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サイロ化を解消する方法とは?解消するメリットやポイントを解説

サイロ化を解消する方法とは?解消するメリットやポイントを解説

この記事を読んでわかること

  • サイロ化の意味や起こる原因
  • サイロ化によって発生する問題と解消するメリット
  • 組織・データ・システムのサイロ化を解消する方法とポイント

企業の規模が拡大し、部署や拠点、業務システムが増えると、組織内の情報が分断されることがあります。営業部門が持つ顧客情報をほかの部署が把握できない、複数のシステムに同じデータを入力しているといった状況は「サイロ化」が起きている可能性があります。

サイロ化が進むと、部門間の連携が難しくなるだけでなく、業務効率の低下や意思決定の遅れ、データ活用の阻害などを招きかねません。一方、単にシステムを統合するだけでは、組織や業務プロセスに残るサイロ化まで解消できない場合があります。

本記事では、サイロ化の意味や発生する原因、企業にもたらす問題を解説します。サイロ化を解消するメリットや具体的な方法、取り組む際のポイントも紹介するため、組織やシステムの分断に課題を感じている方は参考にしてください。

サイロ化とは

サイロ化とは、組織やシステム、データなどがそれぞれ独立し、相互の連携が十分に取れていない状態です。

「サイロ(silo)」は、穀物や飼料などを保管するための貯蔵庫を意味します。サイロがそれぞれ独立して存在する様子になぞらえて、企業内の部署やシステムなどが分断された状態を「サイロ化」と呼ぶようになりました。

企業におけるサイロ化は、主に「組織」「データ」「システム」の観点から整理できます。

種類 概要 具体例
組織のサイロ化 部署や拠点などが独立し、連携が不足している状態 営業部門と製造部門で必要な情報が共有されていない
データのサイロ化 データが部署・システムごとに分散している状態 顧客情報が複数のデータベースに別々に保存されている
システムのサイロ化 システム同士が分断され、連携できていない状態 販売管理と在庫管理のデータを手作業で転記している
 
 

たとえば、営業部門がCRMで顧客情報を管理し、経理部門が別の会計システム、物流部門が独自の在庫管理システムを利用しているとします。それぞれのシステムが連携していなければ、必要な情報を部門間で受け渡したり、同じデータを複数回入力したりしなければなりません。

各部署にとって使いやすい仕組みを構築した結果、企業全体では情報が分断されてしまうケースもあります。サイロ化は単に「部署間の仲が悪い」「古いシステムを使用している」といった問題ではありません。組織構造、業務プロセス、システム、データなどが複雑に関係して発生する課題と考える必要があります。

 

サイロ化が起こる原因

サイロ化は、特定の部署や担当者が意図的に情報を閉じ込めることで発生するとは限りません。ここでは、サイロ化が起こる主な原因として以下の3つを紹介します。

  • 組織構造・文化
  • 個別システムの設計・導入
  • 部署に合わせた業務プロセス

組織構造・文化

部署や拠点ごとの役割が明確に分かれている組織では、部門内の業務を効率化できる一方、部門間の交流が少なくなることがあります。

たとえば、営業部門は売上、製造部門は生産性、購買部門は調達コストといったように、それぞれ異なる目標やKPIを重視しているケースです。自部門の目標達成を優先するあまり、企業全体の業務プロセスを意識しにくくなる場合があります。

さらに、部署ごとに専門用語や業務ルールが異なれば、ほかの部署の業務を理解する機会も減少します。「必要な情報は部署内だけで管理する」という文化が定着すると、情報共有が進みにくくなるでしょう。

事業部や拠点ごとに大きな裁量を与える組織体制でも注意が必要です。各組織の意思決定を速められる一方、企業全体で統一したルールや情報共有の仕組みがなければ、組織間の分断につながる可能性があります。

個別システムの設計・導入

部署や拠点ごとに個別のシステムを導入することも、サイロ化の原因です。

企業では、会計、人事、販売、在庫、生産、顧客管理など、業務ごとにさまざまなシステムが使用されています。必要になるたびに個別のシステムを導入すると、それぞれの業務には適していても、システム間の連携まで考慮されていない状態になりかねません。

