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クラウドネイティブとは ~求められる背景やメリット、導入までの流れを解説~

クラウドネイティブとは ~求められる背景やメリット、導入までの流れを解説~

クラウドネイティブとは、クラウドサービスの利用を前提として、クラウドのメリットを最大限、活かすためのシステムを設計・構築する概念を指します。

クラウドの利用が進み、当初はオンプレミス環境からクラウド環境への載せ替えが主流でしたが、現在では、最初からクラウド環境の利用を想定することが当たり前になりつつあります。

本コラムでは、クラウドネイティブについて、求められる背景や導入のメリット、クラウドネイティブ化する際の流れなどをご紹介いたします。

 

1. クラウドネイティブとは

クラウドネイティブとは、クラウドサービスの利用を前提とした上で、クラウドが持つシステムを設計することをいいます。

クラウドネイティブとクラウドファーストの違い

クラウドネイティブと似た言葉にクラウドファーストがあります。
クラウドファーストとは、オンプレミス環境が主流だった時代に、後から拡張すると手間と時間、コストのかかるオンプレミスではなく、スケールアップやスケールダウンがしやすいクラウド環境を優先的に検討するという考え方のことです。
クラウドファーストの延長線上にクラウドネイティブという概念が生まれました。

クラウドネイティブとクラウドシフトの違い

もう一つ、似ているのがクラウドシフトです。
クラウドシフトとは、オンプレミス環境にあるシステムやアプリケーションなどのIT資産を、クラウド環境へ移行することをいいます。ただ単に既存のIT資産をそのままクラウド環境へ載せ替える場合は「クラウドリフト」といい、新たなシステムやアプリケーションをクラウド上に構築することも含む場合を「クラウドシフト」といいます。

Cloud Native Computing Foundation(CNCF)とは

クラウドネイティブを推進しているのが、世界187ヵ国の主要IT企業など600団体以上が参加する「Cloud Native Computing Foundation(CNCF)」です。
Kubernetes(K8s)、Envoy、Prometheusといったクラウドネイティブ関連プロジェクトのサポートや監視、指示などを行っています。

 

2. クラウドネイティブが求められる背景

クラウドネイティブが求められる背景には、クラウド環境の浸透に加え、アジャイルやDevOpsといった柔軟な開発手法の広がりがあります。

ビジネス環境の変化のスピードアップとともに、ITサービスにも、より速い対応スピードが求められるようになってきています。このため、従来のウォーターフォール開発では対応が難しく、短期間に数多くの機能をリリースできるアジャイル開発や、開発チームと運用チームの距離を近づけることで課題解決やサービスの価値向上を実現するDevOpsが求められるようになりました。

アジャイルやDevOpsで開発を行うには、柔軟にスケールアップやスケールアウトが可能なクラウドと相性が良いため、クラウドネイティブが普及する一因となりました。

 

3. クラウドネイティブを導入するメリット

クラウドネイティブの導入メリットは、クラウドのメリットをそのまま当てはめることができ、主に次の2点に集約されます。

自社でインフラを抱えずに済む

クラウドは、自社でIT資産を持たずに済むため、運用保守を行う手間やコストがかかりません。運用保守はベンダーが担ってくれるため、万が一のトラブルに対応する必要もありません。
クラウドの利用形態がSaaSなのかPaaSなのか、それともIaaSなのかで、ユーザー側が責任を負う範囲は異なりますが、自社でインフラを抱えずに済むことで、人的コストや時間コスト、金銭コストを抑えることができます。

スケールアップ、スケールダウンがしやすい

オンプレミス環境の場合、自社でIT資産を用意する必要がありますし、いざシステムが稼働してから、サーバーやストレージを増強することは困難です。そのため、構築前に必要な処理能力を見積もる必要があります。しかし、将来的に必要な処理能力がどのように変化するかをすべて予測することは不可能です。
その点、クラウドであれば、必要に応じたスケールアップ、スケールダウンが可能です。

 

4. クラウドネイティブを導入する際の流れ

クラウドネイティブ化までの流れについては、先述のCNCFが「Cloud Native Trail Map」で、以下の10ステップを示しています。

1.コンテナ化
2.CI/CD構築
3.オーケストレーション&アプリケーション定義
4.可観測性と分析
5.サービスプロキシ、ディスカバリ&メッシュ
6.ネットワーク&ポリシー
7.分散データベース/分散ストレージ
8.ストリーミング&メッセージング
9.コンテナレジストリ&ランタイム
10.ソフトウェアディストリビューション

上記は、英語から日本語訳されたものですが、各ステップの詳細が示されておらず、また、順番についても専門家の間で賛否が分かれているため、今後、これをベースに議論が進み、フローを確立していくこととなるとみられます。

 

5. まとめ

クラウドの利用が浸透し、クラウドリフトやクラウドシフト、クラウドファーストといった考え方から一歩進んだクラウドネイティブの概念が登場しました。

日本ではまだクラウドネイティブがあまり広がっているとはいえませんが、2030年頃までには日本でも浸透するだという意見もあります。

今後のクラウドネイティブ化に備え、まずは、クラウドネイティブという概念を理解し、クラウドのメリットを再確認しておく必要があるでしょう。

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