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基幹システムと業務システムの違いとは?企業における選定ポイントを解説!

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基幹システムと業務システムの違いとは?企業における選定ポイントを解説!

基幹システムと業務システムは、下記の3つの観点で大きく異なります。

・全体最適と部分最適の違い
・カバーする範囲の違い
・情報システムとの関係性

基幹システムと業務システムの違いをご存知でしょうか?これらは企業運営に欠かせないシステムですが、それぞれの役割や導入目的は異なります。
基幹システムは企業全体の情報管理を行い、業務システムは特定の業務を効率化する役割を持ちます。
企業は、これらの違いを理解して適切なシステムを導入することが大切です。

そこでこの記事では、基幹システムと業務システムの違いを解説し、選定時に考慮すべきポイントについてご紹介いたします。

基幹システムとは?

基幹システムとは、企業全体の業務データや情報を統合的に管理・運用するためのシステムです。企業運営の「基盤」となるシステムで、会計、人事、販売、在庫管理といった主要な業務のデータを一元化し、部門間で情報を共有することで業務の効率化を図ります。

基幹システムの目的と役割

基幹システムの役割は、企業の経営戦略を支えるデータの管理やリアルタイムでの意思決定を可能にすることです。特に大規模な企業においては、情報を一元管理する基幹システムの存在が不可欠であり、経営の効率性と正確性を支える重要な基盤となります。

さらに、DX(デジタルトランスフォーメーション)の流れが加速する中、基幹システムはAIやビッグデータなどの先端技術と連携し、企業の競争力を高めるためのデータ活用の要となっています。企業が迅速かつ的確な意思決定を行うために、基幹システムの導入は非常に重要なものとなっています。

業務システムとは?

業務システムとは、特定の業務プロセスを効率化し、日々の業務運営をサポートするためのシステムです。

たとえば、顧客関係管理(CRM)、販売管理、在庫管理、勤怠管理などがこれに該当し、各部署や業務領域に特化した機能を提供します。

業務システムの目的と役割

業務システムの導入により、業務担当者はデータの入力や確認、処理を迅速に行うことができるようになり、人的エラーの削減や作業時間の短縮を目指せます。

また、業務システムによって業務プロセスを自動化することで、社員の生産性向上や業務の効率化を図ることもできます。

基幹システムと業務システムの違い

基幹システムが企業全体のデータを管理し、統合的な業務支援を行うのに対して、業務システムは特定のタスクや作業の効率化にフォーカスしています。

大きな違いは、次の3つです。

全体最適と部分最適の違い

基幹システムと業務システムの大きな違いの一つは、全体最適と部分最適の観点です。

基幹システムは企業全体の情報やリソースを統合し、全社的な効率化やデータの一元管理を目指します。財務会計、人事管理、在庫管理など、複数部門にまたがる重要な業務を統合し、企業全体の経営判断を支援する基盤として機能します。

一方、業務システムは、特定の部門や業務の効率化にフォーカスしており、販売管理、顧客管理(CRM)、人事・勤怠管理など、担当部門にとっての効率化や作業負担の軽減を目的としています。

このように、基幹システムが「全体最適」を目指すのに対し、業務システムは「部分最適」を追求しており、企業全体の戦略的視点と各部門の実務的なニーズに応える役割をそれぞれ担っています。

カバーする範囲の違い

基幹システムは、ERP(Enterprise Resource Planning/エンタープライズ・リソース・プランニング)のように、企業全体の業務プロセスをカバーする広範な機能を持っています。
企業の根幹を支えるシステムとして、財務、経理、人事、生産、在庫など、複数の業務領域を一元的に管理・運営します。

このため、部門間でのデータ連携が可能になり、経営者や管理者が企業全体の状況を把握しやすくなります。

一方、業務システムは個別の業務ニーズに対応するシステムであり、業務領域ごとに設計されています。
たとえば、営業部門では顧客関係管理(CRM)システム、物流部門では在庫管理システム、人事部門では勤怠管理システムなど、それぞれの業務に必要な機能に特化して設計されているため、担当者にとって使いやすく、具体的な業務の効率化に直結しています。

