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ガバナンス強化の目的やメリットと具体的な方法

企業におけるガバナンス強化とは、コーポレートガバナンス(企業統治)を強めることをいいます。近年、偽装表示や粉飾決算といった不祥事が多発したことから、ガバナンス強化に取り組む企業が増えてきています。

また、東京証券取引所と金融庁が中心となって作成した「コーポレートガバナンス・コード」が2015年より上場企業に適用されるようになり、2021年には改訂が行われています。

本コラムでは、これからガバナンスを強化したい企業様向けに、ガバナンス強化の目的やメリット、具体的な方法などをご紹介いたします。



1. ガバナンス強化とは

企業におけるガバナンス強化とは、コーポレートガバナンス(企業統治)を強めることをいいます。そもそも「ガバナンス(governance)」とは統治のことをいい、政府や領土、企業、ITシステムなど、幅広い対象に使われます。
近年、企業において偽装表示や粉飾決算、情報漏えいなどの不祥事が多発したことから、企業経営の健全化や、法律を遵守した経営を目指すこと、そのための体制づくりが求められており、ガバナンス強化が叫ばれるようになりました。

また、2015年には、東京証券取引所と金融庁が中心となって作成した「コーポレートガバナンス・コード」が上場企業に適用されるようになりました。これは、日本の株式会社が、経営者に株主資本の拠出が求められていない割に、社会的に大きな影響を及ぼせるという特性から、経営者に社会的責任を促すための動きです。

ガバナンス強化は、企業経営の透明性や公正性を前提に、企業価値を増大させ、持続的成長を可能にするための仕組みであるともいえます。

ガバナンスとコンプライアンスの違い


ガバナンスと聞くと、コンプライアンスを想起する方も多いのではないでしょうか。
コンプライアンス(compliance)とは、要求や命令に応じることを意味します。
企業におけるコンプライアンスとは、企業が法令を遵守して企業活動を行うことを差し、「企業コンプライアンス」ともよばれます。企業コンプライアンスは、コーポレートガバナンスの基本原理の一つです。つまり、ガバナンス強化のためにコンプライアンスを強化するということになります。


 

2. ガバナンス強化の目的・メリット

上記のように、ガバナンス強化は、企業の経営活動の健全化を図り、不正や不祥事を防ぐためのものです。それは、企業を取り巻く株主や顧客、従業員といったステークホルダーの権利を守るためでもあります。

ガバナンス強化の目的やメリットをもう少し具体的に見ていきましょう。

不祥事を防止するため


まずは、「ガバナンス強化とは」でもお伝えしたように、経営者や従業員による不正や不祥事を起こさないことが大きな目的として挙げられます。
一度、不祥事が起きれば、従業員や顧客・取引先、株主、債権者、地域社会といったステークホルダー全員が不利益を被ることになります。
経営者や従業員一人ひとりが、不正や隠ぺいをしないという意識を高め、公正で透明性のある意思決定を行って不祥事を起こさぬよう、ガバナンス強化を実施する必要があります。


経営の透明性を向上するため


企業経営において、経営層が意思決定を行い、社内の会計担当が会計報告を行うというように、社内だけで完結してしまうと、横領や循環取引などの不正会計の温床になりやすいです。
社外取締役や社外監査役など、社外の人にチェックする役割に就いてもらい、経営の透明性を向上しましょう。
経営の透明性が向上することで、経営の改善につながったり企業イメージが向上したりといった効果も期待できます。


株主の権利と平等性を守るため


株主は企業のステークホルダーの重要なメンバーです。企業がガバナンスを強化して、経営や業務に関する数値などの正確な情報を株主に提供することで、株主は権利の一つである共益権(株主総会での議決権など運営に参加する権利)を行使することができます。

また、たとえば、一部の株主のみにインサイダー情報を流すといった不正が生じれば、株主の平等性は失われてしまいます。すべての株主が等しく、正しい情報を受け取れるよう、企業はガバナンス強化の一環として、情報公開や透明性の向上に努める必要があります。


顧客に安心して商品・サービスを利用してもらうため


企業が偽装表示を行えば、それがダイレクトに顧客の不利益につながってしまいます。そうではなくても、たとえば、粉飾決算が行われれば、周囲が気付かないうちに少しずつ経営が傾いていき、最終的に倒産してしまうこともあります。

