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データ統合とは?重要性やメリット、進め方を解説

データ統合とは?重要性やメリット、進め方を解説

データ統合とは、社内外に分散しているさまざまな情報を収集・整理し、一元管理・活用できるようにする取り組みです。データ統合により、企業は多くのデータを相互利用できるようになり、業務効率や意思決定速度の向上などが期待できます。

そこで本記事では、データ統合とは何か、基本的な考え方や重要性、実施するメリットなどについて解説します。データ統合の具体的な進め方や成功のためのポイントも紹介するので、これから自社のデータ統合を実施する場合はぜひ参考にしてください。

データ統合とは

データ統合とは、企業内外に分散して存在するさまざまなデータを一元的に収集・整理し、統合的に管理・活用できるようにする仕組みやプロセスを指します。

企業活動では、営業・マーケティング・生産・人事・会計など多岐にわたる部門で個別にデータが蓄積されており、それぞれのシステムが独立している場合が一般的です。このような状態では、データの相互利用が困難になり、業務効率や意思決定のスピードに悪影響を与えてしまいます。

データ統合を行うと、異なる形式・構造のデータを共通の基盤に集約し、統一的なルールで管理可能です。たとえば、顧客情報・販売履歴・在庫データ・Webアクセスログといった異種データを統合することで、部門を横断した全社的な分析が可能になります。これにより、断片的な情報しか見えていなかった業務を俯瞰的に把握できるようになり、迅速かつ精度の高い意思決定が実現できるでしょう。

また、データ統合は単なるデータの集約ではなく、整合性・正確性・鮮度を保ちながら統合する点も重要です。データ形式や命名規則の標準化、重複排除、欠損補完などのデータクレンジングも統合プロセスに含まれます。このように、データ統合は企業の情報資産を最大限に活用するための基盤整備として欠かせない取り組みです。

データ統合の重要性

データ統合は、DXを推進するうえで極めて重要な役割を果たします。DXでは、データを活用した迅速な意思決定や業務プロセスの自動化、顧客体験の向上などが求められますが、これらを実現するにはデータが部門やシステムごとに分断されていてはなりません。サイロ化されたデータ環境では、情報の取得や分析に時間がかかり、変化の激しい市場環境に迅速に対応することが困難です。

また、企業が保有するデータは年々爆発的に増加しています。IoT機器やWebサービス、クラウドアプリなどから生成されるデータは多様かつ膨大であり、これらを個別に管理していては正確性や一貫性を保つのは難しいでしょう。データ統合によってデータを一元化することで、信頼性の高い「信頼できる唯一の情報源(Single Source of Truth)」を構築でき、意思決定の根拠となるデータの品質を確保できます。

さらに、データ統合はガバナンスやコンプライアンスの観点からも欠かせません。個人情報保護法など、データに関する法規制は年々厳格化しています。データ統合によってデータの所在や利用状況を明確化することで、法令遵守を徹底しやすくなるでしょう。加えて、統合基盤上でアクセス権限や利用履歴を管理することで、不正利用や情報漏えいの防止にもつながります。

データ統合のメリット

データ統合により、社内外の情報を統合的に管理・利用できるようになると、さまざまなメリットを享受できます。ここでは、データ統合の主なメリットとして、以下の4点についてチェックしておきましょう。

・サイロ化を防ぐことができる
・データ管理を効率化できる
・データ分析を効率化できる
・コストを削減できる

サイロ化を防ぐことができる

データ統合の大きなメリットは、部門ごとに孤立しているデータをつなぎ、サイロ化を防げる点です。

従来は部門単位で導入された業務システムが個別にデータを蓄積していたため、部門間でデータの連携が困難でした。たとえば、営業部が管理する顧客情報とマーケティング部が管理する購買履歴が別々に存在していると、顧客の全体像を把握できず、適切な施策立案が難しくなります。

データ統合を実施すると、異なるシステムのデータを共通基盤に集約し、横断的に参照・分析できる環境を整えられます。部門をまたいだ情報共有がスムーズになり、顧客対応や在庫調整などの判断が迅速になるでしょう。また、全社的なデータ活用が進むことで、部門間の連携や協働も促進され、組織全体の生産性向上につながります。

データ管理を効率化できる

データ統合により、複数のシステムに分散していたデータを一元管理できるようになります。これにより、データ入力や更新作業の二重化を防ぎ、管理にかかる手間や工数を削減可能です。従来は同じ情報を複数のシステムに登録していたため、入力ミスや更新漏れといった問題が発生しやすかったのに対し、統合基盤で一元管理すればデータの整合性と鮮度を維持しやすくなるでしょう。

さらに、データの所在や構造が明確になることで、管理者が全体像を把握しやすくなります。どの部門がどのデータを保有しているかを即座に把握でき、アクセス権限やセキュリティ管理も一括で行えるため、ガバナンス強化も可能です。このように、データ統合はデータ管理におけるムダやリスクを大幅に減らす効果があります。

