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医療DXとは? ~医療DXを行うメリットと医療業界におけるDXの事例をご紹介~

医療DXとは? ~医療DXを行うメリットと医療業界におけるDXの事例をご紹介~

医療DXとは、病院や薬局、訪問看護ステーションといった医療機関が、最新のデジタルテクノロジーを活用することで、業務プロセスや医療サービスを変革し、患者さんやその家族、そして、医療従事者に新たな価値を提供したり、従来の環境を改善したりすることをいいます。

医療業界では、人材不足や地域による医療格差、団塊の世代が全員、後期高齢者となる2025年問題などの課題を抱えており、医療DXに期待が集まっています。

本コラムでは、医療業界でDXに取り組むメリットや事例をご紹介いたします。

 

1. 医療DXとは?

医療DXとは、病院や薬局、訪問看護ステーションといった医療機関が、最新のデジタルテクノロジーを活用することで、業務プロセスや医療サービスを変革し、患者さんやその家族、そして、医療従事者に新たな価値を提供したり、従来の環境を改善したりすることをいいます。

 

2. 医療業界の現状と課題

医療業界では現状、次のような課題を抱えています。

医療人材の不足

少し古いデータになりますが、経済産業省が2017年に発表した「いわゆる人手不足業種の背後に あるものは何か?」によれば、医療業界は建設業や小売業などと同様に、求人意欲の上昇している人手不足業種にグルーピングされています。

また、厚生労働省の「令和2年雇用動向調査結果の概要」によれば、医療・福祉業界の離職率は、全16業界中のワースト6位(14.2%)となっています。

これらの調査結果から、医療業界の人材が飛び抜けて不足しているとはいえないものの、人材不足が著しい業界であるといえます。

2025年問題

2025年問題とは、いわゆる「団塊の世代」が全員、2025年に後期高齢者である75歳に達し、超高齢化社会に突入することによるさまざまな影響を指します。

これにより、医療費・介護費の増大はもちろん、対応する人材も不足が予想されており、2025年が医療業界のターニングポイントになるともいわれています。

地域による医療格差

人口が多かったり増加したりしている地域では医療機関が充実しており、過疎化の進む地域には医療機関が少ない傾向があります。しかも、過疎地では高齢化が進んでおり、脳卒中や心筋梗塞といった、症状が出た際の受診に迅速性が求められる病気にかかりやすい高齢者が安心して暮らすために必要な距離に医療機関が存在しない点が問題となっています。

また、平成18(2006)年に財政破綻を宣言した北海道夕張市では、入院用ベッド数が20以上ある「病院」が1つもない一方で、日本で最も病院数の多い東京都世田谷区には875もの病院があります。

このような地域による医療格差は、住む地域によって受けられる医療サービスに差が出るという不平等を生んでいます。

アナログな業務習慣の定着

1999年にカルテの電子化が認められ、2006年にはレセプトのオンライン請求が義務化されるなど、医療業界にもIT化のターニングポイントはいくつかありました。

しかし、未だに紙やフィルムなどのアナログな手段で情報を管理しているところが多く、アナログな運用が残っており、医療DXを阻む要因の一つとなっています。

 

3. 医療DXを行うメリット

医療業界がDXを行う主なメリットには、「カルテなどの書類の電子化で医療事務作業の効率化を図れる」「患者さんの待ち時間を削減できる」「非対面で診療を行えるようになる」「予防医療を実現できる」などがあります。

カルテなどの書類の電子化で医療事務作業の効率化を図れる

医療現場におけるカルテやレセプトなどの電子化・ペーパーレス化が進めば、検索性が上がったり、紙からPCなどへ入力する際の読み間違いや打ち間違いといったミスを低減できたりするようになるため、医療事務作業の効率化を図ることができます。また、紛失の心配もなくなります。
さらに、レントゲン写真や心電図などの検査データと紐づけて管理することも可能です。

患者さんの待ち時間を削減できる

予約システムの導入により、患者さんが病院内で待つ時間を短縮することができます。これにより、待合室での院内感染を防いだり、患者さんのストレスを軽減したりできます。

また、台湾のように、医療機関同士で患者さんの診療情報を連携することで、同じ病気で別の医療機関を受診した際の無駄は検査などを抑制することもできるようになり、患者さんの受診にかかる時間をさらに短縮することが可能です。