また、過去には従業員が集団で資格を不正に取得するという不祥事が起きたこともあります。この場合も、本来なら必要なスキルを持たないまま業務に就くことになり、製品・サービスの品質が低下し、顧客が安全に商品・サービスを利用できません。最悪の場合、怪我をしたり命に関わる事態に発展したりする恐れがあります。


従業員の雇用を守るため


企業のステークホルダーの一員である従業員の利益を守ることも、ガバナンス強化の目的の一つです。一例をあげると、企業統治がいい加減で不正や不祥事が起きたとします。すると、取引先や顧客に迷惑をかけるだけでなく、ニュースなどにも取り上げられて会社の評判が落ち、最悪の場合は倒産する可能性もあります。そうなれば、従業員を失い、その家族も含めて生活が立ち行かなくなるでしょう。

このような事態を防ぐためにも、ガバナンスを強化する必要があります。


 

3. ガバナンス強化の方法

では、ガバナンスを強化するためには、具体的に何をしたら良いのでしょうか?
ここでは、ガバナンス強化の5つの方法をご紹介いたします。

ガバナンス強化の意向を社内に共有・浸透


「不祥事を防止するため」でお伝えしたように、ガバナンス強化は、経営者と従業員一人ひとりが意識を高め、一丸となって取り組むものです。まずは、全員のガバナンス強化に対する意識を高める必要があるでしょう。

会社としてこれからガバナンス強化に取り組むという方針を発表し、社内に周知するとともに、定期的に研修や活動報告などを実施して社内への浸透を図ります。


企業理念の策定・見直し


企業理念は、企業の経営目的や存在意義、企業活動の方向性などを示し、授業員の行動規範の元となるものです。
ガバナンス強化とは」でお伝えしたように、ガバナンス強化は、単に不祥事を起こさないためだけではなく、企業がその価値を増大させ、持続的に成長するための仕組みでもあるため、企業理念とガバナンス強化が目指すゴールは重なります。

まだ企業理念がない企業は、ガバナンス強化に着手する機会に新たに策定し、すでに企業理念のある企業は現状の企業理念を見直し、ガバナンス強化につながるものではない場合は、改訂の検討をおすすめします。


社外取締役・監査役の導入・見直し


会計、業務フローなど、企業経営に長期間、外部の目が入らないと、違法行為などの不正が起こりやすい環境が育ってしまうものです。そこで、社内の利害関係にとらわれない社外の取締役や監査役を導入し、中立の立場でチェックする役割を設置することが重要になってきます。
欧米では、社外取締役の設置は当たり前のことで、取締役の半数以上が社外取締役であるという企業も珍しくありません。

すでに導入していて、さらにガバナンスを強化したい、改善したいという場合は、現状の社外取締役・監査役の交代を検討してみましょう。


判断基準や行動規範などのルール整備


ガバナンス強化に対する意識を高めるだけでなく、具体的に行動をどのように改善するべきか、どのように振る舞うべきかを示すために、判断基準や行動規範、基準、手続きといったルールを策定して明文化することも大切です。
ルールに則って行動することで、内部統制が整い、ガバナンス強化の実現につながります。


ガバナンス強化への取り組みの社外への周知


ガバナンス強化への取り組みについて、Webサイトや広報誌などを使って社外へ情報発信していくことも大切です。社外のステークホルダーに自社の取り組みを知ってもらうことで、安心感や信頼感から企業価値の向上につながったり、協力や評価を得られたりする効果が期待できます。
これが、従業員の自社や自己に対する評価にもつながり、意識がさらに向上するという好循環を作り出します。

このほか、東京証券取引所と金融庁が中心となって作成した「コーポレートガバナンス・コード」や、経済産業省が作成した「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」が公開されているため、こちらも参考にしながら施策を検討すると良いでしょう。


 

4. まとめ

ガバナンス強化の必要性や、取り組みメリット、実施方法についてご紹介いたしました。「コーポレートガバナンス・コード」の改訂からも、ガバナンス強化は、企業にとってこれからますます重要な取り組みとなっていくことがわかります。

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従業員が経費規程を十分に理解していないためにたびたび発生する規程違反や、現場から回ってくる精算伝票の支払に対する妥当性が不明確でお困りの企業様は、ぜひご相談ください。

 

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