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ティアック株式会社様

業種:製造業 / 用途:ERPフロントでの展開

グローバルなSCMワークフローシステム構築に成功
R/3リアルタイム連携をベースに、グローバルMDMを推進中

ティアック株式会社(以降、ティアック)は、2007年にintra-martを導入して、ワークフローシステムを刷新した。その一例が、保守パーツのグローバルSCMシステム「GPSC」だ。日英バイリンガル表示のWeb画面を見ながら、世界中の販売拠点から保守パーツのオーダーを入力し、R/3の在庫をリアルタイムで検索して、引き当て・納期回答を自動化した。今後も、内部統制、BPR、グローバルMDM(マスターデータ管理)などの視点から、R/3 をはじめとするさまざまなシステムが連携するワークフローシステムを積極的に開発・活用していく。

内部統制、BPR、グローバルMDMを 目指してワークフローを刷新

顧客にとってより付加価値が高く、コストパフォーマンスに優れた製品を市場投入できるよう、さまざまな角度からのビジネスプロセス改革(BPR)にも積極的に取り組んできた。
2001年に、人事システム以外のすべての基幹システムをSAP R/3システムで統一したのもBPRの一環だ。業務効率を高めるためのワークフローシステムも2002年から導入して、28帳票の起票/承認などをシステム化していた。さらにBPRを進めるきっかけとなったのが、内部統制への取り組みである。

ティアック株式会社
グループ本部 総務人事部 情報企画課 課長
山中 正行氏

「既存のワークフローシステムを内部統制の視点で検証したところ、基幹システムとのデータ連携が手作業であるために作業履歴が残らず、監査資料を作るのにも大変な手間がかかることが判明しました」と山中氏は言う。 R/3連携ができていないと、業務効率も上がらない。ごく一部の帳票はR/3とデータ連携をしていたが、ワークフロー専用にマスターデータベースを持ち、夜間バッチでR/3と整合性をとっていたため、動きがバラバラになりがちだった。たとえば、「朝、R/3に登録した新しい品目マスターを使って、ワークフロー経由で出庫指示をする」ことは不可能だった。
また、ティアックは、中国・マレーシア・イントネシアに生産拠点、米国、英国、ドイツ、カナダ、メキシコに販売会社を置いて、グローバルなグループ戦略を展開している。グローバルのしくみを効率よく動かすには、品目マスターをはじめとする主要マスター情報をワールドワイドで一元管理する必要がある。
「『内部統制』を共通キーワードにして全社にわたるワークフローシステムを一新することで、内部統制はもちろんのこと、業務プロセス改革、さらには、グローバルなマスターデータ管理(MDM)を進めたいと考えました」と山中氏は語る。

改革を進めるにはR/3との リアルタイム連携が必須

intra-martを採用した最大の理由は、R/3とのリアルタイム連携が確実にできるワークフローシステムであることだ。  intra-martは、統合プラットフォームであるため、ワークフロー全体のユーザインターフェースを統一できる点も高く評価した。誰が開発しても、同じオブジェクトを備えた画面構成になるため、これまでのように、ワークフローごとにいちいち操作マニュアルを作って添付する必要がなくなる。  しかし、ティアック社内には、Javaスクリプトを自分 で書いたことがある人はいなかった。  「Javaを知らなくてもユーザが気軽に設計できる 他のツールを5~6種類も検討しました。しかし他の ツールでは、R/3連携にはまた別の有償オプション を購入しなければならなかったりします。結局、 intra-martへ戻ってきました」と山中氏。  intra-martなら、SAPと連携するためのBAPI が、標準インターフェースとして用意されている。 Javaスクリプトの記述は、グループ内のIT会社など へ依頼することにして、ティアックは2007年、intra-mart 導入に踏み切った。

