ペーパーレス化のメリットとは?実施する上で知っておきたいポイント

ペーパーレス化のメリットとは、主に次の4点です。
・業務効率化を実現できる
・コストを削減できる
・セキュリティを強化できる
・環境問題に貢献できる
DXを始め、業務のあらゆるデジタル化の取り組みを阻む障害の一つとなるのが紙文化でしょう。
紙は、保管にスペースを必要とし、紛失や破損の恐れもあるなど、取り扱いが困難です。また、印刷や製本に費用がかかり、環境にも負荷を与えます。
本コラムでは、これからペーパーレス化に取り組みたいと考える企業様はもちろん、すでに取り組んでいるものの、一部、紙が残ってしまっていることにお悩みの企業様向けに、ペーパーレス化するメリットや、必要なツールなどをご紹介いたします。
※本コラムは、下記よりダウンロードできる資料「ペーパーレス化する上で押さえておくべき大切なポイント」の内容を要約したものです。
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「ペーパーレス化する上で押さえておくべき大切なポイント」

ペーパーレス化の現状
近年、ペーパーレス化の取り組みが多くの企業で進められています。
ペーパーレス化のクラウドソリューションを開発・販売するペーパーロジック株式会社が、都内に本社を置く企業の経営者・役員107名を対象としたペーパーレスに関する調査結果によれば、約6割の企業が「2023年にペーパーレス化」を推進 引き続き59.3%が、「2024年度にペーパーレス化システム導入のための予算配分」を予定/検討しているといいます。
デジタルトランスフォーメーション(DX)が求められる中、紙を使用し続けることは業務効率を低下させる要因と見なされています。紙の使用は、保管スペースの確保、文書の検索や共有の煩雑さ、紛失や破損のリスク、そして印刷コストの増大といった課題を引き起こします。また、紙の消費は環境負荷の要因でもあり、企業の社会的責任(CSR)の観点からも見直しが求められています。
一方で、ペーパーレス化の導入にはいくつかの障壁も存在します。例えば、法的要件や業務の性質上、紙での保存が必要な書類もあり、完全なデジタル化が難しいケースもあります。また、従業員のITリテラシーの差や、初期投資に対する抵抗感も、ペーパーレス化の進展を妨げる要因となっています。それでも、企業が競争力を維持し、持続可能な成長を遂げるためには、ペーパーレス化を進めることが必要不可欠とされています。
企業がペーパーレス化を成功させるためには、戦略的なアプローチが求められます。具体的には、デジタル化の目的を明確にし、適切なツールの導入、運用ルールの整備、従業員の意識改革とスキル向上を図ることが重要です。このような取り組みによって、ペーパーレス化のメリットを最大限に活用し、効率的で柔軟な業務運営を実現することができます。
ペーパーレス化のメリット
ペーパーレス化には、業務の効率化やコスト削減、セキュリティの強化、そして環境への貢献といった多くのメリットがあります。
これらのメリットを理解し、効果的に活用することが、企業のデジタル化推進において重要です。
以下で、ペーパーレス化の具体的なメリットについて、解説します。
業務効率化を実現できる
ペーパーレス化によって、書類の検索・共有が容易になり、従業員が必要な情報に迅速にアクセスできるようになります。
この結果、業務のスピードアップが図れ、作業の手戻りや情報の重複入力も削減されます。
たとえば、電子署名の導入により、契約書の処理時間を大幅に短縮することが可能です。
コストを削減できる
ペーパーレス化は、印刷コストや郵送費、紙の保管にかかるスペースや人件費を大幅に削減することができます。
紙の使用を減らすことで、印刷用インクやトナーの購入頻度が減り、これらの消耗品にかかる費用も削減されます。
さらに、紙の書類を保管するためのオフィススペースを縮小できるため、不動産コストの削減にも寄与します。
また、紙の管理に必要な人的リソースを削減できることで、より生産的な業務にリソースを再配分することが可能になります。
情報セキュリティを強化できる
紙の書類は、物理的な紛失や盗難のリスクがありますが、デジタル化することでこれらのリスクを大幅に軽減できます。
デジタル文書は、アクセス権限の設定や暗号化によって保護され、不正なアクセスや情報漏えいを防止できます。
さらに、バックアップ機能を活用することで、データの損失リスクを最小限に抑えることができます。
たとえば、文書管理システムを導入することで、文書の追跡や改ざん防止機能を利用し、より強固なセキュリティ対策が可能になります。
環境問題に貢献できる
ペーパーレス化は、環境負荷の低減にも貢献します。
