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内部統制システムとは?運用が義務付けられている会社や構築する方法を解説

内部統制システムとは?運用が義務付けられている会社や構築する方法を解説

コンプライアンスの重要性が高まる現代、内部統制システムの構築は、単なる法令遵守にとどまらず、企業の社会的信頼を維持し、持続的な成長を実現するための「経営の基盤」となります。しかし、実際に構築を検討する段階になると、複数の法律が絡み合い、具体的にどこから手をつければよいか迷う担当者の方も少なくありません。

本記事では、内部統制システムの定義から、整備が義務付けられている企業の条件、構築するメリットまで解説し、業務効率化を同時に実現するためのシステム活用のポイントについてもご紹介します。

内部統制システムとは

内部統制システムとは、企業が事業目的を達成するために、組織内部で適切に運用すべきプロセスやルールのことです。具体的には、役員から全従業員に至るまで、組織の構成員全員が業務の適正を確保するために従うべき仕組みを指します。

この概念が注目されるようになった背景には、企業の会計不正やコンプライアンス違反多発があります。かつては個人の倫理観に委ねられていた正しさを、組織としての「仕組み」によって担保しようとする考え方が内部統制の本質です。

内部統制システムの構築・運用が義務付けられている会社

内部統制システムはすべての企業にとって重要ですが、法律で整備が「義務」として明文化されている企業の範囲を明確に把握しておく必要があります。

会社法

会社法において、内部統制システムの整備に関する基本方針を決定することが義務付けられている企業は以下の通りです。

大会社(資本金5億円以上、または負債総額200億円以上)

大会社に該当する場合、取締役会において、業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)の整備を決定することが義務となります。企業規模が大きくなるほど、万が一不祥事が発生した際の社会的な影響が甚大であるためです。

取締役会設置会社

大会社以外の取締役会設置会社であっても、取締役の善管注意義務の一環として、内部統制システムを構築する責任があるという解釈が一般的です。近年の判例では、中小企業であっても、適切な管理体制を怠ったことによる取締役の責任を問うケースが見られます。

金融商品取引法(J-SOX)

金融商品取引法では、より厳格な内部統制の運用が求められます。

すべての上場企業

証券取引所に上場しているすべての企業は、事業年度ごとに「内部統制報告書」を作成・提出しなければなりません。これはJ-SOX(ジェイ・ソックス)と呼ばれ、財務報告に係る内部統制の有効性を経営者が評価し、公認会計士や監査法人による監査を受ける必要があります。

義務化されていない中小企業・非上場企業の場合

法律上の義務がない企業であっても、取引先(大手企業)からコンプライアンス体制の確認を求められるケースが増加傾向にあります。特にサプライチェーンの一端を担う企業にとって、内部統制の整備は取引の前提条件となりつつあります。

内部統制システムの役割・目的

内部統制システムを構築する本質的な意義は、単に法令を遵守することだけではありません。一般的に、内部統制には以下の4つの目的があるとされています。

1. 業務の有効性および効率性

事業活動の目的を達成するために、時間・人・資金といった経営リソースを最も効果的に活用することを目指します。内部統制によって業務フローを整理し、不要な二重チェックや不透明な意思決定プロセスを排除することは、その結果として省力化や生産性向上に直結します。

2. 財務報告の信頼性

決算書や有価証券報告書など、外部に公表する財務情報に虚偽や重大な誤りがないことを担保します。上場企業に限らず、正確かつ透明性の高い財務報告ができる体制は、資本市場や社会からの信頼を得るための最低条件といえます。

3. 事業活動に関わる法令等の遵守

いわゆるコンプライアンスの徹底を意味します。法律だけでなく、社内規程や社会規範を遵守する文化を組織として醸成することが求められます。近年、SNSの普及により、一従業員の不適切な行動が企業全体の存続を揺るがすリスクが拡大しています。内部統制はこうした目に見えにくいリスクを仕組みで防ぐ役割を担います。

4. 資産の保全

会社の資産(現預金、棚卸資産、知的財産、顧客データなど)が、不正な使用や持ち出し、不適切な処分から保護する仕組みを構築します。特にデジタル化が進む現代においては、物理的な資産だけでなく、情報資産の保全が極めて重要な経営課題とされています。

