業種:情報・通信 / 業務:情報系 / 用途:社内情報共有
コストセンターにおける革新的経営モデルASP事業の主軸にintra-martスタートパックを採用
IT 戦略投資の重要性はあらゆる企業の認識するところだが、その実行部隊となる情報システム部門は、貴重なリソースの大半を現行システムの開発・保守・運用に割いている。これらをアウトソースすることで、情報システム部門のリソースは、IT 戦略投資への対応に専念させることが可能となる。こうした経営戦略のもと、2002 年7 月、東芝の情報システム(以下IS)部門とIS 部門子会社2 社を統合し、東芝ならびに東芝グループ会社に対するアウトソーサーとして、「東芝インフォメーションシステムズ株式会社」(以下TSIS 社)がスタートした。ここに紹介するインフォメーション&ネットワークサービス部(以下INS)はTSIS 社の一部門で、東芝ならびに国内外の東芝グループ会社に対し各種情報通信インフラサービスを提供しており、サービスの一部にintra-mart のASP 機能をフルに利用している。以下、intra-mart の採用経緯と具体的な活用方法について、小柳順一社長(元INS 部長)にエネルギッシュに語っていただいた。

東芝は、環境の変化を先取りして俊敏に行動し、変革し続けるため、社内カンパニー制に代表される分権化・分社化、事業の選択と集中、付加価値サービス事業への軸足のシフトなどの改革を推進しており、TSIS 社設立も、その一連の改革の中に位置付けられる。
東芝ならびに東芝グループ会社の情報システム部門を語るとき、忘れてならないのが「共有IT プラットフォーム」だ。「共有IT プラットフォーム」とは、東芝ならびに国内外の東芝グループ会社にとってのIT のあるべき姿を示すものと言える。社内カンパニー制が発展し、事業の分社化や他社との統合が進む中、この「共有IT プラットフォーム」のもとで東芝グループの情報通信システムの一貫性を確保するとともに、グループ全体としての情報システムコスト低減をねらいとする。初版は1995 年。6 ケ月に1 度ずつ改訂を重ねており、将来の分社・統合を見据え、早期から着々と準備を進めてきたようだ。 INS の情報通信インフラサービスも、この「共有IT プラットフォーム」に沿ったものだ。現在、メールサービス、ホスティングサービス、ハウジングサービス、電話・FAX サービス、東芝インターネットサービス、セキュリティサービス、アプリケーションサービスなど、40 を超える情報通信インフラサービスが用意されている。
TSIS 社が設立されるまで、INS は東芝社内の情報システム部門、つまりコストセンター(直接的な利益を生み出さない部門)だったが、当時から①サービスを定義し、②料金単価を定め、③ホームページで公開し、④利用量に応じて利用料金を社内・東芝グループ会社の利用部門に請求する、プロフィットセンター(利益を生み出す部門)的運営を行っていた。 分権化・分社化が進む中、コストセンターとはいえ社外ベンダーとの機能・価格競争に勝ち抜くサービスが提供できないと社内・東芝グループ会社から見向きされなくなるとの危惧があったからだ。小柳社長(元INS 部長)はINS のコアコンピタンスを「運用技術」、自ら確保すべきサービス機能を「ネットワーク、セキュリティ、ディレクトリ」と明確に定義し、単にサービスを定義し料金を設定するにとどまらず、こうした「見えざる資産」を競争力の柱に据え、その維持、強化のために様々な施策を講じてきた。ISO9001 やBS7799 の認証取得もその一環である。 このように、当初からプロフィットセンター的運営をして成果が実り、INS のTSIS 社への移行は、非常にスムーズだったという。