紙の消費を減らすことで、森林資源の保護につながり、CO2の排出量を削減することができます。
また、印刷や輸送に伴うエネルギー消費や廃棄物の削減も実現できます。
企業が環境に配慮した取り組みを行うことで、社会的な信用を高め、持続可能なビジネスの発展に寄与することができます。
こうした取り組みは、ステークホルダーからの評価向上にもつながり、企業のブランド価値を高める要因ともなるでしょう。
ペーパーレス化のデメリット
ペーパーレス化には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
以下で、ペーパーレス化の主なデメリットをご紹介します。
デジタル化できないものもある
ペーパーレス化を進めても、すべての書類がデジタル化できるわけではありません。
たとえば、法律や規制によって、原本の紙書類で保管することが求められる場合や、押印が必要な契約書など、物理的な文書が必要となるケースがあります。
導入コストがかかる
ペーパーレス化を進めるためには、スキャナーやサーバー、クラウドストレージ、文書管理システムなどの初期導入コストが発生します。
さらに、運用に必要なソフトウェアのライセンス費用や、従業員の教育費用も考慮する必要があるでしょう。
これらの初期コストを回収するまでには一定の期間がかかるため、導入のタイミングや予算計画を慎重に行うこと必要があります。
ITリテラシーが必要
ペーパーレス化にはデジタルツールを活用するためのITリテラシーが必要です。
特に、従業員の中には、デジタル化に慣れていない人もいるため、操作方法や新しいシステムに適応するための教育が重要となります。
デジタルが苦手な従業員が多ければ、デジタル化した業務の効率が低下し、逆にトラブルが増えるリスクもあります。
これを回避するために、従業員全体のITスキル向上を図るためのトレーニングやサポート体制が欠かせません。
ネットワーク環境に依存する
ペーパーレス化を進めると、文書のアクセスや共有はネットワーク環境に依存することになります。
したがって、インターネット接続が不安定な場合や、サーバーのダウンタイムが発生すると、業務が一時的に停止するリスクがあります。
特に、クラウドベースのシステムを導入する場合、安定したネットワーク環境が不可欠です。
さらに、セキュリティ対策として、データの暗号化やバックアップの実施が重要となります。
ペーパーレス化を実現するステップ
ペーパーレス化を実現する流れは、大まかに下記の5ステップとなります。
1.活用目的を明確にする
まずは、ペーパーレス化の目的を明確にすることが重要です。企業ごとにペーパーレス化の狙いは異なり、業務効率化、コスト削減、セキュリティの強化、環境保護といったさまざまな目的があるでしょう。
たとえば、契約書や請求書の処理をスムーズにするためのペーパーレス化を目指す企業もあれば、文書管理の手間を軽減することにフォーカスする企業もあります。
目的を明確にすることで、次のステップに進むための指針を設定できます。
2.データ化する対象書類を決める
次に、ペーパーレス化する対象の書類を決定します。
すべての書類をデジタル化することが理想ですが、現実的には一部の文書は紙での保存が必要な場合もあります。
まずは、契約書や経理書類、業務報告書などの重要な文書から優先的にデジタル化を進めると良いでしょう。
データ化する対象を明確にすることで、プロジェクトの範囲を把握しやすくなり、効率的に進めることができます。
3.目的に合ったツールを導入する
ペーパーレス化を実現するには、目的に合ったツールを導入することが必要です。
例えば、紙の書類や資料を電子化するツール、社内文書の管理を行うツール、契約書のやり取りをクラウド上で行うツール、資料をネットワークで共有するツールなどがあります。
詳しくは、「ペーパーレス化を実現するための方法・ツール」でご紹介いたします。
自社の業務プロセスに最適なツールを選定することで、効率的なペーパーレス化が可能になります。
4.運用ルールを決める
ペーパーレス化をスムーズに進めるためには、社内での運用ルールを明確にすることが大切です。
デジタル文書の保管方法やアクセス権限の設定、文書の命名規則、削除やバックアップのルールなどを定め、従業員全員が統一された方法で業務を行えるようにしましょう。
この結果、混乱を防ぎ、文書管理の効率が向上する効果が期待できます。
5.社内の運用方法の整備をする
最後に、ペーパーレス化の運用を社内に浸透させるための教育やサポート体制を整備しましょう。
特に、ITリテラシーが低い従業員に対しては、デジタルツールの使い方を学べる研修を行い、全員が円滑にペーパーレス化に対応できるようにする必要があります。
