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月桂冠株式会社 様

業種:食品・消費財(アパレル、商品、飲食、耐久消費財、家電、家庭用品) / 業務:業務 / 用途:社内情報共有

創業370年の酒造メーカーの決断。
全社システムを「ERP+Webシステム」にして、Webシステムの基盤はintra-martフレームワークで統一

月桂冠株式会社(以降、月桂冠)は、2007年、全社システムを「ERP+Webシステム」のシンプルな構成へ整理して、全体最適を図っていく大方針を決断した。 ERPは、2010年4月に、SAP ERPをビッグバン導入する。一方のWebシステムは、intra-martで基盤フレームワークを確立し、さらにグループウェアなどの機能もintra-martのアプリケーションへと移行・統合していく。 月桂冠の全社システムを、「Quality・Creativity・Humanity」という基本理念に沿って革新していく基盤として、intra-martが選ばれたのである。

オープンシステムは JavaによるWebシステムに統一

1637年(寛永14年)、京都伏見で創業した月桂冠。明治以降は、酒造りに科学技術を導入し て、近代化を先導してきた。樽詰全盛の時代に、防腐剤ナシのびん詰を発売したのはそのひとつ。日本で初めて、年間を通じた酒造りを行なう四季醸造システムを開始し、近年では、米国で酒造蔵を稼動させて世界に日本酒を広めている。    IT利用にも革新的に取り組んできた。約20年前にメインフレームを導入し、酒造業界の先陣を 切って生産管理および販売管理をシステム化。グループウェアも1998年から利用している。  Web技術もいち早く導入した。  「8~10年ほど前、データウェアハウスを作って、社員が欲しいデータが見られるようにしたのが最初の動きでした。これを機に、メインフレームのエミュレータ端末から脱却して、オープンシステム上で自由にデータを活用したいという要求が高まってきました」と、情報システム部 情報システム第二課長 冨永 光則氏は説明する。  当初は、クライアント/サーバ・システムを次々に開発したが、クライアントへのソフトウェアの配布に限界を感じ、JavaによるWebシステムへの移行を進めた。  OSS(オープンソースソフトウェア)の利用も活発だ。OSSは、単一ベンダーの技術に縛られることなく、独自の改良・拡張を将来にわたって自在にできるため、主体性をもって開発期間短縮や変化への迅速な対応を追求していきたいという月桂冠の思いにぴったり適合するからである。

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Webシステムをエンタープライズ規模で 開発・保守していくにはフレームワークが不可欠

 同社が大きな決断に踏み切ったのは2007年のことである。メインフレームを全廃し、「ERPパッ ケージとWebシステム」というごくシンプルな構造で、企業全体のシステムを統一していく方針を決めた。  「『ERPパッケージ+Webシステム』に整理することで、基幹システムとオープンシステムのデータ連携も一本化できます。変革のキーワードは『全体最適』です」と冨永氏は言う。    ERPはSAP ERP 6.0を選択した。社員数560名の中堅企業でしかも370年の歴史を持つ酒造 メーカーが、全体最適の手段としてSAP ERPを選び、財務会計・管理会計から生産管理・在庫/購買管理・品質管理・データウェアハウスまでのビッグバン導入を決めたことは、内外で注目を集めている。  一方、さまざまなOSSを混在・活用しながら、エンタープライズレベルのJavaシステムを高い生産性で開発・保守していくには、フレームワークが不可欠である。月桂冠では2003年ごろからOSSのStrutsを使ってきたが、フレームワークとしては限界を感じるようになっていた。そこで、商用フレームワークが必要になったのである。  「良いものを速く作っていくにはプラットフォームが必要。プラットフォームがあれば、開発も保守も楽にできます」と、情報システム部 情報システム第二課 辻村 寛之氏は言う。  2005年、複数のフレームワークを比較検討し、最終的に選ばれたのがintra-martである。  採用のポイントは、第1に、intra-martは、JavaのMVCモデルに忠実に従って各フレームワーク層 が構成され、データベースを活用したエンタープライズシステム構築に必要な機能を網羅しているからだ。  第2に、ソースコードが公開されている。  「ブラックボックス的要素が多いフレームワークでは、修正しながらブラッシュアップしていくスパイラル型の開発ができません。ソースコードが公開されていることは、より良い開発環境を作っていくための必須条件なのです」と辻村氏は強調する。