R/3連携する保守パーツのグローバル SCMシステムを構築

2007年から2008年にかけて、ティアックでは、既存28帳票のintra-mart移行と並行して、GPSC(Global Parts SCM)システムをはじめとする複数のワークフローシステムを新規開発した。新規開発のGPSCシステムとは、販売拠点からの保守パーツのオーダーを受けて、保守パーツを配送するシステムである。
常に管理している保守パーツは品目マスタに登録されている件数で8~10万点にのぼる。それらのパーツは、日本の倉庫、中国の工場、カナダの販売会社などに散在している。あるいは、当該パーツが存在しなければ、生産計画に組み込んで作らなければならない。
「たとえば米国の販売会社がオーダーすると、日本のパーツセンターでは、パーツがある場所を探し出し、さらに複数のオーダーを組み合わせて効率よく配送するためにベテランが工夫していました。顧客へのアフターサービスを強化するには、オーダープロセスをワールドワイドで標準化・システム化して、配送日数を短縮する必要があったのです」(山中氏)。
当初は、ショッピングカート方式のWeb-EDI購買システムを構築しようと考えたが、これはオーダー部分が効率化されるだけで、在庫引き当てや納期回答に相変わらず人手がかかってしまう。かと言って、R/3システムの本体を、海外の販売会社を含めてグループ全体へ公開するのはリスクが大きすぎる。
intra-martを使えば、R/3とリアルタイム連携して、精度の高い在庫引き当てや納期回答を自動的に行える。しかも、オーダー起票から承認というワークフローの流れと、R/3と連携しての引き当てまたは生産、配送という動きを、まとまったひとつのシステムとして開発できる。
しかし開発では、R/3上のどの段階の在庫を検索するか、また、そこになければどの段階のMRPへ連携させて生産、購買するかを自動的に判断させるしくみ作りに大変に苦労した。国内オーダーと海外オーダーではまた条件が異なってくるのだ。
苦労した甲斐あって、構築効果は明瞭に出てきている。2008年4月に稼働開始してから、受注から24時間以内での納期回答が90%以上を維持するようになった。納期回答遵守率も、毎月じりじりと向上を続け、現在では88.5%に達している。
「R/3本体とリアルタイムに同期がとれている品目マスターを全拠点がリアルタイムに見て、オーダーしていますから、国ごとに品番マスターが統一されていないがゆえの問い合わせ直しや配送ミスは少なくなりました」と山中氏は語る。

ワークフロー開発メンバー

起票から最終承認までを平均3日短縮 させた支払依頼書システム

支払依頼書も、以前からシステム化しようとしていたが、intra-martでついに実現したワークフローシステムの例である。勘定科目マスターがR/3とリアルタイム連携したためにシステム化に成功し、利用者からも評判の良いシステムが出来上がった。 支払依頼書システムによって、起票の工数は、紙の時代と比べ1件あたり約12分程度短縮された。しかもこれは起票の工数だけであり、紙を運ぶ コスト、担当者が紙をファイリングするコストなどもさ らに削減されているはずだ。  また、起票から最終承認までの処理日数は、平均3.09日短縮できた。紙だと4~6日かかっていたも のが、2日もあれば決裁されるという感覚だ。特に、多くの部署がからむ大型案件ほど日数削減効果 が大きく、意思決定がスピードアップしたことになる。  「ユーザからは、『これもワークフローシステムにしてくれ』と要望がどんどん来ています。いままで『これはシステム化できない』とあきらめていたことが、 『できる』というイメージに変わったのだという手応えを感じます」と山中氏は語る。

今後は、intra-martのテンプレートも利用しながら、ワークフローによるマスター情報の更新管理を 徹底し、グローバルでMDMを進化させていきたいと考えている。また、支払依頼書の業務が紙から ワークフローへと移行できたが、他のR/3と連携が必要な承認プロセス業務のワークフロー化も進めていく計画だ。  「intra-martを使ったワークフロー構築は、必ずBPRに結びつきます。『どんなデータをどの段階で 作ればいいのか。現状ではそのデータが作れない のはなぜか』と考えを進めなければ、R/3と自動連 携させることはできないからです。現状の業務を見 直し、スリム化すためにも、intra-martのワークフ ローを積極的に活用していきたい」と山中氏は意欲的に語った。

ティアック株式会社
本社 東京都多摩市落合1丁目47番地
設立 1953(昭和28)年8月26日
資本金 67億8,105万8,352円
売上高 511億8,800万円(2009年3月期)
社員数 単体 477名、連結 2,847名(2009年9月30日現在)
概要 日本の音響メーカーの老舗。オープンリール式テープレコーダーで人気を博し、高級テープカセットデッキ、高級CDプレーヤーでも名機を生み出してきた。また、CD/DVDドライブなどのコンピューター周辺機器、航空機搭載用再生機器、計測機器など長年培った記録技術をベースに幅広い事業展開をしている。企業コンセプトは「感動創造技術の開拓。感動共有事業。」
URL http://www.teac.co.jp/

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