たとえば、営業部門のCRMに登録した顧客情報を、受注管理システムや会計システムへ手入力している場合です。同じ情報が複数のシステムに保存されるため、入力作業が増えるだけでなく、更新のタイミングによって内容が一致しない可能性もあります。

さらに、システムごとにデータ形式やマスターデータの定義が異なると、後から連携させる際の負担も大きくなります。

短期的な業務課題だけを基準にシステムを選ぶのではなく、将来的なデータ連携や全社的なシステム構成まで考えることが必要です。

部署に合わせた業務プロセス

部署ごとに最適化された業務プロセスも、サイロ化を引き起こす要因となります。

たとえば、営業部門では顧客名を基準に案件を管理し、経理部門では取引先コードを基準に管理している場合、同じ取引先でも情報の扱い方が異なります。申請・承認の方法や帳票、データ入力のルールなどが部署ごとに異なるケースもあるでしょう。各部署では効率的に運用できていても、部署をまたいで業務を進める際には、データの変換や確認といった作業が必要です。

企業の成長に伴って部署が増えたり、M&Aによって異なる業務プロセスを持つ組織が加わったりすると、こうした問題はさらに複雑になります。

システムだけを統合しても業務ルールがバラバラなままでは、サイロ化を十分に解消できません。業務プロセスも含めて全体を見直すことが求められます。

 

サイロ化によって発生する問題

サイロ化が進むと、情報共有が難しくなるだけでなく、日々の業務から経営判断まで幅広い領域に影響を与えます。ここでは、代表的な以下の4つの問題を解説します。

  • 業務効率が低下する
  • 意思決定の遅れが生じる
  • データを活用できない
  • サービス品質が低下する

業務効率が低下する

システムやデータが分断されると、本来は不要な作業が発生します。

代表的なのがデータの二重入力です。あるシステムに入力した顧客情報や受注情報を別のシステムへ手作業で入力すれば、その分だけ作業時間が増加します。転記ミスが発生すれば、修正や確認にも時間が必要です。

必要な情報がどこにあるのか分からず、担当者へ問い合わせたり、複数のファイルを探したりする作業も発生します。部署ごとに同じような業務を個別に実施していれば、企業全体で見ると重複した作業やシステムへの投資が発生している可能性もあるため要注意です。

意思決定の遅れが生じる

経営判断に必要な情報が複数の部署やシステムへ分散していると、データを集めるだけでも時間がかかります。

集計に数日かかれば、経営層が確認する時点では状況が変わっているかもしれません。また、部署によって集計基準や更新日時が異なると、どの数字を基準に判断すべきか確認する作業も必要です。

市場や顧客ニーズが変化するなかで、正確な情報を速やかに確認できない状態は、迅速な意思決定を妨げる要因になります。

データを活用できない

企業には、顧客情報や販売実績、問い合わせ履歴、在庫、Webサイトの行動データなど、多くのデータが蓄積されています。しかし、それらの情報が部署やシステムごとに分断されていると、データ同士を組み合わせた分析は困難です。

たとえば、顧客の購入履歴と問い合わせ履歴、Webサイト上の行動を統合できれば、顧客ニーズをより詳しく分析できる可能性があります。データがそれぞれ独立していれば、こうした横断的な分析は容易ではありません。

生成AIやBIツールなどを活用する際にも、基となるデータを利用できる状態に整える必要があります。データの所在や形式、定義がバラバラでは、高度な分析ツールを導入しても十分な効果を得られない可能性があるため注意してください。

サービス品質が低下する

サイロ化は、社内業務だけでなく顧客へのサービスにも影響する場合があります。

たとえば、営業担当者が顧客から問い合わせを受けても、サポート部門が管理する過去の問い合わせ履歴を確認できなければ、顧客に同じ説明を求めることになるかもしれません。