内部統制システムのメリット

内部統制をコストや手間と捉える向きもありますが、適切に運用される内部統制は、企業に強力な競争優位性をもたらします。

不正の防止

内部統制の基本原則の一つに「職務分掌」があります。これは、「申請する人」と「承認する人」を分けるなど、一人の人間が一連の業務を完結できない仕組みを作ることです。相互牽制の体制を築くことで、意図的な不正や、魔が差して起こる横領などを物理的・心理的に抑制する効果があります。

リスクの軽減

経営環境が複雑化する中で、企業が直面するリスクは多岐にわたります。内部統制システムの構築プロセスでは、必ずリスク評価が実施されます。自社の業務において、どこにどのような落とし穴があるのかを事前に把握し、対策を講じておくことで、不測の事態が発生した際の損害を最小限に抑えることが可能となります。

業務の効率化

内部統制は、ルールの明文化を伴います。誰が、いつ、どのような判断基準で業務を行うべきかが標準化されるため、属人化(特定の担当者しか把握していない状態)が解消されます。その結果として、引き継ぎが容易になり、新人教育にかかるコスト削減や、特定の人物への業務集中を回避できるという好循環が生まれます。

信頼性向上

企業の経営における透明性は、受注拡大や人材獲得に有利に働くことが示唆されています。 十分な管理体制を整えている企業は、取引先から安心して発注できるパートナーとして選ばれやすくなります。また、従業員にとっても公平で透明性の高いルールがある会社という安心感を与え、離職率の低下にも寄与すると考えられます。

内部統制システムを整備・構築する方法

内部統制システムの構築は、一度にすべてを完璧にする必要はありません。以下のステップに従って、着実に進めていくことが重要です。

目的と基本方針を明確にする

まずは、経営トップが「当社はガバナンスを重視する」という姿勢を明確に示すことが不可欠です。取締役会などで内部統制システムの整備に関する基本方針を策定し、それを全社に共有します。経営者のコミットメントが欠けた内部統制は、形骸化するリスクが高まります。

業務プロセスを可視化し、リスクを洗い出す

次に、現在の業務がどのように行われているかを「可視化」します。

・業務フロー図(業務の流れ)
・業務記述書(詳細な手順)
・リスク・コントロール・マトリックス

これらは「3点セット」と呼ばれるドキュメントであり、これを作成することで、業務上のミスや不正が起きやすいポイントを特定していきます。

組織体制・役割分担を明確にする

誰が何に対して責任を持つのかを再定義します。特に、承認権限の基準(職務権限規程)を明確に定め、役職に応じた責任範囲を制度上、明確に設定することが重要です。

統制するルールや方法を決める

洗い出したリスクに対して、具体的にどのように対応するかを決定します。例えば、「100万円以上の発注は部長承認を必須とする」「重要なサーバーへのアクセスは、特定の端末からのみ許可する」といった明確な運用ルールを策定し、マニュアル化します。

従業員への周知・教育を行う

いくら仕組みを構築しても、従業員がその理由を理解していなければ、ルールは遵守されません。定期的なコンプライアンス研修や、業務マニュアルの解説、社内ポータルでの情報発信などを通じて、内部統制の重要性を当事者意識を持って理解してもらえるよう働きかけます。

運用状況をモニタリングし、改善を続ける

内部監査部門や、場合によっては外部のコンサルタントによるチェックを通じて、ルール通りに運用されているかを確認します。新しいITツールの導入や新規事業の開始など、環境の変化に伴い、従来のルールが適合しなくなることもあります。その結果として、常に改善を繰り返す「動的な仕組み」であることが、内部統制の質を左右します。

まとめ

内部統制システムとは、単なる法律の制約ではなく、企業がリスクを管理し、効率的に成長するための「知恵の集積」といえます。会社法や金融商品取引法で義務付けられている大企業だけでなく、変化の激しい時代を生き抜くすべての中小企業にとっても、その整備は不可欠な投資といえるでしょう。

特に人手不足が深刻化する中では、業務の標準化とITによる自動化を同時に進めることが、企業の「稼ぐ力」の底上げにもつながります。内部統制を負担ではなく「チャンス」として捉える視点が求められています。

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