コストセンター時代(2002 年6 月以前)におけるプロフィットセンター的運営施策としては、まず、ホームページを使ってサービス内容や料金をオープンにしていた点があげられる。利用者が市販サービスと比較できるようにすることで、INS 自身がサービス向上に努めざるを得ない状況を作り出していたわけだ。さらに、利用者の評価結果をサービス毎に点数化してホームページ上に表示したり、顧客部門の管理者に対してサービスの利用状況や利用者一人ひとりの利用明細が閲覧できる仕組みも用意したりして、きめ細かな機能をホームページに付加している。 その他、サービス拡販の専任部隊を設置していたことも大きな特徴だ。当時から、顧客情報をデータベース化し、目標売上・目標訪問件数を設定して、社内および東芝グループ会社へ活発に拡販活動を行っていた。また、新規サービスの場合には、無償サービス期間を設ける、INS サービスに対する顧客ニーズの調査・分析を外部の専門業者に依頼するなど、通常のコストセンターの枠を超えたアイディアを実現化した。

INS は、元来ネットワークサービス、ハウジングサービス、メールサービス等、いわゆるインフラと呼ばれる下位レベルの情報通信システムをサービスの中心に据えていたが、徐々にオフィス系汎用アプリケーションのASP ビジネスにも目を向けてきた。 機能分社が進んで分社会社のIS 機能が縮小するにつれ、各東芝グループ会社とも、インフラ系はもとよりオフィス系汎用アプリケーションにまで手が回らなくなると想定してのことだ。 「ASP ビジネスは、プロバイダにとって非常にタフなビジネスモデルだということは承知していた。しかし、INS には、サービス拡販の専任部隊が築いてきた顧客チャネルがあった。マーケティングコストが抑えられる。イントラネットでつながる。ディレクトリとも連動できる。社内・東芝グループ会社を対象にするのであれば、オフィス系汎用アプリケーションでもASP ビジネスは成り立つと判断した」と小柳社長(元INS部長)は語る。この戦略実現のファーストステップとして、intra-mart 社の「イントラネット・スタートパックが選択されたのである。 スタートパックは、企業規模・企業形態そして業務内容にとらわれないベーシックでかつ実用的なイントラネット・アプリケーションを9 本パックにした製品である。「掲示板」、「勤怠管理」、「旅費清算」、「施設予約」、「FAQ」、「備品発注管理」、「ドキュメント管理」、「スケジュ-ル予約」、「住所録」など、どこの企業でも利用したくなるアプリケーションが揃っている。しかも価格が安価で、大規模なASP 事業に最適な無制限ライセンスも用意されている。 そのうえ、intra-mart には、ASP での利用を前提に考えられたマルチ・グループ機能が基本機能として用意されている。これは、1 つのintra-mart を複数のグループや会社で共同利用できる機能である(マルチシェア型機能)。さらにマルチデータベース機能と組み合わせて使用すると、intra-mart の全てのデータや設定をグループや会社毎に個別に設定することができ、ひとつのアプリケーションを複数の会社で共同利用するようなASP 型のアプリケーションを簡単に構築できる。これは、小柳社長が求めていたもの、そのものだった。
社内・東芝グループ会社に対し「イントラネット・アプリケーションサービス」という名称でASP 形態のサービスを開始したのが2001 年7 月。現在「スケジュール管理」と「施設予約管理」の2 機能を提供しているが、利用料金は1 機能あたり100 円/人・月という。小柳社長によれば、「このサービスの狙いは、サービス拡販の専任部隊が築いてきた顧客チャネルを太くすること。大きな収益を上げることは考えていなかった」という。「イントラネット・アプリケーションサービス」導入により顧客とのチャネルを太くすることで、現行サービスの拡販のみならず、新たな顧客ニーズの発掘、新サービスの創出等を図っている。


| 東芝インフォメーションシステムズ株式会社 | |
|---|---|
| 本社 | 東京都港区芝浦1-1-43 |
| 設立 | 2002 年7 月 |
| 社員数 | 860人(2002年10月末現在) |
| 概要 | 情報通信システムの開発・保守・運用 |
| URL | http://www.toshiba-tsis.co.jp/tsis/ |
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