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日清食品株式会社 様

業種:食品・消費財(アパレル、商品、飲食、耐久消費財、家電、家庭用品) / 業務:財務会計 / 用途:業務ワークフロー

intra-martでERPへの入力用インターフェースを作り込み。フロントシステムの開発でOracle EBSのカスタマイズゼロを実現

1998年、日清食品は、Oracle APPSを使って、財務会計システムを刷新した。ERPパッケージの利用を定着させ、情報発生現場でのデータ入力をスムーズに浸透させるために、intra-martでフロントシステムを開発。使いやすいユーザーインターフェースを思い通りに作り込む一方で、ERP本体へのカスタマイズはゼロにすることに成功した。2005年には、Oracle EBSへのバージョンアップに伴い、intra-martもバージョンアップして、スムーズな会計データ入力とERPのリアルタイムな情報の利用に磨きをかけている。日清食品では、次の課題である内部統制においても、intra-martの積極的な利用を検討している。

リアルタイムな情報活用を目指して ERPを導入

 インスタントラーメンのパイオニア・日清食品が、財務会計システムの再構築を決断したのは、1998年のことである。 「1970年代から利用してきた会計システムは、手組みながらも完成度が高く1986年の現地入力の採用から3日で月次決算をすることができるようになりました。しかしこれからは決算をするだけでなく、管理会計を取り入れて会計情報をいろいろな形で活用していかなければなりません。その点、週次決算を目指す日清食品としては情報の把握や二次利用がしやすいERPは大変に魅力的に感じました」と、財務部 次長 澤井政彦氏は語る。 従来の会計システムは、各モジュールのデータをバッチ処理でつなぐ形態であるためリアルタイムなデータが取れないことなどが最大のネックであった。2000年問題を控えていたこともあり、スピード経営を目指してERP導入に踏み切ったのである。「海外を含めた日清食品グループに向かって率先して変革の意欲を示すためにも、本社がまずERPを導入すべきだと考えたのです」と澤井氏は強調した。

フロントシステムの開発でERP本体の カスタマイズはゼロ

 ERPパッケージとしては柔軟性の高いOracleAPPSを選択した。さらに、Oracle APPSの財務会計モジュールに会計データを入力するフロントシステムを、intra-martで開発したのである。 ERPとは別にフロントシステムを開発したのは、利用者の使い勝手を良くしてシステム更改による混乱を最小限に抑えるためである。 日清食品の会計システムは、従来から情報発生現場での入力を採用しており、20年前としては非常に革新的なこの現場入力のやり方が「3日で決算」を実現する原動力となっていた。 「ただし従来のやり方は、営業所や工場などの経理知識のある事務担当者がいったん伝票をチェックしてから入力するというものでした。ERP導入を契機に、事務担当者のチェックというプロセスをなくし、担当者が直接入力する形へと手順をシンプルにすることにしました。それだけでも入力担当者は抵抗感があるのに、入力画面まで変わったら現場は反発してしまいます。入力担当者になじみやすいフロントシステムで、ERPのショックを和らげる必要がありました」と、財務部 係長服部俊明氏は説明する。 ERPとは独立したフロントシステムを構築することで、思うとおりに入力用ユーザーインターフェースを作り込みつつ、ERP本体に対してはカスタマイズを避けることができる。フロントシステムの採用により、帳票だけは開発したが、他はERPの機能をそのまま利用するという基本方針を貫くことができた。また、従来と同じ入力スタイルを踏襲することで、マニュアルを新たに作ったり、教育に時間をかけたりする手間も最小限にとどめることができたのである。

