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激化するITエンジニアの争奪戦 戦略的な人材採用やリスキリングが必要に

激化するITエンジニアの争奪戦 戦略的な人材採用やリスキリングが必要に

デジタルトランスフォーメーション(DX)の成否を左右する大きな要素の一つが人材です。特にITエンジニアについては、ITベンダー、非ITベンダーを問わず、人材不足が指摘される場面が目立ちますが、実態はどうなのでしょうか。転職支援サービスを手掛ける企業などの調査レポートから、ITエンジニア人材市場の現在を読み解きます。

 

ITエンジニアの有効求人倍率は高止まり

ITエンジニア・クリエイター専門のエージェントサービスを提供するレバテックは今年2月、自社サービスにおけるITエンジニア・クリエイターの人材需給動向を公開しました。これによると、2022年12月のITエンジニア・クリエイターの正社員求人倍率は15.8倍だったとのこと。厚生労働省が毎月取りまとめている「一般職業紹介状況」(ハローワークにおける求人、求職、就職の状況)では、同時期の有効求人倍率が1.35倍ですので、かなりの高水準であると言えます。

こうした状況はイレギュラーではなく、ここ数年のトレンドです。同社のデータでは、21年の春ごろから有効求人倍率が15%を超える水準で推移しており、高止まり状態が続いています。

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ITエンジニア・クリエイター正社員求人数・求人倍率(出典:レバテック)


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ITエンジニア・クリエイター正社員転職希望者数・求人倍率(出典:レバテック)


求人数も増加傾向にあり、22年12月は前年同月比1.28倍になりました。一方で転職希望者数も21年7月以降増加を続けており、22年12月は過去最高で、前年同月比146%に達したといいます。「新型コロナウイルス感染拡大の影響により、21年中においては転職希望者数の増加幅が鈍化していましたが、現在では完全に回復した」としています。

「クラウド」「データマイニング」の人材獲得競争が激化

レバテックの発表では、22年12月の職種・スキル別の求人倍率も整理しています。前月比で求人倍率が増加したのは、「PHP」「Java」「データマイニング」「Web デザイン」「Webディレクション」など。このうち「Java」「データマイニング」は前年同月比でも増加しています。

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ITエンジニア・クリエイター スキル・職種別求人倍率(出典:レバテック)


DXの基盤整備を進める上で多くの企業が主要技術として幅広く活用するであろう「クラウド」のエンジニアに関しては、求人倍率こそ微減となったものの、転職希望者数、求人数とも増加傾向にあります。転職希望者数は前年同月比1.79倍で、求人数は前年同月比1.26倍だったそうです。

今回の取りまとめを総括して、同社は特に「クラウド」や「データマイニング」の人材調達で競争が激化するとして、「既存社員へのリスキリングもしくはフリーランスの活用が進んでいく」と予測。さらに、求人倍率の高止まりが続くITエンジニアの正社員採用においては「自社の開発言語を用いた人材以外に採用対象を広げて、スキルチェンジをする体制を整備していくことも考慮していく必要がある」と指摘しています。

転職1年目の平均年収も高いITエンジニア

求人倍率や求人数以外だけでなく、企業が支払う報酬の面からもITエンジニアのニーズの高さがうかがえます。マイナビが運営する総合転職情報サイト「マイナビ転職」は先ごろ、「2022年3月度 正社員の平均初年度年収推移レポート」を発表しました。これはマイナビ転職に掲載された求人について、転職1年目の年収の平均をさまざまな軸で比較したものです。

業種別では、最も高かったのが「環境・エネルギー」で505.1万円、次いで「IT・通信・インターネット」503.0万円、「コンサルティング」489.8万円と続きました。IT・通信・インターネットは、経験者求人の比率が55.5%と全業種中最も高く、業界として即戦力のニーズが高いことがうかがえます。

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2022年3月の職種別平均初年度年収ランキング(出典:マイナビキャリアリサーチLab)


一方、職種別の比較では、550.4万円の「コンサルタント・金融・不動産専門職」が最も高く、次いで「ITエンジニア」が545.3万円、「企画・経営」が512.4万円という結果になりました。

まとめ

求人倍率を見ても、転職1年目の平均年収を見ても、ITエンジニアに対するニーズは総じて高く、人材獲得競争は今後さらに激化する可能性が高いというのが、転職支援サービス市場の共通見解のようです。

日本経済新聞は2月8日付の記事で、ITベンダーに所属していたITエンジニアが非ITベンダーの事業会社に転職して年収を上げる事例が目立つようになっていると報じていますが、すでに熾烈な競争が始まっていることの現れと見ることもできるでしょう。自社のDXビジョンに照らして不足しているケイパビリティとスキルをしっかり整理した上で、戦略的な人材採用・育成を進めていく必要がありそうです。



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