「Yahoo!プレミアム」会員サービスにおける業務プロセスを「intra-mart」で構築。
既存資産を活かしたアジャイル開発で、業務改善と生産性向上に大きな効果。

ヤフー株式会社様

「Yahoo! JAPAN」を運営するヤフー株式会社(以下ヤフー)は、有料会員サービス「Yahoo! プレミアム」を運営し、月額会員様に対してポイントやクーポンのプレゼント、雑誌や漫画の読み放題など、様々な特典つきのキャンペーンやサービスを提供してきた。更なるサービス品質の向上による顧客満足度の向上とキャンペーン数の増加を目的に、「Yahoo!プレミアム」のキャンペーン業務プロセスをIM-BPMで統合。既存システムの機能を「つなぐ」ことをコンセプトに、IM-LogicDesignerを用いたデータ連携で、プログラム開発を最小限に抑えた業務プロセスのデジタル化を実現。これにより、8時間かかっていた運用業務を30分に短縮。品質および顧客満足度の向上と効率的なキャンペーン業務プロセスを実現した。

目次

1.課題
手運用からの脱却によるサービス品質の向上と業務効率化が急務だった

2.導入
“つなぐ“をコンセプトに既存システムを生かした業務のデジタル化を実行

3.効果
リードタイムの大幅な削減とリソースの最適化を実現

4.未来
他サービスへの横展開を視野にいれた、更なる業務効率化と顧客満足度の向上へ

課題

手運用からの脱却によるサービス品質の向上と業務効率化が急務だった

図1:キャンペーン業務の流れ
図1:キャンペーン業務の流れ

有料会員サービス「Yahoo!プレミアム」では有料会員様向けにポイントやクーポンのプレゼントなどキャンペーンをサービスとして提供している。本キャンペーン業務は、①キャンペーン企画/準備→②ディレクション(設計)→③開発→④月次運用という大きく4つのフェーズに分かれており、1つのキャンペーンの実施(企画~月次運用の完了まで)に長いもので約半年ほど実施する業務だ(図1)。

キャンペーン業務は各フェーズで企画、法務、開発、デザインなど多くの部署をまたがり、会員数の増加によるキャンペーンの増加と規模拡大にあわせ業務フローが煩雑になっていた。さらに、利用するツールやシステムも各フェーズによって都度追加されてきたため、システム間の連携がされておらず、データやマスタが散在していた。このことで、手動によるデータ連携を余儀無くされ、結果転記作業や重複入力が発生。2重3重でのチェックタスクが増加し業務生産性があがらないという悪循環に陥っていた。

「特に、月次でポイントを対象会員様に付与する運用フェーズでは、担当のエンジニアが作業の手順書を作成し、直接コマンドをたたいてポイントの付与対象者を抽出・精査します。その後専用のポイント付与システムへ転記して付与が完了するという流れで実施されていましたが、それらはすべて手作業で行われていました。」とヤフー株式会社の長岡氏は語る。

数多くのキャンペーンの運用と、新規会員の獲得と顧客満足度の向上を実現するためには「業務フローの整備」「業務(特に月次処理)の自動化」「システム及びマスタの統一」が急務だった。

ヤフー株式会社 パーソナルサービスカンパニー 会員サービス本部 開発部長(当時) 長岡 実 氏
ヤフー株式会社
パーソナルサービスカンパニー
会員サービス本部 開発部長(当時)
長岡 実 氏

導入

“つなぐ“をコンセプトに既存システムを生かした業務のデジタル化を実行

本業務のシステム化に向け、3社のベンダーにRFPを出し業者の選定を実施。最終的には、できる限り既存システムや機能を利用し、”つなぐ”をコンセプトにプログラム開発を最小限に抑える提案をしたintra-martが選定された。

「今回は継続的な業務改善が必須であったため、フルスクラッチでの提案は要件定義から構築までに多くの工数がかかるため断念しました。その点、intra-martはもともと提供されている機能が充実しており、品質も高く、既存の機能に少しのカスタマイズを加えるだけで実施したいことをカバーできました。さらに弊社の業務への理解度も高く、業務改善を含めたシステム化が実施できると思い採用しました。」と長岡氏は語る。

開発は2017年の4月よりPoCから実施され、2017年11月にはシステムの稼動を開始。これだけのスピード感でシステムのリリースにこぎつけることができたのは大きく2つの理由がある。