非対面で診療を行えるようになる

オンライン診療を実現できれば、非対面による診療も可能になります。これにより、今回のコロナ禍のようなパンデミックの際に、感染リスクを抑えながら迅速な診療が可能になったり、へき地など医療者の少ない地域でも医療サービスにアクセスしやすくなったりするメリットがあります。また、患者さんの症状が重く、来院できない場合にも有効でしょう。

診療前に問診などだけをオンラインで行うという活用法もあり、診療にかかる時間を短縮できます。

予防医療を実現できる

DXによって膨大な医療データを蓄積・分析することで、同じ症状を持つ患者の疾病データなどから病気の発症を予測し、早期発見や早期治療を実現することができます。

また、新薬の開発にも役立てられます。創薬には推察によって開発を行う側面があり、開発コストが増大しがちです。これを、ビッグデータの活用により、新薬の候補となる化合物を探し出すシミュレーションの精度とスピード向上が可能となり、開発コストの削減につながります。

こうしたビッグデータの解析には、AI(人工知能)の進歩が貢献しています。

 

4. 医療業界におけるDX事例

最後に、医療業界におけるDX事例を3点、ご紹介いたします。

マイナンバーカードの保険証利用(厚生労働省)

厚生労働省は、2021年10月20日から、マイナンバーカードに保険証機能を持たせる保険証利用を本格スタートしました。

これにより、初めて受診する医療機関にも薬剤情報等が共有され、アレルギーや飲み合わせのリスクを避けられたり、高額療養費制度を利用する際に「限度額適用認定証」がなくても限度額を超える支払が免除されたりと、医療サービスの利便性向上が期待されています。

遠隔集中治療患者管理プログラム(eICU)の導入(昭和大学病院・株式会社フィリップス・ジャパン)

昭和大学病院は、オランダに本社を置く電気機器関連機器メーカーの日本法人、株式会社フィリップス・ジャパンとの共同研究開発により2018年4月から「遠隔集中治療患者管理プログラム(eICU)」の運用を開始しました。

eICUは、複数の病院や病棟にいるICU患者の状態や生体情報を、検査結果情報などを、ネットワークを通じて遠隔にある支援センターに集約することで、多忙な集中治療の現場をサポートできるというプログラムです。

これにより、ICU(集中治療室)不足の解消や、ICU専門医をはじめとする医療従事者の負担軽減を実現できます。

ニコチン依存症の治療アプリ「CureApp SC」(医療法人社団 佐介会 田中クリニック・株式会社CureApp)

東京都中野区で内科・呼吸器内科・アレルギー科を診療する田中クリニックでは、ヘルステックのスタートアップ企業であるCureAppが提供するニコチン依存症を対象とした治療用アプリ「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー」を導入し、ニコチン依存症患者向けに新しい治療をスタートしました。

ニコチン依存症治療では、患者さんが次の来院までに、毎日の服薬、禁煙日記の記録を行うことになっていますが、この空白期間に我慢できずに喫煙を行ってしまう患者さんが少なくありません。

同アプリには、喫煙欲求などの日々の禁煙状況を記録できる「禁煙日記機能」や、個人ごとに適した禁煙テクニックをチェックリストで管理できる「実践管理機能」のほか、喫煙欲求が高まった時の対処法を対話形式で提供する「チャット機能」が付いています。チャット機能には、AIが搭載されており、患者一人ひとりに対して、医学的に適切なサポートをリアルタイムに提供されるといいます。

 

5. まとめ

医療業界には、人材不足やアナログな業務週間、医療機関の地域格差、2025年問題などの課題が存在しています。DXを進めるためにはまず、医療現場のIT化を進めてDXの下地を作る必要があるでしょう。

ビッグデータやAI、スマートフォンアプリ、システム、Webカメラなどのデジタルテクノロジーを組み合わせることで、オンライン診療や予約システムなどを実現できます。

医療現場の業務効率化と、患者さんへの医療サービスの向上を目指せる医療DXに、ぜひ取り組みましょう。

 

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