バックオフィス業務が抱える課題と効率化するための方法を徹底解説

企業の中で花形となるのは営業部門などのフロントオフィスですが、総務部門や人事部門、財務部門といったバックオフィスがフロントオフィスを支えなければ企業活動は成り立ちません。
重要な部門であるにも関わらず、非生産部門であるため、人員が補強される頻度はそう高くはありません。このため、担当者一人ひとりにかかる業務負担は重いものとなりがちです。
業務を効率化し、これを改善しなければ、担当者のモチベーションも落ちてしまいますし、ミスが増えたり業務の処理スピードが落ちたりなど、従業員にとっても企業にとってもデメリットが生じます。
本コラムでは、バックオフィス業務の課題と、効率化する方法をご紹介いたします。
1. バックオフィス業務とは
そもそも、「バックオフィス」とは何でしょうか?まずは、バックオフィスと対になる「フロントオフィス」からご説明しましょう。フロントオフィスとは、顧客との接点となる部門のことで、営業部門やマーケティング部門などが該当します。これに対し、バックオフィスは直接的に顧客対応を行わない部門を指します。具体的には、人事部門・総務部門・財務部門・情報システム部門などが該当します。
また、両者の中間にあたる「ミドルオフィス」として、営業サポート部門などがあります。
2. バックオフィス業務の課題
バックオフィス業務には、どのような課題があるのでしょうか?
主に、以下の4つが挙げられます。
アナログな業務が残っている
社内向けの書類を扱うことも多いバックオフィスですが、未だに紙と判子で処理しているというところも少なくありません。また、PCでの作業であっても、ツールの導入などで自動化できるような単純作業を手作業で行っているのであれば、それはアナログな作業といえます。こうした作業は本来しなくて済む作業であり、業務効率を下げています。
人手が不足している
生産部門である営業部門などに比べると人員が補充されにくいバックオフィスは、慢性的な人材不足の傾向にあります。一人で膨大な業務を抱え、繁忙期には残業になることも珍しくありません。こうした状況で、前項のようなアナログな作業がさらに負担になっています。
業務が属人化している
少ない人員ですべての仕事を賄うケースが多いバックオフィス業務では、業務が属人化してしまい、ほかの従業員には業務の全貌や詳細が見えないブラックボックス状態になっているケースもあります。ブラックボックス化していることで、業務改善も進まず、ムリ・ムダ・ムラがそのまま放置される原因にもなります。
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社内ヘルプデスク業務が多い
バックオフィス業務の多くは社内の従業員を対象としたものであるため、従業員から手続き方法などに関するさまざまな問い合わせが寄せられることが多いものです。これらの社内ヘルプデスクもバックオフィス業務のうちではありますが、マニュアルやメールなどですでに周知している内容に関する同じような質問がたくさん寄せられます。これが、業務効率を下げる要因となっています。
3. バックオフィス業務を効率化するメリット
上記のようなバックオフィスが抱える課題を解消すれば、業務効率化を実現できるでしょう。
バックオフィス業務を効率化することで、次のようなメリットが得られます。
ミスの防止
業務フローの見直しやツールの導入などで業務を効率化することによって、バックオフィスの担当者は必要以上の作業をせずに済むようになります。このため、ヒューマンエラーを抑制することができます。
ミスを防止できることで、作業の手戻りもなくなり、さらなる効率化につながります。
人件費の削減
業務効率化によって、担当者がこなさなければならない業務量を減らすことができるため、残業時間を抑制したり、人員増強を行わずに済んだりします。このため、バックオフィス業務にかかる人件費を削減・抑制することが可能です。
生産性の向上
業務効率化によって削減できた工数を、もっと重要で人にしかできないような企画業務などに当てられるようになり、生産性向上にもつながります。
業務負担や残業の削減によって従業員のモチベーションアップにもつながるため、この面からも生産性の向上が期待できます。
属人化の解消
業務効率化を実施することで、業務フローを見直したり、業務が可視化されたりするため、業務内容を社内で共有しやすくなります。このため、属人化の解消にもつながります。
属人化を解消することで、担当者の異動や退職時の引き継ぎもスムーズに行えるようになります。
4. バックオフィス業務を効率化するための方法
バックオフィス業務を効率化するための方法として、主に次の3つが挙げられます。
業務フローの見直し
まずは、既存のバックオフィス業務を棚卸しして、ムリ・ムダ・ムラを解消するところから始めましょう。それまでは惰性で疑問を持たずに行ってきた定型業務でも、改めて詳細に見直すことで改善点が見えてきます。
業務の全体像が見えたら、省ける部分や順序を入れ替えた方がスムーズになる部分、ツールやアウトソーシングなどに任せられる部分などがないかを検討してみましょう。
デジタルツールの活用
定型業務や単純作業など、人よりもコンピューターの方が適している業務については、RPAなどのデジタルツールに任せてしまった方が、ミスなくスピーディに実施できます。
バックオフィスに活用できる最近のデジタルツールには、
- RPA(Robotic Process Automation)
- チャットボット
- SaaS(Software as a Service)
などがあります。
いきなり費用をかけて導入することはできないという場合は、無料で使えるツールもたくさんあるので、試用してから本格的に検討すると良いでしょう。
アウトソーシングの活用
手放せる業務がまとまったボリュームであれば、社外へアウトソーシングするのも良い選択肢です。アウトソーシングサービスにもさまざまなタイプがあり、業務の企画立案から任せられるものもあります。アウトソーシングのメリットは、その分野のプロに必要な分だけ業務を委託できる点です。委託先によっては、自社で対応するより高品質な業務を提供してもらえる可能性もあります。
5. まとめ
バックオフィス業務は、フロントオフィス業務と同様、組織にとってなくてはならないものです。ただ、営業部門などの生産部門に比べると、人員増強がされにくい傾向があり、担当者一人当たりの業務負担は大きくなりがちです。
バックオフィスの業務効率化のためには、まず業務フローを見直した上で、ツールを活用したりアウトソーシングに出したりする方法がおすすめです。
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