1つ目は「業務部門を巻き込んだアジャイル開発方式の採用」だ。「BPMS製品は使ったことがなかったので、業務部門のメンバー自身で活用できるのかを事前検証する必要がありました。そのためには、利用するメンバーと一緒に実際の業務システムを見ながら開発できるアジャイル方式が最適でした。」と長岡氏は語る。実際に、業務に沿ったプロトタイプを準備することで多くの意見・要望を引き出すことができ、より利用しやすいシステムにブラッシュアップされている。

2つ目は「業務プロセス統合による開発工数の削減」だ。いままで手作業で実施していた一連のキャンペーン業務プロセスをIM-BPMで制御し、タスク間のデータ連携を実現することで、intra-martのポータル上で作業の実行状況を一元管理できるようにした。さらに、IM-LogicDesignerを活用し、各フェーズで活用していた既存システムのAPIを利用して自動連携を実現している。

「ヤフー様のポイント付与業務はコマンドラインからPHPを実行する処理があり、全て手作業で実施していらっしゃいました。この処理を1からシステム化しようとすると、少なくとも2人月程の工数がかかるものでしたが、IM-LogicDesignerが標準で提供しているタスクを活用することで、プログラミングをすることなく、設定ベースで実施できたため、結果工数をほぼ0にすることができました。」と開発に携わったフォーカスシステムズの平良氏は語る。また、ヤフー株式会社の中村氏は「IM-LogicDesignerを活用することで、intra-martに登録した情報を他システムと連携する際に、1つの簡単なSQLを書くだけでAPIを作成することができました。」と語る。

ヤフー株式会社 パーソナルサービスカンパニー 会員サービス本部 開発部(当時) 中村 友樹 氏
ヤフー株式会社
パーソナルサービスカンパニー
会員サービス本部 開発部(当時)
中村 友樹 氏
株式会社フォーカスシステムズ ITサービス事業本部 SI&コンサルティング事業部 プロダクトコンサルティング部 平良 浩一 氏
株式会社フォーカスシステムズ
ITサービス事業本部
SI&コンサルティング事業部
プロダクトコンサルティング部
平良 浩一 氏
図2:キャンペーン業務システム全体イメージ
図2:キャンペーン業務システム全体イメージ

効果

リードタイムの大幅な削減とリソースの最適化を実現

「最大の効果は、ポイントの付与業務時間の短縮です。今までは、実際のポイント付与までに1キャンペーンにつき約8時間、最大18キャンペーンを同時進行する必要がありましたが、手順書作成の自動化、システムの連携をすることで、30分~1時間程で実施できるようになりました。もちろん、ポイント付与や各種作業の業務品質が向上したため、リカバリーにかかっていた稼動時間も大幅に削減されました。」と中村氏は語る。手順書の作成自体もIM-BPMの自動実行によるパターン登録で簡易化できるようになったため、マニュアルレスを実現している。もちろん、対象者の抽出作業で直接コマンドをたたくことはもうない。

現在では、開発・運用を担当していたメンバーは5人から2人になり、今まで運用を実施していたメンバーは、更なるキャンペーンの企画開発や他プロジェクトへの参画に従事できるようになるなど、業務量の削減だけでなく、リソースの最適化も実現している。

未来

他サービスへの横展開を視野にいれた、更なる業務効率化と顧客満足度の向上へ

「まだ既存システムとつながっていない業務もあるため、各種申請ツールとの連携を実施し、intra-martから全ての業務を実行できるように開発を進めていく予定です。また、新規キャンペーンの企画にも力を注いでいくつもりです。」と長岡氏は語る。

今後もヤフーの業務効率化と顧客満足度の向上への取り組みはますます加速し、他社にはないヤフー独自の施策をお客様に提供し続ける。

基本情報

ヤフー株式会社
Yahoo Japan Corporation

所在地
〒102-8282
東京都千代田区紀尾井町1-3
東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー
設立
1996年1月31日
事業内容
インターネット上の広告事業、イーコマース事業、会員サービス事業 など
資本金
8,711百万円(2017年12月31日現在)

開発パートナー 株式会社フォーカスシステムズ

当社はintra-martのBPMパートナーとして、先駆的なBPM案件において積極的にご支援をさせて頂いております。

本プロジェクトにおいて、ヤフー様の「当事者意識と意思決定の早さ」と、ご要望や決定事項に柔軟に実現する「IM-BPM/IM-LogicDesigner」の橋渡しを担い「本当に喜んでいただけるシステム」を提供すべく日々検討させて頂きました。

今後もintra-martの最新機能や先進的な手法を最大限に活用し、10年以上に亘る開発経験に裏付けされた確かな技術で、ヤフー様をはじめとする全てのお客様のビジネスを大きく伸張させるお手伝いができるよう、成長を続けてまいります。

開発パートナー 株式会社フォーカスシステムズ

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