大切なユーザー認証機能も プログラミングは不要

 フロントシステムをWebで実現したのは、システムのメンテナンスの手間を省くことと、データ保護がねらいである。 「1998年時点で、社内ネットワークはイントラネットになっていましたから、Webシステムにすることは自然な流れでした。Webシステムにすることのリスクよりも、データの安全性を確保できるというメリットのほうが大きかった」と、財務部 大阪情報システム課 係長 末村浩彦氏は言う。情報発生現場でデータ入力する体制は、財務関連情報が全国に散在するというリスクを伴うということに、財務部では以前から気づいていた。Webシステムはサーバーとストレージさえきちんと管理すれば、セキュリティを確保することができる。これは、その後の内部統制の流れを先取りする発想でもあった。 しかも、intra-martを使ったことで、開発はスムーズだった。 「1998年当時、Webシステムはゼロから組み上げるものでした。ところがintra-martのフレームワークには、サーバーの起動、再起動、メニュー管理、ユーザー管理など、必須の基本機能がそろっているため、開発生産性が上がりました。経理データであるだけに認証機能は特に大切なポイントですが、この部分をまったく作り込まなくて済んだので、大変に助かりました」と末村氏は言う。 当時は消費税が外税方式であったため、経費データの入力は気を使う煩雑な作業だった。そこで、誤った入力にはエラーメッセージを出し、金額訂正もわかりやすく操作でき、勘定科目などもメニュー選択すれば済むように、画面にさまざまな入力支援機能を組み込んだのである。 「今では、ERPのフロントシステムをWebベースで開発することは決して珍しくありませんが、稼動を開始した1999年は、いろいろな苦労がありました」と澤井氏は当時を振り返る。初めて自分で自分の経費を入力することになった社員からの問い合わせの電話が鳴り響き、各事業所とのネットワーク回線はまだ細かったため、レスポンスにクレームもついた。「けれども、チャレンジだからこそ、やらなければならないと思ったのです。今まで通りにやっていくことは楽なことですが、数年後を見据えて変わっていくことが重要です。『どうせやるのなら、他がやっていない新しいことをやろう』という心意気は、日清食品の社風でもあります」と澤井氏は言う。 その後、Oracle EBSへのバージョンアップに伴い、intra-martもVersion 1.xからVersion 4.3へとバージョンアップを行うとともに、入力チェックの機能などの追加開発も行った。バージョンアップは2005年8月に無事完了し、現在では社員全員が使う身近なシステムとして安定稼動を続けている。

内部統制強化のシステム開発でも intra-martに期待

 intra-martによって利用が定着したERPの導入効果について澤井氏は、「財務会計は従来と同等の『3日決算』を実現できたうえに、管理会計の機能を加えることができました」と評価する。経営戦略の見直しなどに伴い、経理関連の情報がほしいときにはすぐに必要なデータを抽出することができる。営業部門は、問題点をみつけてより詳細に原因を突き止めていくドリルダウンも容易にでき、営業戦略を立てるときの仮説検証にも活用している。 次の課題は、日本版SOX法への対応と内部統制の強化である。 「財務会計のほうは当面、手を加える予定はありません。3日の決算を1日に短縮することで、リスクコントロールがおろそかになるのなら意味がないからです。いま、コンプライアンスの観点からどのような統制が必要であるかを洗い出しています。承認系のワークフローや帳票の電子化、ペーパーレス化も積極的に検討していきます。intra-martのワークフローをはじめ、内部統制に役立つ機能は積極的に活用していきたい」と澤井氏は言う。スピード経営を促進する役割を果たしたintramartには、今後、企業価値向上への貢献も期待されているのである。

日清食品株式会社
本社 大阪市淀川区西中島4丁目1番1号
設立 1948年9月
資本金 251億2,200万円
売上高 2,440億6,300万円(2006年3月期、単独)
社員数 1,411名
概要 世界初のインスタントラーメンを開発した安藤百福(ももふく)氏が創業。現在、インスタントラーメン業界で国内トップ。2005年7月に打ち上げられたスペースシャトルに搭載した世界初の宇宙食ラーメン「Space Ram」も開発。
URL http://www.nissinfoods.co.jp/

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