顧客から見れば、対応する部署が異なっても同じ企業です。部門間で情報を共有できていないことによって回答が遅れたり、説明内容に食い違いが生じたりすれば、顧客体験を損なう可能性があります。

 

サイロ化を解消するメリット

サイロ化を解消して組織やデータ、システムを横断的につなぐことで、企業全体の業務を改善しやすくなります。主なメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • 業務効率化
  • データの価値向上
  • 意思決定スピードの向上

業務効率化

サイロ化を解消すると、部署やシステムをまたぐ際に発生していた重複作業を減らせます。

システム間でデータを連携できれば、同じ情報を複数回入力する必要がありません。入力作業を減らすことで、従業員の負担だけでなく転記ミスの削減も期待できます。業務プロセスを全社的に整理することで、部署ごとに重複していた作業や不要な承認手続きなどを発見できる場合もあるでしょう。

各部署だけを対象に効率化するのではなく、受注から出荷、請求までのように一連の業務プロセスを横断して見直すことがポイントです。

データの価値向上

データを統合すると、個別に保有していたときには分からなかった情報を分析しやすくなります。

たとえば、販売データと顧客情報を組み合わせれば、「どの顧客層がどの商品を購入しているか」を分析できます。問い合わせ履歴などを組み合わせれば、購入後の行動まで含めた分析も可能です。

全社でデータの定義や管理方法を統一すれば、「部署によって売上の数字が違う」といった問題も防ぎやすくなります。

重要なのは、データを一か所へ集めること自体ではありません。必要な人が必要なタイミングで信頼できるデータを利用できる状態を整えることで、データを経営や業務改善に活用しやすくなります。

意思決定スピードの向上

企業内のデータを横断的に確認できる環境を構築すれば、経営判断に必要な情報を集める時間を短縮できます。

売上や在庫、原価などの情報が連携されていれば、担当部署へ資料作成を依頼してから経営層が確認するまでの待ち時間を減らせます。リアルタイムまたは短い間隔で情報を更新できる仕組みなら、現状に近いデータを基に判断しやすくなるでしょう。

市場環境の変化が速い状況では、情報を持っているだけでなく、必要なタイミングで利用できることが重要です。サイロ化の解消は、データに基づいた意思決定を支える基盤づくりにもつながります。

 

サイロ化を解消する方法

サイロ化を解消するには、原因に合わせた対策が必要です。ここでは、サイロ化を以下の3つに分けて解消方法を紹介します。

  • 組織のサイロ化
  • データのサイロ化
  • システムのサイロ化

組織のサイロ化

組織のサイロ化を解消するには、部署や拠点を越えて情報を共有し、協力できる環境を整える必要があります。

まずは、企業全体で共通する目標を明確にしましょう。部署ごとのKPIだけを重視すると、自部門の最適化が優先されやすくなります。全社目標と各部署の目標を関連付けることで、部門間で協力する意識を持つことができるでしょう。

部門横断型のプロジェクトを立ち上げたり、定期的な情報共有の場を設けたりする方法も有効です。人事異動や社内公募などを通じて、従業員がほかの部署の業務を理解する機会をつくる方法もあります。

ただし、会議や交流イベントを増やすだけでは十分ではありません。「どの情報を誰と共有するのか」「部門間の課題を誰が調整するのか」といったルールや責任範囲まで明確にすることが大切です。

データのサイロ化

データのサイロ化を解消するには、企業内にどのようなデータが存在し、どこで管理されているのかを把握することから始めます。

そのうえで、顧客コードや商品コードなどのマスターデータ、データ形式、更新ルールなどを整理します。同じ顧客がシステムごとに異なる名称やコードで登録されている状態では、単純にデータを集約しても正確に分析できません。

