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RaaSとは? ~注目される背景からメリットまでわかりやすく解説~

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RaaSとは、Retail as a Serviceの頭文字を取ったもので、「小売のサービス化」を指します。具体的には、顧客データや販売データといった社内に蓄積してきたデータ類とテクノロジーを組み合わせた新たなビジネスを、BtoBでサービスとして提供することを意味します。

モノが売れない時代といわれる現代において、小売業の新たな活路となりそうなRaaS。
本コラムでは、RaaSが注目される背景やメリットをご紹介いたします。

 

 

1. RaaSとは?

RaaSとは、Retail as a Serviceの頭文字を取ったもので「ラース」と発音し、「小売のサービス化」を指します。従来の小売業のように単に商品を販売するのではなく、顧客データや販売データといった社内に蓄積してきたデータ類にテクノロジーを組み合わせて、BtoBでサービスとして提供する新たなビジネスをいいます。

たとえば、「Amazon Go」のレジレス決済システム「Just Walk Out」の小売店向け販売、米国のスーパーマーケットチェーンKroger(クローガー)がマイクロソフトと協業して完成させた電子ディスプレイ棚「EDGE Shelf」の小売店向け販売などがあります。

なお、「Ransomware as a Service(ランサムウェアがサービスとして提供される形態)」や「Robotics as a Service(ロボットのサブスクリプションサービス)」も、同じく「RaaS」と表記するため、混同しないようにご注意ください。

 

2. RaaSが注目される背景

RaaSが注目されている背景には、大きく次の2つがあります。

販売チャネルの多様化

20年前なら、買い物といえば、店舗に足を運んで実際に商品を手に取って選ぶ方法が中心で、ほかには訪問販売かカタログを利用した通信販売ぐらいしか手段がありませんでした。
しかし、ここ十数年でインターネットが普及し、ECの裾野はBtoBまで広がりました。さらに、コロナ禍の後押しもあって、今ではオンラインで買い物をすることは消費者にとってメジャーな選択肢となっています。

実店舗とECサイトの価格が比較されることも少なくありません。店舗の運営コストが乗らないECサイトの方が安価で販売することができ、実店舗は現物を確認するためのショールーム化しているとの指摘もあります。

実店舗の生き残りも含め、小売業が消費者へアピールし、競合他社から選ばれるためには、データとテクノロジーを活用して、今までにない顧客体験を創造する必要があるといえます。これが、RaaSが注目される背景の一つとなっています。

消費者が購買行動に求めるニーズの変化

ECサイトでの購買が浸透したり、コロナ禍で「非接触」がテーマになったりしたことから、購買におけるキャッシュレス決済が一般的に利用されるようになりました。従来から、娯楽的な要素の高かった購買行動において唯一、憂鬱なプロセスだったのが「レジで並び会計すること」でした。キャッシュレス決済は、その不快さを軽減してくれました。

また、小売業におけるサービスが向上した結果、消費者は快適なサービスを当たり前に受け取るようになり、購買行動をさらに快適で楽しいものにしたいというニーズが高まりました。

このように購買体験に対して消費者が求めるレベルが上がっていることから、小売業は、購買プロセスの中から消費者にとって不快な要素をいかに排除できるかが重要になってきます。このために、データとテクノロジーの力を借りようというのがRaaSなのです。

 

3. RaaSのメリット

RaaSが広がることのメリットを、利用するユーザーの視点からご紹介いたします。

新しい顧客体験を提供できる

RaaSを自社のビジネスに活用することで、これまでにない販売方法やサービスを実現できるようになります。消費者にも新鮮な顧客体験を提供できるようになるため、集客や購入金額などに良い効果をもたらすことが期待できます。

D2Cを実現できる

D2Cとは「direct-to-consumer」を略したもので、間に流通業者を通さずに直接、消費者へ販売することです。これまでは、主な手段となるのがECサイトを介した取引でした。メーカーがRaaSを活用することで、小売業を挟まずに直接、消費者へ商品を届けることができます。これにより、中間マージンをカットして、利益を確保しながら、消費者へ安価に提供が可能です。
また、必要な期間だけ利用できるため、テストマーケティングとして出店することも可能です。

コストを抑えられる

すでに他社がリスクを負って開発したツールをサービスとして利用できるため、初期投資、ランニングコストともに抑えることが可能です。

初期投資を抑えられる

現在、提供されているRaaSの多くは、他社が先行して開発を行った上で、実際に小売業に有益であることが確認できたものです。このため、利用する小売業側では、新たにツールを開発するための初期投資やリスクを減らし、サービスの恩恵を受けることができます。

ランニングコストに無駄が発生しにくい

RaaSは、ハードウェアやソフトウェアを購入する必要がなく、サービスとして利用した分の費用を支払えば良い料金体系となっています。
このため、利用するユーザー側は、利用したい期間だけ利用し、必要最小限のコストを支払うだけです。試しに使ってみて、自社に合わなければ利用をやめることで、無駄なランニングコストを発生させずに済みます。

データを蓄積・活用できる

RaaSには最新のデジタルテクノロジーが採用されていることが多く、導入・活用するなかでさまざまなデータが生成・蓄積されます。RaaSを通して得られた新たなデータは、販促やサービス、商品、ビジネスなど、さらに活用できます。これが、新たな利益にもつながっていきます。

 

4. まとめ

Amazon.comのレジレス決済システム「Just Walk Out」に代表されるRaaSは、顧客データや販売データといった社内に蓄積してきたデータ類にテクノロジーを組み合わせて、BtoBでサービスとして提供する新たなビジネスです。

現在のRaaSの事例では、先進的な小売業者が自社の店舗ビジネスで成功したツールをほかの小売業者へ提供するケースが多くを見られます。ただ、今後はもっとバリエーションが出て、さまざまなサービスが登場することが考えられます。

RaaSは、消費者ニーズや購買行動の変化などによって伸び悩む小売業界の光となるかもしれません。

 

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