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ローコード開発ツールと外部ツールをデータ連携するメリット・デメリットとは?

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ローコード開発ツールと外部ツールをデータ連携するメリット・デメリットとは?

システムの構築にかかる期間を短縮できるローコード開発ツール。金銭コストを抑えられ、現場の担当者の手でシステム変更が行えるなど、多数のメリットを持っており、注目されています。

ローコード開発ツールを選定する際は、運用段階を想定して、いくつか、押さえておくべきポイントがあります。
なかでも重要なポイントの一つが“既存ツールとのデータ連携”。
これができるのとできないのとでは、業務効率が大きく変わってくるからです。

本コラムでは、ローコード開発ツールとほかのツールをデータ連携することで得られるメリット、デメリットについて解説いたします。

ローコード開発が注目されている理由とは?

まずは、ローコード開発ツールが注目されている理由を、おさらいしておきましょう。

ビジネス環境の変化に合わせ、システムの素早い開発・変更が求められる

ビジネスを取り巻く変化は加速しています。このため、1年前に導入したシステムが業務と合わなくなってしまうといったケースも少なくありません。

しかし、一度導入したシステムは通常、数年から数十年にわたって使用されます。減価償却を考えても毎年リプレイスするわけにいきません。

ローコード開発ツールを用いたシステム開発では、運用開始後に必要な機能を追加開発できます。不要な機能を外すことも可能です。

IT人材が不足しており、非エンジニアが開発を担う必要がある

経済産業省は、「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」の中で、2018年の時点で約17万人ものIT人材が不足しており、2025年には約43万人まで拡大すると推測しています。
この予測が正しいとすれば、ITエンジニアの確保は今後、ますます困難になるでしょう。

そこで、社外のSIerや社内の開発部門に頼らずに、現場の担当者の手で担える部分は積極的に担っていく必要があります。
ローコード開発ツールは、簡単なシステム構築や変更が非エンジニアでも行えるように設計されています。

ベンダー任せによるブラックボックス化を防ぐ必要がある

運用開始から長い年月が経過する中で、新たな機能をツギハギしてきた古いシステムの内部は、社内の情報システム部門も、社外のITベンダーも把握しておらず「ブラックボックス化」しているケースが少なくありません。

ブラックボックス化してしまうと、システムの刷新や他システムとの連携ができず、DXが進まないだけでなく潜在的な脆弱性などが見落とされ、情報セキュリティ上のリスクも生じます。

ローコード開発ツールであれば、自社の情報システム部門や現場部門の担当者によるシステム構築やシステム変更が可能になるため、ブラックボックス化しづらいといえます。
ただし、構築時・システム変更時にドキュメント類を整備することを忘れてはいけません。

システム開発における期間とコストを短縮する必要がある

企業が「IT化」を目指していた2000年代に比べると、「DX化」が求められる現在では、IT活用の計画策定が経営企画のより上流に組み込まれるようになりました。

デジタル活用にかけられる予算も増加傾向にありますが、より高度な技術に予算を投下できるようにコスト削減の意識も進んでいます。

その点、ローコード開発ツールは構築期間を短縮でき、開発コストも抑えることが可能です。

ローコード開発ツールと外部ツールのデータ連携とは?

ローコード開発ツールで構築したシステムでは、必ず何らかの業務のデータを扱います。
そして、そのデータが社内外の既存システムで扱っているデータと関連を持っているケースがほとんどです。

そこで、ローコード開発ツールと外部ツールでデータ連携を行うことで、データ関連業務を効率化しながらデータを有効活用できます。
特に近年、ビジネスインテリジェンスツール(BIツール)を活用してデータを収集、統合、分析し、経営上の意思決定に役立てようという動きがあります。BIツール利用のためにもシステム間でデータ連携を行い、社内のデータを一元管理できる環境を整えておくことは重要です。

ローコード開発ツールと外部ツールのデータを連携するメリットとデメリット

ローコード開発ツールと外部ツールのデータ連携するメリットを、もう少し詳しく見ていきましょう。
また、メリットだけでなくデメリットがある点にも注意が必要です。

ローコード開発ツールと外部ツールのデータ連携するメリット

まずはメリットです。主に次の4点があります。

データの一元管理が可能になる

ローコード開発ツールで構築したシステムと社内の既存システムとでデータ連携を行うことで、社内のデータを一元管理できるようになります。

データを一元管理することで、常に整合性が取れた品質の高いデータを利用できるようになります。
また、データが一箇所に集約されていることで、必要な情報をスピーディに見つけ出すことができます。

拡張性や柔軟性を持たせられる

たとえば、ローコード開発ツールで構築したシステムを既存システムと連携することで、疑似的に既存システムの機能を取り込めます。

このため、ローコード開発ツールで構築する機能は必要最小限で済みます。

複数のデータを組み合わせて活用できる

ローコード開発ツールで構築したシステムでは直接、扱わないデータであっても、関連のあるデータを外部連携によって紐づけることで、BIなどを使ったデータ分析の精度が向上します。

