4.1. 要件定義フェーズ¶
4.1.1. 要求や要件をまとめる¶
4.1.1.1. 業務要件定義¶
業務要件定義では、システム化の対象となる業務の目的と、その目的を達成するために必要な条件などを明確にしていきます。業務要件の主な項目について、以下に示します。
- アプリケーション開発の目的
- 想定ユーザ(適用範囲)
- 現業務におけるプロセスの可視化(手順およびフロー図)
- 新業務におけるプロセスの設計(システム化する業務範囲の制定)
- 開発目的を阻害する要因の抽出
- 情報セキュリティ対策(情報資産の特定)
業務要件の定義では、intra-mart のローコード開発ツールをどのように活用すると要件を実現できるかとは考えずに、まずは実現したい内容だけを考えるようにしてください。
4.1.1.2. システム要件定義¶
システム要件定義では、システム化に必要な機能や仕様を明確にし、機能要件と非機能要件を整理します。ここでは、システム要件について、intra-mart の各ツールの使用を前提とし、具体的に策定していきます。主な項目と該当するintra-mart の各ツールについて以下に示します。機能要件によっては使用するツールの組み合わせが変わるため、この段階でツールを検討しておくと良いでしょう。
機能要件
- システムが備える機能 ……… Accel Studio
- システム上に表示する画面 ……… IM-BloomMaker
- システムから入出力される帳票 ……… IM-FormaDesigner
- システム上で扱うすべてのデータ ……… IM-Repository
- 他のシステムとの連携 ……… IM-LogicDesigner
非機能要件
- システムの構成
- システムの拡張性
- 情報セキュリティ
非機能要件については、範囲が非常に広いため、状況に応じて必要な項目を定義してください。なお、intra-mart を使用すると、非機能要件であるユーザビリティ、システムの規模・性能・信頼性については一定のレベルを担保できます。
4.1.2. テンプレート活用を検討する¶
システム要件の洗い出しができたら、Accel Studio が用意しているテンプレートを活用できないかを検討しましょう。
Accel Studio には実現したい業務に合わせて、さまざまな種類のテンプレートが用意されています。すでに準備されたテンプレートを活用することにより、アプリケーション開発に必要なデータベース、処理、画面などが自動で作成されます。
主なテンプレートと用途は以下の通りです。
- 「マスタメンテナンス」テンプレート …… シンプルなテーブル構造を持つCRUD処理※を行いたい場合
- 「シンプルなワークフロー」テンプレート …… ワークフローを連携させたい場合
- 「打刻アプリ」テンプレート …… モバイル端末やPCから出退勤の打刻を行い、その履歴を参照したい場合
- 「在庫管理」テンプレート …… バーコードを利用して商品・備品の在庫管理したい場合
- 「社内FAQ管理 」テンプレート …… 社内でよくある質問とその回答を簡単に管理したい場合
※ CRUD処理:Create (作成)、Read (読み込み)、Update (更新)、Delete (削除) の4つの処理を指す。
ここで取り上げた以外にも、用途に応じてさまざまなテンプレートを用意しています。また、空のテンプレートを使用して、資材を一元管理しつつ、一からアプリケーションを作成することも可能です。
コラム
4.1.3. アプリケーション作成の準備¶
テンプレート活用の検討が完了したら、アプリケーションのベースを作成します。
Accel Studio からアプリケーションの基本情報を設定しておきましょう。テンプレートによってアプリケーションの基本情報の設定方法が異なりますので、チュートリアルガイドを参考に設定を行ってください。
コラム
4.1.4. 要件定義書を作成する¶
アプリケーションを開発するための要件定義書を作成します。状況に応じて検討が必要ですが、主な項目は以下の通りです。
- 背景・目的
- プロジェクト概要
- システム全体の構成図
- 操作画面のイメージ図
- 業務要件(4.1.1で策定)
- システム要件(4.1.1で策定)
- 機能要件(4.1.1で策定)
- 非機能要件(4.1.1で策定)
- 試験に関する設計図
画面のイメージ図を作成すると、各要件の抜けを防止しやすくなります。最後に、要件定義書から、目的を実現できるか、課題を解決できるかといった点を満たしているか、機能や仕様について見直してみましょう。