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 第3に、OSSとの親和性が高い。intra-martはStruts、Seasar2などは標準で組み込まれており、他のさまざまなOSSも必要に応じて持ってきて組み合わせて利用できる。月桂冠が蓄積してきたWebシステムの技術・ノウハウをそのまま継承して、開発生産性を上げることができる。  第4に、リアルタイム連携モジュールをはじめとして、SAPとのインターフェースが充実している。  そして第5に、Webシステム上に構築したいと思っていたアプリケーションや機能が豊富に揃っ ている。既存のグループウェアを代替可能なスタートパックや経費精算システム、Webメール、ワークフロー機能などが揃っているため、「ERPとWebシステム」からさらに一歩進んで、「ERPとintra-martシステム」という、よりシンプルな構造を作り上げていくことが可能なのだ。

生産ラインとリアルタイムに連携する システムの開発にはOSSを柔軟に活用

 導入3年目に入り、intra-mart上で構築したシステムは6つになった。ラインモニタ、電話帳システム、人事マスタを本人や上司が閲覧する社員エクスプローラ、社員が持っている資格を管理するヒューマンリソース管理、パソコンの資産管理をするリソースデータベース、経費精算システムである。加えて、就業表システムも開発中だ。  数あるシステムの中から、intra-martが生産ラインとつながっているラインモニターシステムを紹介しよう。  従来、生産ラインでは製造量などの情報をPLC※で自動カウントしていたが、この情報をintra-martへリアルタイムに送信するしくみを開発し、生産ラインの今の動きをWebブラウザ上で確認できるシステムを開発した。OSSを使って見やすいグラフ表現を工夫したため、ラインの責任者はこのグラフをひと目見るだけで、今の動きがわかる。工場長は、米国出張中でも、商品別の生産量の変化をリアルタイムに確認できて安心だ。データ分析担当者からも、使い勝手が良いと好評である。  商品データベースでもOSSを活用した。  月桂冠では、商品名、品番、使用酒米、酵母、飲み頃温度など、さまざまな情報を登録した商品データベースをStrutsで作って、社員が臨機応変に活用できるようにしている。さらに配送や販売などの現場では、商品のバーコードを印刷して使いたいという要望が出てきた。そこで、商品番号の数字からバーコードを生成する機能も、OSSを利用してすぐに作ってしまった。  「これまでもOSSを活用しながらJavaで作ってきましたから、intra-martはAPIマニュアルを読むだけで、どんどん使いこなせます」と辻村氏は言う。

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やり方をどんどん変えて革新を 常に行うからこそ長く続く

 当初のねらい通り、intra-martで基盤フレームワークを確立したことで、開発生産性もメンテナン ス性も上がった。  「今までいちいちコーディングしていた機能が、部品を呼び出す1行の記述で済むようになりましたし、システムごとにユーザ管理などの機能を作る必要もありません。プログラムの可読性も上がっており、再利用がどんどん拡大しています」と辻村氏は喜ぶ。  また、全システムへアクセスするパスワードを一本化してシングルサインオンを実現したことで、ユーザの利便性が上がると同時に、セキュリティが強化された効果も大きい。  今後は、全社のグループウェア、メールシステムなどを、可能な限りintra-martで統一していく。商品データベースも、2010年4月にERPがビックバン稼動を開始するときにintra-martのデータベースシステムへ移行して、生産・販売などの基幹システムとの連携を強化する計画だ。  「会社の歴史が長いということは、常に革新してきたということ。仕事のやり方をどんどん変えないと会社は続きません。そして、月桂冠の基本理念『Quality・Creativity・Humanity』は、システ ム作りにも共通しています。利用者が満足できる最高の品質を、常に創造力で追い求めていくこ と。人の力を重視して、システムを丸投げすることなく、社内でチェックする力を蓄えながら、多くの人の英知が結集したOSSもどんどん使っていくこと。こういう革新を継続することが、月桂冠のシステム作りの基本理念なのです」と冨永氏は語った。 ※PLC:Programmable Logic Controller、生産機器やシステムを制御するシーケンサのICチップ

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月桂冠株式会社
本社 京都府京都市伏見区南浜町247番地
設立 1927年(昭和2年)5月15日
資本金 4億9,680万円
売上高 313億6,000万円(2007年度)
社員数 560名(2008年4月1日現在)
概要 日本の最大手酒造。
基本理念「Quality・Creativity・Humanity」のもと、「健をめざし、酒(しゅ)を科学して、快を創る」というコーポレートブランドコンセプトに基づき、アルコールにとらわれない新規事業も開拓・展開。
URL http://www.gekkeikan.co.jp/

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