ハイブリッド勤務とは ~成功させるポイントまでわかりやすく解説~

ハイブリッド勤務とは、オフィスへの出勤と、テレワークを組み合わせた勤務形態のことです。従来のように毎日、出勤するのでもなく、自宅やサテライトオフィスなどでテレワークを行うだけでもなく、たとえば、週のうち1~2日は出勤し、残りの3~4日はテレワークで業務を行うようなスタイルを取ります。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて都心を中心に急速に広がったテレワークですが、実際に導入してみることでさまざまな課題が見えてきました。なかには、従来のような出勤を残しながらテレワークを行う「ハイブリッド勤務」で解決できる課題もあります。
本コラムでは、ハイブリッド勤務のメリットとデメリット、成功のポイントなどをご紹介いたします。
1. ハイブリッド勤務とは
ハイブリッド勤務とは、出勤とテレワークを組み合わせた勤務形態のことです。従来のように毎日、出勤するのではなく、自宅やサテライトオフィスなどでテレワークを行うだけでもなく、たとえば、週のうち1~2日は出勤し、残りの3~4日はテレワークで業務を行うようなスタイルを取ります。
出勤での勤務とテレワークを組み合わせることで、それぞれのメリットを享受できますが、勤怠管理が煩雑になるといったデメリットもあります。ハイブリッド勤務のメリットとデメリットについては、次章で詳しくご紹介いたします。
2. ハイブリッド勤務のメリットとデメリット
ハイブリッド勤務には、メリットとデメリットがあります。以下でご紹介いたします。
ハイブリッド勤務のメリット
まずは、ハイブリッド勤務のメリットから見てみましょう。
ハイブリッド勤務のメリットは、テレワークのメリットを活かしつつ、デメリットをカバーできる点にあります。
柔軟な働き方を実現できる
在宅や、近隣の駅の近くに設けられたサテライトオフィスなどで働けることは、従業員にとってありがたいもの。特に、小さな子どもや高齢の両親など、同居家族がいる従業員の場合、テレワークで短縮できた通勤時間を活用すれば、介護や育児と両立ができます。また、空いた時間を趣味や自己研鑽など、仕事以外の時間を充実させることでリフレッシュやスキルアップなどにもつながります。完全なテレワークでなくても、週のうちの数日をテレワークに当てられる柔軟な働き方の次元は、十分に従業員メリットになるでしょう。
従業員満足度を向上させられる
テレワークをメリットに感じる人がいる一方で、オフィスへ出勤して上司や部下、同僚とコミュニケーションを取りながら仕事をすることで効率的に業務を進められたりやりがいにつながるという従業員もいます。また、性格的にテレワークがマッチせず孤立感を抱えてしまう従業員もいるでしょう。
出勤とテレワークの両方を合わせたハイブリッド勤務なら、どちらの働き方を希望する従業員にとってもメリットがあり、従業員満足度の向上が期待できます。
採用で有利になる
従業員に喜ばれるハイブリッド勤務を採用していることで、ほかの同程度の仕事内容や給与の求人に対して優位に立てるという点もメリットです。採用で有利ということは、それだけ自社に優秀な人材が入ってくるということでもあります。また、ハイブリッド勤務にメリットを感じている従業員の退職は起きにくいため、人材の囲い込みも実現できます。
従業員の自主性を育める
業務によって、テレワークの方が向いているものと、逆に出勤時の方がやりやすいものがあります。従業員に、ある程度の裁量を持たせ、日ごとの業務の振り分けを任せることで、従業員の自主性を尊重しながら業務を進めることができ、自主性を育むことにもつながります。また、自主性をもって業務に取り組むことによる、生産性向上も期待できます。
テレワークにおけるコミュニケーション不足を補える
従業員の性格や状況によって、孤立感を生むこともあるテレワークですが、出勤と組み合わせることで、上司や部下、同僚とのコミュニケーションが取りやすくなります。テレワーク時には、わざわざ電話やチャットなどで聞くほどではなかった疑問や、雑談など、対面だからこそ可能なコミュニケーションもあります。出勤時は、こうした軽いコミュニケーションを取る良い機会です。コロナ禍が収束すれば、出勤時の終業後に飲みに行くといった社外でのコミュニケーションも可能になるでしょう。