情報システムとの関係性

情報とは、基幹システムと業務システムの双方を含む広義の概念です。
情報システムは、企業が持つデータや業務プロセスをデジタル化・最適化するための仕組みであり、基幹システムと業務システムはその一部として位置付けられます。

基幹システムは情報システム全体の中核を担い、全社的なデータの統合や管理を行います。
この結果、部門横断的な情報の一貫性が保たれ、企業全体での最適化が可能になります。

一方、業務システムは、情報システムの一部として個別の業務をサポートするために用いられ、基幹システムと連携しながら、日々の業務効率化やデータの共有に役立ちます。

基幹システムの主な種類と機能

基幹システムは、企業全体の運営を支えるための重要な機能を担っており、さまざまな業務分野をカバーするシステムが含まれます。

ここでは、代表的な基幹システムの種類とその機能について解説します。

販売管理システム

販売管理システムとは、受注から出荷、請求に至るまでの販売プロセスを管理し、効率的な販売活動をサポートするシステムです。

販売管理システムでは顧客情報や販売データを一元管理し、売上のリアルタイム把握や在庫状況を可視化することができます。
さらに、販売活動の履歴を分析することで、顧客ニーズを反映した営業戦略を立案できるようになります。

このため、適切な販売管理システムの導入は、売上拡大や顧客満足度向上にも寄与します。

在庫管理システム

在庫管理システムとは、商品の入出庫や在庫数をリアルタイムで管理するためのシステムのことです。特に、製造業や小売業など、在庫がビジネスに直結する業界においては欠かせない存在です。

正確な在庫管理により、欠品や過剰在庫のリスクを減らし、在庫回転率の向上を図れます。
また、販売管理システムと連携することで、受注から出荷までの流れをスムーズに管理でき、顧客への迅速な対応が可能となります。

会計管理システム

会計管理システムとは、企業の収支や財務状況を正確に把握するために必要なシステムで、日々の経費管理、月次・年次決算、税務申告など、企業の財務管理に関わるすべてのデータを一元管理します。

この結果、経理部門の作業負荷を軽減し、財務報告の精度を向上させることができます。
さらに、リアルタイムでの収支状況の把握が可能となるため、経営層の迅速な意思決定にも役立ちます。

人事給与システム

人事給与システムとは、従業員の給与計算、勤怠管理、人事評価などを管理するシステムで、人事労務管理の効率化に寄与します。

人事給与システムによって、従業員の労働時間や勤務状況を正確に把握でき、法令に準拠した給与計算が可能になります。
また、人事データを一元管理することで、人材配置や評価を的確に行うための基盤が整い、企業全体での人材戦略に活用することができます。

基幹システムを導入するメリット

基幹システムを導入することで、企業はデジタル技術を活用し、業務の効率化や情報管理の精度向上を図ることができます。

以下で、基幹システムの導入がもたらす主なメリットについて、解説します。

業務の効率化とデータの一元管理を実現できる

基幹システムの導入によって、企業内のさまざまな業務を効率化し、データを一元管理することが可能になります。

たとえば、販売、在庫、会計、人事など複数の業務データが一つのシステムに集約されるため、各部門が必要な情報をリアルタイムで共有でき、重複作業や入力ミスが削減されます。
また、業務全体の可視化により、リソースの無駄を発見し、改善策を講じやすくなります。
このため、企業全体の業務効率が向上し、コスト削減にもつながります。

データの正確性と信頼性を向上できる

基幹システムでは、データが一元的に管理され、全社的に統一されたフォーマットで入力・処理されます。

このように一貫性のあるデータ管理がなされることで情報の整合性が保たれ、データの正確性と信頼性が向上します。
データの不整合や入力ミスが減少することで、企業の経営判断もデータに基づいた確実なものとなり、意思決定の信頼性も高まります。