また、ペーパーレス化を進める中での課題やトラブルに対処するためのサポート窓口を設けることで、継続的な運用が可能になるでしょう。
ペーパーレス化を成功させるためのポイント
ペーパーレス化を成功させるためには、次の4つのポイントを押さえると良いでしょう。
目標を設定する
まず、ペーパーレス化の明確な目標を設定することが不可欠です。
目標が明確であれば、プロジェクト全体の進行管理がしやすくなり、成果も測定しやすくなるからです。
たとえば、「紙の使用量を半年で50%削減する」「全書類の90%をデジタル化する」といった具体的な目標を設定することで、全社的な理解と協力が得られやすくなります。
目標は達成可能な範囲で設定し、段階的に高めていくのが効果的です。
ITリテラシーを強化する
ペーパーレス化には、従業員が新しいデジタルツールやシステムをスムーズに使いこなせるようになることが不可欠です。
ペーパーレス化を推進するに当たり、デジタル化に伴う操作方法のトレーニングや、システムの基本的な使い方を社内教育プログラムに組み込む必要があります。
また、必要に応じてFAQの作成や社内ヘルプデスクの設置など、サポート体制の整備も行いましょう。
スモールスタートで進める
ペーパーレス化は、一度に全ての業務をデジタル化するのではなく、まずは一部の部署や業務から小規模にスタートし、徐々に拡大するアプローチが有効です。
スモールスタートを採用することで、初期段階で得られる成果や課題を確認し、次のフェーズに進む前に改善点を取り入れることができます。
たとえば、社内の経理部門や人事部門など、書類の取り扱いが多い部署からペーパーレス化を始めると、プロセスの見直しや効率化が進みやすくなります。
ITシステム・ツールを活用する
ペーパーレス化を効率的に進めるには、適切なITシステムやツールの導入が重要です。
たとえば、文書管理システムや電子署名ツール、クラウドストレージなど、業務に合ったツールを活用することで、書類の管理や承認プロセスがスムーズに進行します。
この結果、単なるデジタル化にとどまらず、業務プロセスそのものを改革するチャンスが生まれるでしょう。
ペーパーレス化を実現するための方法・ツール
では、ペーパーレス化するためには、具体的に何を準備したら良いのでしょうか?
ここでは、デジタル化の初期の対応と、その後の運用に欠かせないデジタルツールを4点、ご紹介いたします。
紙の書類や資料を電子化するツール
紙の文書を画像データやテキストデータとして取り込むためには、スキャナー(OCRスキャナー)が必要です。
取り込んだテキストデータは、検索や編集が可能です。
社内文書の管理を行うツール
スキャナーで読み取った後のデータを管理するために必要になるシステムです。
文書をカテゴリごとに整理したり、アクセス権を制御したりでき、ワークフローやバージョン管理などの機能を搭載しているものもあります。
契約書のやり取りをクラウド上で行うツール
Web上で契約書を取り交わすために必要なデジタル署名や、電子契約書の送付が行えるクラウドツールです。
デジタル署名を活用することで改ざんを防止し、文書の送信者や内容を証明して、法的効力を持たせることができるようになります。
資料をネットワークで共有するツール
オンラインストレージでデジタル化したファイルの格納場所を確保します。
大量のデータを保管しておける点がメリット。情報セキュリティ対策も施されているため、安心してデータを共有することができます。

まとめ
資料「ペーパーレス化する上で押さえておくべき大切なポイント」の内容をかいつまんでご紹介いたしました。
紙文化は、DXを始めとする、業務のあらゆるデジタル化の取り組みを阻む障害となり、保有する文書や情報に関して以下のような弊害を生みます。
・検索性が悪い
・紛失や破損のリスクが高い
・保管にスペースを必要とする
・印刷や製本にコストがかかる
・環境に負荷を与える
ペーパーレス化することで、業務の効率化やコスト削減、環境負荷の軽減を実現することができるようになります。
ペーパーレス化するためには、以下のようなツールを導入することが大切です。
・スキャナー
・文書管理システム
・クラウドストレージ
・デジタル署名
これらを活用してペーパーレス化することで、業務の効率化やコスト削減、環境負荷の軽減を実現することができます。
なお、資料「ペーパーレス化する上で押さえておくべき大切なポイント」では、各ツールの詳しい特長や、デジタル化の事例などもご紹介しています。
ペーパーレス化を検討されているご担当者様は、ぜひダウンロードしてご覧ください。
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