ERPやデータウェアハウス、データ連携ツールなどを活用し、複数のシステムに分散したデータを統合・連携する方法もあります。

同時に、「誰がデータを管理するのか」「どのデータを正とするのか」「誰が閲覧・更新できるのか」といったデータガバナンスを整備することも必要です。

システムのサイロ化

システムのサイロ化では、すべての既存システムを廃止してひとつに統一することだけが解決策ではありません。

現在利用しているシステムの役割や利用状況を整理し、重複しているものは統廃合を検討します。一方、業務上必要なシステムは残し、APIやデータ連携ツールなどによって接続する方法もあります。

会計や販売、人事、生産などの基幹業務をERPで統合する方法も選択肢のひとつです。ただし、既存システムの刷新にはコストや時間がかかるため、すべてを一度に置き換えることが適切とは限りません。

既存資産を活かしながら連携基盤を構築し、優先度の高い業務から段階的につなぐ方法も検討しましょう。

 

サイロ化を解消するときのポイント

サイロ化は長年の組織構造やシステム構成によって形成されていることが多く、短期間ですべてを解消するのは容易ではありません。取り組みを継続するために、以下の2つのポイントを押さえておきましょう。

  • 組織全体での交流の促進
  • データ統合の仕組みの構築

組織全体での交流の促進

サイロ化の解消は、情報システム部門だけに任せるのではなく、組織全体で取り組む必要があります。

システムを導入して情報共有の仕組みをつくっても、従業員が情報を登録・共有しなければ活用されません。なぜ情報共有が必要なのか、どのような業務課題を解決するのかを従業員へ伝えることが大切です。

部署を越えた定期的なミーティングや部門横断プロジェクトを通じて、互いの業務や課題を理解する機会をつくるのもよいでしょう。

経営層がサイロ化の解消を全社的な課題として位置付け、部門間の利害を調整することも欠かせません。現場だけに連携を求めるのではなく、組織として情報共有しやすい評価制度やルールを整える必要があります。

データ統合の仕組みの構築

サイロ化を解消するには、企業内のデータを必要に応じて横断的に利用できる仕組みを構築することが重要です。

ERPによって複数の基幹業務を統合するほか、APIやEAIを利用して既存システムを連携したり、ETLによって複数のシステムからデータを抽出・変換・集約したりする方法があります。データウェアハウスなどへ情報を集約し、分析に利用する方法も考えられます。

ただし、データを技術的につなぐだけでは不十分です。同じ項目でも部署ごとに定義が違えば、統合後のデータを正しく利用できない可能性があります。システム連携とあわせて、データの定義や入力ルール、管理責任者、アクセス権限などを整理しましょう。

また、最初から全社のシステムやデータを統合しようとすると、プロジェクトが大規模化する可能性があります。業務への影響や改善効果を踏まえて優先順位を決め、重要な領域から段階的に取り組むこともポイントです。

 

まとめ

サイロ化とは、組織やデータ、システムなどが分断され、相互に十分な連携が取れていない状態です。組織の縦割り化や部署ごとのシステム導入、個別最適化された業務プロセスなどによって発生します。

サイロ化が進むと、データの二重入力などによって業務効率が低下するだけでなく、データ活用や迅速な意思決定が難しくなります。顧客情報を部門間で共有できなければ、サービス品質にも影響しかねません。

解消するには、単にシステムをひとつに統合するのではなく、組織・データ・システムの3つの側面から取り組むことが重要です。部門間の情報共有を促進するとともに、データの管理ルールやシステム連携の仕組みを整えましょう。

既存システムを活かしながら、分断された業務プロセスやデータをつなぎたい場合は、「intra-mart」の活用もご検討ください。

intra-martは、企業内に存在するさまざまなシステムやサービスを連携し、業務プロセス全体のデジタル化を支援するシステム共通基盤です。既存システムをすべて置き換えるのではなく、必要なシステムを連携させながら業務プロセスを構築できます。

さらに、ワークフローやBPM、ローコード開発などを組み合わせることで、部署やシステムをまたぐ一連の業務プロセスを可視化・改善できます。個別最適化された業務やシステムをつなぎ、全社的な業務プロセスの最適化を進めたい企業は、intra-martの製品・サービスをご確認ください。

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