データ分析を効率化できる

データ統合を行うと、分析に必要なデータを横断的に取得できるようになるため、データ分析の効率が格段に向上します。従来は複数のシステムからデータを抽出し、フォーマットを揃えて結合するだけでも大きな手間がかかっていましたが、統合基盤があればこの前処理作業を自動化可能です。

また、異なる種類のデータを掛け合わせた高度な分析も容易になります。たとえば、購買履歴とWebアクセスログ、在庫データを統合することで、顧客行動を分析して需要予測の精度を高めるといった活用が可能です。迅速かつ高精度な分析結果は意思決定のスピードと質を高め、ビジネス競争力の強化につながります。

コストを削減できる

データ統合は、長期的にはコスト削減にも寄与します。システムごとに重複してデータを保有・管理していると、その分だけストレージや保守、運用にかかる費用が増大します。データ統合により重複データを整理・削除することで、システム全体の保守コストを削減可能です。

また、データ収集・加工・分析の作業を自動化することで、担当者の作業負荷を軽減し、人件費の削減にもつながるでしょう。さらに、データの品質が向上することで誤った意思決定による損失を防げるため、間接的なコスト抑制効果も期待できます。

データ統合の手順

データ統合は、単に社内外のデータを集約すればよいというわけではありません。自社で効率的にデータ統合を実施するためには、正しい手順に沿った作業が必要です。ここでは、データ統合の一般的な手順として、以下のステップについてそれぞれ確認しておきましょう。

・データ統合の目的を明確にする
・データ統合するデータを決める
・ツールを選定する
・必要な環境・体制を整える
・データを収集・加工する

データ統合の目的を明確にする

データ統合を始めるにあたって、最初に目的を明確化することが重要です。目的が曖昧なまま統合を進めると、膨大な作業量に対して期待した効果が得られない恐れがあります。たとえば「販売予測の精度を上げたい」「顧客体験を向上させたい」「データガバナンスを強化したい」といったように、統合によって何を達成したいのかを具体的に定義しましょう。

目的が定まれば、統合対象とするデータの範囲や粒度、更新頻度なども決めやすくなります。プロジェクト関係者間で共通認識を持つことで、無駄な作業や機能追加を防ぎ、スムーズに進行できるでしょう。

データ統合するデータを決める

目的を明確にしたら、統合するデータの範囲を決めましょう。企業内には、基幹システム・CRM・ERP・会計・人事・IoTデバイスなど多種多様なデータが存在しており、それらをすべて統合しようとすると膨大な労力がかかります。そのため、最初は優先度が高いデータに絞って統合を進めるのが現実的です。

また、データのフォーマットや品質も事前に確認しておく必要があります。フォーマットが異なると統合時に変換処理が必要になり、品質が低いと後続の分析結果に悪影響を与えます。統合前にデータクレンジングや標準化を行う計画も立てておきましょう。

ツールを選定する

データ統合を円滑に進めるためには、まず自社に適したツールを選定することが欠かせません。データ統合ツールは多種多様で、目的や機能が異なる製品が存在します。そのため、選定時には自社が抱えるデータ統合の目的や課題を明確にし、必要となる機能要件を洗い出すことが重要です。

また、将来的な拡張性やクラウドサービスとの連携性、既存システムとの互換性も慎重な確認が必要です。

さらに、操作性や学習コスト、サポート体制、ライセンス費用なども導入後の運用に大きく影響するため、機能面だけでなく総合的な視点で評価することが大切です。可能であればトライアル導入やベンダーへのヒアリングを実施し、自社の運用環境で問題なく使えるかを事前に検証しておきましょう。

必要な環境・体制を整える

ツールを選定したあとは、そのツールを十分に活用できるよう、社内の環境や体制を整備することが欠かせません。ツールを導入しただけでは目的を達成できないため、運用に耐えられる基盤を構築する必要があります。

さらに、インフラやネットワーク、セキュリティなどの基盤整備も必要です。オンプレミス・クラウドいずれを選ぶ場合でも、選定したツールが安定稼働するだけの処理能力やストレージ容量、ネットワークを確保し、バックアップや冗長化などの障害対策も計画的に整備します。

また、運用・保守体制の明確化も重要です。日常的なデータ連携の実行・監視・障害対応を担う担当者や、ツールのアップデートやライセンス管理を行う管理者など、役割分担を事前に定義しておきましょう。

データを収集・加工する

準備が整ったら、実際にデータを収集し、統合基盤に取り込む作業に進みます。複数のシステムやデータソースからデータを抽出し、フォーマット変換や項目名の統一、重複削除、欠損補完などの前処理(データクレンジング)を行いましょう。そのうえで、統合基盤にロードし、統一された構造で管理できるようにします。

データ統合後は、統合結果が正しく反映されているかをテストし、定期的な更新やメンテナンスのスケジュールも策定します。運用開始後もデータ品質を維持し続けるためには、継続的なモニタリングと改善活動が不可欠です。

