管理できるようになります。これにより、全店舗の売上推移をリアルタイムで分析でき、適切な発注指示や人員配置の最適化といった、精度の高い店舗マネジメントが可能となります。
クラウドシステム
勤怠管理、経費精算、SFA(営業支援)、CRM(顧客関係管理)などのクラウドサービスを基幹システムとつなげる動きが加速しています。例えば、経費精算システムで承認されたデータが会計システムへ自動で仕訳登録される流れや、SFAでの受注確定が即座に出荷指示として基幹システムに飛ぶ仕組みを構築することで、バックオフィスとフロントオフィスの壁を取り払い、業務の停滞を解消できるでしょう。
基幹システムを連携する際の注意点
システム連携を成功させるためには、技術的な側面だけでなく、運用面や経営戦略面での慎重な検討が求められます。
セキュリティ対策を確認する
システムを外部に繋ぐということは、それだけ外部からの攻撃や情報漏えいのリスクに晒される可能性があることを意味します。特に基幹システムには顧客情報や機密性の高い財務情報が含まれているため、APIの認証方法、データの暗号化、IPアドレス制限などの通信経路保護が万全であるかを精査する必要があります。サイバー攻撃はサプライチェーンの弱点である中小企業を狙う傾向にあるため、十分な配慮が必要です。
連携するデータの範囲を決める
「すべてのデータを連携したい」と考えるのは自然ですが、不要なデータまで同期させるとネットワークへの負荷が高まり、処理速度の低下を招く恐れがあります。また、連携項目が増えれば増えるほど、メンテナンスコストも増加します。本当にリアルタイムで同期が必要な情報はどれか、一日の終わりにまとめて更新すれば済むものはどれかといった、データの重要度に応じた取捨選択が、安定運用の鍵となります。
自社に適した連携方法を選ぶ
既存の基幹システムが数十年前から使われているレガシーシステムである場合、最新のAPIに対応していないといったケースも少なくありません。その場合、無理に最新の手法を追ってシステムを全面改修するのではなく、ファイル連携を活用するか、あるいはシステム共通基盤を導入することが推奨されます。既存の資産を活かしつつ、モダンな連携環境へと段階的に移行する(モダナイゼーション)というアプローチが、コストとリスクを最小限に抑える現実的な解決策となります。
まとめ
基幹システムの連携は、単なる「作業の効率化」にとどまらず、企業のデータ活用能力や経営スピードを左右する極めて重要な戦略的投資です。人手不足という社会課題に直面している日本企業にとって、システム間のデータの壁を取り払うことは、もはや選択肢ではなく生存戦略の一つといえます。
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