業務プロセスを標準化できる

基幹システムの導入によって、企業内の業務プロセスを標準化することができるようになります。

業務プロセスを標準化することで、業務の一貫性を保てるだけでなく、新しい社員のスムーズな業務習得を促すことにもつながります。
さらに、標準化されたプロセスにより、業務の進行や完了状況が把握しやすくなり、問題が発生した際にも迅速に対応できるようになります。このように業務プロセスを統一することが、企業全体の生産性向上にもつながります。

意思決定を迅速化できる

基幹システムによって、リアルタイムのデータ取得が可能となるため、経営層はタイムリーな情報に基づいた意思決定が行えるようになります。

部門横断的な情報共有がスムーズに進むため、各部門からのデータを分析しやすく、経営戦略を迅速に立案することが可能になります。

セキュリティを向上できる

基幹システムには高度なセキュリティ対策が施されているため、導入によって企業の重要な情報や機密データの保護を強化できます。

データが一元管理されることでアクセス権限の管理がしやすくなります。また、不正アクセスや情報漏えいのリスクを最小限に抑えることが可能になります。

基幹システムの導入におけるポイント

基幹システムの導入を成功させるためには、次の3つのポイントを押さえると良いでしょう。

自社の業務に必要な機能を見極める

基幹システムの導入を成功させるためには、まず自社の業務に必要な機能を明確にすることが重要です。

基幹システムには、財務管理、人事管理、在庫管理など、多岐にわたる機能が搭載されていますが、すべての機能が自社に必要とは限りません。
企業の業務内容や規模に応じて、本当に必要な機能を見極めることで、導入コストを最小限に抑え、システムの効果を最大化できるでしょう。

事前に業務フローを洗い出し、改善が必要なポイントを明確にしておくと、最適なシステム要件が見つけやすくなります。

適切なベンダーを選定する

基幹システムの導入には、信頼できるベンダーの選定が欠かせません。ベンダーによって、提供するシステムの特徴やサポート体制に違いがあるため、自社のニーズに合ったベンダーを選ぶことが重要です。

導入実績やサポート体制、システムの拡張性などを評価ポイントとし、長期的な視点で信頼できるパートナーとして選定しましょう。
また、具体的な要件や運用に関する質問を行い、ベンダーが自社の課題にどれだけ対応できるかを確認することも大切です。

セキュリティとサポート体制をチェックする

基幹システムには企業の重要な情報が集約されるため、セキュリティ対策が非常に重要です。
セキュリティ対策が施されているか、暗号化やアクセス制限、ログ管理などが整備されているかを確認しましょう。
特に、クラウド型のシステムを導入する場合は、データの保護やBCPが施されているかも重要なポイントです。

また、導入後のサポート体制についても確認しておくことが必要です。
システム導入には、初期の設定やトレーニングだけでなく、運用中のトラブル対応やアップデートのサポートが求められます。
信頼性の高いサポート体制が整っているベンダーであれば、システムの安定稼働を保ちながら、業務に専念することができます。

まとめ

基幹システムと業務システムは、それぞれ異なる役割と導入目的を持ちながら、企業運営において欠かせない存在です。

基幹システムは、企業全体の情報を一元管理し、データの整合性と信頼性を確保しながら、業務の効率化と迅速な意思決定を支えます。
一方、業務システムは、各部門の特定業務を効率化することに重点が置かれており、日々の業務プロセスをサポートしてくれます。

システム導入を成功させるためには、基幹システムと業務システムの違いを理解し、自社のニーズに合ったシステムを選定することが不可欠です。
自社の業務に必要な機能を見極め、適切なベンダーの選定、そしてセキュリティ対策やサポート体制の確認が重要です。

企業が競争力を維持し、成長を続けるためには、基幹システムと業務システムの双方を適切に導入し、活用することが鍵となります。
この記事が、システム選定の一助となり、持続的な成長を支えるための一助となれば幸いです。

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