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BRMSとは?特徴や活用例、製品例などをまとめて紹介

BRMSとは、Business Rule Management Systemの頭文字を取ったもので、ビジネスルール管理システムのことです。ビジネスルール、つまり「(条件)ならば、(アクション)する」の形で表現できる、業務上の規則や条件、判断基準などを「ルールエンジン」によって管理・実行するものです。BRMS は、ルールエンジンとルールを管理するマネジメント部分から成りますが、BRMSを指して単に「ルールエンジン」とよばれることがあるほか、「ルールベース開発」とよばれることもあります。

BRMSを活用することで、それまで人手で行っていたチェックや判断を自動化でき、業務を削減できる効果が期待できます。

本コラムでは、BRMSのメリット・デメリットや具体的な活用例、製品例をご紹介いたします。

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1. BRMSとは

BRMSとは、Business Rule Management Systemの頭文字を取ったもので、ビジネスルール管理システムのことです。ビジネスルール、つまり、「(条件)ならば、(アクション)する」の形で表現できる、業務上の規則や条件、判断基準などを「ルールエンジン」によって管理・実行するものです。BRMS は、ルールエンジンとルールを管理するマネジメント部分から成りますが、BRMSを指して単に「ルールエンジン」とよばれることがあるほか、「ルールベース開発」とよばれることもあります。

BRMSの特徴

BRMSのルールエンジンでは、従来のようなデータベースのクエリや、「IF-THEN-ELSE」という条件分岐のための構文を用いてルールを実装するのが一般的でした。しかし、BRMSでは、「パターンマッチング」を用いて実装しています。パターンマッチングとは、データを検索する際に、特定のパターンが出現するかどうか、どこに出現するかを特定する手法です。パターンマッチングを活用することで、ルールの適用に誤りが生じにくくなるというメリットがあります。

BRMSとAIの違い

「ルールに沿って業務を自動化する」と聞くと、AIを想起する方も少なくないでしょう。
BRMSとAIの違いは、何でしょうか?

ビジネスルールのわかりやすい具体例として、たとえば「〇〇円以上の契約の場合はこの書類の添付が必要」「〇時以降かつ〇時間以上の勤務は〇割増しで給与計算を行う」といったものが挙げられます。

BRMSの場合、こうした条件は従業員など「人」が集めて作成します。また、結論に至った経緯を追うことができます。一方、AI(機械学習型)の場合、AI自らがデータから規則性を見つけ出して判断を行います。導き出された結論へ至る経緯も明確に知ることができません。

ただ、BRMSの中にはAIを搭載したものもあります。その場合、「人」が集めたルールを元に、AIが矛盾や抜けをチェックするという具合に両者のメリットを兼ね備えています。

 

2. BRMSのメリット

BRMSを導入・活用することで、主に「ビジネスルールを可視化できる」「開発途中の変更に柔軟に対応できる」「開発の生産性・品質を向上できる」の3つのメリットが期待できます。

ビジネスルールを可視化できる

BRMSに既存のビジネスルールを登録し、運用することで、ビジネスルールを可視化できます。
これにより、業務に使用しているビジネスルールの全体像を把握できます。さらに、ルール間での矛盾や重複といった不備に気づけ、改善へつなげられます。
また、それまでは一部の従業員の頭の中だけにあったルールを可視化し、共有して活用できるようになり、ナレッジというかたちで自社の資産を増やすことができます。

業務効率化につながる

BRMSを活用することで、それまでは人手で行っていた業務上の判断を自動化できるようになり、業務負担や工数を減らせ、業務効率化につながります。その分、従業員はほかのもっと重要な業務に時間をさけるようになります。

ルール変更や法改正に柔軟に対応できる

もし、アプリケーション内にルールを組み込んである場合、社内のルール変更や法律の改正などに合わせてシステム側を変更したい場合、アプリケーションそのものの改修が必要になります。それには費用も時間もかかりますし、場合によっては改修が不可能で、業務フローを変えなければならなくなるケースもあるでしょう。

一方、BRMSの場合、アプリケーション内でルールエンジンが独立しているため、ルールのみを簡単に変更することができ、頻繫な変更があっても低工数で対応できます。開発コストやランニングコストを抑えながら運用が可能です。

 

3. BRMSのデメリット

BRMSにも良い面ばかりではありません。
BRMSのデメリットといえるのが、あらかじめ登録してあるルール外の判断ができない点です。従来、業務に使用していたルールも単純に登録し忘れていれば対応できませんし、言葉の揺れにも対応できません。

また、ルールに使用する言葉の解釈も詳細に定義しておく必要があります。たとえば「毎月15日のデータを…」といった表現を用いる場合、それが15日締めのデータなのか、それとも14日締めのデータなのかといった細かい定義まで行っておかないと、後で不具合の原因になりかねません。

 