オフィスの維持にかかるコストを削減できる
ハイブリッド勤務を実施することで、従来のように全従業員が一斉に出勤する機会は減ります。このため、オフィスのスペースや、デスク、チェア、ロッカーといったオフィス家具、電気代など、オフィスを維持するためにかかっていたコストを削減できます。
ハイブリッド勤務のデメリット
一方、ハイブリッド勤務にもデメリットが存在します。テレワークのデメリットのうち、ハイブリッド勤務でも解消できないものと、ハイブリッド勤務ならではのデメリットがあります。
情報セキュリティ面での心配が残る
テレワーク時のデメリットでもある情報セキュリティ面でのリスクは、ハイブリッド勤務でも解消できるものではありません。テレワーク時の情報セキュリティ面での主なリスクとして、従業員の私物を業務に利用することにより、脆弱性のある機器やソフトウェア(旧バージョン)が放置されやすくなり、不正アクセスが起きやすいことや、従業員の気のゆるみなどに起因するミスや内部犯行による情報漏えいが挙げられます。近年は、ターゲット企業そのものではなく、セキュリティの薄いサプライヤーが狙われる「サプライチェーン攻撃」も増えているため、テレワーク時と同様、セキュリティ対策には配慮する必要があります。
勤怠管理が煩雑になる
テレワークの導入時に、新たな勤怠管理の方法に関して頭を悩ませたという企業様も多いでしょう。これが、ハイブリッド勤務になると、従来通りの出勤時とテレワーク時の両方を管理しなければならなくなるため、管理方法はさらに煩雑になる恐れがあります。
テレワーク時の勤怠管理方法を出勤時にも適用させるなどすれば、煩雑になることを避けられるでしょう。
3. ハイブリッド勤務を成功させるポイント
最後に、ハイブリッド勤務を成功させるポイントを3点、ご紹介いたします。
労働時間・場所の管理
まずは、従業員の労働時間と場所の管理を行う必要があります。
部署ごとなどに出社日とテレワークのスケジュールを決め、管理職は従業員がその通り実施しているかチェックします。出社日に関しては、ある程度、従業員に裁量を持たせることも大切ですが、出社時に部署内でコミュニケーションを取れることもハイブリッド勤務のメリットの一つ。週に1~2日は全員が顔を合わせる日を設定すると良いでしょう。
勤怠管理は、SaaSの打刻システムなどを利用して行います。テレワーク時はお互いの様子が見えない中での勤務となるため、「報告・連絡・相談」を徹底させることが大切です。
セキュリティ対策の徹底
出社時はもちろん、テレワーク時のICT活用における情報セキュリティ対策が重要です。
総務省が公表している『テレワークセキュリティガイドライン』などを参考に、テレワーク時のルールをセキュリティポリシーに盛り込み、従業員に研修を実施しましょう。ソフトウェアのアップデートや情報の持ち出しについてなど、従業員の意識いかんで情報セキュリティが守られるかどうかが変わってきます。
また、社内外のネットワークの境界を守る従来のセキュリティ概念ではなく、すべてのアクセスや端末、ユーザーは信用できないことを前提とした「ゼロトラストモデル」によるネットワークに切り替えるのも良いでしょう。
福利厚生の見直し
テレワーク時は、従業員が個人で契約しているデバイスやネットワーク回線、住居、光熱費などを使用して業務を行うことになります。オフィスの維持にかかるコストが減った分を従業員に還元するような福利厚生を検討しましょう。たとえば、ハイブリッド勤務補助のようなかたちで現金を支給するほか、自宅では十分な就業環境を整えられない従業員向けにコワーキングスペースやシャアオフィスと契約して提供するなどの方法があります。
4. まとめ
ハイブリッド勤務は、従来の出勤とテレワークを組み合わせて双方の良い点を享受できる勤務形態です。テレワーク時のコミュニケーション不足などを出勤時に補いつつ、通勤にかかる時間や交通費、ストレスを削減でき、従業員側にとっても企業側にとってもメリットの多いスタイルでしょう。
ただ、ハイブリッド勤務においても、テレワークと同様にセキュリティ対策や勤怠管理への配慮は必要です。上記でご紹介したようなポイントを押さえつつ、自社なりのベストなかたちを模索しましょう。
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