データ統合を成功させるポイント

データ統合は企業の情報基盤を整備する重要なプロジェクトですが、単にシステムをつなげるだけでは期待した効果を得られません。

ここでは、データ統合を確実に成功させるための主なポイントとして、以下の5点を紹介します。

・経営層・現場を巻き込んだ体制づくり
・データガバナンスの整備
・小規模・段階的に進める
・統合後の活用シナリオを明確にする
・継続的な改善を前提にする

経営層・現場を巻き込んだ体制づくり

データ統合を成功させるには、経営層から現場担当者まで幅広い関係者を巻き込む体制づくりが欠かせません。経営層がリーダーシップを発揮し、統合プロジェクトを全社戦略の一環として位置づけることで、必要な予算や人員を確保しやすくなります。

また、実際にデータを扱う現場担当者を早い段階からプロジェクトに参加させることも重要です。現場の業務フローやデータ利用実態を理解しているメンバーが関わることで、机上の要件定義では見落としがちな課題に気づけます。経営と現場の両輪がそろうことで、実効性のある統合計画を策定できるでしょう。

データガバナンスの整備

データ統合では、単にデータを集めるだけでなく、品質やセキュリティ、権限管理などを含めた「データガバナンス」の仕組みを整備することが重要です。統合基盤上で取り扱うデータは全社的に利用されるため、信頼性と安全性を確保しなければなりません。

データガバナンスの整備では、データの定義や命名規則、更新ルールなどを標準化します。さらに、アクセス権限の範囲やデータ利用の承認プロセスも明確にし、監査ログを残す仕組みを構築しておくとよいでしょう。これにより、不正利用や情報漏えいのリスクを最小限に抑えつつ、データの有効活用を推進できます。

小規模・段階的に進める

データ統合は対象範囲が広くなるほど複雑性が増し、失敗のリスクも高まります。そのため、初期段階からすべてのデータを統合しようとせず、小規模な範囲から段階的に進めるアプローチが効果的です。

たとえば、まずは営業部門とマーケティング部門のデータを統合して顧客情報の一元化を行い、成果を確認したうえで他部門へ拡大していくといった進め方が現実的です。段階的に進めることで、プロジェクトメンバーがノウハウを蓄積でき、後で発生する課題にも柔軟に対応しやすくなります。

統合後の活用シナリオを明確にする

統合したデータをどのように活用するのかというシナリオを明確に描いておくことも重要です。目的が不明確なままデータを統合しても、使われずに放置されてしまう恐れがあります。

たとえば「顧客属性と購買履歴を統合し、ターゲティング精度を高める」「製造ラインのセンサー情報と品質データを連携し、不良率を低減する」といった具体的な活用目標を設定しましょう。活用イメージを共有することで、統合後の運用フェーズもスムーズに移行できます。

継続的な改善を前提にする

データ統合は一度で完成するものではなく、運用開始後も継続的な改善が必要です。新たなシステムの導入や業務内容の変更に伴い、統合対象やデータ構造も変化していきます。統合後のデータ品質を定期的に評価し、不整合や重複、不足などの問題があれば早期に是正する仕組みを整えましょう。

また、統合基盤やツールの性能・コストも定期的に見直し、時代に合わせてアップデートすることが重要です。継続的な改善サイクルを回すことで、データ統合基盤を企業の成長に合わせて進化させられます。

まとめ

本記事では、データ統合とは何か、重要性やメリット、進め方などについて解説しました。データ統合は、企業内外に散在するデータを一元的に管理・活用できるようにする取り組みであり、DXを推進するうえでも欠かせない要素です。

データ統合を行うことで、部門ごとに分断された情報(データのサイロ化)を解消し、業務効率や意思決定のスピードを向上させることができます。さらに、正確で最新のデータを基盤に分析を行えるようになるため、ビジネス戦略の高度化や競争優位性の確保にもつながります。

一方で、データ統合を成功させるには、統合の目的や対象範囲を明確に定め、適切なツールを選定し、整備された環境・体制のもとで進めることが重要です。ツール選びでは、機能や拡張性、既存システムとの互換性、操作性、コストなどを総合的に評価し、自社に最適な製品を導入する必要があります。

さらに、データ収集・加工のルール整備や、継続的な運用・改善の仕組みを構築することで、長期的に安定したデータ活用基盤を確立できるでしょう。

こうしたデータ統合を効率的に実現したい企業には、統合型業務プラットフォーム 「intra-mart」 の活用がおすすめです。intra-martは、業務プロセス管理(BPM)やワークフロー、アプリケーション開発、データ連携機能を一元的に備えており、ノーコード・ローコードによる迅速なシステム構築にも対応しています。分散したデータを統合しながら、業務の標準化や効率化、自動化を一気通貫で進められるため、DX基盤の整備に最適です。

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