4. BRMSの活用例

BRMSは、実際の業務でどのように活用されているのでしょうか。ここでは3つの活用例をご紹介いたします。

見積作成

製品やサービスの種類が少なかったり見積ルールが単純だったりする場合は、見積作成に大きな工数はかかりませんが、取扱品目が多く、さらにバージョンやオプションが用意されていたりすると、見積ルールは複雑になり、見積作成の負荷が上がります。特に、新人が見積を作成できるスキルを習得できるようになるまでには日数を要します。

また、見積作成に活用しているツールが見積作成に特化したものであれば問題ありませんが、たとえば、Excelファイルなどで手作りしたものだったりすると、見積ルールに変更が生じた際の反映を行える人も限られている上、手間も時間もかかりがちです。

BRMSを活用してBRMSのルールエンジンに見積ルールをすべて登録し、運用・管理することで、見積作成の工数と業務負担を減らし、ルール変更にも素早く柔軟に対応できるようになります。

勤怠管理

従業員の出社・退勤の時刻を記録したり、休暇申請を承認したりする勤怠管理システムには、BRMSが組み込まれているものがあります。定時の時間や休憩時間、時間外労働が何時からであるといったルールをルールエンジンへ登録し、打刻や入退室管理システムのデータなどと照合・チェックします。

さらに、人事情報やPCのログなどと照合して勤務実態との乖離を確認したり、法令やガイドラインなどをBRMSのルールエンジンへ登録し、違反がないかを確認したりといった活用が可能です。

保険の加入審査・変更手続

保険への加入を希望する顧客の年齢や職業、収入、健康状態、過去の病歴、もしくは運転履歴や車両情報など、加入したい保険によってさまざまな審査項目があり、加入できるかどうか、さらに保険料が決まります。こうした項目と審査基準をBRMSのルールエンジンへ登録し、審査を自動化することで、従業員の審査業務の工数を減らすことができます。

また、加入している保険の契約内容を変更する際には、保険商品の種類や加入者の条件によって必要な書類が変わってきます。こうした保険の変更手続に関する複雑なルールも、人手で確認するのでは手間と時間がかかり、さらにミスが発生する恐れもあります。
そこで、BRMSを活用すれば、変更に必要な書類や情報を一覧で表示させたり、必要な書類が揃っているかどうかをチェックしたりする作業を自動化できます。

 

5. BRMS製品例

最後に、BRMSの代表的な製品を3つご紹介いたします。

Red Hat Decision Manager

Red Hat Decision Managerは、業務効率の改善・向上と迅速な意思決定を可能にすることをうたう、オープンソースで提供されるBRMSです。自社に潜在的に存在するビジネスルールを可視化することで、属人化や業務効率の改善、判断ミス回避などを目指します。

ビジネスルールの追加や変更、削除はWeb上またはExcel上で簡単に行えます。

Java環境でスケジュールやリソース、計画に関する最適化が行えるアプリケーションを開発できるツールキットが付いています。
また、利用環境は、オンプレミスもクラウドも可能です。

Progress Corticon

Progress Corticonは、業務上のディシジョン(判断)要求をそのまま表現したモデラーによって、誰が見てもわかりやすいエンドユーザーフレンドリーなUIを実現したBRMSです。ルールエンジンにAIが搭載されている点も特徴で、人間が判断した矛盾や欠損を自動で検知します。ミスのほか、取引不正や書類不正、なりすましといった不正も検知してくれます。
すべての規模の企業に向けて提供されている製品です。

オペレーショナルディシジョンのモデル化には、米国でオブジェクト指向技術の標準化を進めるOMG(Object Management Group)の「Decision Model and Notation(DMN)」を採用しており、意思決定を簡単にモデル化することが可能です。

InnoRules

InnoRulesは、MicrosoftのOfficeのようなUIが特徴の、ITスキルに自信がない人でも扱いやすいBRMSです。

ルールの活用においては、「テーブルルール」「フロールール」「ディシジョンテーブルルール」「ループルール」「ブランチルール」「データルール」「DBルール」「コールバックルール」の8種類のテンプレートが用意されており、多彩なルール表現をスピーディに利用することができます。普段、業務に使用している業界用語をルールの中にそのまま使えます。

想定されている活用シーンとして、旧システムと新システムの統合など分散していたシステムを統合する際や、ユーザーニーズをすぐにルールに反映させて提供したい場合、拠点によって業務ルールが異なるケースで統合したい場合などが挙げられています。

毎月第2・3木曜日に定期実施されているハンズオンセミナーにて、2時間の無料体験が可能です。

 

6. まとめ

ビジネスルールに関して、拠点ごとに異なるローカルルールが存在している、ビジネスルールが頻繫に変更になるため管理し切れないといったさまざまな課題が存在しています。

BRMSは、ビジネスルールを業務システムなどのアプリケーションから切り離して管理・運用できるシステムなので、上手く活用することで業務効率化を実現できます。また、活用の仕方次第では、従業員満足度や顧客満足度の向上も可能です。
ビジネスルールを適切に管理・運用することは、競争力強化につながります。

ビジネスルールに課題を抱えている企業様は、この機会にBRMSの導入・活用を検討されてみてはいかがでしょうか?

 

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