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最新のテクノロジートレンドをキャッチアップ ガートナーがハイプ・サイクル最新版を発表

DX

非常に短いスパンで移り変わるデジタルビジネスやテクノロジーのトレンドをキャッチアップするのはなかなか大変です。しかし、DXが経営の必須科目になった現在、あらゆるビジネスパーソンにとってそうしたトレンドへの目配りは不可欠になったと言えるでしょう。
その点で、調査会社:米ガートナーが毎年発表している「先進テクノロジのハイプ・サイクル」は、参考になるレポートの一つです。

目次

  1. 最新版は25の先進テクノロジーをピックアップ
  2. デジタル体験はどんどん没入型に
  3. テクノロジーの戦略的活用を支援する流れが加速
  4. 「ビジネスのイノベーション」の参考資料として

 

1. 最新版は25の先進テクノロジーをピックアップ

テクノロジーが世に出て社会に浸透していく一連のサイクルを「黎明期」「『過度な期待』のピーク期」「幻滅期」「啓発期」「生産性の安定期」の五つのフェーズに分け、注目すべき先進テクノロジーの現在地を特徴的な曲線図上にマッピングしています。新しいテクノロジーが世に出て、PoCなどを繰り返すうちに耳目を集め、中にはマスメディアなどで実態以上の期待を集めながらバズワード化し、淘汰の波を乗り越え市場に価値を認められたものが社会に実装されていく——。そんな様がうまく表現されていると感じる読者も多いのではないでしょうか。

近未来のテクノロジートレンドを展望する際に、グローバルで有力な知見の一つだと目されていますし、毎年更新されるので定点観測的な見方もできます。グローバル版だけでなく、ガートナー日本法人が国内市場を対象に日本独自のハイプサイクルを発表するなど、ローカルとグローバルの状況の対比といった視点を提供しているのも特徴です。

8月16日には、最新版の「先進テクノロジのハイプサイクル2022年」を発表しました。

hypecycle2022.png

ここで取り上げた先進テクノロジーは25種類で、ガートナーはこれらを「イマーシブ・エクスペリエンスの進化と拡大」「人工知能(AI)自動化の加速」「テクノロジストによるデリバリの最適化」という三つのテーマに分類できるとしています。個々の先進テクノロジーは淘汰の波に消えていくものも少なくないわけですが、これらは社会に浸透していく可能性が高いよりマクロなトレンドとして提示されたと捉えていいかもしれません。それぞれ少し詳しく見てみましょう。

  

2. デジタル体験はどんどん没入型に

「イマーシブ・エクスペリエンス」とは没入型体験のことです。従来、VRやAR、MRなどの可能性に言及するという文脈で使われてきた印象が強い言葉ですが、新しいテクノロジーを組み合わせることでさらに進化し、広い範囲に浸透していく可能性をガートナーは指摘しています。この領域で注目すべき先進テクノロジーとしては、「メタバース」「NFT(非代替性トークン)」「スーパーアプリ」「Web3」「分散型アイデンティティ」「デジタル・ヒューマン」「顧客のデジタル・ツイン」「インターナル・タレント・マーケットプレース」を挙げています。

「過度な期待」のピークに近づいているWeb3は象徴的なキーワードです。ブロックチェーンなどをベースに、インターネット上のデータ流通・管理の新しい在り方、具体的には巨大プラットフォーマーによる中央集権的なデータ管理・活用から、自分に関するデータを自身の意思でハンドリングできる分散型のデータ管理・活用にシフトしていこうというトレンドですが、NFTや分散型アイデンティティなど、Web3関連のテクノロジーが複数リストアップされています。

これに、メタバースという仮想空間の複雑化・高度化や、デジタル・ヒューマン、顧客のデジタル・ツインといったデジタル・ツインの適用範囲拡大の流れが組み合わさることで、デジタルテクノロジーがもたらす価値が中長期的なスパンで大きく変わっていく可能性があることを示唆したかたちです。

ガートナーはハイプ・サイクル2022年を発表した際のプレスリリースで次のようにコメントしています。「先進テクノロジの組み合わせにより、これからのデジタル・エクスペリエンスは、さらなる没入型のエクスペリエンスへと進化し、顧客や人は、より新しい体験をするようになるだろう。個人は自身のアイデンティティとデータをコントロールし、デジタル通貨との統合が可能なバーチャルなエコシステムを体験できるようになる。また、企業は、新たな方法で顧客にリーチし、収益源を強化または新規開拓するようになる」

興味深いのは、Web3関連のテクノロジーはいずれも「過度な期待」のピーク付近に配置されている一方で、社会や市場に定着するまでには長くて10年ほどの時間を要するとされている点です。実際にどのように社会に実装されていくのか、分水嶺に立っていると見ることもできそうです。一方で、メタバースやデジタル・ヒューマンは黎明期にあり、主流の技術になるまでに10年以上かかると予測しています。

3. テクノロジーの戦略的活用を支援する流れが加速

AI自動化の加速を担う注目の先進テクノロジーとしては「オートノミック・システム」「コーザルAI」「ファウンデーション・モデル」「ジェネレーティブ・デザインAI」「機械学習コード生成」を挙げています。

AIはもはや情報システムやデジタルサービスに広く活用されるようになっています。それに伴い、開発・導入のハードルを下げつつ、意図どおりに成果を出すまでの時間を短縮したいというニーズは高まっており、「AIモデルの開発、トレーニング、デプロイの自動化と、そこで適用可能な専門AIモデルの作成が加速している」とガートナーは分析しています。

三つめのテーマであるテクノロジストによるデリバリの最適化では、プロダクトやソリューション開発・運用のプラットフォームの進化に関連する重要テクノロジーをピックアップしています。以下、列挙します。「拡張FinOps」「クラウド・データ・エコシステム」「クラウド・サステナビリティ」「コンピュテーショナル・ストレージ」「サイバーセキュリティ・メッシュ・アーキテクチャ」「データ可観測性」「動的リスク・ガバナンス」「インダストリ・クラウド・プラットフォーム」「実用最小限のアーキテクチャ」「オブザーバビリティ駆動型開発」「オープン・テレメトリ」「プラットフォーム・エンジニアリング」

近年、ビジネスとテクノロジーの距離が従来以上に近くなり、もはや完全に重なる範囲がどんどん大きくなっていく状況にあります。テクノロジーをビジネスに戦略的に活用することを支援するトレンドが、多方面で盛り上がっているのは間違いないと言えそうです。

4. 「ビジネスのイノベーション」の参考資料として

ガートナーのアナリストでバイスプレジデントを務めるメリッサ・デイヴィスさんは「先進テクノロジーにはビジネスを変革する潜在能力があるが、CIOやテクノロジ・イノベーションのリーダーは、リソースの制約拡大に直面する中で、サステナビリティを向上させながらデジタル・ケイパビリティを拡張するという大きな課題を突き付けられている」と指摘しています。

新しいテクノロジーそのものが全てを解決してくれるわけではなく、テクノロジーの活用を前提とした「ビジネスのイノベーション」が、企業・組織の成長や競争力の向上には不可欠です。先進テクノロジのハイプ・サイクルは、そのために有用な参考資料の一つとして市場の評価を得ています。改めて目を通してみてはいかがでしょうか。

 

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