このため、より正確な分析や予測が行えるようになるでしょう。

コストを削減できる

データ連携によって、それぞれのシステムでデータを重複入力する手間や手動でのデータ転送作業などが不要になるため、人件費や時間といったコストの削減が可能になります。
また、データの正確性も向上するため、エラーによるコスト発生のリスクも削減できます。

ローコード開発ツールと外部ツールのデータ連携するデメリット

一方、デメリットにも目を向け、リスクを低減できるような策を講じる必要があります。

連携機能に制限がある場合も

すべてのローコード開発ツールですべての外部システムやサービスとの連携ができるわけではありません。

なかには、特定の外部システムやサービスとの連携を実現するためにコーディングが必要な場合があります。この場合、プログラミングの専門知識が求められます。

外部システムへの依存性

外部システムやサービスの変更や障害があった場合、アプリケーションの正常な動作に影響を与える可能性があります。

このため、外部連携先の安定性や信頼性を確保する必要があります。

情報セキュリティリスク

ローコード開発ツールを使用して構築されたアプリケーションが外部のシステムやサービスと通信する際に、情報セキュリティ上のリスクが生まれる可能性があります。

セキュリティ対策の講じられたローコード開発ツールを選ぶとともに、データの取り扱いやアクセス権限の適切な管理が求められます。

カスタマイズの限界

外部連携に際して特定の要件やニーズに合わせた柔軟なカスタマイズが必要な場合、導入したローコード開発ツールによっては限界がある場面もあります。

ローコード開発ツールの選定時に、連携したい外部システムやサービスへの連携が問題なくできるものであるかどうかを確認しておく必要があります。

データ連携の5つの手法

ローコード開発ツールと外部ツールの間でデータ連携を行うには、次の5つの方法があります。

ファイル転送

異なるシステム間でファイルをやり取りすることでデータを連携する方法です。
最もシンプルな手法ですが、やや手間がかかります。

ファイル転送のメリット

・テキストファイル、CSVファイル、Excelファイルなど、さまざまな形式のファイルを利用できる
・導入が簡単で、専門知識がなくても利用できる
・低コストでデータ連携を実現できる

ファイル転送のデメリット

・リアルタイムでの連携が難しい
・データの整合性を保つのが難しい
・セキュリティリスクが高い

API連携

API(Application Programming Interface)と呼ばれる、システム間でデータをやり取りするための仕組みを利用した手法です。
APIは、特定の機能やデータへのアクセスを提供するインターフェースで、リアルタイムでの連携が可能になります。

API連携のメリット

・リアルタイムでの連携が可能
・データの整合性を保ちやすい
・既に実装された処理を利用した開発が可能

API連携のデメリット

・導入に専門知識が必要
・連携先のサービスやデータに依存する場合がある
・セキュリティ対策が必要になる

データベース連携

異なるシステム間でデータベースを共有することでデータを連携します。
データベースとは、データを構造化して保存する仕組みのことで、SQLと呼ばれる言語で操作します。

データベース連携のデメリット

・大量のデータを効率的に連携できる
・データの整合性を保ちやすい
・セキュリティ対策が容易

データベース連携のデメリット

・導入に専門知識が必要
・システム間の互換性を確保する必要がある

連携ツールの活用

ETLツールなどのデータ連携ツールは、異なるシステムやアプリケーション間でデータを収集、変換、統合し、効率的に活用するためのソフトウェアです。
複数のシステムを使用している場合、データ連携ツールを使用することで異なるシステム間でデータを簡単かつ効率的に収集・統合できます。

連携ツールを活用するメリット

・データの変換やマッピングなどの処理を自動化することで、開発作業を効率化し、迅速化します。
・データ連携の柔軟性を向上できる
・データ連携に伴うエラーを削減し、システムの信頼性を向上させられる
・メンテナンス作業を効率化し、システムの保守性を向上させられる

連携ツールを活用するデメリット

・コストが高い
・システムのアーキテクチャが複雑になり、管理や運用が難しくなる場合がある
・ベンダーロックインのリスクが生じる

バッチ処理

バッチ処理とは、コンピューターで、まとまった量のデータやタスクを一括処理する方式のことです。
個々のデータをトランザクションで処理を行うのではなく、適切なタイミングでまとめて処理することで効率性やコスト削減などのメリットが得られます。

バッチ処理のメリット

・システム負荷が少ない時間帯に処理を集中させることで、リソースを効率的に利用できる
・インフラコスト、運用コストを削減できる
・エラーが発生した場合の特定と修正が容易

バッチ処理のデメリット

・データの即時反映が難しい
・システムに負荷がかかる可能性がある
・処理を急に変更したり追加することが難しい

まとめ

ローコード開発ツールを導入する際は、導入後に既存システムなどとの外部ツールとデータ連携することを前提に、連携可能なものや連携しやすいものを選びましょう。
また、ローコード開発ツールと外部ツールをデータ連携する際にはメリットとデメリットが両方存在することを知り、それぞれについて把握しておきましょう。

なお、資料「ローコード開発ツールではじめてのデータ連携」では、ローコード開発プラットフォームで外部データ連携の前に欠かせない3つのチェックポイントなども紹介しています。
ローコード開発ツールの導入を検討されているご担当者様はぜひダウンロードしてご覧ください。

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